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女神転生の目的
薔薇の香り
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メルビンの誘惑に失敗して、吐きそうな程に落ち込んでいた。
足は自分の部屋ではなく、温室に向かっていた。
このまま部屋に戻ったら、泣き崩れてしまいそうだったから、心を落ち着かせる為に薔薇を見たくなった。
裸足で走ったからか、足の裏が少し痛い。
わたくしは優しく甘い香りを潮の香りのする冷たい空気と一緒に、大きく吸い込んだ。
「やっぱり成績しか取り柄がないのね」
自称ヒロイン達は、どうやって男性を誘惑しているのかしら?
怖いからじゃないと、アンジェリーナ様と再会したからじゃないと…………伝わらなかった。
温室の中のソファベッドに座ろうとした時、誰かが走り込んで来た。
振り返ると上半身裸のメルビンだった。
頭が冷えてきたからか、ほぼ裸のメルビンの理性を壊せなかった自分の不甲斐なさに絶望を感じていた。
力なくソファに座り、必死に微笑みながらメルビンを見詰めた。
今は泣かない。
絶対に。
「………………何?」
ソファの背もたれに身体を預ける。
「話を」
「どうぞ」
近付いて来たメルビンが、わたくしを見て目を見張る。
「怪我しているじゃないか!」
ゆっくり足元を見ると、脹ら脛や足の裏から血が出ていた。
まるで…………癒される前のわたくしみたいです。
足元に座り込み、わたくしの足に手を伸ばすメルビンの姿に、ぷつりと何かが切れた気がする。
「触らないで!!!」
ピタッと手を止め固まって、わたくしを見上げている顔が腹立つ。
目を閉じて視界からメルビンを追いやる。
「わたくしに触らないで」
「…………………愛しているんだ」
「それは前世のわたくしであって、目の前のわたくしではないわ」
薄々感じていた事だった。
「無理しないで」
「無理など「わたくしは過去の産物でしかないのよ!」」
彼は、今のわたくしを通して、過去の……前世のわたくしを見ている。
目の前のわたくしを見ていないんじゃないか?そんな不安があった。
「大丈夫よ……明日から…ちゃんと、物静かで大人しい……可愛らしいメデューサになるから。今は帰って」
何かが動く気配がする。
このまま居なくなるだろうと思っていたら、何かヌルッとして、生暖かい何かが足を撫でた。
慌てて目を開けると、這いつくばって足を舐めるメルビンの姿がありました。
足を引っ込めようとすると、大きな手に脚を掴まれ動かせない。
「離して!!」
「嫌だ」
掴まれていない方の足で、メルビンの逞しい肩を思いっ切り蹴る。
「触らないで!」
「断る」
見上げるメルビンが目を見開いた。
「なんて眺めなんだ……本当に……下に着てないのか」
足を上げている格好をしているので、ナイトドレスの短めの裾がめくれている。
急いで両手で裾を押さえて隠す。
「………忘れて」
「無理だ」
「わたくしなんて「もう我慢なんてできない!俺が海の精霊王としての力を解放する事に迷っていたけど、そんな事は関係ない」」
「へぇ?」
精霊王の力を解放する?
何の話?
キョトンとしながら、メルビンを見詰める。
「力を封印する鍵が必要だった。俺がメデューサと結婚して初夜に解放するつもりだった」
つまり、わたくしを抱く=封印の鍵を開ける?
「もう破裂しそうだ」
何が?
