平凡でモブな僕が鬼将軍の番になるまで

月影美空

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精霊の森3

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「アリア!おはよ~」

「おはよう、皆」

精霊の森に来て、初めての朝だ。

昨日は、いろいろなことがありすぎて疲れてしまい、倒れるようにご飯も食べず寝てしまった。

さて今日は体調がいいようだし、ベットから出れそうなので朝ごはんの調達に行こう。

「精霊っていつも何を食べているの?」

「僕たちはね~、人の魔力を食べることもあるけど基本的には何も食べないよ~!」

「そうなんだ...僕が食べれそうなものって知らないかな?」

「あ!そうか!!人間はご飯を食べないと死んじゃうんだったね!」

さすが精霊。人間とは感覚が違うようだ。

「果物がたくさんある場所を知っているよ!」

「そこに案内してもらえないかな?」

「いいよ~アリアのお願いだもの!アリアは体が弱いから持ってこようか?」

「ありがとう。でも、今日は体調が良いからせっかくだし、見ておきたいな。」

「わかったよ~!でも、無理はしないでね?」

「心配してくれてありがとう。困ったときは相談するから安心して?」

精霊たちに心配されながらも、行くことになった。
皆、ぞろぞろついてくるので大名行列みたいで楽しい。

「それでは、レッツゴー!」

久しぶりに歩いた気がする。
いい運動になりそうだ。
これから日課として森を散歩しようかな~と運動嫌いの僕が思うくらい、精霊の森は心地よいところだった。
春の日差しのようにポカポカと温かく、鳥の声が聞こえる。

「ついたよ!」

そこには、天然の果樹園があった。

「すっすごい!ぶどうに、ミカンにパイナップルの木まである!?」

「パイナップル?ってなに~?」「それはパパルというんだよ~」

「向こうの世界と名前が違うんだね。どうやって取ろうかな?ハサミは持っていないし...」

「風魔法を使えばいいんじゃない?」

「なるほど!ところで魔法ってどうやって使うの?」

「まず魔法には二種類あって、精霊魔法っていうのと魔法っていうのがあるんだよ~」

「昔は精霊と獣人は共存していたんだけど、愛し子が傷つけられてから獣人の前にはいっていないよ。
精霊魔法は魔力を対価に精霊に魔法を使ってもらうというもの。
あれ以来呼び出されても無視してるから、精霊魔法は滅びたよ~
精霊は大気中にある魔力をそのまま使うから、魔力に限りがないんだよ!」

「それに対して魔法は自分の魔力を使って現象を起こすから、魔力が尽きたら使えないよ!
精霊の愛し子のアリアは精霊魔法が使いホーダイだよ!お得だね!!」

「そうなんだ!僕にも魔法は使えるの?」

「アリアは魔力が少ないよ~だから、精霊魔法しか使えないよ?」

「普通より魔力が少ないと、何かしらの問題が起こるんだ!
アリアの場合は、体が弱いだね!あと、色素が薄くなるよ~」

「そうだったのか。だから僕は体が弱かったんだね。」

今までなぜ自分はこんな思いをしなくてはいけないのかな?と思うことも多かったが、やっと理由が分かった。
でも、こんな僕でも精霊に出会えたことには変わりない。
魔力が少なくても、色素が薄くて体が弱くても、今は幸せだ。

「みんな、助けてくれて本当にありがとう。みんなのおかげで、僕は生きていられる。
今、幸せだよ!」

「アリアが幸せでよかった~」
「よかった~」

皆でほわほわしていた。

「あっ!そういえば話が脱線してた。果物…魔法の使いかた教えて」

「魔法はイメージが大事!獣人は詠唱とかするらしいけど、そんなの意味ないよ!
無詠唱は難しくみえるけど、簡単!たくさん魔法を使っていくと感覚が掴めるよ~」

「果物をとるくらいならアリアの魔力でも問題ないから、大丈夫!魔法使ってみよう~!」

「イメージ、イメージ。空気を圧縮して、勢いよく飛ばすイメージで!」

『グサッ!』

「あっ!とれた~!!」

「アリアすごいね~!初めてで成功するなんて!」

調子に乗ってバンバン果物を落としていくと、

「あれ?なんかふらふらする~」

「それは、魔力が足りなくなってきたってこと。使い切ると最悪死ぬから気を付けて!!」

「えっ!?どうやったら元に戻るの!?」

「寝たり、休憩すると治るよ~あと、ポーション飲んだりすると回復することも。」

「じゃあ、今日はこれくらいにして帰えろ~」

「そうだね!果物も沢山とれたことだし。でも、もう歩けなさそう。ごめん…」

「じゃあ、精霊魔法を使おう!家まで転移して帰るよ!」

『転移!』

気が付くと家の玄関だった。

「みんなありがとう。助かったよ~」

「次からは気を付けてね!」

「わかった。気を付けるね」



なんやかんやで僕、これから森でスローライフ始めます!




~~~~~
こんにちは~美空です!(*'▽')

更新できず、すみません(>_<)

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