今夜のオカズくん

白鰐ノコ

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今晩はカレーくん2

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高橋絢也(たかはしじゅんや)と渡邊陽(わたなべあきら)の場合2



「お前、オレで勃つの?」
「……見りゃ分かんだろ」
「おお~」

 いつも通りの金曜日の夜。
 腹ごなしのカレーも終わって、絢也はベッドに腰掛けていた。そして、その膝の上に向かい合うようにしてアキラが膝の上に乗っていた。
 絢也からの告白を受けて保留にしながらも、アキラは好奇心を隠さず絢也の股間に手を伸ばした。

「って! おい、何しくさる」
「え? オレのこと好きなんじゃないの?」
「す、きだけど。え? 好きだったら俺がなんでも許すと思った?」
「うん」
「お前さあ……」
「他人のちんこ触ったことないから、触ってみたさもあった」
「人のちんこをツチノコ扱いすんじゃねえよ」
「だめ?」
「いいけど」
「いーのかよ」

 どっと笑った後に、ひいひい眦に涙を浮かべ「やべ、変なツボ入った」と顔を背けるアキラに、絢也ははあと一つ溜め息を吐く。次いで、するりと無防備なシャツの中に手を差し込んだ。

「ん、ひ」
「……なに、もう感じんの。えろ」
「いやお前の手が冷てえんだよビビった」

 背筋を指先でなぞられ、咄嗟に裏返った声が上がる。それを恥ずかしがってか、アキラの機嫌が下がった。反対に、絢也は気を良くする。

「先週、付き合えるかわかんないから色々試したいっつってたよな」
「う、ん?」
「じゃあ、お前が体験しないと意味ないよな」
「うーん?」
「やってやるよ、色んなこと」

 肌を這う冷たい指先から意識を逸らそうとそっぽを向くアキラに向けて楽しげに笑うと、絢也は徐ろにアキラのシャツを捲り、指を正面に這わせた。

「っん……!」

 くり、と既に半勃ちだった乳首を摘む。
 そのまま優しい力でくりくりと弄り始めた。
 くすぐったいような、むず痒いような微細な刺激にアキラの眉が寄る。その手は絢也の方に置かれ、時折気を逃す為か指先に力が入る。感じている様子に絢也は気づかれないよう含み笑い、徐々に力を込め始める。

「っう、あ、待っ……ちょ、いた、い」
「そんな強くしてねーよ。あと少し我慢しろ」
「や、何か、擦れて……っ! へんっなんだって……!」

 絢也の方に置かれたアキラの指に、徐々に力がこもる。
 きゅ、きゅ、と摘んでいた乳首は、今はつねるように引っ張っていた。ぎゅ、と摘んで引っ張った後に、完勃ちになった乳首の先端を親指の腹でこすこすと擦る。
 するとアキラの身体がふるふると震えた。
 色素の薄かった乳輪が赤く熟れ、美味しそうにぷっくりと勃ちあがっていた。

「お、まえ。乳首ばっかり……は、変態、かよ」
「はー? ちょっと弄っただけで乳首ガン勃ちにさせてる変態はどこのどいつだよ」
「こんだけ捏ねられりゃ勃つに決まってんだろ!」
「うわキレんな」

 気付けば追い詰められていたアキラは、顔を赤くしてはあはあと熱い吐息を漏らしていた。
 その潤んだ目と目があい、絢也の身体もぞくりと粟立つ。
 勃ち上がった乳首がよく見えるようアキラにシャツを捲らせ、片手で背中を支えながらもう片方の手で愛撫を続ける。
 つま先で弾けばびくんと背筋を震わせ、余韻を引きずったまま睨むように絢也を見る。
 試したいから絢也の好きにさせているけれど、乳首で感じるのが気持ちいい半分恥ずかしいさも半分なのだろう、と考えながら、止められないのならと今度は唇を乳首に寄せた。

