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四地方の章
第十話 東の地方 エウロスの里
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前回、新たな仲間であるサラが加わり四地方を巡る冒険へ再び出発したツルギ達は、風が常に吹く緑豊かな大地エウロス地方を訪れたのだった!!
エウロス地方はそよ風が気持ちいい緑豊かな大地……風を司る種族、風人族が暮らしており移住先としても有名である。
そんな俺たちは最近激しい地方の連続だったために休憩がてら東地方へ来ていた。
本来ならここでキャンプしてその後にエウロスの里で南地方の情報集めをしようと計画を立てていたが………
「ねぇ!!聞いてた話と全然違うんだけど!!全然そよ風じゃなくない!?」
今、東地方ではなぜか嵐のような突風が吹いている。
こんなことは今までなかったはずだが……
「何かがおかしい……」
「え? なんですって!?」
「何かがおかしい!! 東地方は今までこんな嵐になった事は歴史上ないんだ!!」
「ああ! 昔来たことがあるがこんな酷くはなかったな!!」
俺たちは一生懸命前に進むが、里に近づけば近づくほど風が強くなってるように感じた。
「あとどれくらいで里なの!?」
「あと数十歩ぐらいだ!!」
「お、おい!あれみろ!!」
「なんだこれ……!?」
エウロスの里が分厚い雲で包まれていた
「エウロスの里が……!」
サラは無意識に雲の中へ入ろうとする。
「待ちなさい!!」
すると、どこからともなく矢が飛んできた
「………!」
「矢だと? どこから!?」
「あそこだ!」
スフィンが指差す方を見ると崖の上に誰かが佇んでいた。
そのまま俺たちの方へアクロバティックな動きをして着地する。
「誰だお前!!」
「私は風人族のツバサ!! カゼノ・ツバサよ!!」
「愚かな旅人達よ! 今すぐにここを立ち去りなしゃい!!」
彼女は明らかに舌を噛んでしまう。
「………」
「………」
「………」
「~~~ッ//」
「セリフの最後で噛むなんて私ダメダメですぅ………」
彼女はシュンとしてうずくまってしまう。
カッコよく決めたかったんだろう……
「そんなこともあるさ、俺だって国の式典ですっ転んだことあるから」
「私も王冠が前と後ろ逆だったときあるから落ち込まないで……」
「皆さん優しいのです……」
「あはは……」
(本当に優しい世界だな……)
まぁ、無理もない。あんな幼いのに知らない冒険者に頑張って立ち向かおうとしたところを見ると誰だって守りたくなってしまう。
「それで、君はなぜこんなところに?」
「えっと……それは」
彼女が事情を説明する。
「なるほど……魚を釣りに行って帰ったらこうなってたのか」
「はい……」
「それで自分もどうすればいいか訳が分からず、ずっとこの辺をうろうろしていたと」
「はい……」
「中にいるお母さん達が心配で……何回か服の翼を広げて突っ込んでみましたけど……」
「意味がなかったのか……」
「はい……」
「私……風人族なのにダメダメなのです……」
彼女は涙をポロッと落とす。
責任を感じてるのかもしれない。
「………」
すると突然ガシッとサラがツバサちゃんの手を握りしめる
「ふえええっ!? ど、どうしたのです!?」
「よく頑張ったね!!えらいね!」
彼女は急にツバサちゃんの頭を撫でて、いい子いい子し始めた……
「でも私……一族の恥なのです……」
「ズッキューーーーン!!」
「あ?」
「え?」
俺たちは困惑する……まさかこれって……
「まだ幼いのに誰かのために体を張って頑張ろうとする年下……!まさしく私のタイプ!!」
「…………」
「はああああああっ!?」
「こういう子を私は守ってあげたい!!どこぞの刀鍛冶と違って!!」
「なんだとゴルァ!!」
「でも……確か守ってあげたいという本能を刺激されるような感じだな……」
「スフィンはなに冷静に分析しとんねん」
俺は連続でツッコんでしまう。
「しかし……なぜこうなったのか原因が掴めないのでは……」
俺はその場で考え込んでしまう。
そのときだった。
『グオオオオオオオオオオオオオッ!!』
里の中から悍ましい雄叫びが聞こえると同時に地面が揺れる。
「なんだ!?」
すると雲の中に何かの影が見えた………それは巨大なドラゴンのシルエットだった。
「で、でけぇ!!」
「なによ!!あのドラゴン!?」
『風人族の女よ……!私の一部となれぃ!!」
「その声……!まさか……!」
すると雲の中から巨大なドラゴンの手が襲いかかってくる。
「これはまずいな!!」
「サラ! 狙いはツバサちゃんだ!なるべく2人で遠くへ!!」
「わかったわ!」
「スフィン!!ライトニングスラッシュで奴の爪を切ってやれ!! 足止めだ!」
