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8章(エピローグ)物語は続いていく
135.帰って来た地球
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「チュチュ、チュピチュビチュー!!」
あの時と同じようにチョピは呪文を大きく鳴き、ジャンプで宙を一回転し私の頭上に着地。
【これでチキュウに戻ったよ。確かめてね】
「うん、分かった」
チョピの言葉通り確かめるために、TVをつけカーテンに窓も開ける。
外の風景は、見慣れた懐かしい街並み。街の環境音が聞こえてくる。
TVはニュースが流れ、時刻表示は6:50だった。
「地球に帰って来たんだな」
「そうだね。やっとだよ。あっそうだ。太陽と黒崎は早く家に帰りなよ」
パパの安堵の呟きで、帰って来た実感をヒシヒシと感じていく。それと同時に機転が回り、今すぐ三人に帰ることを薦める。
本当はみんなで帰省を喜びパーティーで盛り上がりたいけれど、それぞれの家族との再会の方が先決。数ヶ月も逢えなかったんだもん。
「うん、そうする。家族に早く逢いたい」
「そうだな。久しぶりに母ちゃんの手料理が食べてぇ」
「自分もだ。村瀬さん、舘先生。今までお世話になりました。今後もよろしくお願いします。それではまた明日」
陽は声を弾ませて嬉しそうに、帰る支度を始める。太も帰る気満々だ。
黒崎なんか礼儀正しくパパと龍くんにお礼を言い、さっさといち早く帰ってしまう。
今まで見たことない笑顔を浮かべ、かなりの浮かれように唖然となる。
黒崎もこんな風になるんだ。
何より私のように家族が大好きなんて知らなかったよ。
知ってたらもっと仲良くなれたかも?
「大地には、年の離れた目に入れても痛くない妹がいるみたいだ」
「そうなの? なら無理もないか」
更なる新事実を太に教えられ、びっくりするもそれなら納得が出来た。
年の離れた弟妹であれば、高い確率で目に入れても痛くないほど可愛いんだと思う。その証拠に五歳・七歳離れた太陽の兄達は、特に陽のことを溺愛している。シスコンの鏡とも言える。パパも一回り以上離れた弟妹には甘い。
私も弟が産まれたら劇甘になるのかな? ……なるんだろんな。
「龍ノ介さんは実家に帰らないんですか?」
「帰らないよ。突然帰ったら気色悪がられるだろうし、どうせ明日剣道場に顔出すからそれでいいんだよ。星夜もだろう?」
「まぁな。俺は普段から半年に一度会う程度だからな。まぁスピカとの結婚報告と妊娠報告があるから、近いうちに電話するつもりだよ」
私達と違い、大人達はあっさりとしていた。
翌朝
【今日はどうするの?】
「今日は学校。久々だから緊張するけれど、友達と会えるから楽しみなんだ」
高校に行くため久しぶりの制服に着替えていると、チョピに問われルンルン気分で返答する。
私達には数ヶ月ぶりの登校なんだけど、世の中では普通に翌日。
普通の翌日だから、友達と会ったって感動の再会とはならない。それでも私達にとっては感動の再会だから、高い確率で感極まって泣いてしまいそう。
私より陽が危ないんだよね? しかも陽だけ別のクラスだから、フォローしてくれる人がいない。
昨夜も帰ってから、ちょっとした事件になったみたい。家族を見るなり陽は号泣。太にいじめられたと勘違いした兄二人から大激怒。殴り合いの喧嘩に発展しかけ、間一髪の所で陽に抱きしめられ収まったらしい。だから心配。
【そうなんだ。でもそしたらボクは……お留守番?】
「……確かチョピって気配消せるんだよね? おとなしくしてるんならいいよ」
【うん。おとなしくしてる。学校ではしゃべらない】
ちゃんといけないと言う自覚があるらしい。しょんぼりと塩らしくなるチョピ。
可哀想で見てられなくって、条件付きで許可してしまった。
……本当に大丈夫だろうか?
「セイカ、大変だ」
「? 血相を変えてどうしたの?」
今度は顔を真っ赤にしたお母さんが乱雑にドアを開け、私の部屋に乱入してくる。
ほほを赤く染まらせる所を見ると、怒っているより恥ずかしい?
龍くんの素っ裸でも、見てしまったんだろうか?
「セイヤがインテリだ。格好良すぎて直視できない」
「は、パパがインテリ? あっそうか今日は出勤の日か」
声を裏返らせ訴えるお母さんの言っている意味が分からず。キョトンとなるも、不意に目に入ったカレンダーで今日を思い出す。
今日は週一の出勤日。コンタクトから眼鏡に変えて、スーツ姿になっているのだろう。
格闘家のパパしか知らないから、お母さんには斬新なんだね?
