墜落レッド ~戦隊レッドは魔王さまに愛でられる~

るなかふぇ

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第四章 勇者の村

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「そろそろこちらもたまらなくなっていよう。……どうする?」
「はあ……あ、ど、どうするって──」

 思わず、みっともなく勃ちあがっている自分のそれを見下ろした。
 こらえ性のないそれは、主人の意思など無関係に「さあ、欲望を放出させろ。いますぐさせろ」とリョウマに要求してきている。

「あ……も、ダメだ。放せっ」
「イヤだ」
「っ……あ、あんたなあっ」
「実は私も似たようなものだ。……ほら」
「え……あっ」

 魔王の手がリョウマの手首を握り、そこへと導いた。そこにもまた、布地を押し上げている大きな質量が存在するのがすぐにわかった。ただし、大きさはリョウマのものの比ではなかったが。
 こんなに大きくしていてさえ、魔王はさほど吐息を乱している様子もない。ここが経験の差というものなのか。すでにかなり理性を飛ばしかかっている自分とはまったく違う。
 リョウマは思わず唇を噛みしめた。

(こんなん余裕ですってか。くっそ、腹立つ……!)

「怒ったのか? すまぬ。そんなつもりはないのだ」
「ウソつけよっ。いいから放せ。もう終わり! 終わりだっ」
「だから、イヤだと申している」
「こンのやろおおおっ」

 拳でドコッと胸を突いてやったのに、魔王の体はびくともしなかった。それどころか、勝手にリョウマの帯を解き、ほとんど半裸の姿にされてしまう。

「あっ。なにすんだこのやろっ」

 片手でリョウマをつかまえたまま、もう片方の手でさっさと自分の衣も解いている。そればかりではない。お互い、その下に穿いている下着の下穿きまで、ぐいとずり下ろされてしまった。

「わあっ……!? ちょ、おまっ……」

 自分のモノと魔王のモノ。おこりたった互いのそれが、今はじめてつらを突き合わせた瞬間だった。
 自分のそれはすでに先端から透明な前触れを滲み出させており、ふるふると震えている。対する魔王の怒張は脈打つ血管も太く浮き出た非常に立派なシロモノだった。
 びっくりするやら呆れるやら、少し羞恥を感じるやら。リョウマの感情は忙しい。その感情すら、体の要求に押し負けて隅へ押しやられ気味ではあるが。

「ちょま、何すんっ……ああっ!」

 と、ぎゅむ、と互いのそれを合わせて握りこまれた。と同時にまた唇を塞がれる。

「んむ……む、んんうっ」

 魔王の腰が上下に動くと同時に、握りこんだ手が絶妙にふたつのものを擦り合わせてくる。間に挟みこまれた指も巧みにうごめいて、的確にリョウマのそれの快感を拾ってくる。

「んふっ、ん、んんっ……あ、ああ、やっ……!」

 こんなの、刺激が強すぎる。童貞の自分には、とても耐えられるはずがなかった。
 リョウマは背中をけ反らせ、濡れた胸の尖りを魔王に突き出すような恰好で激しく喘いだ。目の前がちかちかする。ただただ、腰から生まれてくる欲望の波に翻弄される。腰が勝手に揺れているのにもまったく気づかなかった。

「あは、あんっ……あ、ああんっ」
「ああ……可愛いぞ、リョウマ」
「あ、ああっ……ああ、んあああっ」

 腰の中に重く溜まっていた欲望の塊が破裂しそうなほどに膨らんでいく。
 たまらない。出したい。今すぐ。

「や、……やぁだ、あ、ああっ……」

 自分が今、どんなにだらしない顔で喘いでいるかなんてもうどうでもよかった。涙がにじみ、開けっ放しの口から舌を突き出してひたすら奇妙な啼き声をあげるだけの生き物。それがたぶん、今の自分だ。
 前は一度せき止められてもっと泣いたのだったが、今度は魔王も意地悪はしなかった。思う存分リョウマを下から突き上げるように動かし、前はもっと激しく刺激を与えていきつつ、自分も共に果てようとしているようだった。

「ああ、リョウマ……っ」
「あ、ひああ、んひいっ……!」

 絶頂がきた。
 目の前が真っ白になって、それから黒く遠ざかった。
 最後に遠くでぽつりと魔王の声が聞こえた気がした。
 いや、それはリョウマの秘めた望みが具現化した、ただの「空耳」であったのかもしれない。いや、多分そうだ。
 だってそれは、こんな信じられない言葉だったから。


 ──「愛してる」。


 いや、きっと空耳だ。空耳に決まっている。
 あの魔王が、それも他ならぬ自分に対して、そんなセリフを吐くはずがないのだから──。
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