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四地方の章
第二話 そうだ。商売をしよう
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ガキン!ガキン!と火花を散らして鉄と鉄がぶつかり合う
火山エネルギープロミネンスが飛び交う中、俺は刀鍛冶をしていた。
ここはアグニの鍛冶場
アグニ火山は昔から刀鍛冶の聖地として知られており理由はわからないがここだけ時間の流れが違う異空間となっている。
アグニの鍛冶場での一年は外での一時間らしい
しかもそれだけじゃない、酸素も薄く重力も普段の12倍………力の入れ方
を間違えれば一瞬で死ぬ……
だから優れた技術と才能を持つ血すじの刀鍛冶のみが入ることを許されている。
そんな刀鍛冶は現時点で俺しかいないけど……そしていま俺はアグニの鍛冶場で打ち続けて12ヶ月が経っていて気づけば剣は400本もできていた。
「……………」
(本当に剣を作るだけの生活でいいのかな?俺……)
でも俺には鍛冶をすることしかできない……………だから外の世界では無能って言われてきたしギルドも追放された、
俺の存在意義ってなんだろうか?なんで俺は剣を作るんだ?
そんなことを考えてると、ふとあることを思い出す。
10年前………
「父ちゃん!!」
「どうした?ツルギ?」
「父ちゃんはなんで剣を作ってるの?」
「どうした急に?」
「わかんないんだ、なんでこの里にいたら刀鍛冶をしなきゃいけないの?」
「そうだなー、父ちゃんは初恋の相手に剣を作ってあげようって思ったのが始まりだなぁ」
「初恋って母ちゃん?」
「ああ、そうだ」
「あいつは体が弱くて剣が作れなかったからな、自分のが欲しいって何度も何度も言ってたよ」
「それで俺は無理して伝説の金属アグニウムを取ってきてアグニの鍛冶場で剣を作った」
「怒られなかったの?」
「もちろんこっぴどく叱られたさ」
「でもな、あいつは嬉しそうだった腹を抱えて見たことないくらいに大笑いして……」
「その笑顔を見るのが最高に嬉しかった」
「剣は人との繋がりを断つものだが、時には人と人を繋げてくれる時がある」
「だから俺は刀鍛冶がきっとやめられねぇんだ、剣で人を繋ぎたい」
「人を斬るもんがなんで人を繋ぐの?」
「お前も大きくなったらわかるさ、ツルギ」
昔の回想から我に帰る、剣は人を繋ぐ…………そういえば親父はそんなこと言ってたな。
だったら俺がやりたいこと………それは………
その日の夜、俺はアグニの鍛冶場を出て実家に帰った。
「ただいま」
「ツルギ!?」
母さんがびっくりした声で俺の名を呼ぶ
「ツルギ……本当にツルギなの?」
「正真正銘100%純鉄なテッチャンでーす!!」
小さい頃に母さんによくやった挨拶をする。
「おかえりなさい……ツルギ……!」
「ただいま母さん」
「あんたちょっと焦げ臭くない?」
母さんが僕の服の匂いを嗅ぐ
「1年ぐらいアグニの鍛冶場で作ってたから………」
「風呂沸いてるから入ってきなさい、その間にご飯作ってるから」
「はいよ」
俺は風呂に入りゆったりリラックスする、風呂から出ると美味しそうな匂いが漂っていた。
この匂い…………刀鍛冶の村名物たけのこ炊き込みご飯!?
俺は急いで浴衣に着替え食卓に向かう
ふすまを開けるとそこには美味しそうな炊き込みご飯と、豚汁が置いてあった。
「うまそー!!」
「たくさん食べな、どうせ明日から旅に出るでしょ?」
「げっ……!なんでわかった?」
「雰囲気が10年前とそっくりだからよ」
「ははは………」
「そういや、カタナのやつは?」
「カタナならサトちゃん家に連行されたわよ」
「ラブラブだなぁー」
「あんたは向こうで片思いの相手とかいなかったの?」
「いや?」
「あんたは女に興味ないわね~」
「うん、恋愛がよくわかんねぇや」
俺はご飯を胃に吸い込みながらあっという間に食べ干してしまう。
「今度は何するの?」
「え?」
「あんたがこのまま余生を刀鍛冶に費やすとは思えないし」
「そうだな~」
俺はアグニの鍛冶場でやりたいと思ったことを口にする。
「俺、武器屋やってみたいかも」
「世界中を旅して、自分の剣を売ってみたいし!」
「いいんじゃない?あんたらしいよ」
「あとこの村、財政的に厳しいでしょ?」
「そうねぇ…………村の予算がもうあまりないわね……」
「だったら俺が稼いだお金をそっちに送れば資金問題は解決するんじゃないかと思ってさ!」
「いいじゃない!」
「よぉーし!!そうと決まれば早速準備開始だー!!」
「ほんっと、お父さんにそっくりなんだから………」
母さんは呆れながらも優しく微笑んでいた。
~次の日~
まず俺はアグニの鍛冶場で製造した剣を村の中にある中古剣屋で売りお金を手に入れた。
「四本で6万ギガだね、これでいいかい?」
「お願いします!」
次にやることは通りすがりの魔法商人から魔法ブレスレットを買う。
「この魔法は収納魔法だ……!世界を旅したい君にはぴったりじゃないか?」
「よし!買った!!」
魔法ブレスレットを身につけて394本の剣を魔法陣に収納する。
あとはバックと食料を買いそして商人協会に登録してフリーパスポートをもらう。
フリーパスポートを持っていればどんな地域や国、ダンジョンを自由に出入りすることができる。
商人協会に入っとけばいろいろ保険が降りるし一石二鳥である。
そして自衛用のナイフをアグニの鍛冶場で製造する。
ナイフの理由は簡単、自分から戦闘を行う事を想定していないためだ。
自分の戦闘方針は基本的に襲ってきた相手をカウンターで仕留める方向性にした。
そして今回のナイフは少量のアグニウムと鉄を組み合わせた合金を使用した特別製で名前は鎧を破壊するものと名付ける事にした。
「よろしくな!!アーマーブレイカー!!」
キラリとナイフの先端が光る。
どんぐらいの切れ味が出るか楽しみだ……!
