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1章 再び動き始めた運命の歯車
16.意識されたい
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「星ちゃん、この服だけで着ると、ほら聖女っぽくない?」
「え、これだけで着るのは露出度が高くないかな?」
クローゼットの中から水色のワンピースを取り出した陽は私に合わせ満足そうに言うけれど、正直も何もありえない姿に躊躇してしまう。
だってそれはキャミワンピだから。普段はタンクトップを着ているのに、陽と来たら単体で進めてくるんだもん。
「そう? でもトゥーランは日中すごく暑いらしいよ」
「いや、そう言う問題じゃなくって。……だったら陽が着なよ。似合うと思うよ」
「私は別のを貸してもら……これがいい」
察しがいいはずなのに素で惚けられそれならばと、押しつけようとすると今度はさらりとか交わす。そして自分はアジアンテイストのノースリーブシャツとロングスカートを選ぶ。
私より断然に露出度が少ないけれど、陽にしてみれば結構攻めたコーディネート。
やっぱり龍くんがいるからかな?
「そう言えば太ってどんな服装が好みなの?」
「だからこれなの。たまにはセクシーさをアピールしないと太はバカだから、いつまで経っても今のままで進展しないんだよ」
「……太ってセクシー系が好きだったんだ……」
今まで聞いたこともない太の好みが気になって聞いてみると、龍くんのような答えが返ってきて納得する。
だからこんな攻めの服なんだ。
確かに太は馬鹿だから回りくどいアピールをしても気づいてはくれないんだと思う。
かと言って分かりやすいアピールをして玉砕をするのは勘弁したい。
そうなるとこの服しかないのか。
「分かった。これにするね」
「星ちゃんなら絶対に似合うはず。ねぇチョピちゃん?」
【うん。それでセイカが聖女になったらボクすごく嬉しい!!】
清水の舞台から飛び降りる気持ちで覚悟を決めれば、陽はニッコリ笑顔でチョピを巻き込みチョピは嬉しそうに私の周りをぴょんぴょんと飛び跳ねる。
昨夜私が聖女になることを決めた瞬間、約束通り大人しくしていたチョピが目を輝かせ騒ぎ出し、いきなり花火を打ち上げるからちょっと騒ぎとなった。
パパは私の聖女になる理由を聞くなり満悦の笑顔を浮かばせ、私を軽々と抱き上げそのまま二人で仲良く花火鑑賞。恥ずかしかったけれど二人だけだったし、嬉しそうなパパを見てたら私まで嬉しくなって。
そしたらそこに運悪く花火の音で家から出てきた皆さんに見られしまい、私の顔から火が出るぐらいの恥ずかし目に合い数秒意識がふっ飛んだ。
太に指を指されて笑われ馬鹿にされなかったからまだ良かった物の、そうじゃなかったら太を殴ってあの場から逃走していたと思う。
……そう言えば最近太からファザコンだって馬鹿にされなくなった。
それどころか陽と一緒に温かく見守られ……太も少しは大人に……私のこと子供だと思っているのかな?
それはそれでイヤなんだけれど……
『みんなお待たせ」
『!!』
「星歌もついにここまで成長したんだな。後もう少し……」
「龍ノ介、ちょっとこっちに来い」
「なんだよ。お前は娘が大人の女性へと成長していく姿を温かく見守れないのか?」
「お前が言うと疚しいんだ。良いからさっさと来い」
聖都に行く支度が出来たので陽とリビングに行くと、パパ達はもう支度を終えたのかソファーに座りくつろいでいた。
私の姿を見るなり太と黒崎は頬をほんのり赤く染め、口をあんぐり開けそのまま制止する。ニヤニヤしながら意味深な台詞を言う龍くんを、ご機嫌斜めなパパが耳を持ち命令口調で言い捨てる。それでも龍くんはへらへらして反論するから、マジギレしたパパに殴られ二人は退場。
「やっぱり私着替えようかな?」
「え~勿体ないよ。じゃぁ私が何か羽織る物を持ってくるね」
なんとなくその意味を察した私は着替える選択をしたのに、それでも陽に止められそう言いいリビングを飛び出していく。
確かに羽織る物があればこの開いた胸元を隠せるけれど、そう言う問題だけなのかな?
「せ星歌、とっても似合う。……その服」
「ありがとう。でもこのワンピース今までにも着ているけど」
「え、そうなのか?」
いきなり言われた心がこもっていない褒め言葉は、まったくと言って良いほど心に響くことなく一応お礼と一緒に不審であるとも言う。
すると太は罰の悪い表情に変わり、無言で髪をぐじゃぐじゃとかく。
今まで私が何を着ていても、太に興味を持ってもらえなかった。
つまり私を女として意識されてない?
ただの仲が良い友達? それとも妹……ってことはないよね?
でも今にさら言われたってことは、陽の言う通りセクシー系しか興味ないから?
龍くんの弟子だから仕方がないの?
…………。
…………っは?
太も巨乳美女が好きなの?
だからこの姿に反応しただけ?
「太はこう言うのが好きなの?」
「え、イヤ別に……。……星歌もそう言う格好をするんだなって……驚いただけだ。……ももちろん良い意味で……」
「これは陽チョイス。この方が……聖女っぽい……って言うから」
「……阿呆らしい」
とにかく気まずい空気が流れてしまい会話をしても、ぎくしゃく感が半端なくまともに顔も見られない。あまりのことに第三者の黒崎は深いため息を付き呆れて距離を取られた。
【セイカはツヨシのことが好きなの?】
「──!!」
誰でも良いから、早く戻って来て下さい。
「え、これだけで着るのは露出度が高くないかな?」
クローゼットの中から水色のワンピースを取り出した陽は私に合わせ満足そうに言うけれど、正直も何もありえない姿に躊躇してしまう。
だってそれはキャミワンピだから。普段はタンクトップを着ているのに、陽と来たら単体で進めてくるんだもん。
「そう? でもトゥーランは日中すごく暑いらしいよ」
「いや、そう言う問題じゃなくって。……だったら陽が着なよ。似合うと思うよ」
「私は別のを貸してもら……これがいい」
察しがいいはずなのに素で惚けられそれならばと、押しつけようとすると今度はさらりとか交わす。そして自分はアジアンテイストのノースリーブシャツとロングスカートを選ぶ。
私より断然に露出度が少ないけれど、陽にしてみれば結構攻めたコーディネート。
やっぱり龍くんがいるからかな?
「そう言えば太ってどんな服装が好みなの?」
「だからこれなの。たまにはセクシーさをアピールしないと太はバカだから、いつまで経っても今のままで進展しないんだよ」
「……太ってセクシー系が好きだったんだ……」
今まで聞いたこともない太の好みが気になって聞いてみると、龍くんのような答えが返ってきて納得する。
だからこんな攻めの服なんだ。
確かに太は馬鹿だから回りくどいアピールをしても気づいてはくれないんだと思う。
かと言って分かりやすいアピールをして玉砕をするのは勘弁したい。
そうなるとこの服しかないのか。
「分かった。これにするね」
「星ちゃんなら絶対に似合うはず。ねぇチョピちゃん?」
【うん。それでセイカが聖女になったらボクすごく嬉しい!!】
清水の舞台から飛び降りる気持ちで覚悟を決めれば、陽はニッコリ笑顔でチョピを巻き込みチョピは嬉しそうに私の周りをぴょんぴょんと飛び跳ねる。
昨夜私が聖女になることを決めた瞬間、約束通り大人しくしていたチョピが目を輝かせ騒ぎ出し、いきなり花火を打ち上げるからちょっと騒ぎとなった。
パパは私の聖女になる理由を聞くなり満悦の笑顔を浮かばせ、私を軽々と抱き上げそのまま二人で仲良く花火鑑賞。恥ずかしかったけれど二人だけだったし、嬉しそうなパパを見てたら私まで嬉しくなって。
そしたらそこに運悪く花火の音で家から出てきた皆さんに見られしまい、私の顔から火が出るぐらいの恥ずかし目に合い数秒意識がふっ飛んだ。
太に指を指されて笑われ馬鹿にされなかったからまだ良かった物の、そうじゃなかったら太を殴ってあの場から逃走していたと思う。
……そう言えば最近太からファザコンだって馬鹿にされなくなった。
それどころか陽と一緒に温かく見守られ……太も少しは大人に……私のこと子供だと思っているのかな?
それはそれでイヤなんだけれど……
『みんなお待たせ」
『!!』
「星歌もついにここまで成長したんだな。後もう少し……」
「龍ノ介、ちょっとこっちに来い」
「なんだよ。お前は娘が大人の女性へと成長していく姿を温かく見守れないのか?」
「お前が言うと疚しいんだ。良いからさっさと来い」
聖都に行く支度が出来たので陽とリビングに行くと、パパ達はもう支度を終えたのかソファーに座りくつろいでいた。
私の姿を見るなり太と黒崎は頬をほんのり赤く染め、口をあんぐり開けそのまま制止する。ニヤニヤしながら意味深な台詞を言う龍くんを、ご機嫌斜めなパパが耳を持ち命令口調で言い捨てる。それでも龍くんはへらへらして反論するから、マジギレしたパパに殴られ二人は退場。
「やっぱり私着替えようかな?」
「え~勿体ないよ。じゃぁ私が何か羽織る物を持ってくるね」
なんとなくその意味を察した私は着替える選択をしたのに、それでも陽に止められそう言いいリビングを飛び出していく。
確かに羽織る物があればこの開いた胸元を隠せるけれど、そう言う問題だけなのかな?
「せ星歌、とっても似合う。……その服」
「ありがとう。でもこのワンピース今までにも着ているけど」
「え、そうなのか?」
いきなり言われた心がこもっていない褒め言葉は、まったくと言って良いほど心に響くことなく一応お礼と一緒に不審であるとも言う。
すると太は罰の悪い表情に変わり、無言で髪をぐじゃぐじゃとかく。
今まで私が何を着ていても、太に興味を持ってもらえなかった。
つまり私を女として意識されてない?
ただの仲が良い友達? それとも妹……ってことはないよね?
でも今にさら言われたってことは、陽の言う通りセクシー系しか興味ないから?
龍くんの弟子だから仕方がないの?
…………。
…………っは?
太も巨乳美女が好きなの?
だからこの姿に反応しただけ?
「太はこう言うのが好きなの?」
「え、イヤ別に……。……星歌もそう言う格好をするんだなって……驚いただけだ。……ももちろん良い意味で……」
「これは陽チョイス。この方が……聖女っぽい……って言うから」
「……阿呆らしい」
とにかく気まずい空気が流れてしまい会話をしても、ぎくしゃく感が半端なくまともに顔も見られない。あまりのことに第三者の黒崎は深いため息を付き呆れて距離を取られた。
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