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冬の日 *
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*******
冬が深くなってから、アルバは夢に魘されるようになった。
寝言から、ルナリ戦で傷付けてしまった青年をサシャだと思っているらしい。
里へ来るまでの旅路では何度かあったのだが、あの時はヴェルナーやバルドゥルもいたし、ここに来てからは何でもなかったので再発した時はサシャもうろたえてしまった。
屑魔石から『睡眠』のスキルが付いている物を持ってきて枕の下に入れてみる。
だが、屑ごときではアルバの魔力に負けてしまって粉々に砕けてしまった。
「ねえ、アルバ大丈夫?」
その日のアルバは一層焦燥していて、目の下にくっきりと隈が現れていた。
「ん? ああ」
サシャが暖かい飲み物を差し出と、アルバは受け取りそこなってテーブルの上に落としてしまった。
「すまない」
「ううん、火傷しなかった?」
サシャは手早く零れた飲み物を拭き取ると、アルバの膝へ向かい合わせに乗り上げる。
「アルバ、まだ怪我させた子の夢見てるでしょ?」
アルバは夢の内容が図星だった為に少し嫌な顔をして目を反らしたが、サシャはそれをじっと見た。
「あの時はポーションを使って手当てしたんだよね。
ならば、今頃は怪我も治っているよ。
うん、大丈夫。 あのポーションはとっても効きが良いもの」
と言って、サシャは切ってしまった時にポーションで治した指先を見せた。
「ほら、もう跡形もない」
「本当だ……」
ぼんやりとアルバが頷いた。
サシャはアルバの目を覗き込んだまま、今度は黒く光る角に指を這わせた。
「アルバ、オレはここにいるよ。
アルバが守ってくれるから、いつも元気だよ」
「ああ」
指を角からこめかみ、頬へ這わせ、唇で止めたが、アルバはまだぼんやりしている。
そんな姿にサシャは少し苛ついてしまい、膝から降りると「ちょっと来て」と言ってアルバの手を引いた。
されるがままのアルバは大人しく寝室まで連れて行かれる。
そのままサシャはアルバをベッドへ押し倒した。
「ねぇ、オレを見てよ!
オレはここにいる!
アルバはあの怪我させた人の方が良いの?
それならオレがそいつからアルバを奪い返す」
そう言うと、サシャは自ら服を脱ぎ始めた。
サシャが自分から裸になってアルバを誘うなんて、発情していない時にはまず無い。
いつも恥ずかしいと言って隠そうとする。
それはそれでアルバはそそられたが、今のサシャは肌を赤らめて艶めかしく服を一枚づつ脱ぎ、明らかにアルバを誘っていた。
「ほ、ほら。 あの子じゃなくてオレを見てよ!
オレはアルバのおかげで傷一つないよ」
サシャは全部脱いで、白い透き通った肌を見せつける。
そのままアルバの膝の間に陣取ると、まだふにゃっとしたアルバのモノを取り出して口に咥えた。
何度かペロペロ舐めただけで直ぐに大きくなり始めたソレは、大きすぎて口には入りきらなかったけれど、精いっぱい口を開いて頬張る。
「むぐ」
入りきらない部分は丁寧に手で擦りながら、サシャは上目遣いでアルバを見上げた。
アルバもこちらを見ていた。
さっきと違い、今は瞳を爛々と金色に輝かせてサシャを見ている。
まるで獲物を見つけた時のように、瞳孔が開いていた。
(不味い、煽りすぎたかも)
がしっとアルバはサシャの頭を押さえると、自分で腰を振ってサシャの喉奥へ精液を吐き出した。
「ごほっ、ごほっ」
大量の精液が喉に流し込まれ、サシャは咽てしまった。
大半は飲み込んだが、飲みきれなかった白濁が口の端から滴り落ちる。
それを見て、アルバは再び自身を大きくした。
「そうだ、俺が愛しているのはサシャだけだ」
突然、ひっくり返され、踏み敷かれて、サシャは小さく悲鳴を上げた。
アルバの瞳が今まで見た事がないくらいギラついている。
「俺はサシャのものだし、サシャは俺のものだ」
「う、うん?」
そう言うと、今度は逆にサシャの急所をパクリと口に咥えた。
アルバの口は大きいのでサシャのモノが一度に全部入ってしまう。
「あ、あぁん、つよいぃ」
サシャのモノはアルバの口の中で吸い上げられ、喉の奥で締め付けられる。
じゅぶじゅぶと音を立てて唇で扱かれると、あっという間に果ててしまった。
「あ、ふぅ」
サシャが恨みがましくアルバを見ると、アルバはそれは美味しそうにサシャの精液を飲み込んでいる。
そしていやらしく口の端を舐めた。
「そうだ、俺のサシャはあんな子供ではなく、淫らに俺を誘ってくる淫魔だった」
「ちがうよぉ」
アルバが既に息も絶え絶えなサシャの唇に自分の唇を重ねると、二人の苦い味が混ざり合った。
サシャは意外と潔癖なのでこういう事を嫌がるかと思っていたが、それは大した抵抗もされずに受け入れられる。
それからアルバの舌はサシャの首筋から肩へ胸へと下がって来て、しつこく胸を舐め回されながら後ろも弄り回されると、サシャはあっけなく2回目の吐精をした。
「アルバぁ」
2度も逝かされると、発情中ではないサシャは力が抜けてしまう。
しかし、アルバは許してはくれず、サシャの奥まで自身をずっぷりと嵌めこむと、何度も最奥を突いてきた。
「サシャ、好きだ、愛してる。
お前だけだよ、他のやつを気にしてごめん、許して」
「許して」と言いつつ、サシャが離してと言っても離れないアルバ。
そのまま中をこね回され、何度も中に出されるとしらふのサシャも、発情した時の様に多幸感でいっぱいになって蕩けてしまう。
そして繋がったままイチャイチャしていると、気付いた時には二人して眠ってしまっていた。
「ああ、何だかよく眠れた」
「それは良かったな、イテテ……」
気付くと、朝食後だった筈の時間は昼も超えて夕方近い。
身体の痛みと空腹で目が覚めたサシャだったが、アルバの方ははスッキリしていた。
「サシャ、思ったんだが」
アルバが綺麗な金色の瞳でサシャを見詰めている。
「何?」
「冬は殆どする事がない。
だから……だから毎日しないか?」
「は?」
「毎日したら、サシャは淫紋が発動しないだろう? 俺はよく眠れるし」
呆れたサシャが「オレの身体がもたない!」と言うと、アルバはぎゅっと自分の胸を隣に転がるサシャの頬に押し付けた。
むちむちとしたアルバの胸に埋まるとサシャは頭が馬鹿になって、何でも言う事を聞いてしまいそうになる。
サシャはぎゅっと目を瞑った。
「ほら、好きなだけ触って。
吸ったっていいぞ」
とどめに耳元で甘囁かれる。
「……うん」
グイグイと口元に胸の尖りを押し付けられたら興奮してしまって、思わず了承してしまった。
それからサシャはアルバと殆ど繋がっているという、爛れた日々を送った。
そのおかげか、いつの間にかアルバの不眠は治っていて、気付いたら春が近付いていた。
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