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6章 ラスボスへの道のり
111.審判の花
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【ルピーラ? どうも見当たらないと思ったら、モンスターにされてたのね】
「ルピ」
フェイリルはその子を上手くキャッチする。
それはないんじゃないの?
心の底で激しく突っ込んでしまうけれど、それでも良かったのかフェイリルに泣きつく。
「誰その子?」
【この子は私の使い魔の一匹。チョピの許可を貰って似せて作らせたの】
「一匹って他にもいるの?」
【うん。寂しくならないように三十匹。まとめてルピって言うの】
「!?」
あまりの多さに驚きである。
こんな可愛い子が後二十九匹いるなんて、そこはもはやパラダイス。
早くそこに行って賜りたい。
【ムー。セイカはボクだけでいいの。ルピ達に心を奪われちゃ駄目】
そんな私のやましい心を読み取ったチョピは、ムッと怒りながら私へダイビング。
フェイリルと違って、こっちはものすごい焼きもち焼き。
まぁそこがすごく可愛いんだけど。
「本当にチョピは甘えん坊さんだね。太、この子はルピーラ。フェイリルの使い魔のルピなんだって。全部で三十匹いるみたい」
「三十匹? それはすごいな」
さすがに太も多く感じたのか興味津々の眼差しでルピーラを見つめる。キョトンと不思議損に首を傾げるルピーラに、フェイルは微笑み何かを耳打ちした。
「ルピルピ」
たちまちルピーラはご機嫌になり太の肩にちょこんと乗り、寄り添い尻尾を使い甘え始める。
滅茶苦茶可愛い。
「おい星歌。こいつは何を言ってるんだ?」
困り果てる太を助けたいけれど、残念ながら私にもルピーラの言葉は分からない。
でもなんとなく予想はつく。
【助けてくれて、ありがとうだよ。ルピの言葉は術者の私には分からないんだ】
フェイリルの通訳は、予想通りの答えだった。
言葉が分からなくてもチョピとルピーラは似ているから、なんとなく分かる。
「助けてくれてありがとうだって。ルピの言葉はフェイリルにしか分からないみたい」
「へぇ~。助かって良かったな」
「ルピ!!」
感謝の気持ちが伝わり、二人は仲良くなった。
審判の花が咲いている場所は、洞窟なのに色とりどりの花が咲き乱れている草原。それから本当にたくさんのルピがいて、こちらも色とりどりだった。
まさしくここは楽園である。
【セイカ、早くを審判の花の加護を受けて帰ろう】
「そそうだね。みんなが心配するもんね。太はここで待っててくれる?」
「分かった」
チョピの怒りは収まらず。
これ以上怒らせて嫌われたくないから、変な汗をダラダラ流し話を合わせる。
それにチョピの言う通り早く戻らないと、特にパパが心配する。
「ねぇ、チョピ。審判の花の加護ってどうやって受けるの?」
辺りを見回しても泉はないので、今回はみそぎではない?
【ボクが審判の花を摘んでセイカの髪に着けるんだ。そしたら聖女の力がパワーアップして、悪しき物だけを浄化できるようになるよ】
「そしたら人間の洗脳が解けるようになるね。……もしやシノブも?」
随分可愛らしい加護の方法に笑顔がほころびそれと同時にふと偽善者らしい考えが思い浮かぶ。
万が一にもシノブに良心がほんの少しでも残っているんならば、悪しき心を浄化したら善人になる?
…………。
善人になってもそれまでの悪行が許される訳でもないから、むしろそっちの方が生き地獄かも?
それでも中には善人シノブを見て許し認めてくれる人がいると思うけれど、私は絶対に許さないし認めない。浄化したら顔も見たくない。
【良心があればね。良心がなかったら、魂ごと浄化されて消滅するだけ】
「さっきと同じやり方でいいの?」
記憶を持って転生できるスキルを持っているシノブ。今まではその辺を深く考えずに倒すことだけを考えていたけれど、それじゃ意味がないって今さら気づいた。魂が消滅する倒した方が断然いい。もし転生して数十年後に再び地球までやって来たら、たまったもんじゃない。
絶対ここで決着をつける。
【うん。それに浄化の光でも可能だよ。でも強力になるから一発撃ったら、しばらく動けなくなるけどね】
「そうなんだ。だったら失敗は絶対に許されないか」
チョピは軽く言うけれど、結構重大なことで最終手段にしようと思った。
パパにとどめを刺してもらうしかやっぱりないらしい。
パパはもう心を傷つけられたりしないだろうか?
