オレと竜族の事情~淫紋ってどうやって消すんですか?~

ume-gummy

文字の大きさ
上 下
17 / 34

確認 *

しおりを挟む
 
 宿に帰って来てからサシャはアルバに「他所の家の匂いが気に入らない」と言われて直ぐに入浴させられた。

 サシャは着替えながら、そう言えばさっきまで着ていた夜着はどうしただろうと思い、探してみるとそれはゴミ箱に丸めて捨てられてた。
 高そうな物なのにもったいないなと思って眺めていたら、今し方風呂に入ったはずのアルバがやって来てゴミ箱を覗いているのを見咎められる。
「それが大切か?」
「いや全然。 高そうだからもったいないなって思っただけ」
「欲しいなら俺が買ってやる」
「いらないよ」

 それからアルバに手を引かれてベッドへ座らされた。
「サシャ、どうして一人で行ってしまったんだ?」
 隣に座ったアルバの瞳が青に近い緑色になっている。
 これはかなり心配を掛けてしまったと分かって、サシャは素直に謝った。

「ごめんなさい。
 その……アルバと聖女様があんまり仲良さそうだったから、お邪魔かなと」
「何故? 俺はあいつと仲良くなどない。」
「そうなの?」
「ヤキモチか」
 ふっとアルバが微笑する。
 サシャは今までの経験で、アルバが自分に嘘をつくはずがないと知っている。
 居た堪れなくなって、ふいっと目を反らした。

 すると、ふわりと体が浮いて、サシャはベッドへ押し倒される形になった。
 発情していない状態でこんな事をされるのは初めてで、サシャは恥ずかしくなる。
 アルバに覆いかぶさられて上から覗き込まれて、心臓が激しく脈打った。
「……無事でよかった」
 暫くアルバはサシャの柔らかな赤褐色の髪を撫でていたが「凄く心配した」と言うと、眉間に皺を寄せて顔を歪める。
「お前は赤い唇も透き通るような肌もエメラルドみたいな瞳もとても綺麗なんだ。
 なんならそこら辺の女より華奢で可愛い。
 一人で出歩くときは気を付けろと言っただろう?」
「かっ……そ、そんな事思ってるのアルバだけだよ」
 母譲りの色味こそ珍しいが、平凡な容姿を褒められるのは初めてで、サシャは戸惑ってしまう。
 自分でも顔が熱を持って赤くなったのが分かった。
「サシャ、本当に無事だったか確かめたい」
「え?」

 そう言うと、アルバはサシャの服を捲った。
「うわ、何?」
 アルバはサシャの制止など聞かずに身体の隅々まで確認してきた。

「やだ、アルバ! どうしちゃったの?」
 終いには全部脱がされ仰向けにさせられて、足を広げさせられて全部見られる。
 急所を全部晒す体勢が恥ずかしくて抵抗したが、アルバはびくともしなかった。
 それなのに、後ろの穴がキュンして愛液が滲み出てきてしまう。
 そこをアルバがくるくると揉み解し、指を一本だけ差し入れてきた。
「あん、ダメっ!」
「中は?触られなかったか?」
 アルバの太い指が中へ入って来る。
 まるで期待しているようにくちゅくちゅ恥ずかしい音までして、サシャは恥ずかしくて両手で顔を覆った。

「やめて、なんにもされてないってばぁ」
「ちゃんと確かめさせろ」
「や、」
 アルバはさらに指をもう一本差し入れる。
 そして中が見えるように指を広げた。

「ダメダメ、はずかしいよ!」
 中が冷たい外気にさらされ、アルバがそこを凝視している視線を感じる。
 サシャが思い切り足をバタつかせると、片方を肩に担ぎあげられて余計に見えるようにされてしまった。
 そのまま、アルバの二本の指が奥を目指してねじ込まれていく。
 でも、発情している時みたいにすんなり入らなくて、それが逆に刺激になってしまう。
 奥へ、奥へと入る指が腸壁を擦る度、サシャは指を締め付けてしまった。
 すると指がとんでもなく気持ち良い所に当たって、目の前に星が飛んだ。
「あああぁぁーーーっ!!!」
 悲鳴とも取れる声を上げてサシャは中でイってしまった。

「ここが気持ち良いのか」
 ぎゅっと瞑った目を開くと、直ぐ近くに獰猛な肉食獣のような瞳をしたアルバの顔。
 彼はいつもこんな顔をしていただろうか?
 瞳が金色に爛々と輝いて、絶対勝てる気がしなくて、サシャは無駄な抵抗を止めた。

