57 / 72
第11章 岩橋千塚と常世の仙果。龍追う人と幻の南葵楽譜
南葵楽譜と音色の結界
しおりを挟む
「コンサートって……あのコンサート?ですか?」
差し出されたチケットを前に、きょとんとしたわたしはまた阿呆のような質問を繰り出す。
「そっ。ええですよお。野外で聴くクラシック。紀伊といえば音楽、音楽といえば紀伊やさかい」
初めて聞くようなことをにこにこしながら嬉しそうに語るのは、久々のオサカベさんだ。
いつものようにふらりとcafe暦にやってきて、唐突にわたしとユラさんの分のコンサートチケットをくれたのだ。
で、これが普通の音楽会ならよかったのだけれど。
「"音楽の殿様"と呼ばれた紀州徳川家16代、徳川頼貞公。そう、頼江課長のひいおじいさんなんよ。大の西洋音楽好きやった頼貞公はヨーロッパに渡って多くの作曲家と交流し、膨大な楽譜や文献を持ち帰らはった。それで徳川家の財産を使い尽くしたっていわれてるけど、ほんまは紀伊の結界強化に音楽を利用する研究をしてたんよ。ほら、山伏も法螺鳴らしたり、音で魔を祓うっていう習俗ありますやん。それを西洋音楽で応用しようとしはったんやね」
立て板に水、といった具合でうれしそうにしゃべるオサカベさんに、ユラさんが注文のコーヒーを渡した。
目がもうぼんやりしていて、ほとんどこの話を聞く気はないぞという意思みたいなものを感じる。
けれどわたしにとっては初めて知ることばかりで、とっても興味深い話題だ。
その後延々と続いたオサカベさんの話をまとめるとだいたい以下の通りになる。
頼貞公がかつて東京の自邸に設けた音楽関係の私設図書館"南葵文庫"。
それは以後東京大学に寄贈され、コレクションの一部は読売日本交響楽団の所蔵を経て和歌山県に寄託。
2017年から、和歌山県立図書館にて"南葵音楽文庫"として一般公開されている。
もちろん歴史文化のうえでも大変に貴重なものなのだけど、そのうちのいくつかは魔を退けて結界を強める、いわば対あやかしのための曲として作られたのだという。
今回その頼貞公秘蔵の曲を野外コンサートの形で披露し、紀伊再地鎮計画の一端を担おうというのが大筋だ。
コンサート会場は、和歌山市の"岩橋千塚古墳群"。
紀伊の豪族である紀氏の墓とも考えられている古墳時代後期の群集墳で、総数800基超にも及ぶ国内最大級の古墳群だ。
国の特別史跡に指定されているこの遺跡は、まさしく紀伊のネクロポリスと呼ぶにふさわしい。
そんなすごい場所で歴史的にも貴重な楽譜による演奏がされ、しかもそれが結界の機能も果たすなんて。
「ねえねえユラさん、すごいですね!ぜひ行きましょうね!」
すっかり興奮してアハハウフフとオサカベさんと盛り上がっていたわたしは、元気よくユラさんにそう言った。
けれど彼女は、
「そうやねえ」
と明らかに気乗りしない様子でため息をつくのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……で、ここがステージの置かれる岩橋千塚古墳群。資料館もあって、全体で"紀伊風土記の丘"っていう博物館施設になってるんよ。そして、ここの結界となって守ってるんが、地元では"三社"って呼ばれる3つの神社」
和歌山市の地図を前に、ユラさんが立地の説明をしてくれている。
紀ノ川の河口近くにあるこれらは、こうしてみると海からさほど遠くない位置に集中していることがわかる。
古墳群を中心に丁度Lの時を描くように鎮座する3つの神社、すなわち「日前宮」「竈山神社」「伊太祁曽神社」だ。
これらは神話時代に遡る非常に古い神社で、それぞれに高い神格をもっている。
日前宮は境内に日前神宮と國懸神宮という2つの神社があり、伊勢神宮の御神体である八咫鏡に先立って鋳造されたという鏡を祀っている。
竈山神社は神武天皇の長兄である五瀬命、伊太祁曽神社は日本書紀で全国に木を植えて廻ったと記される五十猛をそれぞれ主祭神とし、まさしくこの地が神話と直接関わることを示している。
