87 / 227
第五章 和平会談
17 愛称 ※
しおりを挟む「んはっ……ぐ、うう……っ」
「苦しいか? もうそろそろやめておこうか」
「だい、じょぶだっ。もうちょっと……もうちょっとだけ」
と言いながら、リョウマの息はすっかり上がっている。「こちらの姿勢の方が楽なはずだから」と言われて四つん這いになり、尻を魔王に突き出した格好で、後ろに魔王の指を突き入れられた状態だ。
指を一本から二本に増やされたころから、だいぶ苦しくなってきた。なにしろ魔王の指は太い。体が大きいのだから当たり前なのだが、それがせめて三本にならなければ本番はつらいのだという。
本来、魔法のない者がするときにはジェルやオイルといった便利な道具をいろいろと使うらしいが、ここには何もない。そのため、魔王の魔法が大変便利だということを実感する羽目になった。
まず、秘部を清潔にするのは一瞬で済んだ。それに、本来勝手に濡れてきたりしない場所を適度に濡らし、ぬめりを持たせることまで、至れり尽くせり状態だった。
「ん、あ……っ、あ?」
と、今までとは明らかに違う、濡れた柔らかい肉がぐちゅりと秘部に挿入されてきて、リョウマは焦った。
まさかとは思ったが、そのまさかだった。魔王がその場所から指を抜きさり、穴の周囲にキスを落として舌を差し込んできたのだ。
「あ、ちょっ……やめっ、だめだ、やめええっ」
「いいではないか。私がこうしたいのだ」
そんな場所でしゃべるな、と思ったが魔王はそのまま行為を続けている。ぐちゅ、ちゅぷっといやらしい音が耳に届き、ますます体の熱が上がった。
「ら、らめっ……き、きたねえ、だろっ」
「汚くなどない。ちゃんと先ほど清潔にしたではないか」
「そっ、そそ、そーゆーことじゃねえええっ」
羞恥で全身が爆発しそうである。
「や、あんっ……あ、あんっだ、ダメえっ……あひっ!」
魔王の長い舌の先が、つん、とあの場所をつつくたび、リョウマの腰が否応なく跳ねた。魔王は少し指も突き入れると、指と舌で念入りに穴の周りとその奥を慣れさせていく。
「ひい、ひいんっ……や、ああん、あ、ああんっ……!」
恐らく唾液に含まれる《魔素》が効いてもいるのだろう。腰全体にずんずん欲望の重みが積み重なり、腹の奥でぐるぐると渦巻き始める。
もっと、もっと突いてほしい。
本当はもっと、硬くて重くて熱いモノで──
本能がとんでもないことを欲求しているのをどこかで感じながらも、もうリョウマは開けっ放しの口から変な声をあげるしかできなかった。
指が届く範囲の最奥の場所まで、しっかりと魔王の体液に湿らされて、腰が疼いてたまらない。無意識に自分で前のモノを扱こうとしたら、魔王の手に止められた。代わりに、そのまま扱かれる。
最初はゆっくりと。それが次第に早くなっていく。
「あ、ああ、あはあっ……いいっ……!」
イイ。めちゃくちゃに悦かった。
リョウマは無我夢中で腰を振った。
「あ、ああ、まおっ……あんぅ……ううっ、うふうっ!」
ぷしゅっと音を立てて、リョウマの欲望が放射されていく。腰の中に溜まっていた重いそれが放出されるときの、恍惚にも似た快楽。リョウマはしばらくそれに酔った。
背後にいる魔王も、熱い吐息が少し早くなっている。
「……悦かったようだな。なによりだ」
「はあ、はあ……」
でも、と後ろをそっと見たら、魔王は思っていた以上に満足した表情をしていた。
「でも。あんたは──」
「いいのだ。どのみち、ここで最後までは無理だからな」
「そんな……」
「準備だけでいいのだ、リョウマ」
言いながら、魔王はリョウマの体をひょいと抱き上げて自分の膝に乗せた。そのまま額に、頬に、首筋に口づけを落としてくれる。
「私は可愛いそなたを堪能した。とても素敵な夜だった。今はこれでよい」
「エルケニヒ……」
リョウマは魔王の首に腕を回し、自分からその唇に吸い付いた。魔王がそれに甘く、深く応えてくれる。
「良ければ今後は『エル』と呼んでくれ」
「エ、エル……?」
「そなただけに許す呼び名だ。……いいだろう?」
「う。……い、いっけど……」
(どうしたんだろ。なんか……変だ)
いや、気のせいかもしれない。
今夜の魔王は、なんとなく変な気がする。いつもはもっともっと「俺様」で攻める気満々な気がするのに。今夜はどこか、寂しそうというか、悲しそうというか……どうしてもそんな気がしてしまうのだ。
なぜかはわからない。
たぶん、訊いても答えてはくれないだろう。こいつはそういうヤツだから。
「ありがとう、リョウマ。そろそろ休んだほうがいい」
「ええ……。もう、終わるのかよ」
「そのほうがいい。これ以上は、外で聞かされているダンパが気の毒でもあるしな」
「あ。……そ、そっか」
急に、外でまんじりともせずこの一連の自分たちの行為を聞かされているダンパのことを思い出して恥ずかしくなった。確かに気の毒だ。気の毒がすぎる。
