ルサルカ・プリンツ 外伝《瑠璃の玉響》

るなかふぇ

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終章 柔らかな未来へ

3 口淫 ※

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「あ……っは、あ、ああっ……」

 藍鉄の愛撫は丁寧で、ひどく優しかった。
 まさかそんなことはないだろうけれど、もしや肌のどこにも忘れた部分がないようにしているのかと思うほど、ありとあらゆる場所に接吻された。
 首にも、胸にも。腕にも、足にも。
 腹にも、さらにその下の部分にも。

「やっ……あ、あ、あいてつ……やっ」

 瑠璃の足の間のものは、とっくに赤く染まって天井を向いている。だというのに、男はまだほとんどそこには触れてくれず、そのすぐそばの足の付け根やら、臍の下やらに舌を這わせているのだった。
 胸の尖りを口に含まれ、何度も何度も舐められる。吸われる。また、軽く歯を立てられる。そのたびに、瑠璃の腰はいちいち跳ねた。
 瑠璃自身の先端はぷつりぷつりと欲望の先走りを滲ませている。藍鉄の指先は時おりその雫をくちゅりと掬い取って、その下の袋、さらにその下の秘められた場所に塗りつけている。
 立てた両膝ががくがく動くのを、自分の意思ではどうにもできない。

「あふ……っん、や、……ああ」

 いやだ。
 もういやだ。
 はやく、に触れてほしい。


 瑠璃の誘惑に遂に陥落してくれたらしい男は、その後すぐに瑠璃をバスルームへ連れて行った。
 男同士での行為には、色々とが要るらしい。御所や離宮の湯殿にも同じような設備はあったけれども、こちらはもう少し簡易な設備のようだった。
 シャワーとは別に、もっと細くて先の丸いノズルのついた管が壁から取り出せるようになっている。それを使って、藍鉄はごく手早く瑠璃のそこを綺麗にしてくれたのだ。
 すぐに挿入すると入り口を傷めることがあるため、付属している粘り気のあるジェル状のものをそこに塗りつけてからだった。
 人工物がそこに入れられるという経験は、初めてだった。
「ふあっ! あ……」
 異物感が半端ない。固いが冷たくはない何かが、ぬるりと自分の中に侵入してきて、瑠璃は体を固くした。
「すぐに済みまする。少しだけ、我慢してくださいませ」
 そう言われて、ぶんぶん首を縦にふるしかできない。
 男の肩にしがみついたまますべてを任せていただけなのに、瑠璃はそれだけでもうすっかり足が立たなくなった。
 藍鉄はこともなげに彼を抱き上げて寝室へ戻った。一旦ソファへ彼をおろし、ベッドに手早く新しいシーツを敷いてから、あらためて瑠璃をそこへ寝かせた。
 ──そして、今に至る。


「やだっ……あいてつ、もうやっ……! もう、痛いいっ……!」

 思わず自分のそこを握り、涙目でそう訴えると、男は瑠璃のくるぶしあたりを愛撫していた唇を離してこちらを見た。その目にも、明らかな欲望の灯がともっている。
 男はぐいと上体を伸ばすと、瑠璃の手をどけさせてそこをべろりと舐め上げた。

「ひあっ……!」

 ぞくんっと背中がる。
 先端を舌先でちろちろと舐められ、裏筋を丁寧に舐め上げられて腰が勝手に動いてしまう。羞恥の極みだが、とてもそれに構っていられない。瑠璃は片手で自分の顔を隠したまま、必死に漏れ出る声を堪えようとした。
 と、その手をぐいとどけられた。

「なりません」
 手首にもまた口づけを落とされる。
「どうか、唇を噛みしめぬよう。傷つきまする」
 言って、唇にもまた優しい接吻をくれた。
「だ……だあ、って──」
 だって、放っておいたら恥ずかしい声がもっともっと出てしまう。
「……ずっと聞きたかったのです。どうか、お聞かせくださいませ」
「ええっ……?」

 何を言っているのだろう、この男。
 欲望に翻弄されて、うまく思考が回らない。
 回らないのはそこだけでなく、舌もどんどん回らなくなってきている。

「やっ……やら、は、ずかし──」
 泣き出しそうになりながら訴えるが、藍鉄は「なりませぬ」と、さらに熱く舌を絡ませてくるだけだった。
「んんんっ……」
 両腕で顔を隠して首を左右に振る。
 が、次の瞬間、足の間のそれがぬぷっと熱い肉の感触に包まれた。

「はうっ……!」

 びっくりして見下ろせば、なんとあの藍鉄が、瑠璃のものをぐっぷりと口に咥えこんでいるところだった。
 瑠璃は悲鳴をあげた。

「やあっ……あ! そんな、したらっ……!」

 藍鉄は構わず、ぐぽぐぽと頬裏と喉のほうまで使って瑠璃のそれを愛撫してくる。
 逞しい顎の男の口は大きくて、瑠璃のものなど簡単に咥えこまれてしまう。全体を圧力をかけて吸い上げられたかと思うと、頬裏でごりごりとこすられる。
 たまらない。
 たまらなすぎた。
 瑠璃の腰が、またさらに獣のように、勝手に上下し始める。

「いひゃっ……あ、あんっ、あんっ……!」

 もうすでに、自分でも何を言っているのかわからない。
 口なんてすっかり開けっぱなしで、涎とともにみっともなく淫靡な声が山ほど飛び出ているのはわかっていたが、それもどうしようもなかった。

「ひいいっ……!」

 その瞬間、藍鉄の大きな肩を両足で挟み込んだ。ぎゅっと足の指が縮む。
 途端、熱い欲望の証が勢いよく藍鉄の口の中に放たれた。
 
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