 アルバは大人しくなったサシャの奥を指で犯しながらもう片方の手は会陰を通って、発情している時はあまり触らないサシャの前へと触れる。
 少し被った皮を優しく押し下げると、そこがムクムクと大きくなった。
「んん、だからどこも触られてないってばぁ」
 後ろと前、同時に擦られてサシャはヒンヒンと泣きだしてしまった。
 その頬を伝う涙をアルバが舐め取る。

「サシャ、もうどこにも行かないで。 傍にいて」
 そのままねっとりと口付けされると、あっという間に上り詰めて、サシャは勢いよく白濁を飛ばした。
 それがアルバの顔にも飛び散る。


「あ、あ、すまない……」
 急にアルバは頭が冷え、サシャから身体を離した。
「やり過ぎた」
 アルバはさっとサシャの身体を拭いて「もう一度風呂へ入ってくる」と言ってバスルームへ向かった。

 その間サシャは息を整えながらぼんやり考えていた。
(あぁ、このまま最後までして欲しかった。
 やっぱり発情してないとダメなのかな……)
 さっきとは違う涙が頬を伝った。

 腹部の淫紋がほんのり熱を持って淡いピンク色に光っているのが切ない。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

僕はお別れしたつもりでした

まと
BL
遠距離恋愛中だった恋人との関係が自然消滅した。どこか心にぽっかりと穴が空いたまま毎日を過ごしていた藍(あい)。大晦日の夜、寂しがり屋の親友と二人で年越しを楽しむことになり、ハメを外して酔いつぶれてしまう。目が覚めたら「ここどこ」状態!! 親友と仲良すぎな主人公と、別れたはずの恋人とのお話。 ⚠️趣味で書いておりますので、誤字脱字のご報告や、世界観に対する批判コメントはご遠慮します。そういったコメントにはお返しできませんので宜しくお願いします。 大晦日あたりに出そうと思ったお話です。

『これで最後だから』と、抱きしめた腕の中で泣いていた

和泉奏
BL
「…俺も、愛しています」と返した従者の表情は、泣きそうなのに綺麗で。 皇太子×従者

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

急に運命の番と言われても。夜会で永遠の愛を誓われ駆け落ちし、数年後ぽい捨てされた母を持つ平民娘は、氷の騎士の甘い求婚を冷たく拒む。

石河 翠
恋愛
ルビーの花屋に、隣国の氷の騎士ディランが現れた。 雪豹の獣人である彼は番の匂いを追いかけていたらしい。ところが花屋に着いたとたんに、手がかりを失ってしまったというのだ。 一時的に鼻が詰まった人間並みの嗅覚になったディランだが、番が見つかるまでは帰らないと言い張る始末。ルビーは彼の世話をする羽目に。 ルビーと喧嘩をしつつ、人間についての理解を深めていくディラン。 その後嗅覚を取り戻したディランは番の正体に歓喜し、公衆の面前で結婚を申し込むが冷たく拒まれる。ルビーが求婚を断ったのには理由があって……。 愛されることが怖い臆病なヒロインと、彼女のためならすべてを捨てる一途でだだ甘なヒーローの恋物語。 この作品は、他サイトにも投稿しております。 扉絵は写真ACより、チョコラテさまの作品(ID25481643)をお借りしています。

月の後宮~孤高の皇帝の寵姫~

真木
恋愛
新皇帝セルヴィウスが即位の日に閨に引きずり込んだのは、まだ十三歳の皇妹セシルだった。大好きだった兄皇帝の突然の行為に混乱し、心を閉ざすセシル。それから十年後、セシルの心が見えないまま、セルヴィウスはある決断をすることになるのだが……。

フローブルー

とぎクロム
BL
——好きだなんて、一生、言えないままだと思ってたから…。 高二の夏。ある出来事をきっかけに、フェロモン発達障害と診断された雨笠 紺(あまがさ こん)は、自分には一生、パートナーも、子供も望めないのだと絶望するも、その後も前向きであろうと、日々を重ね、無事大学を出て、就職を果たす。ところが、そんな新社会人になった紺の前に、高校の同級生、日浦 竜慈(ひうら りゅうじ)が現れ、紺に自分の息子、青磁(せいじ)を預け(押し付け)ていく。——これは、始まり。ひとりと、ひとりの人間が、ゆっくりと、激しく、家族になっていくための…。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される

clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。 状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。

処理中です...