157 / 157
8章(エピローグ)物語は続いていく
138.私は普通の女子高生!!
しおりを挟む
「龍くん、おはよう。もう学校に行くの?」
「星歌、おはよう。ああ朝会の他にやり残したこともあるからな。んじゃ行ってくる。また後でな」
「いってらっしゃい」
用意を終え下に降りると、こちらもスーツ姿の龍くんと鉢合う。まだ7時前なのにもう出勤モード。軽く会話してすぐ出掛ける。
そう言えばあの時パパは、龍くんを無理矢理呼び出してた。つまりやりかけの仕事が残っているから、こうして早朝出勤。私達のせいなのに、何も言わない。
いつもながら一生龍くんには、頭が上がらないね。
「星歌、おはよう」
「おはようパパ」
リビングには、いつも通りの出社用のパパがいた。お母さんは料理を持ってきてくれ、そして席に座る。挨拶を交わし私も自分の席を座った。
今日の朝食は、レーズンと木の実のカンパーニュ。スクランブルエッグにウインナーとサラダ。そしてジャガイモのスープ。
どれも美味しそう。
『いただきます』
いつも通り手を合わせて、全員でいただきます。
家族だけの食卓はなんとなく物足りなさと淋しさを感じるけれど、元々はパパと二人だけの食卓が普通だった。
【セイカ、淋しいの? 今夜からフェイリルも呼ぶ?】
「そう言えばフェイリルは?」
私の顔を覗き込み心配してくれるチョピに、辺りを見回してフェイリルを探す。
いつもはすぐに
ガーレットは──窓辺で気持ちよさそうに日向ぼっこ中。
【フェイリルはルピ達と、おまつりの準備中】
「お祭り?」
「そう言えば明後日は判断の日だったな。フェイリルの使者が訪れ、選ばれたの者にお告げをくれる。伝統ある魔族の三大祭りの一つだ」
私の言葉だけでお母さんには分かったらしく、そんなことを教えてくれる。正しいのかチョピは深く頷く。
魔族の有名なお祭り。
お祭りと言うだけでも魅力的なのに、伝統があってしかも三大祭りの一つ。興味がわいて来て、私も参加したくなる。
どんな楽しいお祭りなんだろう?
「俺達も参加するか? 龍ノ介にも声を掛けてみる」
「うん。それなら私は太陽と黒崎を誘うね」
「だったらあたしは、みんなの魔族の民族衣装を用意する。アリア達にも声を掛けるか。もちろん参加ならお忍びでな」
珍しくパパが乗り気になっていた。もう私が魔族と深く触れ合うことに、そこまで抵抗がなくなったらしい。
お母さんは嬉しそうな笑顔を浮かべ、お祭りが更に楽しめるように用意を一段と張り切る。
ますます楽しみになっていく。
「三人ともいってらっしゃい」
『いってきます』
「あ、セイヤにはこれもな」
「え……」
玄関先でお母さんに見送られ学校に行こうとすると、パパだけ呼び止められ頬にキス。真っ赤に顔を染まらせ、嬉し恥ずかしそうなパパ。
私の両親は、ラブラブだ。
「パパ、幸せだね」
【セイカのパパ、嬉しそう】
「そうだな。まさかこんな結末を迎えるとは思わなかった」
「結末じゃないよ。これからもこの幸せが続くんだよ」
パパの言いたいことはよく分かるけれど、その言い方はどうかと思い軽く修正。
物語ならハッピーエンドでも、現実ではまだまだ続く。むしろこれからの人生の方tが長い。
「確かにそうだ。スピカにはこれから地球も好きになってもらおうな」
「うん。チョピにもね。だったら手始めに上野に行こうよ」
上野なら楽しみながら歴史も科学も学べて、ついでに可愛い動物達とも触れ合える。家族との思い出をたくさん作れる最高の場所。
我ながらグットアイデアだ。
「それいいな。いつにしようか? 父さんはいつでもいい」
「私もいつでもいいよ」
【ボクも】
声を弾ませ賛同してくれる。
