88 / 127
第88話:第二学年始まる
しおりを挟む
――――――――――学院高等部教室にて。スピアーズ伯爵家子息ダドリー視点。
「おい、平民! どういうことだ!」
「二年生になってもダドリー君は相変わらずだね。あんまり怒りっぽいとモテないよ」
「余計なお世話だ!」
二年生になって、私は成績優秀者で構成される一組に配属された。
カークやビートとはクラスが離れてしまったが仕方ない。
彼らのスコアからそうだろうと予想はできていたことだ。
主だったところでは平民聖女はもちろんクインシー殿下とトリスタン、ユージェニー嬢、準聖女として知られるようになったネッサ嬢、それとマイクが同じクラスだ。
本当にマイクのスコアって良くなってるんだな。
マイクごときに負けてはいられない。
私も勉学に励まねば。
「モテないのは元々の資質もあるから仕方ないとして、えらい剣幕でどーしたの?」
「どうもこうもあるか! 課外活動の話だ!」
「課外活動? クラブの話?」
「そうだ! 何故魔法クラブから転部したんだ!」
去年の一年生時に魔法クラブに在籍していた五人が、揃って刺繍クラブに転部したのだ。
殿下やマイクは男なのに。
全く考えられないことだ。
「ごめんねえ」
「おかげで魔法クラブに転部した私がバカみたいじゃないか!」
今年の新入生の魔法クラブ希望者は多かった。
第一王子であるクインシー殿下や話題の聖女と交友できる、という目論見があれば当たり前のことだ。
さすがに二年生になって魔法クラブに移ったのは私だけだったが。
「まーでもダドリー君が魔法クラブに来てくれて嬉しいわ。二年生が誰もいなくなると、それはそれで問題あるかなと思ってたんだ」
「理由を聞かせろ!」
「転部の? それには聞くも涙語るも涙、お腹がすいてまた涙の悲しい物語があるんだよ」
「腹が減るのは関係ないじゃないか! 御託はいいから!」
どうしてもこのチビ聖女のペースになってしまう。
聞き耳を立ててる周りの連中がクスクス笑ってるじゃないか。
「殿下とお近づきになりたい新入生が魔法クラブに入りたがる、ってのは見えてたじゃん?」
「うむ、明らかだったな」
私もそういう動機であるし。
「一方で魔法クラブって、そんなに人をたくさん受け入れられるほどキャパシティがないんだよ」
「……」
そういえば先輩方が、何とかこの人数なら全員入部させてあげられそうだと言っていた。
殿下以下五人が残っていたら、誰かが入部を諦めざるを得なかったのか?
「魔法クラブって本来、宮廷魔道士になりたい人が入るクラブみたいで」
「そうだな。宮廷魔道士は確か魔法クラブ出身者がほとんどだろう」
「去年の一年生五人は、積極的に宮廷魔道士になりたい人いなかったんだよ。あたしらが在籍してるがために、宮廷魔道士希望者が入部できなかったなんてことになると悪いじゃん? だから遠慮させてもらったんだ」
「そういう事情だったのか」
「まーでもマイク君は宮廷魔道士になるかもしれん」
「えっ?」
マイクが?
「マイク君ねえ、宮廷魔道士に興味ないかって、ガルガンさんに誘われたんだよ」
「その時聖女様がいたからだよ。たまたまだ」
「マイク君を引っ張り込もうとするなんて、よっぽど今人材がいないんだなと思った」
「ひどい!」
ガルガンって宮廷魔道士長の?