そしてついに訪れた出発の日、
「それでは里長………!行ってきます!!」
「うむ、この世界をしっかりとその目で見てこい……!」
「はい……!」
「里長様…………」
「おお、そうだった!あと一つ渡したいものがある」
渡したいもの?一体なんだ?
「これはアグニの鍛冶台だ、お前の父が残していったものだよ」
「父ちゃんが?」
「これがなかなかの優れものでな、素材を入れるだけでアグニの鍛冶場とほぼ同じ精度で剣を作ることができるとの事だ」
「なんだそれ…………!?チートじゃないですか!?」
「この鍛冶台があればきっと何かの役に立つだろう、持ってくといい」
「……!ありがとうございます!!里長!!」
そして出発の時は来た。
みんなが見送りに村の入り口まで来てくれる。
「じゃあみんな!いってくる!!」
「あまり無理するんじゃねぇぞ!!嫌になったらいつでも帰ってこい!!」
「はいはい……」
「あ、あのっ!」
「?」
下を向くと小さな女の子が3人いた。
「えっと………その……」
女の子はモジモジしながら何かを伝えようとする。
「ヒカリちゃん……頑張れ!!」
「自分の思いぶつけちまいな!!」
「?」
「お、おにぎり……!!」
すると少女は竹皮に包んだおにぎりを差し出してきた。
「おっ!!ありがと~!」
「えへへ~」
頭を撫でると嬉しそうに笑う。
この笑顔のためにもお金稼がなきゃな!!
「じゃ、いってくる!!」
「「いってらっしゃーーーい!!」」
こうして俺の世界を巡る冒険は始まったのだった!!
だがこの頃は思いもしなかった。俺の剣が世界情勢を変えるほどの力を持っていたなんて……!!
次回 西の国 サフィロース王国
火山エネルギープロミネンスが飛び交う中、俺は刀鍛冶をしていた。
ここはアグニの鍛冶場
アグニ火山は昔から刀鍛冶の聖地として知られており理由はわからないがここだけ時間の流れが違う異空間となっている。
アグニの鍛冶場での一年は外での一時間らしい
しかもそれだけじゃない、酸素も薄く重力も普段の12倍………力の入れ方
を間違えれば一瞬で死ぬ……
だから優れた技術と才能を持つ血すじの刀鍛冶のみが入ることを許されている。
そんな刀鍛冶は現時点で俺しかいないけど……そしていま俺はアグニの鍛冶場で打ち続けて12ヶ月が経っていて気づけば剣は400本もできていた。
「……………」
(本当に剣を作るだけの生活でいいのかな?俺……)
でも俺には鍛冶をすることしかできない……………だから外の世界では無能って言われてきたしギルドも追放された、
俺の存在意義ってなんだろうか?なんで俺は剣を作るんだ?
そんなことを考えてると、ふとあることを思い出す。
10年前………
「父ちゃん!!」
「どうした?ツルギ?」
「父ちゃんはなんで剣を作ってるの?」
「どうした急に?」
「わかんないんだ、なんでこの里にいたら刀鍛冶をしなきゃいけないの?」
「そうだなー、父ちゃんは初恋の相手に剣を作ってあげようって思ったのが始まりだなぁ」
「初恋って母ちゃん?」
「ああ、そうだ」
「あいつは体が弱くて剣が作れなかったからな、自分のが欲しいって何度も何度も言ってたよ」
「それで俺は無理して伝説の金属アグニウムを取ってきてアグニの鍛冶場で剣を作った」
「怒られなかったの?」
「もちろんこっぴどく叱られたさ」
「でもな、あいつは嬉しそうだった腹を抱えて見たことないくらいに大笑いして……」
「その笑顔を見るのが最高に嬉しかった」
「剣は人との繋がりを断つものだが、時には人と人を繋げてくれる時がある」
「だから俺は刀鍛冶がきっとやめられねぇんだ、剣で人を繋ぎたい」
「人を斬るもんがなんで人を繋ぐの?」
「お前も大きくなったらわかるさ、ツルギ」
昔の回想から我に帰る、剣は人を繋ぐ…………そういえば親父はそんなこと言ってたな。
だったら俺がやりたいこと………それは………
その日の夜、俺はアグニの鍛冶場を出て実家に帰った。
「ただいま」
「ツルギ!?」
母さんがびっくりした声で俺の名を呼ぶ
「ツルギ……本当にツルギなの?」
「正真正銘100%純鉄なテッチャンでーす!!」
小さい頃に母さんによくやった挨拶をする。
「おかえりなさい……ツルギ……!」
「ただいま母さん」
「あんたちょっと焦げ臭くない?」
母さんが僕の服の匂いを嗅ぐ
「1年ぐらいアグニの鍛冶場で作ってたから………」
「風呂沸いてるから入ってきなさい、その間にご飯作ってるから」
「はいよ」
俺は風呂に入りゆったりリラックスする、風呂から出ると美味しそうな匂いが漂っていた。
この匂い…………刀鍛冶の村名物たけのこ炊き込みご飯!?
