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★第八十話 蜜月 R18.

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━━━━━━
 蒼side

「ん…あれ?」

 ぱちり、瞼を開いて重たい頭を上げようとすると…顔に吐息がかかる。

「蒼…おはよう」
「昴?昨日私…キキ達と寝たはずなのに」
 昴が一緒にお布団に入って、間近で微笑んでる。
 窓から入る日差しが暖かい。


「もう昼過ぎだからな」
「えぇ…なんで起こしてくれないの?お見送りしたかったのに」
「今日から蒼は洋服を着れない三日間だから」
「…えっ?」

 布団の中を見ると、昴も私もすっぽんぽん…な、なんで?!

「蜜月って言っただろ?1日ずつだけでもいいから、こうして抱き合っていたいんだ」

 昴の目が蕩けてる。
 昼から…だめだよ…?


「でも、その…ご飯とかは?」
「大丈夫。うちには後二人旦那がいるだろ?上げ膳据え膳だよ」
「…ええぇ…」

 昴が肩に手を回して、私の体を引き寄せる。
 筋肉質な体が触れて、少し高い体温がじわじわと沁みてきた。素肌同士だから、なんだか恥ずかしい。

「す、昴…あの」
「なぁ、蒼。ようやく安定期に入ったんだ。意味がわかるか?」
「はぇ?」

 とんとん、と下腹部を人差し指で叩かれる。

「ここ。入りたいんだ」
「ええと…」
「あまり深く入れられないけど…激しいのもダメだ。長時間もな。でも、できるんだよ」
「昴…んっ」

 人差し指が下腹部からゆっくりと上がって来る。熱い指先がお臍を通って、胸の谷間に挟まれた。


「…下着、買い変えないとだな」
「あっ…ま、まって…んんっ…」

 指先が胸の周りをくすぐって来る。
 腰の下からゾクゾクした熱が広がっていく。

「ワンサイズ…いやもうちょっとか。大きくなってるの、気づいてるのか?」
「え?そ、なの?ひゃっ!」

「ここも少しだけ大きくなってる。俺たちに出会ってからだ。蒼の体を作り替えたんだと思うとゾクゾクするよ。」
「はぅ…んっ、昴…」
「可愛い声が聞きたかった」
「病院で、してたのに…」

 胸の先端をきゅうきゅう摘まれて、体が震えてしまう。

「足りない。ここなら蒼の可愛い声が沢山聞けるだろ?あそこは抑えないとならなかったからな」
「うん…」

「蒼…」
「んっ、ん…昴…キスして…」

 刺激を与えられて、私のスイッチが入ってしまう。
 私だって、ずっとしたかったんだもん。

 微笑んだ昴が唇を重ねて、私はゆっくりと瞳を閉じた。

━━━━━━

「あぁ…う…気持ち…いい…」
「俺もだ。中が熱い…ずっと我慢してたから敏感だな…」
「うん、うんっ…あっ…」

 もう、何回したか、覚えてない…。

 気持ちよくなって、眠くなって、寝て、目が覚めて、ご飯を食べて…。ずっと、裸のままくっついてえっちな事してる。
 一回一回は短いけど、こんなにしていいのかな…。中に入れたり入れなかったりしてるけど…。
 もう、日が傾いてる。何時間こうしていたの?

「はぁ…蒼…お腹は?」
「大丈夫…だけど…まだ、するの?」
「そうだよ。蒼が他のこと考えないようにしたい。蒼、触って…」


 昴に手を取られ、顔の正面にある胸に当てられる。
 昴がの体がずっと熱い。
 汗をかいて、かき上げられた髪がオールバックみたいになってる。
 お色気がすごいんですけどぉ…。

