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閑話 ルーカス・リアンティス視点
しおりを挟む俺はルーカス・リアンティス。現在、23歳だ。
ここ、ガーザスリアン帝国の将軍をやっている。
自分で言うのもなんだが、結構強い。
血濡れの番犬だの、鬼将軍だのいろいろな二つ名がある。
ところで、俺には運命の番がいない。
普通は15歳くらいになると、相手の場所などを察知できるようになるというのだが。
百年に一人くらいの割合でいるらしい。番がいないってやつは。
でも、そうなったやつは大体番がいないせいで狂ってしまうらしい。
狂ったやつは、最期は無差別殺人をしてしまったり、大暴れして国を半壊させてしまったり…ろくなことをしない。
俺もそうなるのだろうか?俺の場合は人よりも力があるので、理性を失ったら大変なことになる。
それこそ、国が半壊どころじゃない。
陛下もこのことは知っていて、一緒に対策を考えてくださっている。
日々、番がいないことへの焦りが募っていく。
昔は、「仕事の邪魔になるから番なんていらない」と思っていたこともあったが。
今ではこんなにも、番の存在を求めている。
番には絶対に言えないが…俺に言い寄ってくるやつは山ほどいる。
そういったやつらと、遊んでいたこともある。
ひょっとすると、番は案外近くにいて俺の「番なんていらない」という言葉を聞いていたのだろうか。
俺が、遊んでいたのを知っていたのだろうか。
もしかしたら、番は『隷属の首輪』を付けられているのか?
あの首輪は付けたものを強制的に従わせるほか、番を認識できなくなる効果があるが。
陛下も協力してくださり、俺の番を探そうとしてくれているがなんせ手掛かりがない。探しようがないのだ。
生きていてくれさえいればいいのだ。もしも、番が殺されていたのなら…
想像しただけで怒りで前が見えなくなる。
日に日に俺は壊れていく。
いつまで続くか分からないこの不安から、いつ開放されるのだろう。
そうか。死んだら解放される?楽になれる?駄目だ。もしも番が俺を見つけたとき、俺が死んでいたら悲しむかもしれない。
ある日、陛下に呼び出された。
陛下は、番への思いを仕事に向けてひたすら働く俺を心配で見ていられないそうだ。
番を探すために、特別休暇を与えてくださった。
休暇の間に、世界中を巡り探そう。俺の『運命の番』を。
しかし、探すといってもどこに行けばいいんだろう。
こうなったら、手当たり次第に探すしかない。
こうして周辺の国々を回った。
しかし、一向に番の見つかる気配はない。
番とすれ違いになるくらいだったら、せめて有意義に仕事をしているべきだ。
そう思った俺は、いったん帝国に戻ることにした。
いつも通りの何の変哲もない日々。
焦りは大きくなる。
そんなある日の朝。番の気配がした。思わず獣体化して、廊下を走る。
「団長!?」部下の驚いた声が聞こえるが、それを無視して気配のほうに走り続ける。
何時間くらい走っただろう。ここはどうやら、帝都からは遠く離れた町のようだ。
しかし、ここで気配が感じられなくなった。
とりあえず、冒険者ギルドで話でも聞くか。
~~~~~~~~
こんにちは~美空です!
更新遅くなりごめんなさい。(>_<)
夏休みなのに、学校から指名補習という名の地獄へ招待されて…ゲフンゲフン。
選ばれし『選抜メンバー』に選ばれてしまい、小説を書いている余裕が全くありませんでした。(*'▽')
ようやく、解放されました。これからは、毎日のように小説を書けると思います。
しかし…いつもよりめっちゃ多い夏休みの課題が!!これ、夏休みに対して課題の量が合っていないと思います!!
『夏休みの課題とは、どう頑張っても終わらないもの』というモットーで頑張っていきます。(笑)
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