直接声をかけてもらえるとは……。
「……羨ましい」
「「えっ?」」
「私もなれるものなら宮廷魔道士になりたい」
「そーだったの?」
「ダドリーは嫡男じゃないか。スピアーズ伯爵家を継ぐんだろう?」
「それはそうだが」
「何で宮廷魔道士なん? 領主教育とか人脈広げるとか嫁さん探しとかしてりゃいいんじゃないの?」
そうした考え方が一般的なのはわかってる。
父上も私が立派な領主貴族になることを望んでいるんだろうが。
「……幼い頃から魔道には興味があったんだ。私の実力を認めさせるには宮廷魔道士にならねばならんと思っていた」
「ダドリー君、魔法の才能あるもんな。宮廷魔道士にならなきゃってゆー考え方はよくわからんけど」
「聖女様は便利だから魔法を使うっていう考え方だもんな」
「研究にしても実践にしても、宮廷魔道士が魔道の第一線であることは間違いないわな。そこに痺れる憧れる気持ちはわかる」
「でもダドリーが宮廷魔道士なんて、家族の理解は得られているのか?」
「……得られていない」
魔道クラブへの転部だって、クインシー殿下がいらっしゃるからということで許可を得たんだ。
私の魔道への探究心とは関係がない。
「ふーん。ダドリー君に魔法に対して熱い思いがあるとは知らなかったよ。楽な方に流されていくやつだとばかり思っていた」
「言い方がひどいな」
「そうなんだよ。聖女らしさの欠片もない」
「おいこら、変なところでタッグを組むな。でもマジで宮廷魔道士になりたいならやりようはあるけどな」
「「えっ?」」
「聖女の知恵が聞きたい?」
聞きたい。
一体どうやって?
聖女らしからぬ悪い顔をしてる。
「まずダドリー君は魔法クラブやめる必要はないじゃん? あたしらも魔法クラブと繋がり切れたわけじゃないから、これからも時々行くもん」
「そうなのか?」
「そうそう。つまりダドリー君が魔法クラブに在籍していれば、剣術クラブに在籍しているよりは殿下に近いところにいることになる」
「なるほど。そして?」
「魔法クラブで過ごしていれば、宮廷魔道士の採用試験に合格するだけの実力は十分身に付くと思う。そうしたら試験を受けるところまでは何とかなりそうじゃん? 実力を試してみたいんですとか採用試験に受かったという実績はムダになりませんとかのへ理屈を捏ねれば、親御さんもそーかな? って気になるんじゃないの?」
「ふむ、それでもし試験に受かったとしたらどうする?」
「そこまで行ったらこっちのもんだ。クインシー殿下に出張ってもらって、ダドリー君の親御さんに言ってもらえばいいじゃん。優秀な人材を無為に過ごさせるのは国家の損失なのです。数年でいいからダドリーを宮廷魔道士として働かせてもらえませんかって」
すごいこと言い出したぞ?
クインシー殿下に出張ってもらうだと?
ゴリ押し過ぎる。
「ダドリー君の父ちゃんは、殿下に直に頼まれて断れる人かな?」
「い、いや、それは断われないと思うが」
「じゃあ大丈夫じゃん。宮廷魔道士ダドリー君一丁上がりです」
「ええ? そんなことで殿下の手を煩わすなど……」
「わかってないな、ダドリー君は」
「私が何をわかってないというのだ!」
チビ聖女のしたり顔がまことにもって面白くない。
何を知っていると言うのだ。
平民のクセに私に対して無礼過ぎるのではないだろうか?