「和歌山市とかその近くの人らは"三社参り"とかって、初詣でぜんぶ巡ったりするらしんよ。で、この神社さんだけでも強力な結界になってるんやけど、特に岩橋千塚を直接守護してるんが裏三社神人……通称"裏三社"っていう結界守なんよ」
なるほど。そういえば学生の頃、日本中世史の講義で"神人"という語を耳にした。
中世では武装勢力としても機能し、寺院の僧兵に比した文脈でも語られていた。
これを聞くと歴史好きが高じて教師になったわたしはわくわくしてしまうのだけど、ユラさんがずっと乗り気じゃなさそうなのはこの辺りの事情が関係していた。
「この裏三社の当代が私ちょっと苦手なんよ……。日前さんなんかはいわばアマテラスより古いともいえるさかい、"真の零神宮"やって。ほいでうちとこの神社にすごい張り合ってくるんよ。いや、表の三社さんとは仲良しなんよ。あくまで裏三社の結界守との話なんやけど……」
なんかすごい意外だ。ユラさんも苦手なタイプっているんだ。
この人にここまで言わせるなんて、裏三社の結界守とはいったいどんな人物なんだろう。
ちょっと無責任とは思いつつ、それでもわたしは興味の方を抑えきれずにいるのだった。
「これはこれはゼロ神宮さん。紀伊の端からようお参りやねえ」
コンサート当日、自席を探していたユラさんはさっそく噂のその人に捕まってしまった。
「紀伊の端からようお参り」って以前に裏高野の管長さんにも言われたような気がする。
ツンとした声に振り返ったわたしは、思わず息を飲んだ。
鮮やかなブルーのドレスに白いボレロをまとったその人は、ユラさんに負けず劣らずクールな美人だった。
そして手には、バイオリンと思しき楽器のケースを提げている。
これが当代の裏三社結界守、"鵜飼琉璃"さんとの出会いだった。
差し出されたチケットを前に、きょとんとしたわたしはまた阿呆のような質問を繰り出す。
「そっ。ええですよお。野外で聴くクラシック。紀伊といえば音楽、音楽といえば紀伊やさかい」
初めて聞くようなことをにこにこしながら嬉しそうに語るのは、久々のオサカベさんだ。
いつものようにふらりとcafe暦にやってきて、唐突にわたしとユラさんの分のコンサートチケットをくれたのだ。
で、これが普通の音楽会ならよかったのだけれど。
「"音楽の殿様"と呼ばれた紀州徳川家16代、徳川頼貞公。そう、頼江課長のひいおじいさんなんよ。大の西洋音楽好きやった頼貞公はヨーロッパに渡って多くの作曲家と交流し、膨大な楽譜や文献を持ち帰らはった。それで徳川家の財産を使い尽くしたっていわれてるけど、ほんまは紀伊の結界強化に音楽を利用する研究をしてたんよ。ほら、山伏も法螺鳴らしたり、音で魔を祓うっていう習俗ありますやん。それを西洋音楽で応用しようとしはったんやね」
立て板に水、といった具合でうれしそうにしゃべるオサカベさんに、ユラさんが注文のコーヒーを渡した。
目がもうぼんやりしていて、ほとんどこの話を聞く気はないぞという意思みたいなものを感じる。
けれどわたしにとっては初めて知ることばかりで、とっても興味深い話題だ。
その後延々と続いたオサカベさんの話をまとめるとだいたい以下の通りになる。
頼貞公がかつて東京の自邸に設けた音楽関係の私設図書館"南葵文庫"。
それは以後東京大学に寄贈され、コレクションの一部は読売日本交響楽団の所蔵を経て和歌山県に寄託。
2017年から、和歌山県立図書館にて"南葵音楽文庫"として一般公開されている。
もちろん歴史文化のうえでも大変に貴重なものなのだけど、そのうちのいくつかは魔を退けて結界を強める、いわば対あやかしのための曲として作られたのだという。
今回その頼貞公秘蔵の曲を野外コンサートの形で披露し、紀伊再地鎮計画の一端を担おうというのが大筋だ。
コンサート会場は、和歌山市の"岩橋千塚古墳群"。
紀伊の豪族である紀氏の墓とも考えられている古墳時代後期の群集墳で、総数800基超にも及ぶ国内最大級の古墳群だ。