それが一番の心配。
今はお母さんもいるから大丈夫だと思うけれど、よく考えたらお母さんの身体は忍が作ったホムンクルス。
何か罠を仕掛けている可能性があるかも知れない。
そうなったらあの時とは比べ物にならないぐらいに傷つくんだよね?
精神崩壊。
パパはその可能性に気づいているんだろうか?
今夜そのことも含めて二人だけで話せれば良いな。
【セイカ、始めるよ。いい?】
「うん。でも一凛しかない審判の花を摘んでもいいの?」
いざ儀式と言う所で、そもそもの疑問を抱く。
綺麗な花畑の中心に一凛だけ光り輝くピンクのハートの可愛らしい小さな花が連なって咲いている。そう藤みたい。
これを花飾りにするのはセンスがいいとは思うんだけど、これを摘んだら審判の花はなくなってしまう。
審判の花がなくなったら、災いが訪れる?
【大丈夫。ボクが摘めば新しい審判の花が咲くから】
私の考えすぎだった。
「そうなの? なら問題ないね」
【うん。じゃぁ始めるよ】
ポキ
審判の花を摘むというより、躊躇なく強引に茎を折る。まったくありがたみを感じられない。
そんなんでいいの?
思わず突っ込みそうになるも、儀式を邪魔したらいけないのでぐっと堪えた。
【セイカは、聖女になって良かった?】
無邪気にそう問われるけれど、なんて言えばいいのか分からず答えに悩む。
聖女になって良かったと思ったことはない。私が聖女にならなかったらトゥーランに来ることはなかったんだから、今も変わらず平凡な日々を送っていただろう。
だけど聖女になってトゥーランに来れたから、お母さんと会えた。チュピとも仲良くなれた。私の過去を知れた。
太と両想い……これは来なくてもそのうちなれたかも?
シノブのことを考えると、聖女になれて良かったのかな?
「全部終わらないとその答えは出せないや」
【それもそうだね。でもボクはセイカが聖女になってくれて良かった。セイカのこと大好きだから】
悩みに悩んだ末の答えを正直に伝えると、チョピも素直な気持ち言い私の髪にそっと審判の花を着け頬にキスをする。
聖女の泉の時のようにたちまち辺りがパッと明るくなリ、ルピ達は私達の周りにやって来て歌い出す。
これはもう儀式の締めなんだろうね?
「私もチョピのこと大好きだよ」
「ルピ」
フェイリルはその子を上手くキャッチする。
それはないんじゃないの?
心の底で激しく突っ込んでしまうけれど、それでも良かったのかフェイリルに泣きつく。
「誰その子?」
【この子は私の使い魔の一匹。チョピの許可を貰って似せて作らせたの】
「一匹って他にもいるの?」
【うん。寂しくならないように三十匹。まとめてルピって言うの】
「!?」
あまりの多さに驚きである。
こんな可愛い子が後二十九匹いるなんて、そこはもはやパラダイス。
早くそこに行って賜りたい。
【ムー。セイカはボクだけでいいの。ルピ達に心を奪われちゃ駄目】
そんな私のやましい心を読み取ったチョピは、ムッと怒りながら私へダイビング。
フェイリルと違って、こっちはものすごい焼きもち焼き。
まぁそこがすごく可愛いんだけど。
「本当にチョピは甘えん坊さんだね。太、この子はルピーラ。フェイリルの使い魔のルピなんだって。全部で三十匹いるみたい」
「三十匹? それはすごいな」
さすがに太も多く感じたのか興味津々の眼差しでルピーラを見つめる。キョトンと不思議損に首を傾げるルピーラに、フェイルは微笑み何かを耳打ちした。
「ルピルピ」
たちまちルピーラはご機嫌になり太の肩にちょこんと乗り、寄り添い尻尾を使い甘え始める。
滅茶苦茶可愛い。
「おい星歌。こいつは何を言ってるんだ?」
困り果てる太を助けたいけれど、残念ながら私にもルピーラの言葉は分からない。
でもなんとなく予想はつく。
【助けてくれて、ありがとうだよ。ルピの言葉は術者の私には分からないんだ】
フェイリルの通訳は、予想通りの答えだった。
言葉が分からなくてもチョピとルピーラは似ているから、なんとなく分かる。
「助けてくれてありがとうだって。ルピの言葉はフェイリルにしか分からないみたい」
「へぇ~。助かって良かったな」
「ルピ!!」
感謝の気持ちが伝わり、二人は仲良くなった。
審判の花が咲いている場所は、洞窟なのに色とりどりの花が咲き乱れている草原。それから本当にたくさんのルピがいて、こちらも色とりどりだった。
まさしくここは楽園である。
【セイカ、早くを審判の花の加護を受けて帰ろう】
「そそうだね。みんなが心配するもんね。太はここで待っててくれる?」
「分かった」
チョピの怒りは収まらず。
これ以上怒らせて嫌われたくないから、変な汗をダラダラ流し話を合わせる。
それにチョピの言う通り早く戻らないと、特にパパが心配する。
「ねぇ、チョピ。審判の花の加護ってどうやって受けるの?」
辺りを見回しても泉はないので、今回はみそぎではない?
