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魔王討伐隊
逃げられなくなってきた
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「さっそく来たわね。話を聞いていたのかしら? 悪趣味ね」
咆哮と共に現れたのは、筋骨隆々の男だった。
僕が立っている場所へ来ると、男がこちらの顔を覗いてきたので僕も睨み返す。
「こいつがそっちの候補か。魔力はあるが、身体は弱そうだ。俺と戦ったら壊れちまうんじゃねぇか、なぁ? 」
そう言うと男はニヤニヤ笑いながら、今度はローズの方を向いた。
「一対一の勝負だ。分かってるだろうな」
「ええ。ジルヴァーノは強いわ。あんたみたいな馬鹿には負けない。この勝負、こっちの勝ちよ」
「おお、やっちまえ!」
「いいぞ!」
「殺せ!」
おいおい、僕は何も言っていないんだが。
いつの間にか僕たちはたくさんの魔物に囲まれていて、ローズの煽りを聞いて歓声を上げた。
そしてフォーレも、ガリエナもランベルトもロルフォも円の中に追い込まれる。
僕たちは真ん中で身を寄せ合った。
「ジルヴァーノ、あいつが魔王になったら最後、片っ端から人を襲うわよ。そうなったらフィオも無事じゃ済まないわ」
「くそ、こんな事に巻き込まれてる場合じゃないんだが」
「ディガッタ殿、加勢する」
フォーレが剣を抜こうとしたが、僕はそれを止めた。
「フォーレ隊長、一対一の勝負です。逸らないでください。ローズ、何があっても隊長たちを守れるか」
「うーん、多分」
ローズに任せるのは不安しかないが、皆も十分に戦える者たちだ。
あの男さえ何とかすれば、全員で野営地まで戻れるだろう。
それにしてもランベルトはいつ勇者に覚醒するんだよ。
早く勇者になって、こいつらをパパ―っと倒して欲しい。
恨みがましい目を向けると、ランベルトが少し怯んだ。
うーん、無理そうだ。
僕は魔王にはなりたくない。
しかし、こいつを何とかしないとローズはフィオの居場所を教えてはくれないだろう。
僕は腹を決めて自分のレイピアを抜いた。
「仕方ない、僕はお前を倒す」
そう言うと野次馬がわっと沸いた。
「おいおい、お前。俺に勝つ気でいるのか? 面白い、最速で捻り潰してやる」
男は僕を視界に捉えると、あっという間に間合いを詰めて殴り掛かって来る。
言うだけあって確かに早いし、力もある。
僕が避けた地面に拳が当たると、大きな穴が開いた。
「ちょこまかと動きやがって」
男は魔力を魔術ではなく、自然に体に纏わせて身体強化をするタイプのようだ。
興奮すると身体がひと回り大きくなった。
これは一度でも攻撃が当たったら致命傷になるな……そう思った俺はレイピアに雷の魔力を纏わせる。
僕の戦い方は魔石を嵌め込んだレイピアに魔力を纏わせて戦うものだ。
これで相手を傷付ける事ができれば、大抵が致命傷を負う。
運よく急所を付ければ一撃で倒す事も可能だ。
魔力が多すぎる僕が魔術を使うと味方にも被害が及んでしまうので、色々試して考え出した苦肉の策でもある。
と、後ろで気配がしてガリエナが魔術を使おうとしたのが分かった。
「ダメよ」
それをローズが止める。
「よそ見してんなよ!」
一瞬の隙に男が再び攻撃をして来たのを寸でのところで避けたのだが、風圧で身体が飛ばされ、皆のいる場所へ転がった。
「ジルヴァーノ!」
「お前、余計な事すんな」
「でも……」
心配そうなガリエナたちを視界の端に捉えて立ち上がると、僕は足に風の魔術を掛け、男へ向かって走った。
1度、2度、3度、相手の攻撃を避ける。
避ける度に服や体のあちこちが裂けるのを感じたが今は気にしている時ではない。
男の攻撃は全部パンチなので、足がガラ空きだと気付いた僕は、身を縮めてレイピアで足を薙ぎ払った。
「痛てぇ!」
男の素足に攻撃が当たったが、皮膚が厚いのか致命傷にはならない。
しかし、雷の魔術を纏わせた攻撃は相手の足を痺れさせたはずだ。
「おい、僕は魔王なんかになる気はない。分かったら帰らさせろ」
「と、討伐は?」
「そんなのは後だ」
ランベルトの意見は尤もだが、今はフィオが先だ。
そもそも、まだ誰も魔王にはなっていない。
「この……絶対に倒してやる!」
男が咆哮すると辺りが静まり返った。
僕には効かないが、小者を黙らせる位の効果はあるらしい。
何故かそのまま蹲った男に近寄ろうとしたが、様子がおかしい事に気付いた。
「う、ぐっぐっ……ぐふぅ……」
男の背中が盛り上がり、頭が獣毛で覆われ始めた。