「重要なのはクインシー殿下の手を煩わすことじゃないんだ。それだけ優秀で価値のある人間にダドリー君がなることだよ」
「……っ!」
「順調にいけば殿下は次期国王だよ。古の賢王が優秀な人材を得るために自ら足を運んだ故事があるだろう? それほどの価値があるものならば、殿下は古の賢王に倣ってダドリー君家を訪問して直談判することを厭わないだろうさ。それともダドリー君は殿下をそこまで賢くないと侮ってる?」
「そ、そんなことは……」
「頑張れ。ダドリー君の出来が良ければ必ず道は通ずる」
正論で頭を殴られたような気分だ。
そうか、私の努力次第で道は通ずるのか。
聖女らしい助言を聞いた気がする。
「……感謝する」
「目一杯感謝するといいよ。そーすると御利益に恵まれるんじゃないかな」
こういうことを言わなければいいのに。
何なのだ、この平民聖女は。
「おい、平民! どういうことだ!」
「二年生になってもダドリー君は相変わらずだね。あんまり怒りっぽいとモテないよ」
「余計なお世話だ!」
二年生になって、私は成績優秀者で構成される一組に配属された。
カークやビートとはクラスが離れてしまったが仕方ない。
彼らのスコアからそうだろうと予想はできていたことだ。
主だったところでは平民聖女はもちろんクインシー殿下とトリスタン、ユージェニー嬢、準聖女として知られるようになったネッサ嬢、それとマイクが同じクラスだ。
本当にマイクのスコアって良くなってるんだな。
マイクごときに負けてはいられない。
私も勉学に励まねば。
「モテないのは元々の資質もあるから仕方ないとして、えらい剣幕でどーしたの?」
「どうもこうもあるか! 課外活動の話だ!」
「課外活動? クラブの話?」
「そうだ! 何故魔法クラブから転部したんだ!」
去年の一年生時に魔法クラブに在籍していた五人が、揃って刺繍クラブに転部したのだ。
殿下やマイクは男なのに。
全く考えられないことだ。
「ごめんねえ」
「おかげで魔法クラブに転部した私がバカみたいじゃないか!」
今年の新入生の魔法クラブ希望者は多かった。
第一王子であるクインシー殿下や話題の聖女と交友できる、という目論見があれば当たり前のことだ。
さすがに二年生になって魔法クラブに移ったのは私だけだったが。
「まーでもダドリー君が魔法クラブに来てくれて嬉しいわ。二年生が誰もいなくなると、それはそれで問題あるかなと思ってたんだ」
「理由を聞かせろ!」
「転部の? それには聞くも涙語るも涙、お腹がすいてまた涙の悲しい物語があるんだよ」
「腹が減るのは関係ないじゃないか! 御託はいいから!」
どうしてもこのチビ聖女のペースになってしまう。
聞き耳を立ててる周りの連中がクスクス笑ってるじゃないか。
「殿下とお近づきになりたい新入生が魔法クラブに入りたがる、ってのは見えてたじゃん?」
「うむ、明らかだったな」
私もそういう動機であるし。
「一方で魔法クラブって、そんなに人をたくさん受け入れられるほどキャパシティがないんだよ」
「……」
そういえば先輩方が、何とかこの人数なら全員入部させてあげられそうだと言っていた。
殿下以下五人が残っていたら、誰かが入部を諦めざるを得なかったのか?
「魔法クラブって本来、宮廷魔道士になりたい人が入るクラブみたいで」
「そうだな。宮廷魔道士は確か魔法クラブ出身者がほとんどだろう」
「去年の一年生五人は、積極的に宮廷魔道士になりたい人いなかったんだよ。あたしらが在籍してるがために、宮廷魔道士希望者が入部できなかったなんてことになると悪いじゃん? だから遠慮させてもらったんだ」
「そういう事情だったのか」
「まーでもマイク君は宮廷魔道士になるかもしれん」
「えっ?」
マイクが?
「マイク君ねえ、宮廷魔道士に興味ないかって、ガルガンさんに誘われたんだよ」
「その時聖女様がいたからだよ。たまたまだ」
「マイク君を引っ張り込もうとするなんて、よっぽど今人材がいないんだなと思った」
「ひどい!」
ガルガンって宮廷魔道士長の?