国の特別史跡に指定されているこの遺跡は、まさしく紀伊のネクロポリスと呼ぶにふさわしい。
そんなすごい場所で歴史的にも貴重な楽譜による演奏がされ、しかもそれが結界の機能も果たすなんて。
「ねえねえユラさん、すごいですね!ぜひ行きましょうね!」
すっかり興奮してアハハウフフとオサカベさんと盛り上がっていたわたしは、元気よくユラさんにそう言った。
けれど彼女は、
「そうやねえ」
と明らかに気乗りしない様子でため息をつくのだった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「……で、ここがステージの置かれる岩橋千塚古墳群。資料館もあって、全体で"紀伊風土記の丘"っていう博物館施設になってるんよ。そして、ここの結界となって守ってるんが、地元では"三社"って呼ばれる3つの神社」
和歌山市の地図を前に、ユラさんが立地の説明をしてくれている。
紀ノ川の河口近くにあるこれらは、こうしてみると海からさほど遠くない位置に集中していることがわかる。
古墳群を中心に丁度Lの時を描くように鎮座する3つの神社、すなわち「日前宮」「竈山神社」「伊太祁曽神社」だ。
これらは神話時代に遡る非常に古い神社で、それぞれに高い神格をもっている。
日前宮は境内に日前神宮と國懸神宮という2つの神社があり、伊勢神宮の御神体である八咫鏡に先立って鋳造されたという鏡を祀っている。
竈山神社は神武天皇の長兄である五瀬命、伊太祁曽神社は日本書紀で全国に木を植えて廻ったと記される五十猛をそれぞれ主祭神とし、まさしくこの地が神話と直接関わることを示している。
「和歌山市とかその近くの人らは"三社参り"とかって、初詣でぜんぶ巡ったりするらしんよ。で、この神社さんだけでも強力な結界になってるんやけど、特に岩橋千塚を直接守護してるんが裏三社神人……通称"裏三社"っていう結界守なんよ」
なるほど。そういえば学生の頃、日本中世史の講義で"神人"という語を耳にした。
中世では武装勢力としても機能し、寺院の僧兵に比した文脈でも語られていた。
これを聞くと歴史好きが高じて教師になったわたしはわくわくしてしまうのだけど、ユラさんがずっと乗り気じゃなさそうなのはこの辺りの事情が関係していた。
「この裏三社の当代が私ちょっと苦手なんよ……。日前さんなんかはいわばアマテラスより古いともいえるさかい、"真の零神宮"やって。ほいでうちとこの神社にすごい張り合ってくるんよ。いや、表の三社さんとは仲良しなんよ。あくまで裏三社の結界守との話なんやけど……」
なんかすごい意外だ。ユラさんも苦手なタイプっているんだ。
この人にここまで言わせるなんて、裏三社の結界守とはいったいどんな人物なんだろう。
ちょっと無責任とは思いつつ、それでもわたしは興味の方を抑えきれずにいるのだった。
「これはこれはゼロ神宮さん。紀伊の端からようお参りやねえ」
コンサート当日、自席を探していたユラさんはさっそく噂のその人に捕まってしまった。
「紀伊の端からようお参り」って以前に裏高野の管長さんにも言われたような気がする。
ツンとした声に振り返ったわたしは、思わず息を飲んだ。
鮮やかなブルーのドレスに白いボレロをまとったその人は、ユラさんに負けず劣らずクールな美人だった。
そして手には、バイオリンと思しき楽器のケースを提げている。
これが当代の裏三社結界守、"鵜飼琉璃"さんとの出会いだった。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
【完】あの、……どなたでしょうか?
桐生桜月姫
恋愛
「キャサリン・ルーラー
爵位を傘に取る卑しい女め、今この時を以て貴様との婚約を破棄する。」
見た目だけは、麗しの王太子殿下から出た言葉に、婚約破棄を突きつけられた美しい女性は………
「あの、……どなたのことでしょうか?」
まさかの意味不明発言!!
今ここに幕開ける、波瀾万丈の間違い婚約破棄ラブコメ!!
結末やいかに!!