服から出ていた腕も足も毛で覆われると、最後には服も破れて男は大きな熊の姿になったのだ。
「おい、逃げろ!」
「あいつ、見境なく殺る気だ!」
誰かがそう言うと、辺りを取り囲んでいた魔物は我に返り、散り散りに逃げて行く。
戸惑った僕が振り向くと、ローズも皆を連れて遠くへ逃げるところだった。
確かに皆を守ってくれとは言ったが、勝つつもりでいたので置いて行かれるなんて想定していなかった。
一人取り残され熊と対峙して、僕は呆然とした。
「グオオオォ! 」
男の気配も声も先程とは違い、獣のものに変わっている。
あいつは熊のライカンスロープだったのか。
熊に変化した男は後ろ脚で立ち上がった。
大きい。
間違いなく僕の身長の倍はあるだろう。
僕は辺りに誰もいないのを確認して、土魔法で壁を出現させた。
これで少しは守れるかと思ったが、熊はあっさりとそれを壊した。
壁の間から覗いた顔にレイピアを突き刺そうとしたが、額に当たり弾かれてしまう。
「しまっ……」
そう言えば今まで魔術師団の仲間や騎士団員と共に戦いに行っていたから、一対一なんて経験した事が無かったな。
窮地に陥っても大体仲間が助けてくれたものだ。
仲間大事。
そんな事を考えていると、熊が壁を乗り越えて僕の方へ掌を振り上げて来た。
咄嗟に水の魔術を唱えると、自分の周りに水流が渦巻く。
その間に風魔法で攻撃しようと詠唱を始める。
「うぐっ!」
熊の掌は水の流れをも断ち切って僕へ当たった。
水流で軽減はされていたが、人間の僕には十分なダメージになり、思い切り跳ね飛ばされた。
一応、身体強化もしていたんだけどな。
僕は頭に怪我をしたらしく、倒れた場所には血溜まりが出来ていて、更には骨が折れているらしく腕も足も動かせない。
そこへ熊はもの凄い勢いで走り込んできた。
死を覚悟したが、熊は直ぐに僕を殺さずに弄る様に服の部分を口に咥える。
もう、こうなると力の差でされるがままだ。
ブンブン振り回されて、目が回る。
思考も纏まらず、観念し始めた頃だった。
上に投げ上げられて身体がふわりと宙に浮いた。
「!」
落ちて行く先に熊の目が迫る。
僕は咄嗟に魔術を詠唱して凍るの刃を何本も、その目に向かって突き立てた。
目から入った氷の刃は柔らかい部分を突き抜け、熊の頭部を貫通する。
熊は激しい咆哮を上げながら蹲って苦しんだ。
これは流石に致命傷になっただろう。
「やった……フィオに会える」
勝利を確信して喜んだのも束の間、僕は地面に叩きつけられた。
咆哮と共に現れたのは、筋骨隆々の男だった。
僕が立っている場所へ来ると、男がこちらの顔を覗いてきたので僕も睨み返す。
「こいつがそっちの候補か。魔力はあるが、身体は弱そうだ。俺と戦ったら壊れちまうんじゃねぇか、なぁ? 」
そう言うと男はニヤニヤ笑いながら、今度はローズの方を向いた。
「一対一の勝負だ。分かってるだろうな」
「ええ。ジルヴァーノは強いわ。あんたみたいな馬鹿には負けない。この勝負、こっちの勝ちよ」
「おお、やっちまえ!」
「いいぞ!」
「殺せ!」
おいおい、僕は何も言っていないんだが。
いつの間にか僕たちはたくさんの魔物に囲まれていて、ローズの煽りを聞いて歓声を上げた。
そしてフォーレも、ガリエナもランベルトもロルフォも円の中に追い込まれる。
僕たちは真ん中で身を寄せ合った。
「ジルヴァーノ、あいつが魔王になったら最後、片っ端から人を襲うわよ。そうなったらフィオも無事じゃ済まないわ」
「くそ、こんな事に巻き込まれてる場合じゃないんだが」
「ディガッタ殿、加勢する」
フォーレが剣を抜こうとしたが、僕はそれを止めた。
「フォーレ隊長、一対一の勝負です。逸らないでください。ローズ、何があっても隊長たちを守れるか」
「うーん、多分」
ローズに任せるのは不安しかないが、皆も十分に戦える者たちだ。
あの男さえ何とかすれば、全員で野営地まで戻れるだろう。
それにしてもランベルトはいつ勇者に覚醒するんだよ。
早く勇者になって、こいつらをパパ―っと倒して欲しい。
恨みがましい目を向けると、ランベルトが少し怯んだ。
うーん、無理そうだ。
僕は魔王にはなりたくない。
しかし、こいつを何とかしないとローズはフィオの居場所を教えてはくれないだろう。
僕は腹を決めて自分のレイピアを抜いた。
「仕方ない、僕はお前を倒す」
そう言うと野次馬がわっと沸いた。
「おいおい、お前。俺に勝つ気でいるのか? 面白い、最速で捻り潰してやる」
男は僕を視界に捉えると、あっという間に間合いを詰めて殴り掛かって来る。
言うだけあって確かに早いし、力もある。
僕が避けた地面に拳が当たると、大きな穴が開いた。
