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お兄ちゃんの幸せを守りたい
32.バトル
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「だぁ~もう考えるの止めた。あなたを倒して私のボディーガードにします」
きっと何を考えてもいい案なんて出なさそうだから考えるのを放棄。勢いでアイザックにバトルを挑む。
今私がやらなきゃいけないのは、サクラ達の奪還。
その後のことはなるようになればいい。
「そうこなくっちゃな」
「イロハちゃん。自暴自棄は身を滅ぼすよ」
「大丈夫です。ちゃんと自我はあります。……タスクさん合図をしたら得意な攻撃して下さい」
「え、あうん」
お兄ちゃんのありがたい警告に勇気をもらい、スレ違う間際に小声で指示。
そしてアイザックに突っ込めば、待ってましたとばかりニタッと笑い拳を振り上げた。
懐に入る寸前で床を思いっきり蹴っ飛ばし宙に浮きアイザックの頭上に手を付く。勢いある拳は標的をなくし空振り僅かに体制を崩しかける。
「今です」
その瞬間、お兄ちゃんに合図。私も攻撃を仕掛ける。
お兄ちゃんの行動パターンは私に筒抜けだからどんな攻撃をするかは予想が付き、私はそれに合わせてステッキをアイザックに向ける。
「水龍闇」
「雷矢闇」
バッーン
まずお兄ちゃんが放った水の龍がアイザックを飲み込み、数秒後強化された私の無数の雷矢が次々と襲いかかる。
私は地面に着地後のステッキを拳銃モードにして乱射。
ダッダッダ
普通の敵であれば一溜りもなく倒れるんだけれど、相手が防御力がやたらに高いアイザック。
一定のダメージを与えただけでも、めっけもん。
「やったよね?」
「いいえ、まだです。何を攻撃しても構いませんが、接近戦にだけは持ちこまないで下さい。間違えなく殺されます」
「良くオレのことを知ってんじゃねぇか? ここまで追い込まれたのは久しぶりだぜ?」
「鍵締封」
「何?」
何も知らないお兄ちゃんは少しだけ油断を見せるが、それをきっぱり否定し新たなる警告を出す。
肉体派のアイザックに接近戦でしかもさしで勝てたら、それはもうチートでしかありません。
案の定瓦礫から出てきたアイザックはまだ余裕のある声だったけれど、至るところから血を流し右足を引きずっている。
思った以上の大ダメージを与えたようで、心の底でガツッポーズ。
アイザックが嵌めている細かなデザインが掘られているリングを封印すると、初めて表情に焦りが浮かび声も出す。
俗に言うドーピングリングを無効化してしまえば、戦闘パターンが分かってる以上負ける気はしない。
「どう降参します?」
「むしろこれからだろう? こんなおもしれぇ戦い初めてだぜ?」
「今の所貴方が一方的にやられている気がしますけど?」
「これからに決まってんだろう? 出来ればお嬢ちゃんと格闘戦と行きたいとこだが」
「私を一体なんだと思ってるんですか?」
強気に出たのがいけなかったのかアイザックは獲物を狩ろうとしている血に飢えたハイエナの瞳で見つめられる。ここで迫力負けなどしたくなく、さらに生意気にテンポの良い突っ込みも入れる。
こんな可愛い少女に格闘戦を申し込む男はやっぱり筋肉戦馬鹿だ。
さっさと終わらせて先に急ぎたいんだけれど、どうすればいいんだろうか?
お兄ちゃんをちらりと見ると呪文詠唱に集中していた。
基本魔法はイメージする無詠唱なんだけれど、特に協力な攻撃魔法は長い呪文詠唱。その時は無防備になるから、仲間は衛るのが常識。
幸いアイザックはまだお兄ちゃんに気づいていない。
「猫を被った野獣」
「失敬な。イロハちゃんは猫を被った子猫。いや、その正体は間違えなくエンジェルにだよ」
私の突っ込みにアイザックはなんの迷いもなくおかしな事を即答する。ズルッと滑るもどうにか踏みとどまるも、どこからともなく沸いて出て来たアイリスの変態でしかない答えに勢いよく転けた。
これにはアイザックも体制を崩し、今までの張り詰めていた戦いムードは台無し。
なんで私はこんなマトモじゃない人達にモテるんだろう?
こんなモテ期いらないよ。
「イロハちゃん、大丈夫? 助けに来たよ」
「子供達の救出は完了したの?」
「ある程度の目処は立ったから、二人に任せてきた」
「…………」
転けた私に手を差し伸べるがその手を払いのけ、自力で立ち上がり塩対応。なんと言うかもうある意味予想通りの答えに頭を痛める。
アイザックを相手するだけでも骨が折れると言うのに、アイリスまで加わっては収拾がつきません。
……だけどこれに逆に使える?
