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132 推しの見送り
しおりを挟む「それでは。私はこの香を持って帝国のパーティーに参加して来る。事が分かり次第連絡するから、待っていてくれ」
「うん。テオ、気を付けてね」
俺とテオは強く抱擁し、テオが帝国に帰って行くのをジャメルから見送った。
俺がセクト夫人のお茶会に参加している間、テオはオール殿下、ニルケス殿下、ドンク公爵やダイヤ公爵家。
デラス侯爵、セルジオ様、父様とシェル様を交えた商談に参加していた。
そこで、俺が考案したレッドドラゴンリーフの混ざったお香や、夜に使用するクリームやオイル、シャワー等を父様とセルジオ様に発表して貰っていた。
「ふむ。私も大三公爵家であり裏の世界に触れる事もあるが、この香があればより良い交渉が出来るのは間違い無いな」
「ええ。香を炊いてから嫌な魔術の気配が消えましたね。今後、国同士の話し合いなどでも活躍するでしょう」
ドンク公爵やオール殿下にも好評だったので、テオにも試しに使って欲しいと言う体で、セルジオ様から渡して貰った。
この香も国内ではリーナイト商会でも販売するのだが、国外へはドンク公爵家やダイヤ公爵家、ニルケス殿下が降下する予定のコンヌル公爵家で担当して貰いたいと話を通してある。
このままリーナイト家でも良いんだけど、リーナイトばかり利益を出しても三大公爵家のバランスが崩れちゃうし、ここで恩を売っておきたいのだ!
それに、ダイヤ公爵家もアルミスの代になったら仲良くして行きたいし、ニルケス殿下も縁を作っておきたいのだ。
どこが何を担当するかは、話し合いの末に決まった様で、お香はコンヌル公爵家になったみたい。
クリームやオイルはドンク公爵家で、シャワーとかはダイヤ公爵家。
お香はドンク公爵家かと思ってたんだけど、ニルケス殿下は魔力も強いし、帝国やラッカルにも強いパイプがあるみたいだから、そちらにお願いする事にしたんだって。
降下しても王子だし、確かに使用する時もスムーズに使えそうだよね。
まぁ、クリームがドンク公爵家なら話がスムーズに進みそうだから、良かったけど。
テオの馬車を見送ると、俺は王都へと急ぐ。
明日はドンク公爵家、ダイヤ公爵家とデラス侯爵家との商談だ。
もちろんセルジオ様も参加するのだが、ちょっとね。
大人な玩具も売り出そうと思っててね。
魔力で振動する棒とか、中に入れて動かせる玉とか、ちょっと激しめの下着とかね。
いやぁ、俺が考案とか恥ずかしいかなと思ったんだけど、セルジオ様はレッドドラゴンリーフは夜の営みに効くのかとか、夜の営みの不安についてご相談みたいな話もチラホラ聞いてるみたいで。
それなら、その話を聞いて乗っかりましたと言う体で売り出せば良いかなと思ってね。
マンネリしてきた夫婦や恋人達に、スパイス的な感じで売り出す、レッドドラゴンリーフの搾りかすを加えたクリームやオイル。
それに、こんなグッズもありますよ~的に売り出す事にしたのだ。
一応昔からある道具なんだけど、あまり普及してなかったから、文献から調べて昔のモノを改良してみましたって感じにすれば、俺がこんなイヤラシイのを一から考案したって思われないでしょ?
夜の悩みに、賢者が乗り出したってだけの話しだからね!
もちろんイヤラシイって言われるのは承知の上だから、一緒に赤ちゃん用の商品も売り出す事にしたのだ。
あまり混ぜ物は要らないし、シンプルで良い成分のクリームとオイルを開発したから、今後王家の後継とか生まれた時の事を考えてと発表する。
ジェレミー兄様も結婚したし、ホセ兄様も秒読みだから、家族の将来増える子供の為にもって感じで売り出す。
もちろん、離乳食って奴も開発した。
貴族はお抱えシェフがいるけど、平民はそうでも無いし、やっぱり大変だからとそう言ったモノを売る店もあったんだけど、子供に安全かと言われたらそうでも無かったりしたの。
昨今は妻もどんどん社会に出てるから、忙しさを理由に若干出生率が下がってた事もある。
そこで俺が出資して、子供のご飯専用に作るお店として生まれ変わって貰った。
保温の出来る容器や、保冷箱を使って持ち帰りしやすい様にして、そんなに豪華な材料じゃ無くても味も栄養も良いご飯を提供出来る店を、王都に三軒程開店させた。
売り上げも良いみたいだから、これらを踏まえて俺がトーレ王国の子作り支援に乗り出したと謳って貰うのだ。
もちろん、ベビーグッズの考案も欠かせないよ。
こちらでは一般的な木の乳母車を、ちょっと改良して見た目も乗り心地も良いモノにして売り出す事も決まった。
少し大きくなったら座れる様に組み替えられるし、長く使える様に工夫もした。
玩具的なモノはクリームと一緒にダンク公爵家に売り出して、ベビーグッズはダイヤ公爵家に売り出そうかなと思ってる。
少しでもダイヤ公爵家の汚名を削いて、アルミスの負担を減らしてあげたいんだよね。
もちろん、アルミスが優秀な子だから期待してるって点もあるけど、ヨハンが嫁いだデラス侯爵家にも恩を売っておきたいのだ。
さてさて。
俺の思惑通り事が進んでくれたら良いんだけど。
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