 昴のぷっくり立ち上がった胸の先端を摘む。
ここ、すごくえっちでかわいい…。


「っ…ん…」
 昴が眉を顰めて、目を閉じる。中に入った熱がぴくりと反応して…昴が感じてる。
まつ毛が震えて、吐息が熱くて…。

「かわいい…なにそれ…」
「はぁっ…気持ちいい。蒼…もっと触って」


 甘えるような目つきで見つめられて、昴が可愛くて仕方ない。
 両手でつまんで、くりくりとひねる。
 動かすたびに中に入った熱が抜き差しされて、私、昴と一緒に気持ちよくなってる…。

「う…中でピクピクしてる…っ」
「蒼もだ…俺のを締め付けて、そんなにしたら…」
「まだだめ…もう少し…昴、もうちょっとこっちきて…」

 昴が上から被さった体制のまま、少し下がってくる。指先でいじめていたそこを口に含んで、噛み付く。

「うっ…あ…っ…」
「んぅ…んん」

 気持ちいい。あったかい。まだ足りない。体を重ねることで、心が一つになって幸福感で満たされる。
 もっとしたい…。

「蒼…噛んで…もっと」
「ん、ん…」

 カリカリ、噛み付くと昴の体が跳ねて…少し強めに噛むと、眉を下げて涙目で見つめられる。

 
「すまん、限界だ…」

 腰の動きが早くなる。浅い動きだから気持ちいいけど物足りない…昴も苦しそう。
「奥まで本当は入れたいけど…これで我慢してくれ…」
「ひっ!あんっ!そこ…いい…」

 昴が熱で擦るすぐ近くの粒を指で挟んで刺激してくれる。
 私はあっという間に頭の中が真っ白になって、勝手に体が動く。

「蒼…好きだ。愛してる…かわいい…」
「ん、昴っ…は、あっ!」


 お互いの体が痙攣して、目の前で火花が散る。チカチカ光ったそれが消えて、真っ青な瞳が現れる。
 真っ青な瞳が瞬き、微笑みに沿って細くなる。すごく綺麗。青の中に沈んでいくみたい。

「昴…だいすき」

 私の言葉を聞いて、息が荒いままの昴が急激に頬を赤くして、真剣な目で見てくる。

「蒼…好きだ」
「昴?」
 

 眉を顰めながら昴が指先から顔から首からそこらじゅうにキスしながら好きだ、って呟いてる…。
 ど、どしたの?私は好き好き言われて顔が真っ赤になってきてるんですけど…。

「すき…好きだよ、蒼…愛してる…」
「昴…まって…待って…」
「待てない…この日のために色々考えて、準備してきたのに頭が回らない。どうしたらいいかわからないんだ」

 じっと見つめてくる昴はなんだか泣きそうな顔をしてる。
いつも冷静で余裕たっぷりの昴が焦ってる。

「昴…どしたの?」
「わからない…胸の中から気持ちが溢れてきて、頭の中がぐるぐるしてる。
蒼を独占できるって思ったら…おかしいんだ」
「かわいい…」

 必死になって、動揺を隠しきれずに居る昴が可愛くて仕方ない。くるんと癖のついた黒髪をつまむ。
 こんなところまで可愛い。

「俺のセリフなのに」
「いいでしょう?だって…こんな風になってるのはじめて見た」
「頭の中ではずっとこうだ。…1人の時はもう少し危ない考えもしてるが」

「危ない?どんな?」

頬を包んで、優しく頭を撫でる。
昴が目を細めて、ぽーっとしてる。

「蒼が他の人と喋っているとそろそろ消すべきかとか、触られてるとその手をへし折りたいとか、本当に監禁したら蒼は泣くのかな、それでも閉じ込めたら俺だけの蒼になるなとか」

「わーお…ヤンデレだね?」


頬を膨らませて、私の胸元に顔が押しつけられる。胸の間に押しつけて、むーむー唸ってる。

「それでも私のことちゃんと尊重して、何も言わずにいてくれるんだね」
「当たり前だろ。蒼の事を蔑ろにする気はない」
「そっか…」

 頭を抱えてギュッと抱きしめる。無言のままそれを受け止めた昴…あれ、これ私息止めちゃってる?
 慌てて手を離すと、うっとりした顔の昴が現れた。うーん、この顔…息が止まって喜んでたでしょう…。