「俺は酒に強い」
「そうなの?」
「酔いに任せて女を襲ったことは1度も無い」
「え?」
「あの夜はアンジェリーナに、メデューサには近寄るなと……温室には来るなと言われてな。どうしたらメデューサを手に入るのか考え込んでいたんだ。そうしたら………愛らしいメデューサが目の前のに来た。既成事実を作り両親を説得してしまえば良いと思ったんだ」
「今は婚約者だから、既成事実は必要ないのね。だから、触らなくても「違う!!」」
メルビンの大きな手が、肩に乗せたままだった足を掴み口を寄せる。
「待って!!土が付いて汚「充分待った!」」
躊躇いもなく足の指を口に咥えた。
「止めて!!」
「土なんて付いてないよ」
「じゃ~良いかってならないからね!」
「前世のメデューサは、身分が高い俺に反論や抵抗はしなかったし………出来ないことは分かっていた」
そう言いながら足の裏を舌で舐め始めた。
「はぁッ………対等になって…メデューサが……素直な反応を見せる度に…クチユ………嬉しくて興奮した」
生暖かい感触に混じり、少しピリ付く感覚に眉をひそめる。
「血が出てくる………あまりに綺麗で妖艶なメデューサを目の前のにして、俺の妄想が暴走してる気がして、現実味がなかったんだ。でも、こんなにエッチな格好で誘うなんて………我慢できない」
裾を押さえる手を取られると、自分の足の下に持っていかれて、自分で足を広げるように持ち上げる体制にされる。
「なっ!!?」
信じられないものを見るように、メルビンに視線を移すと獣の様な赤い目がギラりと光って見えた。
「エッチでいやらしいメデューサは……大歓迎だ。前世では身分や力で関係を強要している気がしていたから、今のメデューサと結婚するまでは、手を出しても良いんだと保証されるまでは、我慢するつもりだった」
ふ~っとナイトドレスの裾を吐く息で乱している。
「ドロッドロになるまで可愛がってあげるよ。どんなに泣いても止めないから」
強い視線にお腹や胸がゾクゾクして、触られたくて仕方ない。
何かがドロっと出る感じに我慢できない。
わたくしは、手を動かしてナイトドレスの残りのリボンも解いてみせる。
隠す物など何もない。
「その……一応……初めてだから………優しくしてね」
「メデューサ」
勢いよくガコッと音を立ててソファの背が倒されて、ちょっとビックリしたけど、待ち望んでいたメルビンの熱を感じ嬉しさに震えていた。
足は自分の部屋ではなく、温室に向かっていた。
このまま部屋に戻ったら、泣き崩れてしまいそうだったから、心を落ち着かせる為に薔薇を見たくなった。
裸足で走ったからか、足の裏が少し痛い。
わたくしは優しく甘い香りを潮の香りのする冷たい空気と一緒に、大きく吸い込んだ。
「やっぱり成績しか取り柄がないのね」
自称ヒロイン達は、どうやって男性を誘惑しているのかしら?
怖いからじゃないと、アンジェリーナ様と再会したからじゃないと…………伝わらなかった。
温室の中のソファベッドに座ろうとした時、誰かが走り込んで来た。
振り返ると上半身裸のメルビンだった。
頭が冷えてきたからか、ほぼ裸のメルビンの理性を壊せなかった自分の不甲斐なさに絶望を感じていた。
力なくソファに座り、必死に微笑みながらメルビンを見詰めた。
今は泣かない。
絶対に。
「………………何?」
ソファの背もたれに身体を預ける。
「話を」
「どうぞ」
近付いて来たメルビンが、わたくしを見て目を見張る。
「怪我しているじゃないか!」
ゆっくり足元を見ると、脹ら脛や足の裏から血が出ていた。
まるで…………癒される前のわたくしみたいです。
足元に座り込み、わたくしの足に手を伸ばすメルビンの姿に、ぷつりと何かが切れた気がする。
「触らないで!!!」
ピタッと手を止め固まって、わたくしを見上げている顔が腹立つ。
目を閉じて視界からメルビンを追いやる。
「わたくしに触らないで」
「…………………愛しているんだ」
「それは前世のわたくしであって、目の前のわたくしではないわ」
薄々感じていた事だった。
「無理しないで」
「無理など「わたくしは過去の産物でしかないのよ!」」
彼は、今のわたくしを通して、過去の……前世のわたくしを見ている。
目の前のわたくしを見ていないんじゃないか?そんな不安があった。
「大丈夫よ……明日から…ちゃんと、物静かで大人しい……可愛らしいメデューサになるから。今は帰って」
何かが動く気配がする。
このまま居なくなるだろうと思っていたら、何かヌルッとして、生暖かい何かが足を撫でた。
慌てて目を開けると、這いつくばって足を舐めるメルビンの姿がありました。
足を引っ込めようとすると、大きな手に脚を掴まれ動かせない。
「離して!!」
「嫌だ」
掴まれていない方の足で、メルビンの逞しい肩を思いっ切り蹴る。
「触らないで!」
「断る」
見上げるメルビンが目を見開いた。
「なんて眺めなんだ……本当に……下に着てないのか」
足を上げている格好をしているので、ナイトドレスの短めの裾がめくれている。
急いで両手で裾を押さえて隠す。
「………忘れて」
「無理だ」
「わたくしなんて「もう我慢なんてできない!俺が海の精霊王としての力を解放する事に迷っていたけど、そんな事は関係ない」」
「へぇ?」
精霊王の力を解放する?