「ちょこまかと動きやがって」
男は魔力を魔術ではなく、自然に体に纏わせて身体強化をするタイプのようだ。
興奮すると身体がひと回り大きくなった。
これは一度でも攻撃が当たったら致命傷になるな……そう思った俺はレイピアに雷の魔力を纏わせる。
僕の戦い方は魔石を嵌め込んだレイピアに魔力を纏わせて戦うものだ。
これで相手を傷付ける事ができれば、大抵が致命傷を負う。
運よく急所を付ければ一撃で倒す事も可能だ。
魔力が多すぎる僕が魔術を使うと味方にも被害が及んでしまうので、色々試して考え出した苦肉の策でもある。
と、後ろで気配がしてガリエナが魔術を使おうとしたのが分かった。
「ダメよ」
それをローズが止める。
「よそ見してんなよ!」
一瞬の隙に男が再び攻撃をして来たのを寸でのところで避けたのだが、風圧で身体が飛ばされ、皆のいる場所へ転がった。
「ジルヴァーノ!」
「お前、余計な事すんな」
「でも……」
心配そうなガリエナたちを視界の端に捉えて立ち上がると、僕は足に風の魔術を掛け、男へ向かって走った。
1度、2度、3度、相手の攻撃を避ける。
避ける度に服や体のあちこちが裂けるのを感じたが今は気にしている時ではない。
男の攻撃は全部パンチなので、足がガラ空きだと気付いた僕は、身を縮めてレイピアで足を薙ぎ払った。
「痛てぇ!」
男の素足に攻撃が当たったが、皮膚が厚いのか致命傷にはならない。
しかし、雷の魔術を纏わせた攻撃は相手の足を痺れさせたはずだ。
「おい、僕は魔王なんかになる気はない。分かったら帰らさせろ」
「と、討伐は?」
「そんなのは後だ」
ランベルトの意見は尤もだが、今はフィオが先だ。
そもそも、まだ誰も魔王にはなっていない。
「この……絶対に倒してやる!」
男が咆哮すると辺りが静まり返った。
僕には効かないが、小者を黙らせる位の効果はあるらしい。
何故かそのまま蹲った男に近寄ろうとしたが、様子がおかしい事に気付いた。
「う、ぐっぐっ……ぐふぅ……」
男の背中が盛り上がり、頭が獣毛で覆われ始めた。
服から出ていた腕も足も毛で覆われると、最後には服も破れて男は大きな熊の姿になったのだ。
「おい、逃げろ!」
「あいつ、見境なく殺る気だ!」
誰かがそう言うと、辺りを取り囲んでいた魔物は我に返り、散り散りに逃げて行く。
戸惑った僕が振り向くと、ローズも皆を連れて遠くへ逃げるところだった。
確かに皆を守ってくれとは言ったが、勝つつもりでいたので置いて行かれるなんて想定していなかった。
一人取り残され熊と対峙して、僕は呆然とした。
「グオオオォ! 」
男の気配も声も先程とは違い、獣のものに変わっている。
あいつは熊のライカンスロープだったのか。
熊に変化した男は後ろ脚で立ち上がった。
大きい。
間違いなく僕の身長の倍はあるだろう。
僕は辺りに誰もいないのを確認して、土魔法で壁を出現させた。
これで少しは守れるかと思ったが、熊はあっさりとそれを壊した。
壁の間から覗いた顔にレイピアを突き刺そうとしたが、額に当たり弾かれてしまう。
「しまっ……」
そう言えば今まで魔術師団の仲間や騎士団員と共に戦いに行っていたから、一対一なんて経験した事が無かったな。
窮地に陥っても大体仲間が助けてくれたものだ。
仲間大事。
そんな事を考えていると、熊が壁を乗り越えて僕の方へ掌を振り上げて来た。
咄嗟に水の魔術を唱えると、自分の周りに水流が渦巻く。
その間に風魔法で攻撃しようと詠唱を始める。
「うぐっ!」
熊の掌は水の流れをも断ち切って僕へ当たった。
水流で軽減はされていたが、人間の僕には十分なダメージになり、思い切り跳ね飛ばされた。
一応、身体強化もしていたんだけどな。
僕は頭に怪我をしたらしく、倒れた場所には血溜まりが出来ていて、更には骨が折れているらしく腕も足も動かせない。
そこへ熊はもの凄い勢いで走り込んできた。
死を覚悟したが、熊は直ぐに僕を殺さずに弄る様に服の部分を口に咥える。
もう、こうなると力の差でされるがままだ。
ブンブン振り回されて、目が回る。
思考も纏まらず、観念し始めた頃だった。
上に投げ上げられて身体がふわりと宙に浮いた。
「!」
落ちて行く先に熊の目が迫る。
僕は咄嗟に魔術を詠唱して凍るの刃を何本も、その目に向かって突き立てた。
目から入った氷の刃は柔らかい部分を突き抜け、熊の頭部を貫通する。
熊は激しい咆哮を上げながら蹲って苦しんだ。
これは流石に致命傷になっただろう。
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