即答で予定がないと言えるのは悲しいけれど、今はお母さんが地球になれてもらうためなるべく一緒にいたいと思う。
それに私は心配しなくても、友達・彼氏に恵まれいるリア充だ。
「あっそうだ。今日は帰ったら、お母さんとスーパーに買い出しに行ってくる。いろいろ買わないといけないし」
「重い物は父さんが買って帰るから、いつもの買い物で良いからな」
「うん、分かった。お米は絶対に買って来てね」
現在の我が家の冷蔵庫や収納棚はもちろん。日常品もすべてすっからかん。
トゥーランで代用できる物でなんとかしてたけれど、やっぱり日本製のは格別だって気づかされた。
特に日本のお米が最強。トゥーランのお米は最初良かったんだけれど、代用となると物足りなさと懐かしさが半端じゃない。
今夜は和食が良いかも? 塩おむすびとお味噌汁。それから西京焼き。
あ、お新香も。きゅうりは欠かせない。
「了解。それから話が変わるんだが、父さんと何か習いごとでもしないか?」
「え、習いごと? うんやりたい」
本当に話題が180度変わりちょっと驚いたけれど、それは嬉しい提案で二つ返事で頷いく。
パパと二人で習いごと。これからは家族三人が基本になると思っていたから、二人の時間を取ってくれるなんて嬉しい。
何がいいのかな?
せっかくだからペアで出来るものが良いよね?
「何かやりたいものはあるか?」
「そうだな? テニスとか卓球。あ、社交ダンスなんていいかも知れない」
「テニスと卓球は分かるが、なぜ社交ダンス?」
予想外な答えにパパは目を丸くした。私も自分で言っておきながら、なんで社交ダンスって言葉が出たのか不思議だった。
ちょっと前に社交ダンスの映画を観て多少憧れてるけれど、親子でペアはどうなんだろう? やるとしても私よりお母さんの方が良いのかな?
……でも私はパパと社交ダンスしたい。
「パパとやってみたいから。ダメかな?」
「そんなことない。だったら教室を調べておくから、見学に行こうな」
「うん」
パパは私に激甘だ。
私の無茶苦茶なお願いを除けば、こうして全力で応えてくれようとしている。
お母さんが来たことで劇的に何かが変わっていくと思っていたのに、実際はそんなに変わらないのかもしれないね。
当たり前だった地球での日常が、徐々に戻り初めて行く。
トゥーランでは聖女だから崇められる私だけれど、地球では普通の女子高生だから相手にもされない。
パパだって……ワイルドイケメンが更に増した分注目度がUPしそう。
眼鏡を掛ければ注目されないと勘違いしているけれど、それは殺気が半端ないだけで意味がない。
その証拠にこの前に町中でパパを見つけた時、殺気が怖くて近寄りがたかった。すぐに見つけられ殺気は消えたけれど。
そのことを後で教えてあげよう。
そしたらパパはもう眼鏡を掛けなくなるのかな? 眼鏡を掛けたパパは一番パパらしいからそれは勘弁だな。
「星歌、おっさん」
「星ちゃん、おじさん」
太陽の私達を呼ぶ弾んだ声が、背後から聞こえてくる。
今日は、どんな楽しい日になるんだろう?
普通で平凡な毎日でも、私はそんな日常が大好きだ。
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございます。
聖女となって、冤罪をはらします編が開始されて一年半。ようやく完結しました。
最初の方から実は母親が生きていることにしようとしてたのですが、弟は最後の方まで決めかねてました。最初の案だと聖女の力で過去に戻って、母親を助けてお持ち帰り。もしくはクリスタルに封印されてたとか(笑)
とにかくハッピーエンドに出来て満足です。
続編はあるとしたらほのぼの短編。長編なら陽と龍ノ介のラブコメかな?