直接声をかけてもらえるとは……。
「……羨ましい」
「「えっ?」」
「私もなれるものなら宮廷魔道士になりたい」
「そーだったの?」
「ダドリーは嫡男じゃないか。スピアーズ伯爵家を継ぐんだろう?」
「それはそうだが」
「何で宮廷魔道士なん? 領主教育とか人脈広げるとか嫁さん探しとかしてりゃいいんじゃないの?」
そうした考え方が一般的なのはわかってる。
父上も私が立派な領主貴族になることを望んでいるんだろうが。
「……幼い頃から魔道には興味があったんだ。私の実力を認めさせるには宮廷魔道士にならねばならんと思っていた」
「ダドリー君、魔法の才能あるもんな。宮廷魔道士にならなきゃってゆー考え方はよくわからんけど」
「聖女様は便利だから魔法を使うっていう考え方だもんな」
「研究にしても実践にしても、宮廷魔道士が魔道の第一線であることは間違いないわな。そこに痺れる憧れる気持ちはわかる」
「でもダドリーが宮廷魔道士なんて、家族の理解は得られているのか?」
「……得られていない」
魔道クラブへの転部だって、クインシー殿下がいらっしゃるからということで許可を得たんだ。
私の魔道への探究心とは関係がない。
「ふーん。ダドリー君に魔法に対して熱い思いがあるとは知らなかったよ。楽な方に流されていくやつだとばかり思っていた」
「言い方がひどいな」
「そうなんだよ。聖女らしさの欠片もない」
「おいこら、変なところでタッグを組むな。でもマジで宮廷魔道士になりたいならやりようはあるけどな」
「「えっ?」」
「聖女の知恵が聞きたい?」
聞きたい。
一体どうやって?
聖女らしからぬ悪い顔をしてる。
「まずダドリー君は魔法クラブやめる必要はないじゃん? あたしらも魔法クラブと繋がり切れたわけじゃないから、これからも時々行くもん」
「そうなのか?」
「そうそう。つまりダドリー君が魔法クラブに在籍していれば、剣術クラブに在籍しているよりは殿下に近いところにいることになる」
「なるほど。そして?」
「魔法クラブで過ごしていれば、宮廷魔道士の採用試験に合格するだけの実力は十分身に付くと思う。そうしたら試験を受けるところまでは何とかなりそうじゃん? 実力を試してみたいんですとか採用試験に受かったという実績はムダになりませんとかのへ理屈を捏ねれば、親御さんもそーかな? って気になるんじゃないの?」
「ふむ、それでもし試験に受かったとしたらどうする?」
「そこまで行ったらこっちのもんだ。クインシー殿下に出張ってもらって、ダドリー君の親御さんに言ってもらえばいいじゃん。優秀な人材を無為に過ごさせるのは国家の損失なのです。数年でいいからダドリーを宮廷魔道士として働かせてもらえませんかって」
すごいこと言い出したぞ?
クインシー殿下に出張ってもらうだと?
ゴリ押し過ぎる。
「ダドリー君の父ちゃんは、殿下に直に頼まれて断れる人かな?」
「い、いや、それは断われないと思うが」
「じゃあ大丈夫じゃん。宮廷魔道士ダドリー君一丁上がりです」
「ええ? そんなことで殿下の手を煩わすなど……」
「わかってないな、ダドリー君は」
「私が何をわかってないというのだ!」
チビ聖女のしたり顔がまことにもって面白くない。
何を知っていると言うのだ。
平民のクセに私に対して無礼過ぎるのではないだろうか?