「リーダー、今からこの人を倒すんで手伝って下さい」
「任せてよ。マイエンジェルの頼みならなんだって叶えるよ」
試しに可愛らしくお願いすれば、アイリスは嬉しそうに胸を張りキモく答えた。アイザックに突っ込み、ポッケットから太い注射器を取り出しわき腹に思いっきり打ち離れる。
台詞とは裏腹に見とれてしまう流れるようできれいな絵になる一瞬だった。
ダメージがあったアイザックは表情をしかめガクンと膝をつき、注射器を力任せに引っこ抜く。
「網縛封」
チャンスは有効活用しないと意味がないのでお兄ちゃんの魔法がより決まるよう、壁に張り付けアイザックの動きを封じる。
蜘蛛の巣状の結界に捕らわれたアイザックはかなり負傷のため、見た目はある特殊な性癖が好むいけないアダルトな光景。
今の私もこれはちょっと不味いのでは?
「イロハちゃんは見たら行けません」
突然視界が遮られ何も見えなくなり、アイリスがまともなことを言っている。
驚きすぎて開いた口が塞がらず。否定も肯定もできずにいると、またしても嫌な気配がして何かが壊れる音もした。
「嘘でしょ? あれはドラゴンでもイチコロのしびれ薬なのに、なんで動けるんだ?」
「え?」
信じられない光景を目の当たりにした驚きもどこか怯えた声と台詞。私は無理矢理手を退け視界を作ると、アイザックはもがき結界を無理矢理破ろうとしている。
恐るべき体力馬鹿。
強力な痺れ薬で動けるだけでも驚くべきことだけれど、この結界だってそこそこ強力なはず。
「二人とも退いて。破雷龍」
そこでお兄ちゃんの声が聞こえ魔法は発動。
稲妻を纏った龍は私達の横をすごい勢いですり抜け、もがき続けあと少しで破られそうになるアイザックを直撃し爆発。
ドーンバキッ
爆発音と共に鈍い音もする。
「やった?」
「さすがにあれだけまともに直撃すれば普通じゃなくても死んでると思うけど、……ちょっと様子を見てくるね?」
『え?』
動く様子もないアイザックを見て今度こそ決着が付き一安心しようとした途端、ここで殺してしまうのは惜しいと思い恐る恐る近づく。
するとナイスバディで碧髪ソバージュの精霊がアイザックを護ろうと、両手を開き涙をため立ちはだかる。
確かこの子は、アイザックの精霊ミシェル。
気が強くツンデレでもあり、アイザックの精霊っぽくない子。
「大丈夫、殺したりしないから」
できるだけ優しく殺意がないことを伝えては見るけれど、敵の言葉なんか信じるはずなく動かない。
きっと何を考えてもいい案なんて出なさそうだから考えるのを放棄。勢いでアイザックにバトルを挑む。
今私がやらなきゃいけないのは、サクラ達の奪還。
その後のことはなるようになればいい。
「そうこなくっちゃな」
「イロハちゃん。自暴自棄は身を滅ぼすよ」
「大丈夫です。ちゃんと自我はあります。……タスクさん合図をしたら得意な攻撃して下さい」
「え、あうん」
お兄ちゃんのありがたい警告に勇気をもらい、スレ違う間際に小声で指示。
そしてアイザックに突っ込めば、待ってましたとばかりニタッと笑い拳を振り上げた。
懐に入る寸前で床を思いっきり蹴っ飛ばし宙に浮きアイザックの頭上に手を付く。勢いある拳は標的をなくし空振り僅かに体制を崩しかける。
「今です」
その瞬間、お兄ちゃんに合図。私も攻撃を仕掛ける。
お兄ちゃんの行動パターンは私に筒抜けだからどんな攻撃をするかは予想が付き、私はそれに合わせてステッキをアイザックに向ける。
「水龍闇」
「雷矢闇」
バッーン
まずお兄ちゃんが放った水の龍がアイザックを飲み込み、数秒後強化された私の無数の雷矢が次々と襲いかかる。
私は地面に着地後のステッキを拳銃モードにして乱射。
ダッダッダ
普通の敵であれば一溜りもなく倒れるんだけれど、相手が防御力がやたらに高いアイザック。
一定のダメージを与えただけでも、めっけもん。
「やったよね?」
「いいえ、まだです。何を攻撃しても構いませんが、接近戦にだけは持ちこまないで下さい。間違えなく殺されます」
「良くオレのことを知ってんじゃねぇか? ここまで追い込まれたのは久しぶりだぜ?」
「鍵締封」
「何?」
何も知らないお兄ちゃんは少しだけ油断を見せるが、それをきっぱり否定し新たなる警告を出す。
肉体派のアイザックに接近戦でしかもさしで勝てたら、それはもうチートでしかありません。
案の定瓦礫から出てきたアイザックはまだ余裕のある声だったけれど、至るところから血を流し右足を引きずっている。
思った以上の大ダメージを与えたようで、心の底でガツッポーズ。
アイザックが嵌めている細かなデザインが掘られているリングを封印すると、初めて表情に焦りが浮かび声も出す。
俗に言うドーピングリングを無効化してしまえば、戦闘パターンが分かってる以上負ける気はしない。
「どう降参します?」
「むしろこれからだろう? こんなおもしれぇ戦い初めてだぜ?」
「今の所貴方が一方的にやられている気がしますけど?」
「これからに決まってんだろう? 出来ればお嬢ちゃんと格闘戦と行きたいとこだが」
「私を一体なんだと思ってるんですか?」
強気に出たのがいけなかったのかアイザックは獲物を狩ろうとしている血に飢えたハイエナの瞳で見つめられる。ここで迫力負けなどしたくなく、さらに生意気にテンポの良い突っ込みも入れる。
こんな可愛い少女に格闘戦を申し込む男はやっぱり筋肉戦馬鹿だ。
さっさと終わらせて先に急ぎたいんだけれど、どうすればいいんだろうか?
