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 さぁて、私はこれからどうしよう?
 一人ショッピングをするにしても街並みを知らないから、また今度双子と一緒にいこう。だから今日は別の可能性を調べるために、学園内の図書室へ行くかな? 学園内なら迷わないと思うし。

 もう一つの別の可能性とは、覚醒する女魔王について。調べることで何か対策方法が見つかると思った。

 ちなみにシナリオの女魔王関連は、
 数万年前、神と人間が交流していた頃。
 愛の神クードと巫女が恋に落ちたけれど、それは許されない禁断の恋だった。犯せば重罪となる。死ぬことのない神は、この世界の最果てに流罪。人間の巫女と一族は、見せしめのため火やぶりの刑。
 そしてそれから一万年後。
 巫女の生まれ変わりが魔族と契約を交わし女魔王となり、世界を滅ぼそうとしたが勇者と聖女によって倒された。
 となっている。
 今も語り継がれている伝承は、世界征服を企んだ女魔王を聖女と勇者が倒したことだけ。それ以来聖女候補の巫女達から、優秀な人材に聖女の称号を与えられている。

 漫画化の話が来ていたからその辺を含めて設定を掘り下げるつもりでいたけれど、そう言えば私の死後のシナリオ担当は誰になるんだろう?
 打ち切られたとか?
 って言うか私はいつどこで、どうやって死んだの?
 悲しいぐらいにまったく覚えていない。



「君は考古学に興味があるのだろうか?」
「え、あフランダー教授。はい。愛の神クードと巫女の禁忌について詳しく調べようと思いまして」

 分厚い考古学書を真剣に読んでいると、歴史教師のフランダー教授に声をかけられる。フランダー教授は考古学の第一人者で、攻略対象キャラではないものの人気が高いキャラ。
 フランダーEDを作る企画が上がってたっけぇ?

「君は真実だと思うか?」
「ええ、もちろんですわ」

 フランダー教授を巻き込めば鬼に金棒だと思い、何度も深く頷き盛り上げる。

「だったらこれを読んで、明日の放課後私の部屋まで来なさい」 

 満足のいく答えだったらしく口元だけ笑い、赤い背表紙の本を差し出された。
 表紙も裏表紙も何も書かれていないから、市販の本ではないと思われる。

「ありがとうございます。私は特進科二年のエミリー・サウザントです。友人と一緒に行ってもよろしいですか?」
「覚えておく。君が信頼できる口の堅い人間であれば、むしろ大歓迎だ」

 授業を受けてない手前初対面だろうから、先に令嬢っぽいふるまいで名前を名乗る。ダメ元で確認すると、あっさりと承諾。しかも歓迎されるなんて意外だ。
 逆にそう言われると怪しさ大爆発で、本当に誘っていいのか迷ってしまう。

 口の堅い人間ならって言うことは、何かよからぬことを企んでいる?
 危険とかはないよね?
 教師が生徒を危険な目に合わせるなんて……フランダー教授なら充分ありえるから怖い。
 本を読んだ上で、双子に協力を求めるか決めた方がよさそうだ。

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