転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

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214 推しと新しい日々の始まり

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いやぁー良かった。

良かったよぉ。

中々長い行為が一通り終わった後、テオにはまた隅々まで身体を洗って貰い、身なりも整えてくれて、ベッドに入り、今は逞しい腕枕でうっとりしている最中だ。

「もっと楽しみたいが、今後の楽しみに取っておこう」

そう言うけど、何回したかな。

立ったままイカされたり、弄られたり…。

お風呂でも一回したけどね…。

そうそう、テオって思った以上に、恋人とかお相手の世話を焼きたいタイプみたい。

俺もだけど、テオに甘やかされるのは気持ち良く、悪く無いなと好きにさせて、その都度感謝のキスをしておいた。

これから夫夫になるんだから、お互いのやり方を理解して、線引きも決めていかないとね。

「明日…と言うか今日だが。夕方にはホセ殿達を見送って、ゆっくりしたら、翌日には帝都を見て回らないか?」

「うん。気になるお店も多かったし、レモルトや王都にも持ち帰れるかもしれないから、楽しみだな」

今からは二人でゆっくりと出来るねと笑うと、テオも嬉しそうに頷いた。

周りはそれはそれはバタバタしてるみたいだけど、皇帝と皇太子がテキパキと動いてくれているみたい。

何でも、皇帝は不穏な動きが長年あるのを気付いてはいたみたい。

だから、裏ではバチバチしてたみたいよ。

まさか、タニアが公爵令嬢では無かったのは予想外だったみたいだけどね。

「…サンジカラの魔術師達の亡骸も多く見つかった」

「命を掛けた魔術の威力は、桁外れだって言うものね…。長年何人もの犠牲を出して目眩ししていたんだね。それが、麻薬の影響でボロが出て、崩れ始めたのか…」

捕えられた魔術師や貴族達は、薬抜きを施されて、おとなしく取り調べを受けているそうだ。

匿っていた貴族の地下から、多くの白骨遺体が発見されたと聞いた。

数人の処刑は確定だろうし、残りもラッカルでもかなり厳しい所へ送られるそうだ。

「祈りを捧げ、肉体労働をする所だな。とてもじゃ無いが逃げられない離島だ。皆、避妊や去勢を施される事が確定しているから、子孫も残らない。今いる子供達も同じく処置が施される」

「そう…」

罪の無い子供達も、ラッカルヘ向かうか、静かに平民として暮らすしか道は無い。

一応皇帝殺害未遂だからね。

皇帝への信仰も厚いこの国で、平穏に暮らすのは難しいだろう。

麻薬が蔓延していたからか、精神に異常をきたす者も多いそうで、今後は療養所に隔離される者もいるそうだ。

「まだ、残党はいるんだろうね」

「ああ。だが、今回大きな力を潰す事が出来たからな。一先ずはおとなしいだろう」

「ふふ。結婚式も安全そうだね」

「ああ、楽しみだな」

テオの胸に抱かれて、俺は幸せな気持ちに包まれる。

レモルトの温泉宿も良い感じに動き出しているし、結婚式の時は貴族用の場所を貸切で使用を考えている。

「スノラリアに向かう事も考え、スノラリアからも招待をと思っている。例の王子を招待しても?」

「うん。問題無いよ」

「マド公爵の了承を得たら先にラッカルへ向かい、マド公爵達と合流してからスノラリアへ向かう手筈になるだろう。スノラリア王国と帝国は良好な関係を築いてはいるが、やはりラッカルの使者がいると強いからな」

前皇帝の弟って言う肩書も、ラッカルの公爵には負けてしまうんだ。

「それも問題は無いけど…。そう言えば、スノラリアの情報ってあまり知らないかも…。俺ももっと勉強してから向かわないとね」

少し遠いだけで、年中雪に覆われた国と言う知識くらいしか無いかも。

城や教会、商店や居住地などはすべて地下が作られており、入り口も地上用と地下用が存在していて、地下都市とそのまま繋がった作りになっていた。

城は防犯のことも考えて、地下都市には一つの門しか繋がっていないみたいだけど。

地下も大きく開発されていて、道路もあるし馬車も通れるんだって!

二酸化炭素や匂いが篭らないように、通気口などしっかりキレイな空気が循環する環境が整っているらしい。

日光が当たらないと、人体にも影響があるとこちらの世界でも言われているので、それに該当する食品やらが開発されてるとも聞いた。

「雪国だが、夏と冬が存在する国で、夏は外を出歩いても平気だったが、冬になると外に出るのも大変だった。私の身長以上に雪が積もるからな」

「俺たちが向かうのは、向こうの季節では夏の終わりぐらいになるのかな?」

「そうだな。スノラリアのスイレン神祭りの時期と重なりそうだ」

「スイレン神祭り??」

どの国もスイレン神のお祭りはあるけど、国によって違いも大きいのかな?

トーレや帝国は同じ様な時期に、大々的にお祭りがあるけど。

「ああ、スイレン神と夫であるツキ神の夫夫愛を讃える祭りだな。スノラリアの中央教会が一般にも開放されるんだ

「あ!!あの運命の祈りの教会?」

その教会なら知ってるぞ!!

とても徳のある神父が建設した教会で、祭壇に飾られたスイレン神とツキ神の前で祈ると、凄い事が起こるのだ。

「そうだ、その教会だ」

テオも、知っていたのかと笑う。

知ってるも何も、すっごい有名だよ。

恋人同士や夫婦二人で揃って祈りを捧げるのだが、その時の二人の相性によって祭壇が光り輝くのだ。

美しければ美しい程、輝きが大きければ大きい程、相性が良いとされている。

「ロマンチックだよね…」

「ふふ。そうだな。…機会があったら、一緒に祈りを捧げに行こう」

「うん!!」

そうだな、折角だから新婚旅行の一つだと考えて楽しんで来よう!

俺とテオが祈りを捧げたら、光り輝き過ぎて目潰しになっちゃうかもな~。
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