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第43話:魔道の教師アルジャーノンその1
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――――――――――学院高等部魔法学講師アルジャーノンの研究室にて。ゲラシウス筆頭枢機卿視点。
「……とゆーわけなんだ」
「なるほど、ユージェニー君が危険という意見ですか」
足を組む教師アルジャーノン。
足が長いのは見ればわかるである。
吾輩こういう色男は好かぬである。
「先生はどう思う?」
「自分ですか?」
「先生も感知魔法張ってたでしょ?」
何? そうなのか?
アルジャーノンが肩を竦めて首を振る。
「自分はパルフェ君のように悪意までは感知できないのです」
「そーなんだ?」
「はい。自分がわかるのは、ユージェニー君の近くにいた何者かが魔法を使用したということだけです」
「誰だかわかんなかった? あたしユージェニーちゃんを浮かせるのに精一杯で、犯人のいる辺り確認できなかったんだよね」
「申し訳ない。生憎自分もユージェニー君の事故に気を取られていまして。ただ魔力の揺らぎがあった近くは新入生ばかりだったような……」
「えっ?」
学生では扱えぬような高度な魔法ではなかったのか?
小娘以外にも高度な魔法を扱える新入生がいる?
これも可能性ということで、影の増員とともに王家に伝えておくべきであるな。
「すぐごった返してしまったので何とも言えませんが」
「従者も保護者もいない場所からの魔法発動だと、平民の入学者?」
「とは言えません。あの時は既に同じクラスになった新入生同士で話していた者も多かったですから」
「そーか。むーん?」
「考えていても結論は出ないである。アルジャーノン殿、学院の教師で今日の事件について情報を共有しておくである」
「もちろんです」
アルジャーノンが大きく頷き、小娘をしげしげと見ているである。
変質者的な目である。
「パルフェ君のことはよく知っています。新しい聖女様は魔法に精通しておられると、ヴィンセント聖堂魔道士長から散々自慢されましたから」
「何でヴィンセントさんが自慢するんだろうな? わけがわからん」
「七つの魔法属性を独立に扱えるとか?」
「うん。複数属性持ちの人は個々の属性を別々に使えると、あっ魔法ってそーゆーことなのかっていう気付きが必ずあるよ」
「羨ましいです。パルフェ君は魔力を限界まで使い切ることで、その奥義を会得したと聞きました」
「そうだけど、マジで死ぬから先生はやっちゃダメだぞ?」
「残念ですねえ……」
色男は死ねばいいである。
「誰かが魔法属性を単独出力できるようになる魔道具か何かを作ってくれればいいんだよなー」
そんなものが発明されれば、聖属性のみを取り出して国防結界の維持に使えるである。
「ウートレイド王国垂涎の魔道具であるな。開発できれば、であるが」
「パルフェ君が協力してくれれば開発できるかもしれません」
「そお?」
「生身の人間にとって習得が至難でありましても、魔道具の機構として難しいとは限りませんので。ぜひコツを教授してもらいたいですね」
「もちろん構わないよ」
「お主が必要なくなるである」
「ウートレイドの安全、ひいては世界の安全が聖女一人にかかってる体制はおかしいわ。代替手段を用意できるならそうすべきだわ」
全員が頷く。
こやつの言うことはたまに聖女らしいである。
突然脈絡もなくアルジャーノンが叫ぶ。
「魔法クラブに入って下さい!」
「えっ? 聖教会の修道士修道女は課外活動の単位が認められるから、クラブに入らなくてもいいとかゆー説を聞いたんだけど」
「そうだった! 迂闊!」
色男の絶望する顔は愉快である。
「いや、あたしは入れてくれるなら魔法クラブに入るよ。でも校則はわかんないから……」
色男が高速で小冊子のページを繰っているである。
校則を調べているのであろう。
あっ、喜んでいるであるな?
「大丈夫です! 課外活動の単位が認められるためクラブに入る者がいないというだけで、入ってはいけないという規則はありません!」
「じゃ、入れてもらう」
「魔法クラブはわざわざ聖女パルフェを勧誘しなくとも人気なのではないか?」
「ところが最近はそうでもなくてですね……」
口ごもるアルジャーノン。
どういうことであろう?
「かつては確かに花形のクラブだったのですよ。しかし結局魔法は卒業すると役に立たないでしょう?」
「えっ? 何で魔法が役に立たないんだろ?」
「お主は例外である。普通は日常で魔法など使わぬである」
「使わないで満足してるだけでしょ? 使えれば便利に決まってるじゃん」
「その通りです。しかし結局魔法は生まれつき魔力の豊かな者の特権、という考えが主流になってしまっているのです。確実に役に立つダンスや単位を取るのが簡単な美術鑑賞などが、近年の人気クラブになっています」
「ふーん、魔力なんか少なくたって魔法は使えるけどな? それに使ってりゃ魔力は伸びるし」
「そうなのであるか?」
魔力が伸びるものとは知らなかったである。
「そーだよ。あたしの魔力量が大きいのは、物心付く前から回復魔法使わされてたせいもあると思う」
「物心付く前から? それはすごい! 小さい内から魔法を使っていると、より魔力の伸びが大きいのかもしれませんね。しかし伝統的に学院では、初等部で魔法を教えないことになっているのです」
「それは何でだろ?」
「例えば火属性の者が覚える魔法や、l比較的簡単に習得できる直接攻撃魔法は危険だからです。思考力も精神力も未熟な子供に教えるのは事故の元だと」
「なら持ち属性に関係なく、回復魔法や治癒魔法を教えりゃいいじゃん」
えっ? 何を言ってるであるか?