「重要なのはクインシー殿下の手を煩わすことじゃないんだ。それだけ優秀で価値のある人間にダドリー君がなることだよ」
「……っ!」
「順調にいけば殿下は次期国王だよ。古の賢王が優秀な人材を得るために自ら足を運んだ故事があるだろう? それほどの価値があるものならば、殿下は古の賢王に倣ってダドリー君家を訪問して直談判することを厭わないだろうさ。それともダドリー君は殿下をそこまで賢くないと侮ってる?」
「そ、そんなことは……」
「頑張れ。ダドリー君の出来が良ければ必ず道は通ずる」
正論で頭を殴られたような気分だ。
そうか、私の努力次第で道は通ずるのか。
聖女らしい助言を聞いた気がする。
「……感謝する」
「目一杯感謝するといいよ。そーすると御利益に恵まれるんじゃないかな」
こういうことを言わなければいいのに。
何なのだ、この平民聖女は。
12
お気に入りに追加
291
あなたにおすすめの小説
旦那様に離縁をつきつけたら
cyaru
恋愛
駆け落ち同然で結婚したシャロンとシリウス。
仲の良い夫婦でずっと一緒だと思っていた。
突然現れた子連れの女性、そして腕を組んで歩く2人。
我慢の限界を迎えたシャロンは神殿に離縁の申し込みをした。
※色々と異世界の他に現実に近いモノや妄想の世界をぶっこんでいます。
※設定はかなり他の方の作品とは異なる部分があります。
私がいなくなった部屋を見て、あなた様はその心に何を思われるのでしょうね…?
新野乃花(大舟)
恋愛
貴族であるファーラ伯爵との婚約を結んでいたセイラ。しかし伯爵はセイラの事をほったらかしにして、幼馴染であるレリアの方にばかり愛情をかけていた。それは溺愛と呼んでもいいほどのもので、そんな行動の果てにファーラ伯爵は婚約破棄まで持ち出してしまう。しかしそれと時を同じくして、セイラはその姿を伯爵の前からこつぜんと消してしまう。弱気なセイラが自分に逆らう事など絶対に無いと思い上がっていた伯爵は、誰もいなくなってしまったセイラの部屋を見て…。
※カクヨム、小説家になろうにも投稿しています!
悪役王子~破滅を回避するため誠実に生きようと思います。
葉月
恋愛
「どうしてこうなった……」
トラックに跳ねられて死んだはずの俺は、某ギャルゲーの主人公ジェノス王子になっていた。
え? ヒキニートからジョブチェンジしてイケメン王子で良かったねだって?
そんな事はない!!
俺が前世を思い出したのはつい数分前。
イヤアアアアア!?
思い出した瞬間、ショックのあまりか弱い乙女さながら気絶した。
このゲームにはエンディングが一つしか存在せず、最後は必ず主人公(俺)の処刑で幕が下りる。
前世でトラックに跳ねられて、今世は死刑台!?
そんなのは絶対に嫌だ!
バッドエンドを回避すべく、俺は全力で玉座から逃げることを決意。
え? 主人公がいなきゃ本編が始まらない? 知らんがな!
だが、逃げるために向かった王立アルカバス魔法学院では、俺を死に追い詰める者達が!?
すべては王国のため、この世界の平和のため、そんな訳がない!
全てはバッドエンド回避のため!
全力で逃げきろうと思います。
【小説家になろう】でも公開してます。
ひとまずアルファポリス版は完結です!
なろう版の方では来月10月から2章突入です!
【完結】婚約破棄されたので、引き継ぎをいたしましょうか?
碧桜 汐香
恋愛
第一王子に婚約破棄された公爵令嬢は、事前に引き継ぎの準備を進めていた。
まっすぐ領地に帰るために、その場で引き継ぎを始めることに。
様々な調査結果を暴露され、婚約破棄に関わった人たちは阿鼻叫喚へ。
第二王子?いりませんわ。
第一王子?もっといりませんわ。
第一王子を慕っていたのに婚約破棄された少女を演じる、彼女の本音は?
彼女の存在意義とは?
別サイト様にも掲載しております
私はただ一度の暴言が許せない
ちくわぶ(まるどらむぎ)
恋愛
厳かな結婚式だった。
花婿が花嫁のベールを上げるまでは。
ベールを上げ、その日初めて花嫁の顔を見た花婿マティアスは暴言を吐いた。
「私の花嫁は花のようなスカーレットだ!お前ではない!」と。
そして花嫁の父に向かって怒鳴った。
「騙したな!スカーレットではなく別人をよこすとは!