確かにあの姿を見たら、びっくりだよね。
私の場合、逆でびっくりだった。
「セイヤの職業はなんなんだ?」
「……建築家?」
いきなり職業を聞かれお母さんには分からない職種だったから、なんて答えて言いか分からず。よく考え分かる職種を思い浮かび答えてみる。
ITエンジニアとは、コンピューターを動かすためのシステムを設計すること。だから強ち間違いはない……はず。
この数ヶ月は筋トレマニアで脳筋だったから忘れがちだったけれど、地球でのパパは理系男子で秀才。おまけに高収入。
「そんなことセイヤに出来るのか?」
「そりゃぁ格闘家のパパからは想像出来ないかもだけど、地球でのパパは理系男子で秀才なんだよ」
「そうなのか? いずれにしろ新しいセイヤの魅力を知って得した気分だ」
納得のいく答えに満足だったらしく、機嫌良く鼻歌交じりで部屋を出て行く。
あの時と同じようにチョピは呪文を大きく鳴き、ジャンプで宙を一回転し私の頭上に着地。
【これでチキュウに戻ったよ。確かめてね】
「うん、分かった」
チョピの言葉通り確かめるために、TVをつけカーテンに窓も開ける。
外の風景は、見慣れた懐かしい街並み。街の環境音が聞こえてくる。
TVはニュースが流れ、時刻表示は6:50だった。
「地球に帰って来たんだな」
「そうだね。やっとだよ。あっそうだ。太陽と黒崎は早く家に帰りなよ」
パパの安堵の呟きで、帰って来た実感をヒシヒシと感じていく。それと同時に機転が回り、今すぐ三人に帰ることを薦める。
本当はみんなで帰省を喜びパーティーで盛り上がりたいけれど、それぞれの家族との再会の方が先決。数ヶ月も逢えなかったんだもん。
「うん、そうする。家族に早く逢いたい」
「そうだな。久しぶりに母ちゃんの手料理が食べてぇ」
「自分もだ。村瀬さん、舘先生。今までお世話になりました。今後もよろしくお願いします。それではまた明日」
陽は声を弾ませて嬉しそうに、帰る支度を始める。太も帰る気満々だ。
黒崎なんか礼儀正しくパパと龍くんにお礼を言い、さっさといち早く帰ってしまう。
今まで見たことない笑顔を浮かべ、かなりの浮かれように唖然となる。
黒崎もこんな風になるんだ。
何より私のように家族が大好きなんて知らなかったよ。
知ってたらもっと仲良くなれたかも?
「大地には、年の離れた目に入れても痛くない妹がいるみたいだ」
「そうなの? なら無理もないか」
更なる新事実を太に教えられ、びっくりするもそれなら納得が出来た。
年の離れた弟妹であれば、高い確率で目に入れても痛くないほど可愛いんだと思う。その証拠に五歳・七歳離れた太陽の兄達は、特に陽のことを溺愛している。シスコンの鏡とも言える。パパも一回り以上離れた弟妹には甘い。
私も弟が産まれたら劇甘になるのかな? ……なるんだろんな。
「龍ノ介さんは実家に帰らないんですか?」
「帰らないよ。突然帰ったら気色悪がられるだろうし、どうせ明日剣道場に顔出すからそれでいいんだよ。星夜もだろう?」
「まぁな。俺は普段から半年に一度会う程度だからな。まぁスピカとの結婚報告と妊娠報告があるから、近いうちに電話するつもりだよ」
私達と違い、大人達はあっさりとしていた。
翌朝
【今日はどうするの?】
「今日は学校。久々だから緊張するけれど、友達と会えるから楽しみなんだ」
高校に行くため久しぶりの制服に着替えていると、チョピに問われルンルン気分で返答する。
私達には数ヶ月ぶりの登校なんだけど、世の中では普通に翌日。
普通の翌日だから、友達と会ったって感動の再会とはならない。それでも私達にとっては感動の再会だから、高い確率で感極まって泣いてしまいそう。
私より陽が危ないんだよね? しかも陽だけ別のクラスだから、フォローしてくれる人がいない。
昨夜も帰ってから、ちょっとした事件になったみたい。家族を見るなり陽は号泣。太にいじめられたと勘違いした兄二人から大激怒。殴り合いの喧嘩に発展しかけ、間一髪の所で陽に抱きしめられ収まったらしい。だから心配。
【そうなんだ。でもそしたらボクは……お留守番?】
「……確かチョピって気配消せるんだよね? おとなしくしてるんならいいよ」
【うん。おとなしくしてる。学校ではしゃべらない】
ちゃんといけないと言う自覚があるらしい。しょんぼりと塩らしくなるチョピ。
可哀想で見てられなくって、条件付きで許可してしまった。
……本当に大丈夫だろうか?
「セイカ、大変だ」
「? 血相を変えてどうしたの?」
今度は顔を真っ赤にしたお母さんが乱雑にドアを開け、私の部屋に乱入してくる。
ほほを赤く染まらせる所を見ると、怒っているより恥ずかしい?
龍くんの素っ裸でも、見てしまったんだろうか?
「セイヤがインテリだ。格好良すぎて直視できない」
「は、パパがインテリ? あっそうか今日は出勤の日か」
声を裏返らせ訴えるお母さんの言っている意味が分からず。キョトンとなるも、不意に目に入ったカレンダーで今日を思い出す。
今日は週一の出勤日。コンタクトから眼鏡に変えて、スーツ姿になっているのだろう。
格闘家のパパしか知らないから、お母さんには斬新なんだね?
確かにあの姿を見たら、びっくりだよね。
私の場合、逆でびっくりだった。
「セイヤの職業はなんなんだ?」
「……建築家?」
いきなり職業を聞かれお母さんには分からない職種だったから、なんて答えて言いか分からず。よく考え分かる職種を思い浮かび答えてみる。
ITエンジニアとは、コンピューターを動かすためのシステムを設計すること。だから強ち間違いはない……はず。
この数ヶ月は筋トレマニアで脳筋だったから忘れがちだったけれど、地球でのパパは理系男子で秀才。おまけに高収入。
「そんなことセイヤに出来るのか?」
「そりゃぁ格闘家のパパからは想像出来ないかもだけど、地球でのパパは理系男子で秀才なんだよ」
「そうなのか? いずれにしろ新しいセイヤの魅力を知って得した気分だ」
納得のいく答えに満足だったらしく、機嫌良く鼻歌交じりで部屋を出て行く。
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