何の話?
キョトンとしながら、メルビンを見詰める。
「力を封印する鍵が必要だった。俺がメデューサと結婚して初夜に解放するつもりだった」
つまり、わたくしを抱く=封印の鍵を開ける?
「もう破裂しそうだ」
何が?
「俺は酒に強い」
「そうなの?」
「酔いに任せて女を襲ったことは1度も無い」
「え?」
「あの夜はアンジェリーナに、メデューサには近寄るなと……温室には来るなと言われてな。どうしたらメデューサを手に入るのか考え込んでいたんだ。そうしたら………愛らしいメデューサが目の前のに来た。既成事実を作り両親を説得してしまえば良いと思ったんだ」
「今は婚約者だから、既成事実は必要ないのね。だから、触らなくても「違う!!」」
メルビンの大きな手が、肩に乗せたままだった足を掴み口を寄せる。
「待って!!土が付いて汚「充分待った!」」
躊躇いもなく足の指を口に咥えた。
「止めて!!」
「土なんて付いてないよ」
「じゃ~良いかってならないからね!」
「前世のメデューサは、身分が高い俺に反論や抵抗はしなかったし………出来ないことは分かっていた」
そう言いながら足の裏を舌で舐め始めた。
「はぁッ………対等になって…メデューサが……素直な反応を見せる度に…クチユ………嬉しくて興奮した」
生暖かい感触に混じり、少しピリ付く感覚に眉をひそめる。
「血が出てくる………あまりに綺麗で妖艶なメデューサを目の前のにして、俺の妄想が暴走してる気がして、現実味がなかったんだ。でも、こんなにエッチな格好で誘うなんて………我慢できない」
裾を押さえる手を取られると、自分の足の下に持っていかれて、自分で足を広げるように持ち上げる体制にされる。
「なっ!!?」
信じられないものを見るように、メルビンに視線を移すと獣の様な赤い目がギラりと光って見えた。
「エッチでいやらしいメデューサは……大歓迎だ。前世では身分や力で関係を強要している気がしていたから、今のメデューサと結婚するまでは、手を出しても良いんだと保証されるまでは、我慢するつもりだった」
ふ~っとナイトドレスの裾を吐く息で乱している。
「ドロッドロになるまで可愛がってあげるよ。どんなに泣いても止めないから」
強い視線にお腹や胸がゾクゾクして、触られたくて仕方ない。
何かがドロっと出る感じに我慢できない。
わたくしは、手を動かしてナイトドレスの残りのリボンも解いてみせる。
隠す物など何もない。
「その……一応……初めてだから………優しくしてね」
「メデューサ」
勢いよくガコッと音を立ててソファの背が倒されて、ちょっとビックリしたけど、待ち望んでいたメルビンの熱を感じ嬉しさに震えていた。
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