「んっんんんっ! っあ、やっ、それ……! むりっ……!」
「なんれらよ、きもひいーらろ」
「ば、そこっで、しゃべんなぁ……!」

 ちゅうと吸われれば、ぞくぞくと背中を会館が駆け抜けていく。れろ、と厚い舌で舐められれば、じいんと腰の奥に響いた。
 しまいには歯ですり潰すように動かされ、思わず喉の奥から情けない声が漏れる。
 逃げようにも片手で背中を押さえられ、もう片方の手で空いている方の乳首も刺激されて、もう何も考えられなくなってきた。
 絢也はわざと卑猥な水音を立て、アキラの乳首を舐めた。
 そうしているうちに、アキラの腰がモゾモゾと不自然に動き始める。
 それに気づいた純也が、くすりと笑いを漏らした。

「なに腰揺らしてんの」
「う……」
「もしかして、乳首弄られて勃っちゃった?」
「うううう……!」
「素直に言えば気持ち良くしてやんのに」
「お願いします!!!!!!」
「声バカでか。欲望に素直かよ」

 ひと笑いした後に、涙目のアキラと視線を合わせる。惚れた弱みかな、とその恨みがましい視線を「かわい」と笑って、乳首をいじめるのを一旦止めてやる。
 緩く勃っていたアキラのちんぽを、ハーフパンツを脱がせて露わにする。一緒に自分のズボンもずらしてちんぽを出すと、こちらも緩く勃っていたので二人のちんぽが至近距離で並んだ。

「……お前のも勃ってんじゃん」
「そりゃ好きな奴の身体触ってりゃこうなる」
「あそ……」
「このままじゃ辛いんだろ。手ぇ貸せ」

 アキラの手を誘導して、二人のちんぽを合わせて握る。互いの熱を感じて、既に漏れていた先走りがぬるりと指を滑らせた。
 こくりとアキラの喉が鳴る。絢也の顔も興奮からかほんのり赤く染まっていた。

「一緒に擦るぞ」

 言われるままに、手の動きを合わせて上下に扱く。
 すぐにずちゅずちゅと先走りの濡れる音がしてきて、手のひらがぬるぬるとした感触に塗れてくる。
 中心を他人の手で扱かれると、神経をそのまま撫でられているような、剥き出しの快楽に脳がぼうっと当てられる。
 上下に手が動くごとに、腰にずんと重い快楽が蓄積して、勝手に声が漏れる。
 絢也の顔を見れば、夢中になって扱いているのが分かった。自分も同じ顔をしているのだろう。
 ぬちゅぬちゅ、ずちゅずちゅ、と互いの手で高め合い、ついにもう我慢できないというところまできた。

「な、先っぽ……手のひらあてて」
「ん、あ、……はぁっ、こう……っ? ッッあァ、っ!!」

 ぼうっとした頭のまま、言われたように手のひらを二人の亀頭に当てる。
 ただでさえ敏感な場所で、今は爆発寸前に高められている。手の腹が触れただけでも正直イッてしまいそうな快感が襲った
 
「ん、そうだな……っ、先っぽぐりぐりするとっ」

 そう言って、絢也が再び手を添え、教えるようにその手を包む。そして、押し付けるように互いの亀頭を覆った。
 その瞬間、止めどなく先走りが溢れていた鈴口が刺激される。

「ッッッあぁあぁああっ!!!」

 ぱっと目の前が白くなる。
 快感の神経を押し潰されたようだった。
 次いで、とぷとぷと柔い気持ちよさが流れていくような心地がする。射精したのだと気づいたのは、視界が回復して数秒後のことだった。

 荒い息を吐きながら、一気に力が抜け、絢也の肩口に凭れ掛かる。
 なんだか自分でするより数倍、数十倍気持ち良くて、オナニーじゃ満足できなくなりそう……とぼんやり考えていると、絢也がアキラの背を優しく叩いた。

「気持ちよかった?」
「よかった……」
「ふーん。来週もする?」
「する……」
「即答じゃん」

 笑いながら、ぼすんと二人分の重みがベッドに軋んだ。
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