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102 推しと我が領地へ
しおりを挟む久々にテオに会える!!
馬車の中で、父様に気付かれない様に一人でガッツポーズする。
テオが帰ってから手紙やらのやり取りをしつつ、俺も俺でありがたいことに大忙しだった。
リーナイト商会はオール殿下とリーカイ様のご成婚が発表されると、祝福ムードが国を駆け巡ったので、これ幸いと俺が提案していたペアの贈り物やらを売り出した。
元々レッドドラゴンリーフの販売も始まっていたから繁盛してたけど、お祝い色の強いものを多く販売すると、飛ぶ様に売れ嬉しい悲鳴だ。
二人を模した色使いや模様の食器を作ると、平民にも貴族にもウケたし、贈り物専門店は好評ですぐに貴族用も準備された。
平民の間では新しい結婚祝いやらお祝いにと、売れ筋になっている。
リーナイト商会で働くカイトは、ジャメル領に出向いて婚約者とじっくり話してきた。
やはりベルガーもカイトにベタ惚れだった様で、わざわざ出向いたカイトから婚約破棄をされるのではと思ってたみたい。
今までの行動をしっかり反省して、カイトへの愛をきちんと話してくれたんだって。
その後は二人で揃って王都に戻り、しっかり家族を説得したんだと。
俺も会ったけど、スッキリと髪を切り揃えてチャラさは消えて、ジャメルで扱かれている様で結構男前が上がっていた。
あと二年程ジャメルでしっかり鍛え、その後は王都の騎士として働く事も決まったとカイトが喜んでいた。
チャラチャラしていたけど騎士貴族の家系だし、ジャメル領で良い感じに鍛えられてホセ兄様の推薦もあるので、王城の騎士団からも歓迎されてるみたい。
結婚してもリーナイト商会で働きたいというカイトの願いも、ベルガーは聞き入れてくれたみたいで、ジェレミー兄様が喜んでいた。
ジェレミー兄様は進んで店頭に立ち、魔術拒否症に苦しむ患者やご家族の相談も受けている。
ジェレミー兄様が女神と呼ばれているのは知っているし、セルジオ様も心配しているけど、店が一丸となって守ってくれてるし、俺の事を怖がってる貴族も多いから大丈夫だろう。
ジェレミー兄様はリーナイト家にお引越しして、今はそこの若奥様としても頑張ってる。
話をするのも聞くのも得意みたいで、リーカイ様のお茶会やハイリ嬢のお茶会にもお呼ばれして、友人を増やしている。
俺も一応顔を出す様にしてるよ?
一匹狼気取りは封印して、俺の開発や周りの相談に乗る様にしてるんだ。
俺の兄上だったら、俺のクラスメイト達とも仲良くしやすいし、俺の話で盛り上がれるからね。
俺が賢者だと発表されてから、思った以上に動きやすくなったのは計算外だったな。
この国に生まれる賢者のイメージが、自由な冒険者だったからだろうね。
「トーレ国の賢者のイメージぴったりで納得ですわ」
ハイリ嬢に言われ、周りも納得してたから、俺の自由な生き方は受け入れられた。
王族や他の高位貴族との縁談と言う話も、立ち消えたしね。
リーナイト商会が落ち着いてくると、すぐ様フロル様はジャメル領へ引っ越しが決まった。
ホセ兄様ったら、絶対婚姻前に何かしそうだな。
俺もしてるから文句は言わないけどね。
ジャメル領は元リネー領も入ってるから、父様はリネー領のお屋敷に住む事になったんだって。
こちらの方が王都に近いし、父様も新婚さんだからね。
もしも父様達に子供が生まれたら、リネー領を復活させて継がせればって話も出てきてる。
ドラゴン達も自由に動き回り、領民にも発表されたから歓迎され、領地を安全にしてくれるって事で、果物とか沢山貰ってるんだとか。
ドラゴンの夫夫は屋敷近くの与えられた場所でゆっくりする事が多いけど、子供のカーリンは父様大好きだから、リネーの屋敷と行ったり来たりしてるんだって。
カーリンが飛ぶ姿も観光の一つになりつつあり、予定外だけど良い傾向だ。
子供だけど、結構大きいし目立つし強いから、観光客も周りの魔物に警戒せずに済んでるしね。
「本当にジャメル領の道は綺麗になったなぁ。レモルトまでの道も綺麗になってきてる」
「今後はレモルトもトーレ国になるからな。入国料も必要無くなるから、そちらからの移動もスムーズになる様にしたい。ギルの領地になるのだからな」
外を見ながら、俺と父様は領地の発展に盛り上がる。
レッドドラゴンリーフの発表までの間に、結構時間とお金を掛けた甲斐があった。
宿泊用の宿や、その周りのお店も増やしたし、何より王都からの道を綺麗にしたのが大きいかも。
花々も咲いてるし、道は綺麗に整備されて馬車も通りやすい。
そして、乗合馬車も運営して、平民でもこちらに来やすい様にしたのだ。
道自体に防護魔術を掛けて安全にしてるし、フロル様の提案で、周りの花も場所ごとに違う種類にして見応えがあるし、乗合所も屋根付きで甘味処のある休憩所も完備したから、評判になってるんだ。
普通の乗合馬車だったりすると二日程掛かるんだけど、魔術の高い御者を採用して、それ用の馬の要らない車を開発したから、人も多く乗れるし半日程で着く様になった。
乗合所を五箇所設置したので、そこで毎回御者が交代する様にしたし、平民にも就ける仕事だから希望者も多い。
それぞれ五箇所にも観光の目玉を考え、良い感じに観光地化してきてる。
貴族は自分の馬車で行くから、もちろん区別化もしてるし、今の所好調だ。
もちろん他の領地にも行って欲しいから、ケンドフ領とかとも協力して、あちらが祭りの時はこちらは何もしないとか協定を結んでるんだ。
ハイリ嬢の実家のプラム伯爵家の農地にも、優先的にレッドドラゴンリーフの肥料を提供し、食材のルートも獲得出来たから、結構みんなWin-Winな感じじゃない?
レモルトも、良い感じに開発して行きたいな。
そう思いつつ、俺はレモルトの領地へ足を踏み入れるのだった。
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