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3章 一難去ってまた一難 魔王の孫娘は不幸?
44.新しい仲間
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「なんとか間に合ったみたいね?」
「ヨハン、無事だったのか?」
「ええ、なんとかね。ただもうここにはいられなくなったから、私も一緒に連れてってくれる?」
リュウさんの案内で無事にブラッケンから出られたのでいつもの場所で車に乗り込もうとすると、大きなリュックを背負った息を切らしたヨハンさんが姿を見せる。
声は元気そうでホッとしたのは束の間で、次の答えに耳を疑い驚きヨハンさんをガン見してしまう。
本人ケロッとしてはいるけれど、台詞には重荷があって緊急事態だよね?
もうここにはいられない?
一緒に連れてって?
それは明らかに私のせい……。
「ごめんなさい」
「え?」
「ヨハンさんが追われるのって、私を庇ったからなんですよね?」
「言い方が悪かったわね。私は最初っからついて行くつもりでいたの。だからセイカちゃんが気にする必要はないの」
申し訳なく謝ることしか出来ない私に、ヨハンさんは明るく言って笑顔を見せてくれる。
……少なくてもヨハンさんは密告者じゃないよね?
お母さんの親友だった人だからパパと同じで、お母さんの汚名を晴らしたいと強く思っている。
だから私達と一緒に行く。
信じても大丈夫だよね?
「ヨハンが来てくれれば百人引きだな」
ヨハンさんが同行することには、龍くんも大歓迎らしい。
嬉しそうな満悦の笑みがちょっと気になってしまった。
そう言えばヨハンさんは若くても五十歳前後のはずなのに、龍くんと並んでも違和感がなく同世代ぐらいに見えるんだよね?
まさか龍くん今でもヨハンさんが好きで、ヨハンさんも龍くんが好き?
……まさか。
「それで黒崎くんはどうする?」
「自分は姫様とここに残ります」
「そうか。分かった」
一方パパの素っ気ない問いに、黒崎は迷いなくいつも通りの答えが返ってくる。予想通りの答えだったのか、パパは無表情で引き留めることもなく頷くだけだった。
私も何も言えずにいる。
付いてきて欲しい。
なんて素直に自分の思いを声に出せればいいんだけれど、黒崎のことを考えると彼の意志を尊重するしかないんだよね?
たった数日で信頼関係が築けるほど、世の中そんなに甘くない……か。
「セイヤ、セイカ。このリングを着けてなさい。命に関わる危険があれば、瞬間移動が出来る。そしてリュウノスケにはこの鍵を授けよう。説明はこの紙に書いてある。選別だ」
しんみりと思っている中、ヨハンさんもいつも通りの凄いことを言って、私達にアイテム差し出す。
何かの文字がびっしり刻まれているシルバーのペアリングと、黄金に輝く鍵と紙。
「ありがとうございます。これで星歌に対して過保護にならなくてすみそうです」
「だろうな。セイカは年頃の娘なのだから、いくらなんでも四六時中監視されてたらウザがられるだけだろう?」
「…………」
リングを着けて結構可愛いなと思いながら少しだけ気分をあげてる中、またしても生真面目すぎるパパのとんでもない計画を聞かされる。
パパの考えなんてお見通しのルーナスさんの呆れきった言葉に、パパはハッとなり言葉をなくす。
このやり取りは最早お決まり化していた。
この件で私に対して超過保護になるんだろうとは予想していたけれど、まさかそれよりも異常な四六時中監視。寝ないで私の護衛。
……パパならやりかねない。
「ルーナスさんありがとうございます。私はパパに監視されても嫌いになることはないですけれど、そんなことになったらパパは身体を壊すとこでした。だから本当に良かったです」
「セイカは本当にセイヤが大好きなんだな。喜んでもらえて良かったよ。何か分かったらすぐに知らせに行くからな」
「はい、待っています」
考えるだけでゾッとしてそんな最悪事態にならなかったことに心から感謝すると、ルーナスさんは微笑み私の髪をなぜ約束を交わしてくれる。
「これが噂の地球でのセイヤとセイカちゃんちね」
初めて見る建物に言うまでもなくヨハンさんは目を輝かせて見つめている。陽と同じ匂いを感じた。
二日ぶりなのに今朝がいろいろあり過ぎて、なんだか久しぶりに帰宅した感じがする。
早くお風呂に入ってさっぱりして、ソファーでだらんとだらけたい。
アイスってまだあったっけぇ?
「龍くん、お風呂入りたいんだけれど、貯水タンクの補給頼める?」
「お安い御用だ。すぐ準備するから」
「うん、ありがとう」
そう思ったら今は何よりもお風呂が入りたくなり、龍くんにお願いをすると快く頷いてくれタンクがある裏庭に直行。今はまだ貯水タンクの補給は龍くんしか出来ない。
「ねぇセイカちゃん、私もお風呂一緒に入ってもいい?」
「あ、はい。我が家のお風呂は広いので大丈夫です」
「ありがとう。女同士の話を沢山しましょうね?」
「本当ですか? だったら早く行きましょう」
女同士の話なんて言われたら嬉しくなっちゃって、ヨハンさんの手を掴み家の鍵を開け急いで中へと入る。
まだヨハンさんと二人っきりになったことがなかったから、お母さんの話を聞いてないんだよね?
