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戦争を続ける惑星(3)
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そのアンドロイドは意識を失っている私を起こすと・・・私に神経接続をしました。
彼女は私に何かを伝えようとしました。
彼女は私の脳の中に、何かの情報を送り込んでくるのです・・・
でも、彼女が何を言いたいのか、私にはほとんど理解できませんでした。
おそらく、彼女はまだ、私の脳を十分に理解していないのでしょう・・・
だから、正確なメッセージを送り込むことができないのでしょう・・・
私には、彼女が何を言っているのかほとんど理解できませんでした・・・
でも、何となくわかったこともありました。
彼女は、何かが危険だと言っているようなのです。
一体何が危険なのでしょうか・・・わかりません・・・
彼女は医療用のアンドロイドのようでした。
彼女もあの遺跡の一部なのでしょうか。
彼女も一万年前に作られたのでしょうか・・・
彼女は私を診察し、治療しようとしているようでした。
彼女が危険だと言っているのは、私の体のことなのでしょう。
私の体に、何か危険なことが起きている・・・それは、私の体内の異物・・・
私は宇宙船に戻りました。
レッドは私の体の中を調べてくれました。
検査を受けている間、私はほとんど意識を失っていました。
私の精神は、やはり、たくさんの色で囲まれたとても心地よい空間を漂っていました。
私の神経には異常が発生していたのです。
もう、あの異星人との神経接続は切れているはずなのに・・・
でも、そのエイリアンの作用が、私の体の中に何か残っているのです。
これも体内の異物の影響なのでしょうか。腹部の異物の・・・
怖い・・・とても怖い・・・でも、気分はいいのです。
信じられないほど幸福な気分なのです。
私の精神状態は明らかに矛盾していました。
検査を終えたレッドは私に言いました。
それは、新しい臓器なのだと・・・
私の子宮の中に、新しい臓器が出来始めているのだと・・・
そして、それは爆発物を合成するための臓器なのだと・・・あるいは爆弾そのものなのだと・・・
おそらく、私の体は・・・私の肉体は次第に武器へと変化していくのだと・・・
レッドはこの星の遺跡の調査結果についても教えてくれました。
やはりこの文明は一万年前に滅んでしまったのです。・・・
戦争で滅んだのです。
この星中で戦争が起きたのです。核戦争が・・・
そして、文明は滅んでしまったのです。・・・
でも、レッドは驚くべきことを話してくれました。
しかし、生き残った人間がいたのです。わずかながら、その核戦争を生き延びた人間がいたのです。・・・
しかも、彼らは延命処置をされていて、寿命から解放され、永遠に生きることができ、・・・だから一万年間も生き続けているのだと・・・
しかしながら、脳の機能は次第に劣化し、今ではほとんどの知識を失ってしまい・・・
でも・・・彼らの社会は一万年前に滅んだというのに・・・
それでもまだ、彼らは戦争をしているのです。生き残った彼らが・・・
生き残ったわずかな人間たちが・・・生物を武器化するという特殊な方法で、いつまでも殺し合いを続けているのです。
しかし、それは全く無意味なことなのです。
彼らが互いに殺し合わなければならない理由など、もはや全くないのです。
それでも、彼らはその無意味な行為を・・・無意味な戦争を、一万年以上続けているのです。
私は理解しました。あのエイリアンが私にしたことを・・・
彼は私を武器にしようとしたのです。
彼は私を爆弾に作り替えようとしたのです。
彼女は私に何かを伝えようとしました。
彼女は私の脳の中に、何かの情報を送り込んでくるのです・・・
でも、彼女が何を言いたいのか、私にはほとんど理解できませんでした。
おそらく、彼女はまだ、私の脳を十分に理解していないのでしょう・・・
だから、正確なメッセージを送り込むことができないのでしょう・・・
私には、彼女が何を言っているのかほとんど理解できませんでした・・・
でも、何となくわかったこともありました。
彼女は、何かが危険だと言っているようなのです。
一体何が危険なのでしょうか・・・わかりません・・・
彼女は医療用のアンドロイドのようでした。
彼女もあの遺跡の一部なのでしょうか。
彼女も一万年前に作られたのでしょうか・・・
彼女は私を診察し、治療しようとしているようでした。
彼女が危険だと言っているのは、私の体のことなのでしょう。
私の体に、何か危険なことが起きている・・・それは、私の体内の異物・・・
私は宇宙船に戻りました。
レッドは私の体の中を調べてくれました。
検査を受けている間、私はほとんど意識を失っていました。
私の精神は、やはり、たくさんの色で囲まれたとても心地よい空間を漂っていました。
私の神経には異常が発生していたのです。
もう、あの異星人との神経接続は切れているはずなのに・・・
でも、そのエイリアンの作用が、私の体の中に何か残っているのです。
これも体内の異物の影響なのでしょうか。腹部の異物の・・・
怖い・・・とても怖い・・・でも、気分はいいのです。
信じられないほど幸福な気分なのです。
私の精神状態は明らかに矛盾していました。
検査を終えたレッドは私に言いました。
それは、新しい臓器なのだと・・・
私の子宮の中に、新しい臓器が出来始めているのだと・・・
そして、それは爆発物を合成するための臓器なのだと・・・あるいは爆弾そのものなのだと・・・
おそらく、私の体は・・・私の肉体は次第に武器へと変化していくのだと・・・
レッドはこの星の遺跡の調査結果についても教えてくれました。
やはりこの文明は一万年前に滅んでしまったのです。・・・
戦争で滅んだのです。
この星中で戦争が起きたのです。核戦争が・・・
そして、文明は滅んでしまったのです。・・・
でも、レッドは驚くべきことを話してくれました。
しかし、生き残った人間がいたのです。わずかながら、その核戦争を生き延びた人間がいたのです。・・・
しかも、彼らは延命処置をされていて、寿命から解放され、永遠に生きることができ、・・・だから一万年間も生き続けているのだと・・・
しかしながら、脳の機能は次第に劣化し、今ではほとんどの知識を失ってしまい・・・
でも・・・彼らの社会は一万年前に滅んだというのに・・・
それでもまだ、彼らは戦争をしているのです。生き残った彼らが・・・
生き残ったわずかな人間たちが・・・生物を武器化するという特殊な方法で、いつまでも殺し合いを続けているのです。
しかし、それは全く無意味なことなのです。
彼らが互いに殺し合わなければならない理由など、もはや全くないのです。
それでも、彼らはその無意味な行為を・・・無意味な戦争を、一万年以上続けているのです。
私は理解しました。あのエイリアンが私にしたことを・・・
彼は私を武器にしようとしたのです。
彼は私を爆弾に作り替えようとしたのです。
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