「オーケー! 派手にかますぜ!!」
鉤爪による攻撃を避けた後、スフィンはライトニングショーテルを構える。
「そういえばこいつを実戦で使うのは初めてだったな!」
「迅雷斬撃!! ライトニングスラッシュ!!」
スフィンは雷の刃を飛ばして奴の爪を真っ二つに切り裂く。
「グアアアアアアッ!?」
「へっ!おとといきやがれ!!」
スフィンが捨て台詞を吐くとそのまま後ろへ下がりなんとか逃げ切る事に成功した。
俺たちはだいぶ離れたところの洞窟に来たが念の為警戒してサラに彼女を守ってもらってた。
「……追っ手はなさそうね」
「ああ、」
「…………」
「ツバサちゃん、何か心当たりあったみたいだが……」
「兄さんです……」
「え?」
「兄さんが復活してしまいました……」
「復活"してしまった"?どういう事?」
「きっと姉さん達……生贄に……!」
「生贄!?」
彼女の口からは衝撃の言葉が出てきた。
「おいおい! 生贄って! 風人族にはそんな物騒なしきたりがあるのかよ!?」
「13歳以上の女の風人族は毎年に自分のスキルを風龍様に少しだけ捧げるんです。」
「私……どうすればいいかわかんなくて……!」
彼女はまた泣き出してしまう。
「スフィン、向こうでキャンプを建てよう」
「え?」
「多分俺たちじゃ解決できない問題だ。 ここはサラに任せよう」
「あ、ああ」
俺たちはこの洞窟を拠点にキャンプを建てることにした。
数時間後には設立が完了しなかなか居住性の高い拠点ができた。
「女性陣の皆さーん!キャンプ場できましたよー!」
俺はサラ達を呼びに行く。
「あら、ツルギ君」
「ツルギ様……!」
ツルギ様………?まぁいいや
「なんの話してたんだ?」
「東の勇者の伝説の話よ」
「東に勇者なんていたっけ?」
「ここ最近の研究で発覚したらしいわよ、遺跡がちらほら見つかったみたい」
「なるほど……どういう伝承だ?」
「えっと……『東の勇者 異界から現れし邪竜を風の矢と嵐の双剣で打ち砕かん』です」
「嵐の双剣……もしかして風伝説の剣エヴロスか!?」
「なんで知ってるんですか?」
「俺の曾祖父さんが作った剣だからな」
「そうですか……」
「そういえばエヴロスは今どこに?」
「里の中です……もしかしたら兄さんが持ってるのかも」
「そうか……」
俺はしばらく考え込む
「そうだ!!だったら新しく作ればいいんだ!!」
「え?」
「エヴロスを超える剣を作るんだよ!! よっしゃー!やるぜぇぇぇ!」
「あーあ、スイッチ入っちゃった」
「………」
次回……新開発!エアーマグナムソード!
エウロス地方はそよ風が気持ちいい緑豊かな大地……風を司る種族、風人族が暮らしており移住先としても有名である。
そんな俺たちは最近激しい地方の連続だったために休憩がてら東地方へ来ていた。
本来ならここでキャンプしてその後にエウロスの里で南地方の情報集めをしようと計画を立てていたが………
「ねぇ!!聞いてた話と全然違うんだけど!!全然そよ風じゃなくない!?」
今、東地方ではなぜか嵐のような突風が吹いている。
こんなことは今までなかったはずだが……
「何かがおかしい……」
「え? なんですって!?」
「何かがおかしい!! 東地方は今までこんな嵐になった事は歴史上ないんだ!!」
「ああ! 昔来たことがあるがこんな酷くはなかったな!!」
俺たちは一生懸命前に進むが、里に近づけば近づくほど風が強くなってるように感じた。
「あとどれくらいで里なの!?」
「あと数十歩ぐらいだ!!」
「お、おい!あれみろ!!」
「なんだこれ……!?」
エウロスの里が分厚い雲で包まれていた
「エウロスの里が……!」
サラは無意識に雲の中へ入ろうとする。
「待ちなさい!!」
すると、どこからともなく矢が飛んできた
「………!」
「矢だと? どこから!?」
「あそこだ!」
スフィンが指差す方を見ると崖の上に誰かが佇んでいた。
そのまま俺たちの方へアクロバティックな動きをして着地する。
「誰だお前!!」
「私は風人族のツバサ!! カゼノ・ツバサよ!!」
「愚かな旅人達よ! 今すぐにここを立ち去りなしゃい!!」
彼女は明らかに舌を噛んでしまう。
「………」
「………」
「………」
「~~~ッ//」
「セリフの最後で噛むなんて私ダメダメですぅ………」
彼女はシュンとしてうずくまってしまう。
カッコよく決めたかったんだろう……
「そんなこともあるさ、俺だって国の式典ですっ転んだことあるから」
「私も王冠が前と後ろ逆だったときあるから落ち込まないで……」
「皆さん優しいのです……」
「あはは……」
(本当に優しい世界だな……)
まぁ、無理もない。あんな幼いのに知らない冒険者に頑張って立ち向かおうとしたところを見ると誰だって守りたくなってしまう。
「それで、君はなぜこんなところに?」
「えっと……それは」
彼女が事情を説明する。
「なるほど……魚を釣りに行って帰ったらこうなってたのか」
「はい……」
「それで自分もどうすればいいか訳が分からず、ずっとこの辺をうろうろしていたと」
「はい……」
「中にいるお母さん達が心配で……何回か服の翼を広げて突っ込んでみましたけど……」
「意味がなかったのか……」
「はい……」
「私……風人族なのにダメダメなのです……」
彼女は涙をポロッと落とす。
責任を感じてるのかもしれない。
「………」
すると突然ガシッとサラがツバサちゃんの手を握りしめる
「ふえええっ!? ど、どうしたのです!?」
「よく頑張ったね!!えらいね!」
彼女は急にツバサちゃんの頭を撫でて、いい子いい子し始めた……
「でも私……一族の恥なのです……」
「ズッキューーーーン!!」
「あ?」
「え?」
俺たちは困惑する……まさかこれって……
「まだ幼いのに誰かのために体を張って頑張ろうとする年下……!まさしく私のタイプ!!」
「…………」
「はああああああっ!?」
「こういう子を私は守ってあげたい!!どこぞの刀鍛冶と違って!!」
「なんだとゴルァ!!」
「でも……確か守ってあげたいという本能を刺激されるような感じだな……」
「スフィンはなに冷静に分析しとんねん」
俺は連続でツッコんでしまう。
「しかし……なぜこうなったのか原因が掴めないのでは……」
俺はその場で考え込んでしまう。
そのときだった。
『グオオオオオオオオオオオオオッ!!』
里の中から悍ましい雄叫びが聞こえると同時に地面が揺れる。
「なんだ!?」
すると雲の中に何かの影が見えた………それは巨大なドラゴンのシルエットだった。
「で、でけぇ!!」
「なによ!!あのドラゴン!?」
『風人族の女よ……!私の一部となれぃ!!」
「その声……!まさか……!」
すると雲の中から巨大なドラゴンの手が襲いかかってくる。
「これはまずいな!!」
「サラ! 狙いはツバサちゃんだ!なるべく2人で遠くへ!!」
「わかったわ!」
「スフィン!!ライトニングスラッシュで奴の爪を切ってやれ!! 足止めだ!」
「オーケー! 派手にかますぜ!!」
鉤爪による攻撃を避けた後、スフィンはライトニングショーテルを構える。
「そういえばこいつを実戦で使うのは初めてだったな!」
「迅雷斬撃!! ライトニングスラッシュ!!」
スフィンは雷の刃を飛ばして奴の爪を真っ二つに切り裂く。
「グアアアアアアッ!?」
「へっ!おとといきやがれ!!」
スフィンが捨て台詞を吐くとそのまま後ろへ下がりなんとか逃げ切る事に成功した。
俺たちはだいぶ離れたところの洞窟に来たが念の為警戒してサラに彼女を守ってもらってた。
「……追っ手はなさそうね」
「ああ、」
「…………」
「ツバサちゃん、何か心当たりあったみたいだが……」
「兄さんです……」
「え?」
「兄さんが復活してしまいました……」
「復活"してしまった"?どういう事?」
「きっと姉さん達……生贄に……!」
「生贄!?」
彼女の口からは衝撃の言葉が出てきた。
「おいおい! 生贄って! 風人族にはそんな物騒なしきたりがあるのかよ!?」
「13歳以上の女の風人族は毎年に自分のスキルを風龍様に少しだけ捧げるんです。」
「私……どうすればいいかわかんなくて……!」
彼女はまた泣き出してしまう。
「スフィン、向こうでキャンプを建てよう」
「え?」
「多分俺たちじゃ解決できない問題だ。 ここはサラに任せよう」
「あ、ああ」
俺たちはこの洞窟を拠点にキャンプを建てることにした。
数時間後には設立が完了しなかなか居住性の高い拠点ができた。
「女性陣の皆さーん!キャンプ場できましたよー!」
俺はサラ達を呼びに行く。
「あら、ツルギ君」
「ツルギ様……!」
ツルギ様………?まぁいいや
「なんの話してたんだ?」
「東の勇者の伝説の話よ」
「東に勇者なんていたっけ?」
「ここ最近の研究で発覚したらしいわよ、遺跡がちらほら見つかったみたい」
「なるほど……どういう伝承だ?」
「えっと……『東の勇者 異界から現れし邪竜を風の矢と嵐の双剣で打ち砕かん』です」
「嵐の双剣……もしかして風伝説の剣エヴロスか!?」
「なんで知ってるんですか?」
「俺の曾祖父さんが作った剣だからな」
「そうですか……」
「そういえばエヴロスは今どこに?」
「里の中です……もしかしたら兄さんが持ってるのかも」
「そうか……」
俺はしばらく考え込む
「そうだ!!だったら新しく作ればいいんだ!!」
「え?」
「エヴロスを超える剣を作るんだよ!! よっしゃー!やるぜぇぇぇ!」
「あーあ、スイッチ入っちゃった」
「………」
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