俺は急いで浴衣に着替え食卓に向かう
ふすまを開けるとそこには美味しそうな炊き込みご飯と、豚汁が置いてあった。
「うまそー!!」
「たくさん食べな、どうせ明日から旅に出るでしょ?」
「げっ……!なんでわかった?」
「雰囲気が10年前とそっくりだからよ」
「ははは………」
「そういや、カタナのやつは?」
「カタナならサトちゃん家に連行されたわよ」
「ラブラブだなぁー」
「あんたは向こうで片思いの相手とかいなかったの?」
「いや?」
「あんたは女に興味ないわね~」
「うん、恋愛がよくわかんねぇや」
俺はご飯を胃に吸い込みながらあっという間に食べ干してしまう。
「今度は何するの?」
「え?」
「あんたがこのまま余生を刀鍛冶に費やすとは思えないし」
「そうだな~」
俺はアグニの鍛冶場でやりたいと思ったことを口にする。
「俺、武器屋やってみたいかも」
「世界中を旅して、自分の剣を売ってみたいし!」
「いいんじゃない?あんたらしいよ」
「あとこの村、財政的に厳しいでしょ?」
「そうねぇ…………村の予算がもうあまりないわね……」
「だったら俺が稼いだお金をそっちに送れば資金問題は解決するんじゃないかと思ってさ!」
「いいじゃない!」
「よぉーし!!そうと決まれば早速準備開始だー!!」
「ほんっと、お父さんにそっくりなんだから………」
母さんは呆れながらも優しく微笑んでいた。
~次の日~
まず俺はアグニの鍛冶場で製造した剣を村の中にある中古剣屋で売りお金を手に入れた。
「四本で6万ギガだね、これでいいかい?」
「お願いします!」
次にやることは通りすがりの魔法商人から魔法ブレスレットを買う。
「この魔法は収納魔法だ……!世界を旅したい君にはぴったりじゃないか?」
「よし!買った!!」
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あとはバックと食料を買いそして商人協会に登録してフリーパスポートをもらう。
フリーパスポートを持っていればどんな地域や国、ダンジョンを自由に出入りすることができる。
商人協会に入っとけばいろいろ保険が降りるし一石二鳥である。
そして自衛用のナイフをアグニの鍛冶場で製造する。
ナイフの理由は簡単、自分から戦闘を行う事を想定していないためだ。
自分の戦闘方針は基本的に襲ってきた相手をカウンターで仕留める方向性にした。
そして今回のナイフは少量のアグニウムと鉄を組み合わせた合金を使用した特別製で名前は鎧を破壊するものと名付ける事にした。
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キラリとナイフの先端が光る。
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渡したいもの?一体なんだ?
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「父ちゃんが?」
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「なんだそれ…………!?チートじゃないですか!?」
「この鍛冶台があればきっと何かの役に立つだろう、持ってくといい」
「……!ありがとうございます!!里長!!」
そして出発の時は来た。
みんなが見送りに村の入り口まで来てくれる。
「じゃあみんな!いってくる!!」
「あまり無理するんじゃねぇぞ!!嫌になったらいつでも帰ってこい!!」
「はいはい……」
「あ、あのっ!」
「?」
下を向くと小さな女の子が3人いた。
「えっと………その……」
女の子はモジモジしながら何かを伝えようとする。
「ヒカリちゃん……頑張れ!!」
「自分の思いぶつけちまいな!!」
「?」
「お、おにぎり……!!」
すると少女は竹皮に包んだおにぎりを差し出してきた。
「おっ!!ありがと~!」
「えへへ~」
頭を撫でると嬉しそうに笑う。
この笑顔のためにもお金稼がなきゃな!!
「じゃ、いってくる!!」
「「いってらっしゃーーーい!!」」
こうして俺の世界を巡る冒険は始まったのだった!!
だがこの頃は思いもしなかった。俺の剣が世界情勢を変えるほどの力を持っていたなんて……!!
次回 西の国 サフィロース王国
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