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8章(エピローグ)物語は続いていく
133.変わり始める世界
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地球に帰るかどうかを黒崎に確認を取るためお城に行くと、アリア姫が話があると言われ客間に通される。
待たされている間に、詳しい事情を話すことにした。
「今夜地球に帰ろうと思うんだけど、黒崎はどうする? もう少し待った方が良い?」
「今夜? 随分いきなりだな? 村瀬はそれでいいのか?」
「うん。実は聖霊達が二つの世界を自由に行き交う扉を用意してくれるんだって」
「それなら問題ないな」
黒崎も例外はなくやっぱりこれには驚くけれど、訳を話すとすんなり受け入れてくれる。どこかホッとしているようだった。
行き交うことが出来るんだったら帰らない選択は、よほどのことがない限りないと思う。 でも出来なかったら、黒崎はどっちの世界を選でいたんだろう?
「じゃぁ決まりだね。トゥーランに行きたくなったら、いつでもうちに来てね。行先は魔王城だけれど、審判の花から聖女の泉にワープ出来るみたいだよ」
「それは助かる。自分はこれからもリュウさんと供にセレス姫を助けて、今よりよりよい世界を作っていきたい思っている」
目を輝かせて、これからのことを語る。
黒崎はもう自分の将来の夢を見つけている。
地球もトゥーランも同じぐらい大切な場……もしかしたらトゥーランの方が大切なのかも知れない。
それに比べて私は聖女としてやっていくのをためらっている。トゥーランは私の故郷なのに、地球が私のいるべき場所だと思ってしまう。
いつか黒崎のように、両方の世界が大切って言いたいな。
そして将来の夢を見つけたい。
「私も出来る範囲で、お母さんの手伝いをしようと思う」
「オレはこの世界のことをもっと知りたいから、星歌と一緒にスピカさんの手伝いする」
「もちろん私も」
黒崎を見習って私も前向きになって張りきって言ってみると、太陽も当然とばかりに私一緒だと言ってくれる。
そう言ってくれると、すごく嬉しい。
しばらくするとアリア姫は側近であるゼスさんを連れてやって来た。
「この度父上が洗脳の全責任を取ることになり、私が王位を継承することになりました」
「は、王が失脚? その後は大丈夫なのか?」
「誤解しないで。二人も知っての通り父上は魔族愛好家だったから、いくら洗脳のせいだとしても自分が許せなかったみたい。隠居後はすべてを魔族のために尽くすと張りきっているわ」
「そうなんだ。それなら心配しなくても良いな」
いきなりの本題は結構重そうな話に重い空気が流れるけれど、すぐにそうでもないと発覚。パパ達は呆気に取られている。
人間の王様は魔族の愛好家?
娘と孫も魔族には偏見がなく好意的だから分かるような気もするけれど、洗脳以前にも魔族と対立していたはず。
なによりも魔王一族を処刑しようとしていたんだよね?
これって矛盾してない?
「お母さんは知ってたの?」
「今思い出した。前人間の王まで魔族を毛嫌いしてたんだ。それでもあたしが処刑されずにすんだのは、アリアと現王のおかげだった。二人が目が届かない土地を、セイヤに領土して与えてくれた」
違和感を持ちお母さんに小声で尋ねると、どうやら忘れていたらしく思いだす。かなり驚いている様子。
「それで父上が謁見の間で、セイカとスピカさんに謝罪したいと言っているの。今用意しているから、もう少し待っててね」
「は、王が謁見の間で謝罪? それは正式な物だと受け止めていいのか?」
龍くんは目をまん丸くし、確かにそうであればすごいことを確認する。
人間が魔族に謝罪する。非を認めることだよね?
「ええ。スピカさんの冤罪とセイカの処刑命令への謝罪。人間には洗脳が解けても魔族を憎む者は一斉数いるけれど、それでも今回の件はすべて人間側の過失だと認めたの」
「へぇ、人間は意外にまともな判断が出来るんだね。そう言うことなら魔族側も、奇襲攻撃をしたことに謝罪しないといけないね」
揺るぎないアリア姫の答え。
これにはお母さんも感心するだけではなく、魔族にも非があったことを認める。
シノブと言う飛んでもない大悪党が、人間を滅ぼそうとして世界を征服しようとしてたのは事実。(エルフに対しては知らないけれど)
まぁその悪党の根元を作ったのは、英雄候補として召喚した人間なんだよね。
??
英雄候補を召喚したのは、魔王が暴走したから。
魔王が暴走したのは、人間が魔王族を殺したから。
じゃぁ魔王族を殺したのは、なぜ?
根元を探ろうとしたら、堂々巡りになって余計に分からなくなる。
戦争はお互い様だから、それでいいのかな?