だからこの機会に、お母さんのことを聞いちゃおう。特にパパのことがどのぐらい好きだったのかも知りたい
それからヨハンさんは今の龍くんをどう思っているのかも。
「ヨハン、無事だったのか?」
「ええ、なんとかね。ただもうここにはいられなくなったから、私も一緒に連れてってくれる?」
リュウさんの案内で無事にブラッケンから出られたのでいつもの場所で車に乗り込もうとすると、大きなリュックを背負った息を切らしたヨハンさんが姿を見せる。
声は元気そうでホッとしたのは束の間で、次の答えに耳を疑い驚きヨハンさんをガン見してしまう。
本人ケロッとしてはいるけれど、台詞には重荷があって緊急事態だよね?
もうここにはいられない?
一緒に連れてって?
それは明らかに私のせい……。
「ごめんなさい」
「え?」
「ヨハンさんが追われるのって、私を庇ったからなんですよね?」
「言い方が悪かったわね。私は最初っからついて行くつもりでいたの。だからセイカちゃんが気にする必要はないの」
申し訳なく謝ることしか出来ない私に、ヨハンさんは明るく言って笑顔を見せてくれる。
……少なくてもヨハンさんは密告者じゃないよね?
お母さんの親友だった人だからパパと同じで、お母さんの汚名を晴らしたいと強く思っている。
だから私達と一緒に行く。
信じても大丈夫だよね?
「ヨハンが来てくれれば百人引きだな」
ヨハンさんが同行することには、龍くんも大歓迎らしい。
嬉しそうな満悦の笑みがちょっと気になってしまった。
そう言えばヨハンさんは若くても五十歳前後のはずなのに、龍くんと並んでも違和感がなく同世代ぐらいに見えるんだよね?
まさか龍くん今でもヨハンさんが好きで、ヨハンさんも龍くんが好き?
……まさか。
「それで黒崎くんはどうする?」
「自分は姫様とここに残ります」
「そうか。分かった」
一方パパの素っ気ない問いに、黒崎は迷いなくいつも通りの答えが返ってくる。予想通りの答えだったのか、パパは無表情で引き留めることもなく頷くだけだった。
私も何も言えずにいる。
付いてきて欲しい。
なんて素直に自分の思いを声に出せればいいんだけれど、黒崎のことを考えると彼の意志を尊重するしかないんだよね?
たった数日で信頼関係が築けるほど、世の中そんなに甘くない……か。
「セイヤ、セイカ。このリングを着けてなさい。命に関わる危険があれば、瞬間移動が出来る。そしてリュウノスケにはこの鍵を授けよう。説明はこの紙に書いてある。選別だ」
しんみりと思っている中、ヨハンさんもいつも通りの凄いことを言って、私達にアイテム差し出す。
何かの文字がびっしり刻まれているシルバーのペアリングと、黄金に輝く鍵と紙。
「ありがとうございます。これで星歌に対して過保護にならなくてすみそうです」
「だろうな。セイカは年頃の娘なのだから、いくらなんでも四六時中監視されてたらウザがられるだけだろう?」
「…………」
リングを着けて結構可愛いなと思いながら少しだけ気分をあげてる中、またしても生真面目すぎるパパのとんでもない計画を聞かされる。
パパの考えなんてお見通しのルーナスさんの呆れきった言葉に、パパはハッとなり言葉をなくす。
このやり取りは最早お決まり化していた。
この件で私に対して超過保護になるんだろうとは予想していたけれど、まさかそれよりも異常な四六時中監視。寝ないで私の護衛。
……パパならやりかねない。
「ルーナスさんありがとうございます。私はパパに監視されても嫌いになることはないですけれど、そんなことになったらパパは身体を壊すとこでした。だから本当に良かったです」
「セイカは本当にセイヤが大好きなんだな。喜んでもらえて良かったよ。何か分かったらすぐに知らせに行くからな」
「はい、待っています」
考えるだけでゾッとしてそんな最悪事態にならなかったことに心から感謝すると、ルーナスさんは微笑み私の髪をなぜ約束を交わしてくれる。
「これが噂の地球でのセイヤとセイカちゃんちね」
初めて見る建物に言うまでもなくヨハンさんは目を輝かせて見つめている。陽と同じ匂いを感じた。
二日ぶりなのに今朝がいろいろあり過ぎて、なんだか久しぶりに帰宅した感じがする。
早くお風呂に入ってさっぱりして、ソファーでだらんとだらけたい。
アイスってまだあったっけぇ?
「龍くん、お風呂入りたいんだけれど、貯水タンクの補給頼める?」
「お安い御用だ。すぐ準備するから」
「うん、ありがとう」
そう思ったら今は何よりもお風呂が入りたくなり、龍くんにお願いをすると快く頷いてくれタンクがある裏庭に直行。今はまだ貯水タンクの補給は龍くんしか出来ない。
「ねぇセイカちゃん、私もお風呂一緒に入ってもいい?」
「あ、はい。我が家のお風呂は広いので大丈夫です」
「ありがとう。女同士の話を沢山しましょうね?」
「本当ですか? だったら早く行きましょう」
女同士の話なんて言われたら嬉しくなっちゃって、ヨハンさんの手を掴み家の鍵を開け急いで中へと入る。
まだヨハンさんと二人っきりになったことがなかったから、お母さんの話を聞いてないんだよね?
だからこの機会に、お母さんのことを聞いちゃおう。特にパパのことがどのぐらい好きだったのかも知りたい
それからヨハンさんは今の龍くんをどう思っているのかも。
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