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133 推し達の未来の為に
しおりを挟む「…と、言う訳でして。こちらの数々が今後売り出して行きたい商品達です」
リーナイト公爵家にて商談を始めたのだが、今回はそれぞれの時期当主達も参加してくれて大人数だ。
今日はシェル様と父様は敢えて出席していない。
セルジオ様と、ジェレミー兄様が出席している。
今後セルジオ様が担って行く為の、予行練習の様なものだからね。
ドンク公爵家は公爵と、嫡男で公爵を若くした感じのサフラット様。
ダイヤ公爵家は公爵とアルミス、そしてアルミスの婚約者であるジェフ。
二人には、どうか様付けはやめて欲しいと言われているので、それなら俺もと言ってある。
ま、貴族同士だから呼び捨てって訳にはいかないんだけどね。
二人はまだ学生なのだが、こうやって大事な商談に参加させると言う事は、ダイヤ公爵はアルミス達に期待をしているのだろう。
そして、デラス侯爵家は公爵と嫡男のバーロイドだ。
ここで賛同を得られたら、オール殿下や王達にも報告して貰う手筈になっている。
ベビーグッズからちょっとイヤラシイ大人の玩具まで揃っているので、ちょっと異様だけどそんなの気にしない。
ちなみにエッチな下着とかはチンタック男爵家が仕立ててくれていて、離乳食の材料はハイリ嬢のご実家であるプラム家に手配して貰っている。
「…凄いな。まさかこの様なモノまで開発するとは」
「ふむ。確かにこう言った玩具は文献で見た事はあるな。下着やらはその付属品と言った感じか」
皆、興味深そうに商品達を手に取っている。
「それぞれ使い道は違いますが、行き着く先は、我が国の未来を担う子供達への融資ですから。子供が増える事は国にとっても良い事ですし、その育成に少しでも手助けが出来たらと」
それらしい事を言いながら、俺は一つずつ説明していく。
離乳食はすでに売り出しているので、評判が良い事もアピールする。
「ええ、私の友人のご家族からも好評とお聞きしました。平民向けですが、お出掛けの際にも使用しやすいと聞きました。貴族向けも売り出しても良いかもしれません」
お、アルミスったらやっぱ優秀だねえ!
俺も周りもうんうん頷いて、更に意見がないかと聞く。
「ベビーグッズを売り出す際に、シャワーや離乳食の案内もしたいですね。平民は風呂の隣に小さな洗面台があったり、脱衣所に洗面台があるのが一般的ですし、そこで赤ん坊の体を洗ったり小さな風呂桶を準備したりと聞きます。シャワーが固定式でないモノがあれば利便性も上がるのでは無いでしょうか」
おお、ジェフもナイスアシストしてくれるね。
俺は上機嫌でうんうんと頷いて、実はと言った感じで防水加工した糸で作り上げた、ホースを取り出す。
「コレは?」
「私も、シャワーが固定じゃ無かったら便利だろうと考えまして、こう言ったモノを試作してもらいました。魔術で防水加工した布や糸を使用した管になります。お湯を冷ます事なくそのまま通す事を考えて、お風呂にも設置出来る様にとまだ開発段階なのですが…。取り敢えず、庭などで水撒きをする時に使用したら大変便利であったと、ジャメルの庭師やレッドドラゴンリーフの管理者から大変喜ばれておりますので、そちらでも需要があると踏んでおります」
俺がそう説明すると、ジェフは大変感心した様に話に聞き入っている。
若い子の方が新しいモノにも柔和だし、話を広げるのも上手だったりするから、シャワーと一緒に売り出して欲しいな。
「実は、この庭でも試験的に使用しているのです。ああ、今庭師が水撒きをしていますね」
ジェレミー兄様が流れる様に窓の外を促すと、庭師が水撒きをしている最中だった。
「ふむ。何度も水場に水を汲みに行ったり、重い桶を運ぶ必要も無くなると言う事か」
「はい。水の汲み運びだけでも手軽になれば、庭師や農家の方々の負担も減るかと。腰を痛めたりする方も多いですし、その分の治癒魔術の力を別に割く事も出来ますから」
ドンク公爵の言葉に、俺が頷きながらその後の話も付け加えると、皆が感心した反応を見せてくれる。
「ふむ。ならば、この管も試験販売し、シャワーに使用する予定と伝えれば、希望者も分かりやすいだろうな。水道関係を治めることになったオルネス伯爵家にも、話を通した方が良いだろうから、後日こちらから紹介しても良いか?」
ダイヤ公爵の発言に、俺はそうして貰えるとありがたいですと賛同しておく。
俺は開発やアイデアは出すけど、その後の売り方とか誰が売るかは上が決めてくれればそれで良いのだ。
もちろん開発費とかは貰える契約だしね。
俺は今後もこう言ったスタイルで行こうと思っているし、もちろんジャメルやレモルトにも恩恵がある様にしていきたいけど、地方が力を持ち過ぎてもね。
まあ、十分持ってるんだけど!
無駄に敵は作りたくないから、王都の優秀な貴族の方々には頑張って貰わないとな。
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