転生腹黒貴族の推し活

叶伴kyotomo

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140 推し達のお披露目

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テオと教会に着くと、ジェレミー兄様達も既に到着していた。

今日は教会で結婚の宣言をして、結婚証の作成をしたらそのままジャメルの屋敷でパーティーとなっている。

その間に、領民との触れ合いも計画してあるので、領民や平民達には一気に広がるだろうと予測している。

「良い事が続くな。花祭りも随分と盛り上がって、今後が楽しみだ」

「お祖母様の好きだったバラも沢山咲いたんですよ。是非お屋敷に飾ってください」

感慨深そうに話すお祖父様にバラを見せると、お祖父様はとても懐かしそうな、優しい顔になる。

教会には中も外も花々が飾られ、こちらも結婚式後の祭りの間は、自由に出入り出来る。

「ホセ様~!フロル様~!」

「おめでとうございま~す!!」

外からお祝いの声が聞こえ始め、やぐらの到着を迎えた。

父様が一足先に降りて来ると、ホセ兄様は恭しくフロル様をエスコートしてやぐらから降り立った。

「キューーーー!」

教会の上では、カーリンが楽しそうに旋回しながら飛び、ファビとキャルは花びらを振り撒いて、満足そうに森へ帰って行く。

「凄い!ドラゴンだ!!」

「花びらだわ!綺麗ねぇ~」

「ドラゴンもお祝いしてるんだね!」

シャワーも販売し始めたから、フラワーシャワーとして広めるのも良さそうだと、周りの歓声を聞きながら思う。

教会の鐘が鳴り響き、入り口前で二人は花束を受け取る。

花祭りの花を集めた、見事な花束だ。

ホセ兄様達は見物客に手を振りながら、教会の中へ入って来た。

俺達が拍手で迎える中、教会の扉は閉じられる。

外では、幸せのお裾分けとして小さな花束が希望者に配られる事になっている。

花を束ねるのリボンにも花祭りと二人の結婚のお祝いが刺繍され、良いアピールになるだろう。

フロル様とホセ兄様は腕を組みながら、照れ臭そうに、それでも堂々とスイレン神の像の前へ歩いて行く。

ホセ兄様はいつも以上にカッコ良く決まってるし、フロル様は何処となく色気が増した気がする。

いや、絶対兄様手を出してるな。

途中でセルジオ様とシェル様がフロル様と見つめ合い、セルジオ様の目が潤んでいるのをひっそりと見ていた。

今はジェレミー兄様にゾッコンなセルジオ様も、なんだかんだ言って、弟が大好きなお兄ちゃんだからね。

ホセ兄様がフロル様をジャメルに連れ帰っても、自分がジェレミー兄様を王都に連れて行った手前、何も言えなかったみたいだし。

まぁ、お互い新しい家庭を築いても、仲の良い兄弟の絆は無くなったりしないさ。

俺達みたいにね!

シェル様も、長きに渡り兄弟を立派に育てた気持ちが溢れているのだろう。

とても感慨深い顔で二人を見ており、それを見た父様もとても優しい顔をしている。

父様待っててね。

俺もすぐテオと結婚するからね!!

そんな気持ちでテオを見ると、テオも優しい笑顔を俺に向けてくれる。

ホセ兄様達に先に結婚してもらっても良いかと聞いた時、テオはすぐに了承してくれた。

やっぱり帝国で色々起きてるから、それが無事に解決してから結婚と考えていた様で、そしたらホセ兄様達を待たせてしまうなと思ってたんだって。

後はホセ兄様を狙う王都の貴族の話もしたから、すぐに結婚して公表した方が良いだろうと後押しもしてくれた。

なので花祭りを開催するにあたり、平民向けになる初日に結婚式を強行しちゃおうって話になったのだ。

花祭りも盛り上がるし、平民にはお祝いを配ってイメージアップに繋がるし、王都では今頃号外をが出ている手筈だから、こちらに遊びに来る貴族達にも周知しているはず。

そこでシンプラー家が動こうモノなら、白い目で見られるのは明白だ。

こちらでもお祝いムード全開で行くから、もし事を起こせば白い目で見られるだろうけど、どう動くかな。

アンルカ嬢は金で二、三人の素人音楽隊を連れて来るみたいだけど、披露会場ではホセ兄様とフロル様は夫婦として出席する。

実は結婚の話と一緒に、ホセ兄様に懸想する令嬢の存在も、こっそり名前を伏せてだが広げてあるんだよね。

ホセ兄様とフロル様の出会いをロマンチックに広めて、それに便乗する形でこんな令嬢が居るんですよって。

アンルカ嬢は三日に参加する予定のはずだし、明日はまだ貴族の馬車は通れない。

号外を見て明日に強行的に来るとは思えないが、もし乗合馬車で来たらすぐに連絡が来る。

その時は俺がしっかり対処するつもりだ。

ホセ兄様達は、ほら。

今日が初めての夜だからね!!

だから明日はホセ兄様達は表に出なくて良い様にしてある。

ジェレミー兄様とセルジオ様、父様やシェル様も馬車を出せるのは三日からだから、対応はこちらがする事になっている。

三日目なんか、二人ともとても良い顔で出て来るだろうから、そこに横恋慕なんて出来ない空気感を纏って来るはず。

明日はテオと姿を見せながらデートしつつ、話を広めておかなきゃね。








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