お兄ちゃんをちらりと見ると呪文詠唱に集中していた。
基本魔法はイメージする無詠唱なんだけれど、特に協力な攻撃魔法は長い呪文詠唱。その時は無防備になるから、仲間は衛るのが常識。
幸いアイザックはまだお兄ちゃんに気づいていない。
「猫を被った野獣」
「失敬な。イロハちゃんは猫を被った子猫。いや、その正体は間違えなくエンジェルにだよ」
私の突っ込みにアイザックはなんの迷いもなくおかしな事を即答する。ズルッと滑るもどうにか踏みとどまるも、どこからともなく沸いて出て来たアイリスの変態でしかない答えに勢いよく転けた。
これにはアイザックも体制を崩し、今までの張り詰めていた戦いムードは台無し。
なんで私はこんなマトモじゃない人達にモテるんだろう?
こんなモテ期いらないよ。
「イロハちゃん、大丈夫? 助けに来たよ」
「子供達の救出は完了したの?」
「ある程度の目処は立ったから、二人に任せてきた」
「…………」
転けた私に手を差し伸べるがその手を払いのけ、自力で立ち上がり塩対応。なんと言うかもうある意味予想通りの答えに頭を痛める。
アイザックを相手するだけでも骨が折れると言うのに、アイリスまで加わっては収拾がつきません。
……だけどこれに逆に使える?
「リーダー、今からこの人を倒すんで手伝って下さい」
「任せてよ。マイエンジェルの頼みならなんだって叶えるよ」
試しに可愛らしくお願いすれば、アイリスは嬉しそうに胸を張りキモく答えた。アイザックに突っ込み、ポッケットから太い注射器を取り出しわき腹に思いっきり打ち離れる。
台詞とは裏腹に見とれてしまう流れるようできれいな絵になる一瞬だった。
ダメージがあったアイザックは表情をしかめガクンと膝をつき、注射器を力任せに引っこ抜く。
「網縛封」
チャンスは有効活用しないと意味がないのでお兄ちゃんの魔法がより決まるよう、壁に張り付けアイザックの動きを封じる。
蜘蛛の巣状の結界に捕らわれたアイザックはかなり負傷のため、見た目はある特殊な性癖が好むいけないアダルトな光景。
今の私もこれはちょっと不味いのでは?
「イロハちゃんは見たら行けません」
突然視界が遮られ何も見えなくなり、アイリスがまともなことを言っている。
驚きすぎて開いた口が塞がらず。否定も肯定もできずにいると、またしても嫌な気配がして何かが壊れる音もした。
「嘘でしょ? あれはドラゴンでもイチコロのしびれ薬なのに、なんで動けるんだ?」
「え?」
信じられない光景を目の当たりにした驚きもどこか怯えた声と台詞。私は無理矢理手を退け視界を作ると、アイザックはもがき結界を無理矢理破ろうとしている。
恐るべき体力馬鹿。
強力な痺れ薬で動けるだけでも驚くべきことだけれど、この結界だってそこそこ強力なはず。
「二人とも退いて。破雷龍」
そこでお兄ちゃんの声が聞こえ魔法は発動。
稲妻を纏った龍は私達の横をすごい勢いですり抜け、もがき続けあと少しで破られそうになるアイザックを直撃し爆発。
ドーンバキッ
爆発音と共に鈍い音もする。
「やった?」
「さすがにあれだけまともに直撃すれば普通じゃなくても死んでると思うけど、……ちょっと様子を見てくるね?」
『え?』
動く様子もないアイザックを見て今度こそ決着が付き一安心しようとした途端、ここで殺してしまうのは惜しいと思い恐る恐る近づく。
するとナイスバディで碧髪ソバージュの精霊がアイザックを護ろうと、両手を開き涙をため立ちはだかる。
確かこの子は、アイザックの精霊ミシェル。
気が強くツンデレでもあり、アイザックの精霊っぽくない子。
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