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新たな交流
しおりを挟むガツガツ ガツガツガツ ペロッペロッ
「ガルルルルゥ、ガウッ」
別にちんこをガッつかれて舐められてた訳じゃない。別に犬が怖かった訳でもない。後ろを向いた途端に襲って来られるのを警戒した訳でもない。
これぞないない3拍子。
……
出来る事はやってみる。そして反応を確かめる。そんな検証は好きなんです。そして犬も好きなんです。だからやってみた。
もふもふが嫌いな人が居て?
俺ゴブリンだった。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
実は匂いをたどられる心配もあって、少しでも印象を良くしてから離れようなんて魂胆があったのは内緒だ。
「そうか。美味しかったか。いい笑顔だな。まだあるぞ。食べるか?」
「ガウッ!」
「そうかそうか。じゃあ、待ってろよ。追加で出してやるからな」
「ガウッ!」
いいお返事だ。コボルトの方は、今もずっとお座りの体勢で待機中。正直、めちゃくちゃ可愛いぜ。
俺の方は、一応怖がらせないように、ゆっくりコンビニから回収して来た缶詰を出す。
爪強化のお陰で、指を使わなくとも簡単に爪だけで開けられる。人間には出来ない芸当だろう。最初はちょっとドキドキしたのは内緒だ。
プシュッ
急いで回収したから選別できなかったのが良かった。色んな缶詰類、中にはペット用なんてのもあったりして、それを紙皿に出してやってます。これで2つ目だ。
あっ。さっきの猫缶だったんだ。やっちまったな。まあいいか。意識をしっかり向けられなかったし、それでも旨そうに食ってたしな。それに特に変化もなさそうだ。良かったな。
「ほら。お食べ」
「ガウッ!」
ガツガツガツ ガツガツガツ
ナニも躾てないのに、しっかり待ても出来る。直ぐにも食べたそうな雰囲気だったのに。なかなか賢いのかも。犬だから?
それにしてもよく食べる事で。俺達とは違って、コボルトは食欲があるんだな。この匂いにやられたんだろうか。犬まっしぐら。やるな。
体力が落ちてたのかも。それも分からんな。まあいいぜ。
大丈夫そうだな。犬用だけど、さっきのは猫用だったけど、魔物なら簡単には腹に来ないだろう。俺はそう願う。コボルトだしな。
二足歩行だったけど、食べる時は犬みたいに食べるのか。俺が紙皿に盛って下に置いたからか? おいたしちまったか? まあいいか。なんでもありだよな。俺がゴブリンになっちまった位だし。ぎゃっぎゃっぎゃっ。
そう。今回は、餌付けも出来ないか試してみた結果がこれだった。まだモフらせてもらってはいない。食べてる時は要注意? 犬に依っては怒る奴も居るだろう。飼ってもないしな。
だから今は堪えるのだ。その毛並み。臭さも感じないから大丈夫だと思うけど、ブラッシングもしてやりたいぜ。
雌の部屋にあったはずだから、後で回収しておこう。人間用で気持ち良くなってくれるかは謎だが、多分色んなタイプのブラシはあると思うから大丈夫だろう。
なんならドラッグストアとか襲撃してもいいしな。ぎゃっぎゃっぎゃっ。待ってろよ。
結構、ナニかに警戒はしていたが、俺の匂いで分かったのかもしれないが、臭くて寄って来れなかったという訳ではなかったようだ。臭いはずなのにな。犬なら尚更に。
それだけ腹が減ってたのかもな。それとも魔物にはこの臭さも影響しないとかかもな。だったらいいな。これ、希望的観測。
最初は、犬缶だと思って開けた缶詰を差し出して、匂いが届くようにゴブリンブラストを使ってやったらトントン拍子。豚じゃなくて犬だけど。
魔法って便利だな。離れてればこんな活用も出来たんだ。これからも色々検証して行こうと思ったぜ。ありがとな。
最初はやっぱりお互いに警戒したけど、直ぐにその場に紙皿を出して、缶詰の中身を広げてやったらイチコロだった。殺してないけど、旨い匂いには抗えなかったようだ。所詮は畜生だしな。魔物だった。
俺を襲ってから食べるっていう選択肢もあったと思うけど、今更それもあったかもとも思うけど、そうはならなかった。目が戦う目じゃなかった。これも俺の願望だったかもしれないが。
犬好きに限らず、ペット好きなら分かってくれると思う。飼い主の優しい気持ちは、相手の方にも伝わってるはずだと思い込んでる派。それが、俺。今はゴブリンなのにな。
で。2つ目も完食。はえーな。おい。どんだけ腹減らしてたんだっつー話。それで気が立ってたのかな。立ってる? ちんこは付いてんのかな。俺より大きかったらショックだな。
でも、こいつも腰布一丁だけど、歩いて来る時には見えなかったし、今も見えないな。棒状のナニかが。
胸は丸出しだけど、もふもふがふさふさしてて確認し難いけど、それ程発達はしてなさそうだな。揉んでみないと分からんが、また固かったショックだし、犬に興味なし。
いい塩梅に柔らかくてフィットしたらそこだけは別かもしれないけど、まあいいか。俺には天使が居るしな。やるとしても人間の雌だろう。かわいこちゃんでお試しはしたいしな。
「ガウッ!」
「おっ。どうした。嬉しそうに尻尾を振っちゃって。満足したか? それだけ旨かったって事か?」
「ガウッ! ガウッ!」
くっ。目が犬じゃん。顔も犬だけど。体もか。ただ二足歩行できる大きめの犬。って感じ。かなりワイルドだけど。
潤んだ瞳が愛らしい。立ち上がらないから余計に犬っぽい。やべー。これ。天使に続いて愛犬ゲットか?
でも、言葉は全然通じないし、雰囲気だけなんだよな。それはペットも同じか。ぎゃっぎゃっぎゃっ。なら、いいか。こんな世界だし、なんでもありって事でいいだろう。蟻じゃない。
「頭を撫でてもいいか? 痛くはしないから安心してくれ」
「……ガウ?」
くっ。そんな声出して頭を傾けるんじゃねえ。可愛過ぎるやろっ!
あかん。手が抑えられない!
撫で撫で 撫で撫で
お座りしたまま大人しくゴブリンに頭を撫でられるコボルトの図。
最初は優しく。出来るだけソフトに。嫌がられないように慎重に。一方向にだけ撫でるのです。どうだ!
「ガウ~」
「おおぉ。気持ちいいか? いい子だなあ。なかなか整った毛並みも見事だな。これはいいな。うんうん」
つい、心の叫びを声に出してしまった。目を閉じて俺の撫で撫でを受け入れてくれるわんちゃん。コボルトだけど。最早、犬でいいだろう。犬にしか見えないし。
実際に二足歩行する犬も居るしな。デフォルトが四足か二足かの違いだな。うん。それも悪くない。
もう1度問おう。
もふもふが嫌いなゴブリンが居て?
居るかもな。
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