この婚姻はなしだ!訴えてやるから覚悟しろ!」と。
そこから始まる物語。
作者独自の世界観です。
短編予定。
のちのち、ちょこちょこ続編を書くかもしれません。
話が進むにつれ、ヒロイン・スカーレットの印象が変わっていくと思いますが。
楽しんでいただけると嬉しいです。
※9/10 13話公開後、ミスに気づいて何度か文を訂正、追加しました。申し訳ありません。
※9/20 最終回予定でしたが、訂正終わりませんでした!すみません!明日最終です!
※9/21 本編完結いたしました。ヒロインの夢がどうなったか、のところまでです。
ヒロインが誰を選んだのか?は読者の皆様に想像していただく終わり方となっております。
今後、番外編として別視点から見た物語など数話ののち、
ヒロインが誰と、どうしているかまでを書いたエピローグを公開する予定です。
よろしくお願いします。
※9/27 番外編を公開させていただきました。
※10/3 お話の一部(暴言部分1話、4話、6話)を訂正させていただきました。
※10/23 お話の一部(14話、番外編11ー1話)を訂正させていただきました。
※10/25 完結しました。
ここまでお読みくださった皆様。導いてくださった皆様にお礼申し上げます。
たくさんの方から感想をいただきました。
ありがとうございます。
様々なご意見、真摯に受け止めさせていただきたいと思います。
ただ、皆様に楽しんでいただける場であって欲しいと思いますので、
今後はいただいた感想をを非承認とさせていただく場合がございます。
申し訳ありませんが、どうかご了承くださいませ。
もちろん、私は全て読ませていただきます。
【完結】殿下、自由にさせていただきます。
なか
恋愛
「出て行ってくれリルレット。王宮に君が住む必要はなくなった」
その言葉と同時に私の五年間に及ぶ初恋は終わりを告げた。
アルフレッド殿下の妃候補として選ばれ、心の底から喜んでいた私はもういない。
髪を綺麗だと言ってくれた口からは、私を貶める言葉しか出てこない。
見惚れてしまう程の笑みは、もう見せてもくれない。
私………貴方に嫌われた理由が分からないよ。
初夜を私一人だけにしたあの日から、貴方はどうして変わってしまったの?
恋心は砕かれた私は死さえ考えたが、過去に見知らぬ男性から渡された本をきっかけに騎士を目指す。
しかし、正騎士団は女人禁制。
故に私は男性と性別を偽って生きていく事を決めたのに……。
晴れて騎士となった私を待っていたのは、全てを見抜いて笑う副団長であった。
身分を明かせない私は、全てを知っている彼と秘密の恋をする事になる。
そして、騎士として王宮内で起きた変死事件やアルフレッドの奇行に大きく関わり、やがて王宮に蔓延る謎と対峙する。
これは、私の初恋が終わり。
僕として新たな人生を歩みだした話。
ある辺境伯の後悔
だましだまし
恋愛
妻セディナを愛する辺境伯ルブラン・レイナーラ。
父親似だが目元が妻によく似た長女と
目元は自分譲りだが母親似の長男。
愛する妻と妻の容姿を受け継いだ可愛い子供たちに囲まれ彼は誰よりも幸せだと思っていた。
愛しい妻が次女を産んで亡くなるまでは…。
記憶がないので離縁します。今更謝られても困りますからね。
せいめ
恋愛
メイドにいじめられ、頭をぶつけた私は、前世の記憶を思い出す。前世では兄2人と取っ組み合いの喧嘩をするくらい気の強かった私が、メイドにいじめられているなんて…。どれ、やり返してやるか!まずは邸の使用人を教育しよう。その後は、顔も知らない旦那様と離婚して、平民として自由に生きていこう。
頭をぶつけて現世記憶を失ったけど、前世の記憶で逞しく生きて行く、侯爵夫人のお話。
ご都合主義です。誤字脱字お許しください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる