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乱立するイベント
男として見られる為に
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「ふぅん………あっ………ダメ………待って」
連れてこられた図書室の奥にある書庫で、本棚を背にジャスパーの腕に閉じ込められてキスをされていました。
首を振り、手で抵抗するも力では敵わず何度も唇を奪われる。
キスを遮ろうとした両手を捕まれ、またキスをされる。
「はぁ………ラフレアが……階段でリリアーヌ様と揉めたと噂を聞いて、心臓が止まるかと思った。後からマルガリータが階段から突き落とされたと知り、ホッする自分に嫌気が差したよ。リリアーヌ様に何も無くて良かった」
強い力で抱き締められた。
「好きだ………リリアーヌ様が好きだ。先生と婚約するのは知ってる。だって指輪を用意しているのは父だからね。特注品で魔法も強力なんだ。だから諦めよえと思った。でも無理だよ!好きな気持ちが止まらないんだ」
押さえ込んでいた気持ちをぶつける様に、また唇を奪われる。
「チュッ………貴族の婦人は、お抱えの商人と愛人関係であることが多いんだ」
「まっ……待って!ゼロみたいな事を言わないで」
「ゼロ?…………あぁ、魔道士は睾丸が無いって話か。魔道士と商人は秘密の恋人の定番だね」
「私はオースティン先生が好きなの」
「知ってる」
「気持ち応えられないわ」
「それでも構わない」
言葉を塞ぐ様に、またキスをする。
「結婚した後、覚悟してね。本気で恋人になりにいくから」
ゼロも”結婚したら”と言っていた。
「本気だよ」
初めて見る真剣な顔に胸がザワつく。
「婚約中はキスまでしか出来ないけど、結婚したらエッチな事を沢山、出来るからね」
「私はしないわ。そんな不誠実な事はできないもの。オースティン先生以外の人と愛し合うなんて器用なことはできないわ」
「大丈夫だよ。勝手に襲うから」
「そう勝手に……………えぇ?!襲う?」
「夫が不在の昼間に、商人に抱かれるんだよ」
「ダメよ」
「そんな事を言うとゼロと結託するよ?………ゼロと結託か…………同じ立場だし話か合うかも」
私の脳裏にはゼロとジャスパーに襲われる未来が浮かんできました。
「夜はオースティン先生に抱かれて、昼間はゼロと一緒に…………リリアーヌ様のエッチな穴が乾く暇なんて無いかもね」
「ダメよ」
「貴族の中では普通の事だよ?美しい婦人が沢山の恋人を作ることも、地位と金を持つ男が外に恋人をつくるのも。リリアーヌ様が、愛されるだけだよ…………こんな風に」
ジャスパーの唇が噛み付く様にキスをする。
先程までくっ付くだけのキスだったのに、舌が口をこじ開けて中に入ってきた。
手を掴まれたまま、後ろ頭を支えられ顔を逸らせず、口の中を舌が動きまわる。
逃げても捕まりキスをされる時間が終わったのは、書庫に資料を返しに来たデズモンド先生が扉を開け放った時でした。
「鍵や結界は通用しない。直ぐに立ち去りなさい」
ホッとして床に座り込む私の耳元で「本気だから覚悟してね」と囁くとジャスパーは足早に書庫から去って行きました。
何も言わずに資料を片付けるデズモンド先生の姿に涙が出てくる。
これがラフレアが望んだヒロインなの?
マルガリータを階段から突き落としてまで、手に入れたかった生活なの?
「深く考えずに、気楽に受け入れた方が楽ですよ」
いつの間にかフード外したデズモンド先生が、床に膝を着いて座り、私の涙を手で掬っていました。
「愛人に愛される生活は嫌いですか?」
指で掬った私の涙を口に含んだデズモンド先生から目が放せない自分がいました。
連れてこられた図書室の奥にある書庫で、本棚を背にジャスパーの腕に閉じ込められてキスをされていました。
首を振り、手で抵抗するも力では敵わず何度も唇を奪われる。
キスを遮ろうとした両手を捕まれ、またキスをされる。
「はぁ………ラフレアが……階段でリリアーヌ様と揉めたと噂を聞いて、心臓が止まるかと思った。後からマルガリータが階段から突き落とされたと知り、ホッする自分に嫌気が差したよ。リリアーヌ様に何も無くて良かった」
強い力で抱き締められた。
「好きだ………リリアーヌ様が好きだ。先生と婚約するのは知ってる。だって指輪を用意しているのは父だからね。特注品で魔法も強力なんだ。だから諦めよえと思った。でも無理だよ!好きな気持ちが止まらないんだ」
押さえ込んでいた気持ちをぶつける様に、また唇を奪われる。
「チュッ………貴族の婦人は、お抱えの商人と愛人関係であることが多いんだ」
「まっ……待って!ゼロみたいな事を言わないで」
「ゼロ?…………あぁ、魔道士は睾丸が無いって話か。魔道士と商人は秘密の恋人の定番だね」
「私はオースティン先生が好きなの」
「知ってる」
「気持ち応えられないわ」
「それでも構わない」
言葉を塞ぐ様に、またキスをする。
「結婚した後、覚悟してね。本気で恋人になりにいくから」
ゼロも”結婚したら”と言っていた。
「本気だよ」
初めて見る真剣な顔に胸がザワつく。
「婚約中はキスまでしか出来ないけど、結婚したらエッチな事を沢山、出来るからね」
「私はしないわ。そんな不誠実な事はできないもの。オースティン先生以外の人と愛し合うなんて器用なことはできないわ」
「大丈夫だよ。勝手に襲うから」
「そう勝手に……………えぇ?!襲う?」
「夫が不在の昼間に、商人に抱かれるんだよ」
「ダメよ」
「そんな事を言うとゼロと結託するよ?………ゼロと結託か…………同じ立場だし話か合うかも」
私の脳裏にはゼロとジャスパーに襲われる未来が浮かんできました。
「夜はオースティン先生に抱かれて、昼間はゼロと一緒に…………リリアーヌ様のエッチな穴が乾く暇なんて無いかもね」
「ダメよ」
「貴族の中では普通の事だよ?美しい婦人が沢山の恋人を作ることも、地位と金を持つ男が外に恋人をつくるのも。リリアーヌ様が、愛されるだけだよ…………こんな風に」
ジャスパーの唇が噛み付く様にキスをする。
先程までくっ付くだけのキスだったのに、舌が口をこじ開けて中に入ってきた。
手を掴まれたまま、後ろ頭を支えられ顔を逸らせず、口の中を舌が動きまわる。
逃げても捕まりキスをされる時間が終わったのは、書庫に資料を返しに来たデズモンド先生が扉を開け放った時でした。
「鍵や結界は通用しない。直ぐに立ち去りなさい」
ホッとして床に座り込む私の耳元で「本気だから覚悟してね」と囁くとジャスパーは足早に書庫から去って行きました。
何も言わずに資料を片付けるデズモンド先生の姿に涙が出てくる。
これがラフレアが望んだヒロインなの?
マルガリータを階段から突き落としてまで、手に入れたかった生活なの?
「深く考えずに、気楽に受け入れた方が楽ですよ」
いつの間にかフード外したデズモンド先生が、床に膝を着いて座り、私の涙を手で掬っていました。
「愛人に愛される生活は嫌いですか?」
指で掬った私の涙を口に含んだデズモンド先生から目が放せない自分がいました。
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