「苦しかったら言ってよ…ごめんなさい」
「凄くいい。息の根を止めてくれ。蒼と繋がったまま死にたい」
「んもう。ダメだよ」

 拗ねたように唇を突き出して、頭が落ちてくる。
 息ができるようにやんわり抱きしめて、なんだかおかしくなってきた。

「昴の夢は腹上死なの?」
「うん」
「赤ちゃんがこれから生まれるのに?」
「むむ…むぅ」


 本当に仕方のない人だ。でも、目一杯私を愛してくれている。
「もう疲れた?」

 ちらり、青の双眸が目線を送ってくる。
「まだしてもいいか?」
「うん…腹上死しないでね?」

 2人して微笑み、好きだよ、と囁きあって唇を寄せる。
瞳を閉じて、いつまでも続く甘い余韻に酔いしれる…。

 ━━━━━━

「はっ…?!あれ…またこのパターン…?」
 
「おはよう、蒼。今日は俺だよ。体大丈夫?」
「慧?!あれっ?私いつの間に…?」

 体がさっぱりしてる…慧がまた裸でお布団に入ってるし…もう日が変わったの?

「まだ早朝だよ。眠かったら寝てていいのに」
「もう、時間の感覚がない…交代したのいつ?」
「夜中の0時。お風呂に入ってから交代なんだ」
「そ、そうなの?えぇ…本当に裸のままなの?」
「寒い?暖房つけてるけど…」

 慧が髪の毛を自分の耳にかけて、微笑んでる。

 お部屋の中は暖房がしっかり焚かれてて、加湿器があるから喉も痛くないし…。
 でも、なんだかこういうのって…いいの?
 私エッチなことしかしてないんだけど。


「お腹空いた?今ちょうどあったかいの持ってきたところだよ」
「わ、そうなの?ちょっとお腹すいた…。でも私、トイレしか外に出てないのにいいの?だらけ過ぎじゃない?」

「いいの。俺のためなんだから。蒼は大人しくしてて。外のことも、他の人のことも考えちゃダメ。」

「け、慧…?」

 
 首を触られて、なでられる。ゾクゾクして、鼓動が速くなってくる。


「ね?俺だけ見ててよ。俺のことだけ考えて。お願い。今日は蒼が食べるものも全部俺が作って用意してみたんだよ」

慧の鋭い視線が突き刺さって来る。胸がキュンとしてしまう。独占欲丸出しなんて珍しい…。



「うれしいけど…太っちゃうよ」
「カロリー消費してるんだから大丈夫。ちゃんと計算してる。夜食は飲み物にしたんだ。ラッシーってわかる?あれのあったかいやつ」
「カレー屋さんの?あったかいのもあるの?」

「うん。食べてみる?」
「い、いただきます…」

 慧が起き上がって、側にお盆を持ってくる。

 寝っ転がったまま肩を抑えられてて動けないんですけど…。
 慧が白い液体を口に含んで、そのまま唇を重ねて来る。


「…!」

 ヨーグルトの香りと、マンゴーの香り。甘酸っぱいラッシーの味が喉を通っていく。


「いらなくなったら言って?」
「えっ?ちょ…んん!」

 慧が一口ずつ口に含んで、私は雛鳥のようにそれを口に入れられる。
 うっとりした顔でして来るから、止められない。口移しして凄く喜んでる…。

 最後の一口を喉に流すと、慧が舌を差し込んでくる。
 口に含まれた甘味で、甘くとろけるようなキスになってしまう。


「ふは…んっ」

 深いキスが長く続いて、だんだん慧の味になっていく。
 甘いままなのはどうして?慧が甘いの?


「は…はっ…」

 唇を離した慧が、余裕のない顔でじっくりと息を乱した私の顔をみてくる。
すごい。私の目線の端から端まで慧しか見えないようにしてる。
こんなすごい独占欲…持ってたんだ…。

初めて手加減なしにそれをぶつけられて、ドキドキが止まらなくなってくる。
わたし…すごく、嬉しい…。


「ねーえ…そんなに見ないで…」
「それ好き。蒼がねーえ、って言うとたまらなくなる」
「そう…なの?」
「うん。好きで好きでどうしようもなくななっちゃうよ…」


 首筋に唇が降りて、きゅっと吸われて熱が灯る。キスマーク…ひさしぶりかも…そう言えば昴もつけてた。

「キスマークも解禁だからね。」
「えっ?禁止だったの?」
「そう。でも今回はそういうのなし。全部上書きする」

「ひゃっ、そこだめっ…あっ」
「やめないよ。本当に嫌なら体を2回叩いて」
「な、なに?それ?」

「セーフワードみたいなもの。SMでよく使われる。プレイを中止して欲しいって意思表示の事」
「えすえむ…するの?」
「してもいい?」

「わ、わかんない…どうしたいの?」
「俺、意地悪なこと言っちゃうでしょ?多分そっちの気がある。危ないことはしないけど、蒼を泣かせて、いじめて、ぐずぐずにしたい願望があるんだ。」


「ヤンデレに…SMなの…?」
「だめ。ヤンデレも今日は禁止。俺のことだけって言ったでしよ?」

「ひゃっ!」

 鎖骨を齧られて、体が逃げる。
 逃げた先で捕まって、両手を上に重ねて縫い止められる。

「最高…ゾクゾクする。」
「うそぉ…慧そういう感じ?」

「だめ?嫌い?怖くなった?」

 不安そうな顔になった慧が眉を下げて聞いて来る。
「ううん…すごくドキドキしてる…。慧の好きにしていいよ。ゆ、ゆっくりお願いします…」


慧の表情がゆるゆる、笑顔になっていく。
いつもの笑顔より、蕩けてる気がする。


「うん……すごく、優しくするから」

 腕を掴んだ慧がファーがつけられてる輪っかを取り出して、私の手首にはめる。
 ん?これは…手錠?