【ボクが審判の花を摘んでセイカの髪に着けるんだ。そしたら聖女の力がパワーアップして、悪しき物だけを浄化できるようになるよ】
「そしたら人間の洗脳が解けるようになるね。……もしやシノブも?」
随分可愛らしい加護の方法に笑顔がほころびそれと同時にふと偽善者らしい考えが思い浮かぶ。
万が一にもシノブに良心がほんの少しでも残っているんならば、悪しき心を浄化したら善人になる?
…………。
善人になってもそれまでの悪行が許される訳でもないから、むしろそっちの方が生き地獄かも?
それでも中には善人シノブを見て許し認めてくれる人がいると思うけれど、私は絶対に許さないし認めない。浄化したら顔も見たくない。
【良心があればね。良心がなかったら、魂ごと浄化されて消滅するだけ】
「さっきと同じやり方でいいの?」
記憶を持って転生できるスキルを持っているシノブ。今まではその辺を深く考えずに倒すことだけを考えていたけれど、それじゃ意味がないって今さら気づいた。魂が消滅する倒した方が断然いい。もし転生して数十年後に再び地球までやって来たら、たまったもんじゃない。
絶対ここで決着をつける。
【うん。それに浄化の光でも可能だよ。でも強力になるから一発撃ったら、しばらく動けなくなるけどね】
「そうなんだ。だったら失敗は絶対に許されないか」
チョピは軽く言うけれど、結構重大なことで最終手段にしようと思った。
パパにとどめを刺してもらうしかやっぱりないらしい。
パパはもう心を傷つけられたりしないだろうか?
それが一番の心配。
今はお母さんもいるから大丈夫だと思うけれど、よく考えたらお母さんの身体は忍が作ったホムンクルス。
何か罠を仕掛けている可能性があるかも知れない。
そうなったらあの時とは比べ物にならないぐらいに傷つくんだよね?
精神崩壊。
パパはその可能性に気づいているんだろうか?
今夜そのことも含めて二人だけで話せれば良いな。
【セイカ、始めるよ。いい?】
「うん。でも一凛しかない審判の花を摘んでもいいの?」
いざ儀式と言う所で、そもそもの疑問を抱く。
綺麗な花畑の中心に一凛だけ光り輝くピンクのハートの可愛らしい小さな花が連なって咲いている。そう藤みたい。
これを花飾りにするのはセンスがいいとは思うんだけど、これを摘んだら審判の花はなくなってしまう。
審判の花がなくなったら、災いが訪れる?
【大丈夫。ボクが摘めば新しい審判の花が咲くから】
私の考えすぎだった。
「そうなの? なら問題ないね」
【うん。じゃぁ始めるよ】
ポキ
審判の花を摘むというより、躊躇なく強引に茎を折る。まったくありがたみを感じられない。
そんなんでいいの?
思わず突っ込みそうになるも、儀式を邪魔したらいけないのでぐっと堪えた。
【セイカは、聖女になって良かった?】
無邪気にそう問われるけれど、なんて言えばいいのか分からず答えに悩む。
聖女になって良かったと思ったことはない。私が聖女にならなかったらトゥーランに来ることはなかったんだから、今も変わらず平凡な日々を送っていただろう。
だけど聖女になってトゥーランに来れたから、お母さんと会えた。チュピとも仲良くなれた。私の過去を知れた。
太と両想い……これは来なくてもそのうちなれたかも?
シノブのことを考えると、聖女になれて良かったのかな?
「全部終わらないとその答えは出せないや」
【それもそうだね。でもボクはセイカが聖女になってくれて良かった。セイカのこと大好きだから】
悩みに悩んだ末の答えを正直に伝えると、チョピも素直な気持ち言い私の髪にそっと審判の花を着け頬にキスをする。
聖女の泉の時のようにたちまち辺りがパッと明るくなリ、ルピ達は私達の周りにやって来て歌い出す。
これはもう儀式の締めなんだろうね?
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