でも書きたくなったら、また事件が起きるかも知れません。←おい。
「星歌、おはよう。ああ朝会の他にやり残したこともあるからな。んじゃ行ってくる。また後でな」
「いってらっしゃい」
用意を終え下に降りると、こちらもスーツ姿の龍くんと鉢合う。まだ7時前なのにもう出勤モード。軽く会話してすぐ出掛ける。
そう言えばあの時パパは、龍くんを無理矢理呼び出してた。つまりやりかけの仕事が残っているから、こうして早朝出勤。私達のせいなのに、何も言わない。
いつもながら一生龍くんには、頭が上がらないね。
「星歌、おはよう」
「おはようパパ」
リビングには、いつも通りの出社用のパパがいた。お母さんは料理を持ってきてくれ、そして席に座る。挨拶を交わし私も自分の席を座った。
今日の朝食は、レーズンと木の実のカンパーニュ。スクランブルエッグにウインナーとサラダ。そしてジャガイモのスープ。
どれも美味しそう。
『いただきます』
いつも通り手を合わせて、全員でいただきます。
家族だけの食卓はなんとなく物足りなさと淋しさを感じるけれど、元々はパパと二人だけの食卓が普通だった。
【セイカ、淋しいの? 今夜からフェイリルも呼ぶ?】
「そう言えばフェイリルは?」
私の顔を覗き込み心配してくれるチョピに、辺りを見回してフェイリルを探す。
いつもはすぐに
ガーレットは──窓辺で気持ちよさそうに日向ぼっこ中。
【フェイリルはルピ達と、おまつりの準備中】
「お祭り?」
「そう言えば明後日は判断の日だったな。フェイリルの使者が訪れ、選ばれたの者にお告げをくれる。伝統ある魔族の三大祭りの一つだ」
私の言葉だけでお母さんには分かったらしく、そんなことを教えてくれる。正しいのかチョピは深く頷く。
魔族の有名なお祭り。
お祭りと言うだけでも魅力的なのに、伝統があってしかも三大祭りの一つ。興味がわいて来て、私も参加したくなる。
どんな楽しいお祭りなんだろう?
「俺達も参加するか? 龍ノ介にも声を掛けてみる」
「うん。それなら私は太陽と黒崎を誘うね」
「だったらあたしは、みんなの魔族の民族衣装を用意する。アリア達にも声を掛けるか。もちろん参加ならお忍びでな」
珍しくパパが乗り気になっていた。もう私が魔族と深く触れ合うことに、そこまで抵抗がなくなったらしい。
お母さんは嬉しそうな笑顔を浮かべ、お祭りが更に楽しめるように用意を一段と張り切る。
ますます楽しみになっていく。
「三人ともいってらっしゃい」
『いってきます』
「あ、セイヤにはこれもな」
「え……」
玄関先でお母さんに見送られ学校に行こうとすると、パパだけ呼び止められ頬にキス。真っ赤に顔を染まらせ、嬉し恥ずかしそうなパパ。
私の両親は、ラブラブだ。
「パパ、幸せだね」
【セイカのパパ、嬉しそう】
「そうだな。まさかこんな結末を迎えるとは思わなかった」
「結末じゃないよ。これからもこの幸せが続くんだよ」
パパの言いたいことはよく分かるけれど、その言い方はどうかと思い軽く修正。
物語ならハッピーエンドでも、現実ではまだまだ続く。むしろこれからの人生の方tが長い。
「確かにそうだ。スピカにはこれから地球も好きになってもらおうな」
「うん。チョピにもね。だったら手始めに上野に行こうよ」
上野なら楽しみながら歴史も科学も学べて、ついでに可愛い動物達とも触れ合える。家族との思い出をたくさん作れる最高の場所。
我ながらグットアイデアだ。
「それいいな。いつにしようか? 父さんはいつでもいい」
「私もいつでもいいよ」
【ボクも】
声を弾ませ賛同してくれる。
即答で予定がないと言えるのは悲しいけれど、今はお母さんが地球になれてもらうためなるべく一緒にいたいと思う。
それに私は心配しなくても、友達・彼氏に恵まれいるリア充だ。
「あっそうだ。今日は帰ったら、お母さんとスーパーに買い出しに行ってくる。いろいろ買わないといけないし」
「重い物は父さんが買って帰るから、いつもの買い物で良いからな」
「うん、分かった。お米は絶対に買って来てね」
現在の我が家の冷蔵庫や収納棚はもちろん。日常品もすべてすっからかん。
トゥーランで代用できる物でなんとかしてたけれど、やっぱり日本製のは格別だって気づかされた。
特に日本のお米が最強。トゥーランのお米は最初良かったんだけれど、代用となると物足りなさと懐かしさが半端じゃない。
今夜は和食が良いかも? 塩おむすびとお味噌汁。それから西京焼き。
あ、お新香も。きゅうりは欠かせない。
「了解。それから話が変わるんだが、父さんと何か習いごとでもしないか?」
「え、習いごと? うんやりたい」
本当に話題が180度変わりちょっと驚いたけれど、それは嬉しい提案で二つ返事で頷いく。
パパと二人で習いごと。これからは家族三人が基本になると思っていたから、二人の時間を取ってくれるなんて嬉しい。
何がいいのかな?
せっかくだからペアで出来るものが良いよね?
「何かやりたいものはあるか?」
「そうだな? テニスとか卓球。あ、社交ダンスなんていいかも知れない」
「テニスと卓球は分かるが、なぜ社交ダンス?」
予想外な答えにパパは目を丸くした。私も自分で言っておきながら、なんで社交ダンスって言葉が出たのか不思議だった。
ちょっと前に社交ダンスの映画を観て多少憧れてるけれど、親子でペアはどうなんだろう? やるとしても私よりお母さんの方が良いのかな?
……でも私はパパと社交ダンスしたい。
「パパとやってみたいから。ダメかな?」
「そんなことない。だったら教室を調べておくから、見学に行こうな」
「うん」
パパは私に激甘だ。
私の無茶苦茶なお願いを除けば、こうして全力で応えてくれようとしている。
お母さんが来たことで劇的に何かが変わっていくと思っていたのに、実際はそんなに変わらないのかもしれないね。
当たり前だった地球での日常が、徐々に戻り初めて行く。
トゥーランでは聖女だから崇められる私だけれど、地球では普通の女子高生だから相手にもされない。
パパだって……ワイルドイケメンが更に増した分注目度がUPしそう。
眼鏡を掛ければ注目されないと勘違いしているけれど、それは殺気が半端ないだけで意味がない。
その証拠にこの前に町中でパパを見つけた時、殺気が怖くて近寄りがたかった。すぐに見つけられ殺気は消えたけれど。
そのことを後で教えてあげよう。
そしたらパパはもう眼鏡を掛けなくなるのかな? 眼鏡を掛けたパパは一番パパらしいからそれは勘弁だな。
「星歌、おっさん」
「星ちゃん、おじさん」
太陽の私達を呼ぶ弾んだ声が、背後から聞こえてくる。
今日は、どんな楽しい日になるんだろう?
普通で平凡な毎日でも、私はそんな日常が大好きだ。
おしまい
最後まで読んでいただきありがとうございます。
聖女となって、冤罪をはらします編が開始されて一年半。ようやく完結しました。
最初の方から実は母親が生きていることにしようとしてたのですが、弟は最後の方まで決めかねてました。最初の案だと聖女の力で過去に戻って、母親を助けてお持ち帰り。もしくはクリスタルに封印されてたとか(笑)
とにかくハッピーエンドに出来て満足です。
続編はあるとしたらほのぼの短編。長編なら陽と龍ノ介のラブコメかな?
でも書きたくなったら、また事件が起きるかも知れません。←おい。
0
お気に入りに追加
61
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(11件)
あなたにおすすめの小説

聖女の力を隠して塩対応していたら追放されたので冒険者になろうと思います
登龍乃月
ファンタジー
「フィリア! お前のような卑怯な女はいらん! 即刻国から出てゆくがいい!」
「え? いいんですか?」
聖女候補の一人である私、フィリアは王国の皇太子の嫁候補の一人でもあった。
聖女となった者が皇太子の妻となる。
そんな話が持ち上がり、私が嫁兼聖女候補に入ったと知らされた時は絶望だった。
皇太子はデブだし臭いし歯磨きもしない見てくれ最悪のニキビ顔、性格は傲慢でわがまま厚顔無恥の最悪を極める、そのくせプライド高いナルシスト。
私の一番嫌いなタイプだった。
ある日聖女の力に目覚めてしまった私、しかし皇太子の嫁になるなんて死んでも嫌だったので一生懸命その力を隠し、皇太子から嫌われるよう塩対応を続けていた。
そんなある日、冤罪をかけられた私はなんと国外追放。
やった!
これで最悪な責務から解放された!
隣の国に流れ着いた私はたまたま出会った冒険者バルトにスカウトされ、冒険者として新たな人生のスタートを切る事になった。
そして真の聖女たるフィリアが消えたことにより、彼女が無自覚に張っていた退魔の結界が消え、皇太子や城に様々な災厄が降りかかっていくのであった。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

〈完結〉毒を飲めと言われたので飲みました。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃シャリゼは、稀代の毒婦、と呼ばれている。
国中から批判された嫌われ者の王妃が、やっと処刑された。
悪は倒れ、国には平和が戻る……はずだった。


出来損ないと呼ばれた伯爵令嬢は出来損ないを望む
家具屋ふふみに
ファンタジー
この世界には魔法が存在する。
そして生まれ持つ適性がある属性しか使えない。
その属性は主に6つ。
火・水・風・土・雷・そして……無。
クーリアは伯爵令嬢として生まれた。
貴族は生まれながらに魔力、そして属性の適性が多いとされている。
そんな中で、クーリアは無属性の適性しかなかった。
無属性しか扱えない者は『白』と呼ばれる。
その呼び名は貴族にとって屈辱でしかない。
だからクーリアは出来損ないと呼ばれた。
そして彼女はその通りの出来損ない……ではなかった。
これは彼女の本気を引き出したい彼女の周りの人達と、絶対に本気を出したくない彼女との攻防を描いた、そんな物語。
そしてクーリアは、自身に隠された秘密を知る……そんなお話。
設定揺らぎまくりで安定しないかもしれませんが、そういうものだと納得してくださいm(_ _)m
※←このマークがある話は大体一人称。

【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。

強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
38話が2つ有ります😅。
すみません。投稿してからすぐに気づいて、修正しました。
お久しぶりです、最近読めていなくてごめんなさい。
二章まで全て読みました、話のテンポが良く、未知数な展開でとても面白かったです!
今後も読むのが遅れてしまうことはあるかもしれないのですが、好きな作品の一つなので是非最後まで読ませていただきたいです、応援しています!
吏南さんも、無理はなさらず休みたい時は休むようにしてくださいね。
お久しぶりです。
読んでくれるだけでも大喜びなので、そんな気になさらないで下さい。
だんだん毛色が変わってしまい大丈夫かなと心配していたのですが、そう言ってくれると励みになります。
カイワレミミズクさんも読める時構いませんので、これからもよろしくお願いします。
Twitterで作品の紹介いただきありがとうございます。
魅力的なキャラクターなのですが、
ファンタジー系としてと読めばいいのか?
恋愛系としてと読めばいいのか?
考えてしまう作品
読んでいただきありがとうございます。
キャラクターを褒めてもらって嬉しいです。
ジャンルとしてはファンタジー主体としてますが、恋愛要素もこれから多くなっていきますのでそこは読み手に任せています。