「自分の属性でない魔法は習得できぬであろう?」
「そんなことないよ。例えば大司教のおっちゃんは聖属性持ちじゃないけど、ヒールを使える」
「パルフェ君の言う通り、自分の持ち属性でない魔法であっても覚えることはできます。しかし持ち属性である場合と比べて、効率が格段に落ちるのです。だから普通はそんなことはしないのですが」
「高等部の魔法実技では、自分の持ち属性の魔法を一つ覚えるのがノルマなんだっけ?」
「単位を得るという意味ならばそうです」
「使いもしない簡単な魔法覚えたって面白くなくない? 自分の持ち属性じゃなくても習得が多少難しい魔法であっても、各自が覚えたい魔法覚えさせた方がいいと思うけどな。マイク君どう思う?」
「そこでオレ?」
「いや、せっかくついて来てもらったのに、先生に名前も覚えてもらえないんじゃかわいそーかと思って」
小娘は教師に目を付けられて苦労するという可能性を考えていないようである。
アルジャーノンも聖女パルフェが連れて来た新入生ということで、マイクに興味を持ったようであるな。
御愁傷様である。
「役に立つ魔法とか好きな魔法とか習得できたら嬉しいと思わない?」
「それは……好きな魔法を覚えられるんだったら楽しいだろうなって思うけど」
「マイク君の持ってる魔法属性って何?」
「水です」
「例えば今の高等部のカリキュラムだと、ちょろっと水出せるようになったら合格なんでしょ? 水を出せることが無意味だとは言わないけど、そんなのつまんない」
「面白く……なるのかな?」
「空間魔法や収納魔法は水属性だぞ? 収納魔法を覚えたら、誰にも知られないえっちな本の隠し場所ができちゃう。素敵だと思わない?」
かつて大容量の収納魔法を使えた商人が大富豪になったともいう。
それほど収納魔法は有用であるが、例が全然素敵でない上に聖女らしくもないである。
あ、しかしマイクには響いているようであるな。
「……とゆーわけなんだ」
「なるほど、ユージェニー君が危険という意見ですか」
足を組む教師アルジャーノン。
足が長いのは見ればわかるである。
吾輩こういう色男は好かぬである。
「先生はどう思う?」
「自分ですか?」
「先生も感知魔法張ってたでしょ?」
何? そうなのか?
アルジャーノンが肩を竦めて首を振る。
「自分はパルフェ君のように悪意までは感知できないのです」
「そーなんだ?」
「はい。自分がわかるのは、ユージェニー君の近くにいた何者かが魔法を使用したということだけです」
「誰だかわかんなかった? あたしユージェニーちゃんを浮かせるのに精一杯で、犯人のいる辺り確認できなかったんだよね」
「申し訳ない。生憎自分もユージェニー君の事故に気を取られていまして。ただ魔力の揺らぎがあった近くは新入生ばかりだったような……」
「えっ?」
学生では扱えぬような高度な魔法ではなかったのか?
小娘以外にも高度な魔法を扱える新入生がいる?
これも可能性ということで、影の増員とともに王家に伝えておくべきであるな。
「すぐごった返してしまったので何とも言えませんが」
「従者も保護者もいない場所からの魔法発動だと、平民の入学者?」
「とは言えません。あの時は既に同じクラスになった新入生同士で話していた者も多かったですから」
「そーか。むーん?」
「考えていても結論は出ないである。アルジャーノン殿、学院の教師で今日の事件について情報を共有しておくである」
「もちろんです」
アルジャーノンが大きく頷き、小娘をしげしげと見ているである。
変質者的な目である。
「パルフェ君のことはよく知っています。新しい聖女様は魔法に精通しておられると、ヴィンセント聖堂魔道士長から散々自慢されましたから」
「何でヴィンセントさんが自慢するんだろうな? わけがわからん」
「七つの魔法属性を独立に扱えるとか?」
「うん。複数属性持ちの人は個々の属性を別々に使えると、あっ魔法ってそーゆーことなのかっていう気付きが必ずあるよ」
「羨ましいです。パルフェ君は魔力を限界まで使い切ることで、その奥義を会得したと聞きました」
「そうだけど、マジで死ぬから先生はやっちゃダメだぞ?」
「残念ですねえ……」
色男は死ねばいいである。
「誰かが魔法属性を単独出力できるようになる魔道具か何かを作ってくれればいいんだよなー」
そんなものが発明されれば、聖属性のみを取り出して国防結界の維持に使えるである。
「ウートレイド王国垂涎の魔道具であるな。開発できれば、であるが」
「パルフェ君が協力してくれれば開発できるかもしれません」
「そお?」
「生身の人間にとって習得が至難でありましても、魔道具の機構として難しいとは限りませんので。ぜひコツを教授してもらいたいですね」
「もちろん構わないよ」
「お主が必要なくなるである」
「ウートレイドの安全、ひいては世界の安全が聖女一人にかかってる体制はおかしいわ。代替手段を用意できるならそうすべきだわ」
全員が頷く。
こやつの言うことはたまに聖女らしいである。
突然脈絡もなくアルジャーノンが叫ぶ。
「魔法クラブに入って下さい!」
「えっ? 聖教会の修道士修道女は課外活動の単位が認められるから、クラブに入らなくてもいいとかゆー説を聞いたんだけど」
「そうだった! 迂闊!」
色男の絶望する顔は愉快である。
「いや、あたしは入れてくれるなら魔法クラブに入るよ。でも校則はわかんないから……」
色男が高速で小冊子のページを繰っているである。
校則を調べているのであろう。
あっ、喜んでいるであるな?