「痛くないやつ。本番は赤ちゃん産んでからね」
「わわわ…いつの間にこんなのを…」
「ふふ、かわいい。似合ってる。」

 慧がじっと上から私の姿を眺めて、微笑んでる。
 ニコニコしてるのはいつもと同じだけど、その中になにか…ぞくりとするような色気が見えた。


「本当に可愛いな…俺やっぱこういう趣味なんだな…」
「うぅ、そんなに…見ないで」

 顎をそっと摘まれて、目線を合わせて来る。
 ゾクゾクするような色気が増してる。
 見られてるだけで感じちゃいそう。

「見られて気持ちいいの?目がとろけてるよ」
「はう…んっ」

 親指を口の中に入れて、慧が微笑む。
 ぐちゅ、っと口の中を口の中を掻き回されて、肩が動く。
 あれ…なに…これ。私、ホントに気持ちいい…。


「蒼は喉も気持ちいいなら、口の中もいいはずだよ。キスで感じて、イッてたでしょ?」
「うん…っふ…」

「やわらかい…なんてエッチな舌なんだろう…これで俺のこと気持ちよくしちゃうんだね」


 頭の中がぼーっとして来る。
 慧の言葉が頭に入ってきて、舌を触られて、手が不自由になっていることに気持ちが昂っていくのがわかる。

「本当にかわいい。感じてる顔…かわいいな…」

 慧の指に舌を絡ませて、一生懸命しゃぶる。口の端から雫が溢れて…もっと、欲しくなる。
もっと、太くて…硬くて…熱いのがほしい。


「んっ…くぷっ…け、い…欲しい…んぅ」

「素直でいい子だね。ここに欲しい?それとも違うところ?」
「はぁ…お口に…」


 慧が顔のそばににじり寄ってきて、頬にピタピタと凶悪な熱がふれる。

「これが欲しいの?」
「はぁ…ほし…い」

「口、開いて…そう。喉はダメだよ。刺激が強すぎるから…」

 口を開くと、硬いそれが差し込まれる。
 慧の匂い…体液の匂い…いろんな匂いが混じって、頭がくらくらして来る。


「ん、すごい…気持ちいいよ…」

 見つめ合ったまま慧の芯を舐めて、吸い上げる。
 口の周りがびちょびちょなのに…もう気にならなくなった。夢中でそれを味わって、慧が感じてる顔を眺める。

「あぁ…上手だよ。蒼、綺麗だ…」

 褒められて、何か別のところで少しずつ満たされていくものを感じた。
 知らなかったそこに、慧が喋るたびに満たされていく雫。

「ぷぁ…ん、ぷちゅっ…んふ」
「かわいい…っ…蒼。出すよ。どこに欲しい?」

 このまま口に出して…いっぱい。飲ませて…。

「ん、お口に出してもいいの?」
 こくりと頷くと、緩やかに口の中に出し入れが始まる。

「っは…うっ…」

 どくり、どくりと脈打つたびに熱い液体がたくさん出て来る。
 どうしてこんなに満たされるの?体がほかほか暖かくなっていく。

「ん、んふ…」
「…蒼…大丈夫?」



 慧が口の中から出ていって、残されたものを嚥下する。喉の奥にとろりとした塊が絡んで、鳥肌が立つほど感じてしまう。

「んく…んっ」
「嘘でしょ…感じてるの?鳥肌立ってるよ」

 じっと慧の瞳を見つめる。私、褒めて欲しいの。

「蒼…Mっけあったんだね…」

 テッシュで優しく口の周りを拭われて、ぎゅっと抱きしめられる。
「よくできました。いい子」
「うう…」

 これはやばい気がします。理性が溶けていく。
 繋がれた手の鎖がチャリ、と音を立てる。
 慧の胸元に手を置いて、頬を寄せた。

「かわいい…蒼…かわいいな…お腹平気?気持ち悪くない?」
「へいき。なんか、知らないところが満たされる気がする。…でもSMってこう言うのなの?痛いことしないの?」

「痛いことするばっかりのがそうじゃないよ。SMのSはサービスのSだから」
「え?サディズム…じゃないの?」

「加虐趣味だけど、人によってでしょ?俺は支配したい、独占したい。ちょっと痛いこともしたいけど…まだダメ。受け入れてくれる蒼の事が可愛くて仕方ないから甘やかしたいのがメインだなぁ」
「な、何をするの?」

 慧の瞳にまた怪しい色気が漂い始める。

「ずっとオーガズムに達する状態を維持したり、噛んだり、違うところも開発したいんだ。
 泣いてもやめないよ。
 してる時は首輪もつけたい。俺だけの蒼だって印つけたいから」
「はわわ…凄いね…違うところって…?」

 大きな手のひらがさわさわ、とお尻を触る。

「ひゃっ?!ま、まさか…」
「そう。ここにもう一つあるでしょ?蒼は感じる才能があるから。楽しみだね」
「うぁ…」

 頭がオーバーヒートして、プスプス音を立ててる気がする。慧…なんか突き抜けちゃってるんだけど…。



「飽きられたくないし…俺も素直になることにしたんだ。蒼に対しても、自分に対しても」
「はわわ…」

 顔中にキスを落とされて、ドキドキが止まらなくなって来る。

「もう眠たい?」
「眠気が飛んでいきました…」
「そう…じゃあ今度は…」

 ふんわり仄暗く笑う慧が愛おしい。
 優しい手つきにうっとりして、目を閉じた。

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