「ありがとうございます。これからは良い関係が築ければと思います。和平会議はうまく行くといいですね」
「ああ、そうだな。こちらこそよろしく頼む」
アリア姫とお母さんは共に、笑顔を浮かべ手を取り合う。
この新しい互いのトップ達なら今まで夢物語に思えていた
“魔族と人間が手を取り合う平和な世界”
が近い未来実現するかも知れない。
待たされている間に、詳しい事情を話すことにした。
「今夜地球に帰ろうと思うんだけど、黒崎はどうする? もう少し待った方が良い?」
「今夜? 随分いきなりだな? 村瀬はそれでいいのか?」
「うん。実は聖霊達が二つの世界を自由に行き交う扉を用意してくれるんだって」
「それなら問題ないな」
黒崎も例外はなくやっぱりこれには驚くけれど、訳を話すとすんなり受け入れてくれる。どこかホッとしているようだった。
行き交うことが出来るんだったら帰らない選択は、よほどのことがない限りないと思う。 でも出来なかったら、黒崎はどっちの世界を選でいたんだろう?
「じゃぁ決まりだね。トゥーランに行きたくなったら、いつでもうちに来てね。行先は魔王城だけれど、審判の花から聖女の泉にワープ出来るみたいだよ」
「それは助かる。自分はこれからもリュウさんと供にセレス姫を助けて、今よりよりよい世界を作っていきたい思っている」
目を輝かせて、これからのことを語る。
黒崎はもう自分の将来の夢を見つけている。
地球もトゥーランも同じぐらい大切な場……もしかしたらトゥーランの方が大切なのかも知れない。
それに比べて私は聖女としてやっていくのをためらっている。トゥーランは私の故郷なのに、地球が私のいるべき場所だと思ってしまう。
いつか黒崎のように、両方の世界が大切って言いたいな。
そして将来の夢を見つけたい。
「私も出来る範囲で、お母さんの手伝いをしようと思う」
「オレはこの世界のことをもっと知りたいから、星歌と一緒にスピカさんの手伝いする」
「もちろん私も」
黒崎を見習って私も前向きになって張りきって言ってみると、太陽も当然とばかりに私一緒だと言ってくれる。
そう言ってくれると、すごく嬉しい。
しばらくするとアリア姫は側近であるゼスさんを連れてやって来た。
「この度父上が洗脳の全責任を取ることになり、私が王位を継承することになりました」
「は、王が失脚? その後は大丈夫なのか?」
「誤解しないで。二人も知っての通り父上は魔族愛好家だったから、いくら洗脳のせいだとしても自分が許せなかったみたい。隠居後はすべてを魔族のために尽くすと張りきっているわ」
「そうなんだ。それなら心配しなくても良いな」
いきなりの本題は結構重そうな話に重い空気が流れるけれど、すぐにそうでもないと発覚。パパ達は呆気に取られている。
人間の王様は魔族の愛好家?
娘と孫も魔族には偏見がなく好意的だから分かるような気もするけれど、洗脳以前にも魔族と対立していたはず。
なによりも魔王一族を処刑しようとしていたんだよね?
これって矛盾してない?
「お母さんは知ってたの?」
「今思い出した。前人間の王まで魔族を毛嫌いしてたんだ。それでもあたしが処刑されずにすんだのは、アリアと現王のおかげだった。二人が目が届かない土地を、セイヤに領土して与えてくれた」
違和感を持ちお母さんに小声で尋ねると、どうやら忘れていたらしく思いだす。かなり驚いている様子。
「それで父上が謁見の間で、セイカとスピカさんに謝罪したいと言っているの。今用意しているから、もう少し待っててね」
「は、王が謁見の間で謝罪? それは正式な物だと受け止めていいのか?」
龍くんは目をまん丸くし、確かにそうであればすごいことを確認する。
人間が魔族に謝罪する。非を認めることだよね?
「ええ。スピカさんの冤罪とセイカの処刑命令への謝罪。人間には洗脳が解けても魔族を憎む者は一斉数いるけれど、それでも今回の件はすべて人間側の過失だと認めたの」
「へぇ、人間は意外にまともな判断が出来るんだね。そう言うことなら魔族側も、奇襲攻撃をしたことに謝罪しないといけないね」
揺るぎないアリア姫の答え。
これにはお母さんも感心するだけではなく、魔族にも非があったことを認める。
シノブと言う飛んでもない大悪党が、人間を滅ぼそうとして世界を征服しようとしてたのは事実。(エルフに対しては知らないけれど)
まぁその悪党の根元を作ったのは、英雄候補として召喚した人間なんだよね。
??
英雄候補を召喚したのは、魔王が暴走したから。
魔王が暴走したのは、人間が魔王族を殺したから。
じゃぁ魔王族を殺したのは、なぜ?
根元を探ろうとしたら、堂々巡りになって余計に分からなくなる。
戦争はお互い様だから、それでいいのかな?
「ありがとうございます。これからは良い関係が築ければと思います。和平会議はうまく行くといいですね」
「ああ、そうだな。こちらこそよろしく頼む」
アリア姫とお母さんは共に、笑顔を浮かべ手を取り合う。
この新しい互いのトップ達なら今まで夢物語に思えていた
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