「大丈夫です! 課外活動の単位が認められるためクラブに入る者がいないというだけで、入ってはいけないという規則はありません!」
「じゃ、入れてもらう」
「魔法クラブはわざわざ聖女パルフェを勧誘しなくとも人気なのではないか?」
「ところが最近はそうでもなくてですね……」
口ごもるアルジャーノン。
どういうことであろう?
「かつては確かに花形のクラブだったのですよ。しかし結局魔法は卒業すると役に立たないでしょう?」
「えっ? 何で魔法が役に立たないんだろ?」
「お主は例外である。普通は日常で魔法など使わぬである」
「使わないで満足してるだけでしょ? 使えれば便利に決まってるじゃん」
「その通りです。しかし結局魔法は生まれつき魔力の豊かな者の特権、という考えが主流になってしまっているのです。確実に役に立つダンスや単位を取るのが簡単な美術鑑賞などが、近年の人気クラブになっています」
「ふーん、魔力なんか少なくたって魔法は使えるけどな? それに使ってりゃ魔力は伸びるし」
「そうなのであるか?」
魔力が伸びるものとは知らなかったである。
「そーだよ。あたしの魔力量が大きいのは、物心付く前から回復魔法使わされてたせいもあると思う」
「物心付く前から? それはすごい! 小さい内から魔法を使っていると、より魔力の伸びが大きいのかもしれませんね。しかし伝統的に学院では、初等部で魔法を教えないことになっているのです」
「それは何でだろ?」
「例えば火属性の者が覚える魔法や、l比較的簡単に習得できる直接攻撃魔法は危険だからです。思考力も精神力も未熟な子供に教えるのは事故の元だと」
「なら持ち属性に関係なく、回復魔法や治癒魔法を教えりゃいいじゃん」
えっ? 何を言ってるであるか?
「自分の属性でない魔法は習得できぬであろう?」
「そんなことないよ。例えば大司教のおっちゃんは聖属性持ちじゃないけど、ヒールを使える」
「パルフェ君の言う通り、自分の持ち属性でない魔法であっても覚えることはできます。しかし持ち属性である場合と比べて、効率が格段に落ちるのです。だから普通はそんなことはしないのですが」
「高等部の魔法実技では、自分の持ち属性の魔法を一つ覚えるのがノルマなんだっけ?」
「単位を得るという意味ならばそうです」
「使いもしない簡単な魔法覚えたって面白くなくない? 自分の持ち属性じゃなくても習得が多少難しい魔法であっても、各自が覚えたい魔法覚えさせた方がいいと思うけどな。マイク君どう思う?」
「そこでオレ?」
「いや、せっかくついて来てもらったのに、先生に名前も覚えてもらえないんじゃかわいそーかと思って」
小娘は教師に目を付けられて苦労するという可能性を考えていないようである。
アルジャーノンも聖女パルフェが連れて来た新入生ということで、マイクに興味を持ったようであるな。
御愁傷様である。
「役に立つ魔法とか好きな魔法とか習得できたら嬉しいと思わない?」
「それは……好きな魔法を覚えられるんだったら楽しいだろうなって思うけど」
「マイク君の持ってる魔法属性って何?」
「水です」
「例えば今の高等部のカリキュラムだと、ちょろっと水出せるようになったら合格なんでしょ? 水を出せることが無意味だとは言わないけど、そんなのつまんない」
「面白く……なるのかな?」
「空間魔法や収納魔法は水属性だぞ? 収納魔法を覚えたら、誰にも知られないえっちな本の隠し場所ができちゃう。素敵だと思わない?」
かつて大容量の収納魔法を使えた商人が大富豪になったともいう。
それほど収納魔法は有用であるが、例が全然素敵でない上に聖女らしくもないである。
あ、しかしマイクには響いているようであるな。
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