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四地方の章

第七話 あんたなんて大っ嫌い!!

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前回の戦いで俺たちは崖が崩れてたった今自由落下状態にいた。


「ちくしょー!!全部オメーのせいだぞ!!」

「はぁ!?あんた達が神話遺跡のあたりをうろうろしていたから怪しかったのよ!!」

「なんだと!! そんな変な理由で俺たちを襲ったのか!?」

「変な理由!?あそこには魔女の配下がたくさんいるの!!それと勘違いしただけよ!」

「だったら事情を先に説明しろや!!」

「敵に事情を説明するバカとかいないでしょ!!」

俺たちは自由落下状態でも口喧嘩を続ける。
こんなことをしてる場合ではないのに……

「だいたい私の胸を揉むなんてあり得ない!!」

「オメーが女かってわからなかったんだよ!!」

「言い訳はいいわ!!責任!取ってもらうからね!!」

「それちゃんと意味わかって言ってる!?」

そんな言い争いをしているとチラッと地面が見えた。

「なぁ、」

「なによ」

「これどうやって着地するんだ?」

「は?あんたなんか作戦とかないの?」

「ないけど?」

「え?私を道連れにして自分だけ助かろうとしてたんじゃ?」

「いいや?」

「どうするのよぉぉ!!私たちまとめてお陀仏じゃない!!」

「しーらね」

「責任とってよーーーー!!」

いきなり泣いて抱きついてくる。

「嫌だわ!!なんで責任負わなきゃあかんねん!!」

「なんでもするからぁ!!」

「いま……なんでもするって言ったよね?」

「あっ」

「いやあああああっ!!お父様ぁぁぁぁぁ!!」

彼女は俺をポコポコ殴る。
地味に痛い。

そしてまた下を見ると地面がだいぶ近かった……

「うわああああああああああああっ!!」

そのまま俺たちは雪の地面に突っ込んでしまったのだった……

「で……偶然落ちた先は洞窟の中にある池だったと……」

鍾乳洞から水がポタポタ垂れる。

俺はこの時のために収納魔法で収納していた薪で焚き火をする。
彼女は疲れたのか寝てしまっていた。

「はぁ……よりによってこの女と一緒とは……」

携帯型ベッドを敷き毛布をかけてあげる。

とりあえず俺はアグニの鍛冶台を取り出しアーマーブレイカーの2台目を作ることにした。

4時間後……

「よしっ!こんなもんかな?」

流石に一代目と比べるとクオリティは劣るが若干改良をしていた。

まず持ち手の素材を木製にすることでグリップ力を増して軽量化を図ったのと、あとナイフの刃に目に見えない位の小さなギザギザをつけて切断力を上げた。
あとはアグニウムの量を増やして強度を増したくらい?

ハンマーを何回か振り下ろし見た目を調整して二代目を完成させる。

「完成っと!!」

「……ねぇ」

「?」

後ろを振り向くと彼女が起きていた。

「あなた……刀鍛冶なの?」

「ああ、」

「そう……」

彼女は少し嬉しそうな顔をする。
なぜ刀鍛冶ってだけで嬉しそうにするのか理解できなかった。

そして彼女は再び寝てしまう。

正直言うと寝顔が可愛い。

「あいつの剣も治してやるかな?」

こっそり剣を拝借して刀を治すついでに強化することにした。
俺は再び鍛冶を再開するのだった。

………………

私は夢を見ていた。
それは初恋の相手に出会った時の夢……

それは10年前……

「ここ……どこ?」

「ママ……!パパ……!」

ガサガサッ!!
草むらから音が鳴る。

「ひっ!!」
恐怖で体が動かない……せっかくのドレスが泥だらけになってしまう。

「怖いよ………!怖いよ!!」

涙を流しながらその場にうずくまっていると、草むらから出てきたのは……

「おめーなにしてんだ?」

「?」

それはスミだらけの少年だった。

「だれ?」

「俺か?俺はテツノ・ツルギ!! 刀鍛冶さ!」

「うぇぇぇっ……」

私はその時嬉しくて泣き出した。

「おいおい、泣きなさんなって……」

「だってぇ………!怖かったんだもん……!!」

「オメェ、もしかして中央王国のパーティ参加者?」

「うん……」

「じゃあ、一緒に中央王国にいこ!!」

「え?」

「俺も戻るところだし!」

「………! うん!」

そのあと私たちは無事中央王国へ帰ってきた。

「サラ!!どこへいってたんだ!?」

「心配したのよ……!」

「ごめんなさい……お父様、お母様……」

「じゃ、ここでお別れだな!」

「本当にありがとう……なんとお礼を言えば……!!」

「いえいえ! 僕はやるべきことをやったまでなので…」

「ねぇ!」

「?」

「その……大きくなったら結婚してくれる?」

「ケッコン? よくわかんないけどいいよ!」

「……!!うん!約束!!」

私はあの時、煌めくダンスフロアで約束した。

将来結婚するって言う……大切な約束を……!

よくよく考えたらあの人はツルギ君に似てる気がする。

今度名前を聞いてみよう。
もしかしたら彼かもしれない……!!

 次の日………

 気づいたら朝になっていた。
俺はどんだけ打ち続けたんだろうか?
とりあえず背伸びをして剣の出来栄えを見る。

「こんなもんかな?」

俺は剣を立てかけて準備運動をする、ふと俺はあることに気づいた。
布団に彼女がいなかった。
どこ行ったんだが……

「ちょっとー!こっちきてー!」

 あいつの声が聞こえた。全く……世話の焼けるやつだ……

 俺は彼女のところへ向かうのだった……

 次回 ケッコン?なんのこっちゃ?
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