*******************
執筆終了済みです。
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と叫んだら長年の婚約者だった新妻に「気持ち悪い」と言われた上に父にも予想外の事を言われた男とその浮気女の話
ラララキヲ
恋愛
長年の婚約者を欺いて平民女と浮気していた侯爵家長男。3年後の白い結婚での離婚を浮気女に約束して、新妻の寝室へと向かう。
初夜に「俺がお前を抱く事は無い!」と愛する夫から宣言された無様な女を嘲笑う為だけに。
しかし寝室に居た妻は……
希望通りの白い結婚と愛人との未来輝く生活の筈が……全てを周りに知られていた上に自分の父親である侯爵家当主から言われた言葉は──
一人の女性を蹴落として掴んだ彼らの未来は……──
<【ざまぁ編】【イリーナ編】【コザック第二の人生編(ザマァ有)】となりました>
◇テンプレ浮気クソ男女。
◇軽い触れ合い表現があるのでR15に
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇ご都合展開。矛盾は察して下さい…
◇なろうにも上げてます。
※HOTランキング入り(1位)!?[恋愛::3位]ありがとうございます!恐縮です!期待に添えればよいのですがッ!!(;><)
【完結】後妻に入ったら、夫のむすめが……でした
仲村 嘉高
恋愛
「むすめの世話をして欲しい」
夫からの求婚の言葉は、愛の言葉では無かったけれど、幼い娘を大切にする誠実な人だと思い、受け入れる事にした。
結婚前の顔合わせを「疲れて出かけたくないと言われた」や「今日はベッドから起きられないようだ」と、何度も反故にされた。
それでも、本当に申し訳なさそうに謝るので、「体が弱いならしょうがないわよ」と許してしまった。
結婚式は、お互いの親戚のみ。
なぜならお互い再婚だから。
そして、結婚式が終わり、新居へ……?
一緒に馬車に乗ったその方は誰ですか?
【完結】辺境伯令嬢は新聞で婚約破棄を知った
五色ひわ
恋愛
辺境伯令嬢としてのんびり領地で暮らしてきたアメリアは、カフェで見せられた新聞で自身の婚約破棄を知った。真実を確かめるため、アメリアは3年ぶりに王都へと旅立った。
※本編34話、番外編『皇太子殿下の苦悩』31+1話、おまけ4話
ヤケになってドレスを脱いだら、なんだかえらい事になりました
杜野秋人
恋愛
「そなたとの婚約、今この場をもって破棄してくれる!」
王族専用の壇上から、立太子間近と言われる第一王子が、声高にそう叫んだ。それを、第一王子の婚約者アレクシアは黙って聞いていた。
第一王子は次々と、アレクシアの不行跡や不品行をあげつらい、容姿をけなし、彼女を責める。傍らに呼び寄せたアレクシアの異母妹が訴えるままに、鵜呑みにして信じ込んだのだろう。
確かに婚約してからの5年間、第一王子とは一度も会わなかったし手紙や贈り物のやり取りもしなかった。だがそれは「させてもらえなかった」が正しい。全ては母が死んだ後に乗り込んできた後妻と、その娘である異母妹の仕組んだことで、父がそれを許可したからこそそんな事がまかり通ったのだということに、第一王子は気付かないらしい。
唯一の味方だと信じていた第一王子までも、アレクシアの味方ではなくなった。
もう味方はいない。
誰への義理もない。
ならば、もうどうにでもなればいい。
アレクシアはスッと背筋を伸ばした。
そうして彼女が次に取った行動に、第一王子は驚愕することになる⸺!
◆虐げられてるドアマットヒロインって、見たら分かるじゃんね?って作品が最近多いので便乗してみました(笑)。
◆虐待を窺わせる描写が少しだけあるのでR15で。
◆ざまぁは二段階。いわゆるおまいう系のざまぁを含みます。
◆全8話、最終話だけ少し長めです。
恋愛は後半で、メインディッシュはざまぁでどうぞ。
◆片手間で書いたんで、主要人物以外の固有名詞はありません。どこの国とも設定してないんで悪しからず。
◆この作品はアルファポリスのほか、小説家になろうでも公開します。
◆過去作のヒロインと本作主人公の名前が丸被りしてたので、名前を変更しています。(2024/09/03)
◆9/2、HOTランキング11→7位!ありがとうございます!
9/3、HOTランキング5位→3位!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる