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しおりを挟む「フランダー教授、サウザンドです。友人二人を連れてきました」
「おお、そうか。入ってきなさい」
放課後になり約束通り教授室に、ヌクと双子を連れ訪れた。
双子には
フランダー教授の『人と神の禁断の恋について』の研究に興味がある。手伝いたいから協力して欲しい。
とお願いしたら、取り敢えず話だけと言うことになった。
妥当な判断だと思った。
言われた通り私はドアを明け中に入ると、意外にも研究室は整理整頓されていた。
アロマのいい匂いまでして、フランダー教授のいい意味でイメージ変わる。
「失礼します」
「来てくれたと言うことは、協力してもらえると思っていいのだろうか?」
どこか嬉しそうな笑みを浮かべるフランダー教授。
これも私が思い描いていたキャラと違って、いろんな意味で目が離せなくなる。
「ええ、私は協力させていただきます。ですがこの二人は話の内容次第です」
「はい。本来ならば私達はお嬢様の侍女なので拒否権がないのですが、危険が伴うと言うことならば話は別です」
「内容次第では私達では力不足なので、本家から戦闘に優れている執事を手配します」
「え、そう言う理由だったの?」
思いもよらない真相を聞き素で驚く。
てっきり命を懸けるのは嫌だから保留にされたと思っていたのに、そうじゃなく役不足だから適任者に変わろうとしていた。双子は当然とばかりに話していて、しかもどこか辛そうに聞こえる。
双子の役割は侍女だけではなく、護衛も兼ねているようだ。
初めて知った。
「? はい。それしか理由はないですよ」
「出来ることなら、私達も同行したいです」
「さすがスタンフィール一族。覚悟は主より出来てるな。しかし今の所、命を狙われることはない。自然とジャングルに潜むモンスターが驚異になるぐらいだ」
フランダー教授は双子の素性を知ってるようで、二人の揺るぎのない覚悟に称賛する。
私は彼に見くびられてる?
「失礼ですね。私だって覚悟は出来てます。なんとしてもクード神に会わないといけないのです」
胸を張り強気に言い返す。
こちらは命を懸けたデスゲーム。
それ相応の覚悟はある。
「ほう。それはつまり自分の体内に女魔王の魂が眠っている自覚があるようだな?」
途端に私への興味が沸いたのか、私に近づき視線を合わし驚愕発言。
もちろんフランダー教授が知っている設定はなく、驚いてしまう。
「なっ? フランダー教授も知ってるのですか?」
「ああ。だから君に声をかけた。クード神の牢獄場所を突き止めるには、女魔王の魂が必要だからな。安心しろ生け贄ではないから、死にはしない」
第三者が聞けば、立派な悪役の台詞。しかも不気味に見える笑顔が余計恐怖に見える。
生け贄じゃないと言われても、まったく安心できないのはなぜ?
人選間違えた?
「あの話がまったく読めないんですが?」
「お嬢様は女魔王の生まれ変わりなのですか?」
何も話してない双子は戸惑っていた。
「いいや。彼女の母方の先祖が代々女魔王の魂を体内に封印してるだけだ。これは今や本人達も知らないと思っていたんだが、実は語られていたりするのか?」
「いいえ。私がたまたま気づいただけです」
そんな設定になってたのか。
シナリオでは特に触れてなかっただけに、ファン達には生まれ変わり説が濃厚だったんだよね?
確かにそれなら筋が通っている。
「なるほど。勘が鋭いんだな。改めてよろしく頼む」
「こちらこそ。それじゃぁ二人も協力してくれるのね」
『はい、もちろんです!!』
人選間違えているかもだけど、フランダー教授以上の適任者がいない。だからしばらくは様子見ってことにして、私達は共同関係を結ぶ。
双子も快くOKしてくれる。
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