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3章 一難去ってまた一難 魔王の孫娘は不幸?
39.恐るべき未来
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-リュウノスケ、セイヤ、大変よ !!
「どうしたんだ? お前らしくもない?」
結局ヨハンの通信があるまで、最善策と言える案を見つけられず。ヨハンの声は切羽詰まっていて、龍ノ介が言うようにらしくはない。
俺の知っているヨハンはどんな時でも冷静に振る舞っていた。
ただごとではない?
-さっきギルドに知らせが来たの。今から三時間後闘技場で魔王の孫娘である少女を、聖人である男女によって火あぶり処刑するそうよ。
『!?』
最悪でしかない事実を告げられ、鈍器で頭をかち割られた衝撃を受ける。体中のすべての力が抜け、立っていられずその場に崩れ落ちた。
闘技場で火あぶり処刑。
民衆達の好気な曝され罵倒を受け続けながら、すぐには殺さずゆっくりとあぶり苦痛も長く続く究極の残虐な処刑。
一度だけ俺は無理矢理立ち会わされたことあるのだが、死刑囚とは言えあまりにも悲惨で最後まで見ていられなかった。
そんな処刑を何も犯していないただ魔王の孫娘であるだけで受けるというのか?
……目まいがする。
「おい、星夜。気を確かに。ヨハン、こっちに戻ってこれそうか?」
-ええ、今すぐ戻る──ごめんちょっと時間が掛かるかも知れない。
「は、なんだよ、それ?」
-事情は後で話すわ。それじゃぁ一端切るわね。
「え、あちょっと待て」
突然ヨハンの声のトーンが変わり小声の早口になったと思えば、そう言うだけ言い捨て通信は途絶える。
確実に何か別の緊急事態が発生したのだと思うも、今の俺にはヨハンの心配などしている余裕はなかった。
俺が星歌を救いに行かなければ、星歌は処刑されてしまう。
それにヨハンは有能な隠密なのだから、心配しなくても切り抜けるはずだ。
「セイヤ、落ち着きなさいと言ってるじゃないか? 言葉は悪いが、セイカは後三時間は無事だと言うことだ」
「ですがそれでも早く救いに行かなければ、星歌は不安と恐怖に押し潰され、心が死んでしまいます」
「それは確かにそうかも知れないが、だとしてもだ。例え今をお前が命をかけて助けたとしても、その後は誰がセイカを護ると言うのか?」
「…………」
一刻も早く星歌を救うべく城の壁を飛び越えようするが、またしてもルーナス先生に引き留められる。理由を言ってもそれ以上の理由を言われ言葉を失う。無意識に龍ノ介の顔を見てしまうが、
「そりゃもしお前に何かあれば星歌の面倒はオレが見るが、さすがに太陽もいる今は厳しいぞ?」
「…………」
更なるだめ出しを食らい自分の愚かさを思い知った。
処刑を逃れたても逃亡者になり、懸賞金を掛けられ追われる身となる。
そうなったらすべてを龍ノ介に任すわけにはいかない。
俺が最後まで星歌を護り抜くのは当たり前のこと。
さっきからの俺は本当に何をやってるんだろうか?
いろんなことが一気に起こり過ぎて、頭がまったくついていかない。
「チュピ!」
「? もしかしてチョピが先に星歌の元へ行ってくれるのか?」
「チュピチュピ!!」
そんな俺にチョピは自信を持って声をあげる。
俺を真剣な眼差しで見つめて来たため、自信なく聞くと力強く頷き胸を張りどーんと叩く。
「そうだな。チョピだったら見つからずに、セイカの元に辿り着くだろう」
「必ず助けにいくから、心配するなって伝えといてくれ」
「チュピン」
ルーナス先生もチョピの可能性に信じオレはそう頼み、勇敢に城へと立ち向かっていく姿を見守る。
俺達が近くまで来ていることをチョピが星歌に伝えてくれれば、きっと星歌は希望を持てチョピと一緒に待っていてくれる。
…………。
それとも捕まっているのは、太くんと陽ちゃんと一緒なんだろうか?
ん?
「聖人の男女ってなんだ? ガーロットは知っているか?」
「ニャー」
「ガーロットが知らないと言うのならば、でっち上げの可能性がある。ちなみに私もそんな伝承など聞いたこともない」
聞き覚えのない役職が不思議に思いガーロットに聞いてみれば、首を横に振られてしまう。
さらには伝承に詳しいルーナス先生も聞いたことがないらしく、デマ呼ばわりされる始末。
ただ龍ノ介は何か心当たりがあるのか、眉間にしわを寄せ何かを考えている様子。
「龍ノ介?」
「いいやなんでもない。問題はどうやって城に入るかだよな? セレス姫に連絡を取ろうにも、まだ六時過ぎだから寝てるだろうな」
「そうだよな」
確実に何か隠され話を先に進まされ、それはそれで大事なことなので話しに合わせる。
「黒崎に連絡を……黒崎? ちょうど良いところに現れたな?」
「館先生に村瀬さん? やっぱり来てたんですね」
ここ妥当な黒崎君の名前が出た矢先、黒崎君の姿が目にはいった。急いでいる様子ではあったが呼び止めると、驚かれるもなぜか納得され俺達の元に駆け寄ってくる。
魔族は敵だという考えを捨てろ。
と言った日以来(と言っても以前の付き合いはないが)、黒崎君は俺達となんだかんだで距離を取っているようだった。頼めば快く引き受けてくれるが、なんとなくよそよそしい。本当の意味での仲間になるまでにはもうしばらく時間が必要だろう。
「と言うことは、オレ達が泊まっている宿に向かうつもりだったんだな?」
「はい。魔王の孫娘を捕らえたから、公開火あぶり処刑すると聞かされました。……村瀬のことですよね?」
「ああ。おそらく。星歌と太陽が何者かに誘拐されて、チョピとガーロットの案内でここまで来たんだ。チョピを先に星歌の元へ行かせている」
よそよそしいのは相変わらずだが、それでも星歌を心配してくれている。そして龍ノ介の話を聞くなり、言葉を失い呆然と立ち尽くす。
やっぱり黒崎君は素直じゃないな。
「どうしたんだ? お前らしくもない?」
結局ヨハンの通信があるまで、最善策と言える案を見つけられず。ヨハンの声は切羽詰まっていて、龍ノ介が言うようにらしくはない。
俺の知っているヨハンはどんな時でも冷静に振る舞っていた。
ただごとではない?
-さっきギルドに知らせが来たの。今から三時間後闘技場で魔王の孫娘である少女を、聖人である男女によって火あぶり処刑するそうよ。
『!?』
最悪でしかない事実を告げられ、鈍器で頭をかち割られた衝撃を受ける。体中のすべての力が抜け、立っていられずその場に崩れ落ちた。
闘技場で火あぶり処刑。
民衆達の好気な曝され罵倒を受け続けながら、すぐには殺さずゆっくりとあぶり苦痛も長く続く究極の残虐な処刑。
一度だけ俺は無理矢理立ち会わされたことあるのだが、死刑囚とは言えあまりにも悲惨で最後まで見ていられなかった。
そんな処刑を何も犯していないただ魔王の孫娘であるだけで受けるというのか?
……目まいがする。
「おい、星夜。気を確かに。ヨハン、こっちに戻ってこれそうか?」
-ええ、今すぐ戻る──ごめんちょっと時間が掛かるかも知れない。
「は、なんだよ、それ?」
-事情は後で話すわ。それじゃぁ一端切るわね。
「え、あちょっと待て」
突然ヨハンの声のトーンが変わり小声の早口になったと思えば、そう言うだけ言い捨て通信は途絶える。
確実に何か別の緊急事態が発生したのだと思うも、今の俺にはヨハンの心配などしている余裕はなかった。
俺が星歌を救いに行かなければ、星歌は処刑されてしまう。
それにヨハンは有能な隠密なのだから、心配しなくても切り抜けるはずだ。
「セイヤ、落ち着きなさいと言ってるじゃないか? 言葉は悪いが、セイカは後三時間は無事だと言うことだ」
「ですがそれでも早く救いに行かなければ、星歌は不安と恐怖に押し潰され、心が死んでしまいます」
「それは確かにそうかも知れないが、だとしてもだ。例え今をお前が命をかけて助けたとしても、その後は誰がセイカを護ると言うのか?」
「…………」
一刻も早く星歌を救うべく城の壁を飛び越えようするが、またしてもルーナス先生に引き留められる。理由を言ってもそれ以上の理由を言われ言葉を失う。無意識に龍ノ介の顔を見てしまうが、
「そりゃもしお前に何かあれば星歌の面倒はオレが見るが、さすがに太陽もいる今は厳しいぞ?」
「…………」
更なるだめ出しを食らい自分の愚かさを思い知った。
処刑を逃れたても逃亡者になり、懸賞金を掛けられ追われる身となる。
そうなったらすべてを龍ノ介に任すわけにはいかない。
俺が最後まで星歌を護り抜くのは当たり前のこと。
さっきからの俺は本当に何をやってるんだろうか?
いろんなことが一気に起こり過ぎて、頭がまったくついていかない。
「チュピ!」
「? もしかしてチョピが先に星歌の元へ行ってくれるのか?」
「チュピチュピ!!」
そんな俺にチョピは自信を持って声をあげる。
俺を真剣な眼差しで見つめて来たため、自信なく聞くと力強く頷き胸を張りどーんと叩く。
「そうだな。チョピだったら見つからずに、セイカの元に辿り着くだろう」
「必ず助けにいくから、心配するなって伝えといてくれ」
「チュピン」
ルーナス先生もチョピの可能性に信じオレはそう頼み、勇敢に城へと立ち向かっていく姿を見守る。
俺達が近くまで来ていることをチョピが星歌に伝えてくれれば、きっと星歌は希望を持てチョピと一緒に待っていてくれる。
…………。
それとも捕まっているのは、太くんと陽ちゃんと一緒なんだろうか?
ん?
「聖人の男女ってなんだ? ガーロットは知っているか?」
「ニャー」
「ガーロットが知らないと言うのならば、でっち上げの可能性がある。ちなみに私もそんな伝承など聞いたこともない」
聞き覚えのない役職が不思議に思いガーロットに聞いてみれば、首を横に振られてしまう。
さらには伝承に詳しいルーナス先生も聞いたことがないらしく、デマ呼ばわりされる始末。
ただ龍ノ介は何か心当たりがあるのか、眉間にしわを寄せ何かを考えている様子。
「龍ノ介?」
「いいやなんでもない。問題はどうやって城に入るかだよな? セレス姫に連絡を取ろうにも、まだ六時過ぎだから寝てるだろうな」
「そうだよな」
確実に何か隠され話を先に進まされ、それはそれで大事なことなので話しに合わせる。
「黒崎に連絡を……黒崎? ちょうど良いところに現れたな?」
「館先生に村瀬さん? やっぱり来てたんですね」
ここ妥当な黒崎君の名前が出た矢先、黒崎君の姿が目にはいった。急いでいる様子ではあったが呼び止めると、驚かれるもなぜか納得され俺達の元に駆け寄ってくる。
魔族は敵だという考えを捨てろ。
と言った日以来(と言っても以前の付き合いはないが)、黒崎君は俺達となんだかんだで距離を取っているようだった。頼めば快く引き受けてくれるが、なんとなくよそよそしい。本当の意味での仲間になるまでにはもうしばらく時間が必要だろう。
「と言うことは、オレ達が泊まっている宿に向かうつもりだったんだな?」
「はい。魔王の孫娘を捕らえたから、公開火あぶり処刑すると聞かされました。……村瀬のことですよね?」
「ああ。おそらく。星歌と太陽が何者かに誘拐されて、チョピとガーロットの案内でここまで来たんだ。チョピを先に星歌の元へ行かせている」
よそよそしいのは相変わらずだが、それでも星歌を心配してくれている。そして龍ノ介の話を聞くなり、言葉を失い呆然と立ち尽くす。
やっぱり黒崎君は素直じゃないな。
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