転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

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236 推しと結婚式への準備

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「はぁ~。素晴らしい式だったね!圧巻されちゃったよ」

「ああ、流石次期国王の挙式だったな。勉強になる所も多かった。私達の結婚式に取り入れても問題は無いのだろうか」

オール殿下とリーカイ様の挙式は、それはそれは素晴らしかった。

中庭でのウェルカムパーティーも美しかったが、城内での挙式も厳かで、披露宴はとても華やかだが品格高く、流石王室って感じだったね。

来賓の方々も多く、二人がどれだけ愛され今後期待されているかも推測出来る。

「あの魔術で花風船を飛ばす演出は真似したいかな。後は、レモルトらしさを出して。王族より華やかな式にするのは失礼だとは思う」

「そうだな。こちらは皇帝が来るだけで十分だから、あまり華やかにしては申し訳ないだろう」

そうなのだ。

マラサッタ帝国の代表としてトーレ殿下の挙式へ参加したのは、外交官でもあるポートランス公爵と、皇帝弟のテオ。

私達の式にはその他にもいらっしゃる予定だから、式自体を派手にするのは失礼にあたる。

「でも、私達の式で外交が出来ると喜んでくださっていたから、安心したよ」

トーレ殿下や他の方々も、レモルトでの挙式を楽しみにしていると言ってくれて、ホッとした。

急ぎで公爵になったし、急ぎでの挙式なのに、予定をズラしてでも参加して下さるそうだ。

「ラッカルのマド公爵家のゴラス夫夫やリニャン夫夫。スノラリアの王太子夫夫も参加して下さるなんて。気合いが入っちゃうね」

「そうだな。今回オール殿下の挙式があって良かった」

あれから、リニャン夫夫やスノラリアの王太子夫夫も私達の挙式への参加を希望してくれたので、レモルトの観光アピールの絶好のチャンスでもあるのだ。

帰宅早々、色々と忙しいが、サーディンがテキパキと指示を出してくれている。

「ギル様。テオドール。帝国よりゼラン伯爵がいらしています。お通ししても宜しいでしょうか?」

「ああ、頼む」

私が正式に公爵になってから、テオは自分の敬称を殿下では無く様にして欲しいと皆に伝えた。

殿下ではあるんだけど、公爵である私に婿入りするのだから、公爵夫として前に出たいとの事だ。

俺を立てつつ、一緒にレモルトを盛り上げようとしてくれている気持ちが嬉しい。

「ゼラン伯爵。お久しぶりです」

「お久しぶりです。ギル様、テオドール様。今回、我が領地から学園へ教師の希望者と、学生の希望者のリストを持って参りました」

「ありがとう」

ゼランから資料を受け取り、希望者を確認して行く。

腕の良い魔術師と騎士もおり、どうしたのかと聞くと、結婚を反対されて駆け落ち同然でこちらに移住を希望していると言う。

「ふむ…。ゼラン伯爵直々の推薦がありますし、問題は無いでしょう。こちらで教師として活躍する傍ら、冒険者としても活動出来るように手配しましょう」

「ありがとうございます。一人は貴族の子息で、一人は孤児院育ちだと言う事で家族から大反対をされているそうで…」

あら、それは確かに難しい関係だね。

孤児院育ちと言うとやはり差別されてしまうのだが、現在の孤児院はしっかりしている所も多いし、身元もしっかり保証されている所も多い。

平民や貴族ほど学業を学べる訳では無いのだが、教会でしっかりと指導される事が多く、魔術や剣の腕も良く礼儀もしっかりしているので、働き手としては重宝される位だ。

それでも、貴族相手となるとやはり反対される傾向にある。

どこぞの血とも分からぬ相手との結婚は、やはり貴族としてはリスクが大きいのだろう。

「うーん。それなら、ゼラン伯爵の推薦は伏せて、私から直々の依頼として雇いましょう。こちらの資料を見る限り、とても魔力の高い魔術師と見受けます。こちらの方が孤児院出身の方ですね?」

「ええ。宜しいのですか?」

「孤児院出身で、これだけの魔力を持ち術にも長ける。彼が良い教師となれば、今後の良い例となるでしょう。レモルトにもメリットがあります。それに、お相手の貴族から恨みを買うのは避けたいのでは?こちらの騎士の方は、前回お邪魔した時に揉めていた方のご家族の様ですが…」

確か、ギルドに行った時に揉めていた、ボンボ伯爵とか言う所の出身だ。

私の提案に、ゼランはホッとした顔をした。

「…覚えてらっしゃいましたか。ええ、そうなんです。隣の領地なのですが、領主は穏やかな方で良い付き合いをしていたのですが、息子であるザカルが曲者で。様々な難癖を付けて来るのですが、煩わしくて」

ザカルの名前を口にしながら顔を歪めるゼランに、本当に嫌なんだなと心の中で笑ってしまう。

テオ情報では、ザカルはゼランに下心がある様だが、空回りの上独りよがりな為に、ゼランはかなり頭に来ているんだとか。

無理難題を勝手に言ってきては、ゼランに無下にされているらしいが、一切効いていないそうで頭を抱えているとか。

「それなら尚更、私の依頼としましょう。こちらにお二人でいらっしゃるんですよね?話を合わせて貰える様に、伝言をお願いします」

「分かりました」

それから、見込みのありそうな教師を見繕い、生徒達は一応全て受け入れる事にする。

何年も通う訳では無いし、手にしたい技術が手に入れば卒業みたいな感じだから、サイクルは早いだろう。

「サーディン。学園の責任者にこちらを通しておいて」

「畏まりました」

さてさて、結婚式の準備と並行してる事が多いけど、しっかり気を引き締めていかないとね。
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