魔王は手早く周囲をきれいにすると、リョウマに元通りに夜着を着せ、ともに布団の中に入った。「そなたが眠るまではそばにいる」と言って。
大きな魔王の胸の中に、普通の体格の男であるリョウマの体がすっぽりと入ってしまう。そのままお互いに抱き合いながら眠りについた。
「おやすみ。リョウマ」
「おやすみ、エルケニ……エル」
ふ、と魔王がリョウマの額のすぐ近くで笑った。
あたたかい。ひどく安心する。
こいつとこんな風になるなんて、ちょっと前には考えすらしなかったのに。
本当はすぐに眠ってしまわずに、もっと魔王と話をしようと思っていた。それなのに、しょうのないリョウマの目はあっという間に重くなって閉じてしまい、すぐに眠気が襲ってきて、急速に意識が遠のいていった。
0
あなたにおすすめの小説
竜の生贄になった僕だけど、甘やかされて幸せすぎっ!【完結】
ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
小学生のゲーム攻略相談にのっていたつもりだったのに、小学生じゃなく異世界の王子さま(イケメン)でした(涙)
九重
BL
大学院修了の年になったが就職できない今どきの学生 坂上 由(ゆう) 男 24歳。
半引きこもり状態となりネットに逃げた彼が見つけたのは【よろず相談サイト】という相談サイトだった。
そこで出会ったアディという小学生? の相談に乗っている間に、由はとんでもない状態に引きずり込まれていく。
これは、知らない間に異世界の国家育成にかかわり、あげく異世界に召喚され、そこで様々な国家の問題に突っ込みたくない足を突っ込み、思いもよらぬ『好意』を得てしまった男の奮闘記である。
注:主人公は女の子が大好きです。それが苦手な方はバックしてください。
*ずいぶん前に、他サイトで公開していた作品の再掲載です。(当時のタイトル「よろず相談サイト」)
オメガ転生。
桜
BL
残業三昧でヘトヘトになりながらの帰宅途中。乗り合わせたバスがまさかのトンネル内の火災事故に遭ってしまう。
そして…………
気がつけば、男児の姿に…
双子の妹は、まさかの悪役令嬢?それって一家破滅フラグだよね!
破滅回避の奮闘劇の幕開けだ!!
【完結】ネクラ実況者、人気配信者に狙われる
ちょんす
BL
自分の居場所がほしくて始めたゲーム実況。けれど、現実は甘くない。再生数は伸びず、コメントもほとんどつかない。いつしか実況は、夢を叶える手段ではなく、自分の無価値さを突きつける“鏡”のようになっていた。
そんなある日、届いた一通のDM。送信者の名前は、俺が心から尊敬している大人気実況者「桐山キリト」。まさかと思いながらも、なりすましだと決めつけて無視しようとした。……でも、その相手は、本物だった。
「一緒にコラボ配信、しない?」
顔も知らない。会ったこともない。でも、画面の向こうから届いた言葉が、少しずつ、俺の心を変えていく。
これは、ネクラ実況者と人気配信者の、すれ違いとまっすぐな好意が交差する、ネット発ラブストーリー。
※プロットや構成をAIに相談しながら制作しています。執筆・仕上げはすべて自分で行っています。
[BL]憧れだった初恋相手と偶然再会したら、速攻で抱かれてしまった
ざびえる
BL
エリートリーマン×平凡リーマン
モデル事務所で
メンズモデルのマネージャーをしている牧野 亮(まきの りょう) 25才
中学時代の初恋相手
高瀬 優璃 (たかせ ゆうり)が
突然現れ、再会した初日に強引に抱かれてしまう。
昔、優璃に嫌われていたとばかり思っていた亮は優璃の本当の気持ちに気付いていき…
夏にピッタリな青春ラブストーリー💕
不幸体質っすけど、大好きなボス達とずっと一緒にいられるよう頑張るっす!
タッター
BL
ボスは悲しく一人閉じ込められていた俺を助け、たくさんの仲間達に出会わせてくれた俺の大切な人だ。
自分だけでなく、他者にまでその不幸を撒き散らすような体質を持つ厄病神な俺を、みんな側に置いてくれて仲間だと笑顔を向けてくれる。とても毎日が楽しい。ずっとずっとみんなと一緒にいたい。
――だから俺はそれ以上を求めない。不幸は幸せが好きだから。この幸せが崩れてしまわないためにも。
そうやって俺は今日も仲間達――家族達の、そして大好きなボスの役に立てるように――
「頑張るっす!! ……から置いてかないで下さいっす!! 寂しいっすよ!!」
「無理。邪魔」
「ガーン!」
とした日常の中で俺達は美少年君を助けた。
「……その子、生きてるっすか?」
「……ああ」
◆◆◆
溺愛攻め
×
明るいが不幸体質を持つが故に想いを受け入れることが怖く、役に立てなければ捨てられるかもと内心怯えている受け
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる