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第二十六話 ★優しい繋がり R-18
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千尋side
「では、これで調印完了だ。ボス、今後ともよろしくお願いします」
「…よろしくお願いします」
複雑そうな昴が総監と握手してる。
「流石に手書きはまずいのできちんとやり直そう。後で連絡します。さて、ケジメをつけましょう。おい、楠」
「はい…」
楠は昴の連絡役だった人だ。降格処分で彼は交番勤務になるらしい。
若干、微妙な顔つきだな。
蒼の後ろに立った昴に土下座してる。
蒼の足元にいるのが気に食わんが仕方ない。
「申し訳ありませんでした」
「私からは何も言えません。処分に従って、真摯にに勤めてください」
昴の言葉にガバッと顔を上げて妙な気配だ。目がぎらついてる。
蒼が妙な気配を察知して立ち上がるが、すぐに足にまとわりついた楠が何かを蒼の足に刺す。
昴が楠を蹴り上げ、慧が倒れた先で押さえつけ、俺が倒れ込む蒼を支える。
何を刺した!?
「蒼!」
「注射針っぽい、かな」
呟く蒼の足を膝の上に乗せて、傷口に食いついて吸い出す。…この独特な匂い。毒じゃない。
「慧!止めろ!」
昴が銃を構えた慧を抑える。
楠を慌てて抑えにくる警視総監達。
動きが遅い。
「慧、毒じゃない。落ち着け」
「何を刺されたの?」
慧が仄暗い顔のまま銃を下す。
「今日話したホルモンを排出させる媚薬だ。即効性はないが筋弛緩薬が含まれてる」
「は?なんだよそれ。警察官はバカなのか?」
確かにバカだな。何してんだマジで。
「解毒薬は?」
総監が慌てて聞いてるが、もしかしてうっかりさんか?毒じゃないって言ってるだろ。相良が俺が吐き出した液体を採取してる。
「毒じゃないからねーよ。くそっ。本来そこにいるのは俺だった。なんでお前なんだ!昴!ふざけんなよ!!」
カッチーン。頭に来た。
どの口がそれを言う?
「ふざけてるのはお前だ。昴でなければお前なんか慧にやられて一日で殉職だ」
「なっ」
「千尋さん、お、落ち着いて…」
「千木良は黙ってろ。
連絡役も満足にできない奴がこの組織で何を為せると思う?
昴の体に刻まれた傷を一つでも知っているのか。
心も体も傷だらけになって、何度闇に染まりそうになったか想像がつくのか?
自分の命を守るだけじゃない。俺たちは守るべき人をこの手で殺してきたんだ。
お前はその罪を負えるのか?その屍に頭を垂れず、引っ張り続けてくる亡者たちを振り切れるのか!!」
楠が項垂れる。
「一発入れるだけじゃ済まないが、お前には殴られる価値もない。
血の海に沈んでも、昴は一つとして正義の色を変えなかった。
ただただ日本のために命を賭した者に口を開く資格もない。
自分自身が大切なだけのお前にはな。」
息が荒くなった俺の胸元で、蒼が胸を撫でてくれる。
眉を顰めて、辛そうな顔をしてるのに…俺の事を心配してくれてる。
頭に上った血が散って、蒼の瞳を見つめる。
ごめんな、守れなくて…。
ほのかに琥珀の色が細まり、瞳が閉じられる。
「千尋、こいつには一生わからん。お前の血圧を犠牲にしなくていい。総監、処分について再検討をお願いします」
「そうさせてもらう。申し訳ない」
慧がこちらにやってきて、そっと蒼の頬を撫でた。
「本当に毒はないの?」
「ない。大丈夫だ」
胸元にしなだれかかっている蒼を覗き込む。頰が赤くなってきてる。
「本当に媚薬と筋弛緩剤だけだ。何がしたかったんだ?理解不能だな」
相良が注射器の中身を試験管に入れて調べてる。用意がいいな…。
確信を得て三人でため息を落とす。
取り押さえた楠が暴れながら総監と千木良に連れていかれる。
「明星、申し訳ないが署まで来てほしい」
「はい。慧も来てくれ」
「護衛は必要だね。チヒロ、蒼の事お願い」
「わかっ…た」
二人が連れ立って相良と去っていく。
今度こそ言わせてもらう。
「どうしてこうなった!?」
━━━━━━
「んふ……」
蒼が助手席で丸くなってる。
もうこうなったら腹を括るしかない。
そっとハンドルを切るが、蒼が車の振動でうめくから気が気じゃない。
署に行った昴からの連絡で媚薬は丸一日の効能とわかったんだが…。
『交渉が決裂した後、蒼を慰みものにするつもりだったらしい。ボコボコにするから地下室を使う。蒼には優しくしてやってくれ』
なにを!優しく!!するんだ!!!
くそっ。俺はまだキスすらしてないんだぞ。ふざけんな。
「千尋…シートが、濡れちゃう…」
「そんなこと気にしなくていい。大丈夫か?」
「ん、平気…」
息が荒くなってる蒼が自分を抱きしめて震えてる。
丸めた背中に汗が伝ってる。
あぁー!早く信号変わってくれ!!何で赤続きなんだ!
「っ痛…」
「どうした?痛い?どこが痛いんだ?」
「中が、痛いの」
「くっ…そう言うことか」
ううう…筋弛緩剤仕事しろ。締め付けていたいのか…?
ガタガタ震え出す蒼は真っ赤になって涙を浮かべてる。
だめだ。俺の自宅では間に合わない。こんな様子を見ることに俺が耐えられん。
道端のファッションホテルに舵を切り、駐車場に停める。
不本意だが仕方ない。
助手席のドアを開けて蒼を抱える。
「ふぁ…」
耳元で艶かしい声が聞こえた。
シートの上に溢れた分泌液が蛍光灯の灯りを弾いてる。
無駄に我慢させてごめんな。
「もう少しだからな、蒼」
「…ん」
━━━━━━
蒼をそっとベッドに横たえて、ジャケットと銃を椅子に置く。
体が真っ赤になって、息も絶え絶えな様子だ。
服を全部脱がしてやる余裕がない。レッグホルスターとアクセサリーだけ外す。
太ももを開くと、足もとまで濡れて雫が伝い落ちた跡がある。
催淫効果がないなんて嘘じゃないか。衝動に耐える蒼が顔を上げた。
「チヒロ…ごめん…ね」
「蒼のせいじゃない。…触っていいか?」
「うん…」
頭の下に腕を入れ、蒼を横抱きにして引き寄せる。
濡れそぼった下着をそっと剥ぎとる。
糸を引くほど濡れた下着を投げ捨てて、孔の周りの雫を掬い取って指を入れる。
「あ、あぁ…はあぁ…」
感嘆のため息が耳をくすぐってくる。
指一本をギッチリと締め付けた膣内が蠢いて指を勝手に咥え込んでいく。
「痛く、ないか?」
「はぁ、は…気持ちいい。奥、もっと入れて…」
眉を顰めた蒼がとろける瞳で見つめてくる。
誘われるように唇を重ねて、口腔内を探る。…熱い。熱に浮かされた蒼が縋り付いて口の中で喘いでる。
「大丈夫か?」
「うん…もっと擦って…頭おかしくなりそう」
顔に落ちてくる汗で濡れた髪をよけて、観察する。
痛がってはいない。
指を増やして中をまさぐる。ゆっくり、ゆっくり奥に進めて優しく擦る。
蒼の体が跳ねて、中が痙攣する。
もう何度も達してる。潤滑液が手のひら全体を濡らしていた。
「気持ちいいっ…チヒロ、チヒロぉ…怖い…ひゃぁっ」
「ん、気持ちいいな。大丈夫だよ。そばにいる」
首の脈を取りながらほおにキスを落とす。
蒼の中を擦り上げて、求められるままに快楽を与える。
順番をすっ飛ばしてこんな事してるなんて…。罪悪感が頭を擡げるが、それを押しつぶすようにして熱が自分の中にひろがっていく。
腕の中で蒼が俺の指で気持ちよくなってる。蒼の感じてる顔を見てると眩暈がしてくる。広がった熱が腰に集まっていく。
「いい、もっと、もっと…」
一番奥を指先で刺激しながら、親指で充血した敏感な粒をくりくりと転がす。
「ひっ、あっ、あああっ!きもち…っあ!!!」
身体が痙攣した後に力が抜けて、また震え出す。
欲情の波があるみたいだ。
ゆっくり擦りながら、プチュプチュと音を立てて刺激し続けていく。
瞼が開き、じっと俺の目を見つめる。
「ちひ、ろ」
「ん?」
「乱暴にして、欲しいの」
「痛くなっちゃうぞ?」
「いたくても、い…足りないの…」
「ん、わかった」
腕を外して、腰の下に移動する。ドレスのスリットから捲り上げて、秘所を口に含む。
「ちひろ、だめっ。お風呂入ってないのに」
「大丈夫だよ」
クリトリスの皮を押し上げて、甘噛みして唇で包み込む。
指を揃えて、激しい動きに変えた。上壁を擦り、傷つけないように細心の注意を払う。溢れてくる潤滑液がそれを助けてくれる。
「…っ…っ!!!」
膝が頭を挟み込んでくる。
中が痙攣しっぱなしだ。動きを緩めて、様子を伺い、また早めていく。
膣の周りをマッサージして、周りからも刺激する。
「あっ!あっ!!あんっ!そこ、おく…はぁぁ…」
指を抜き差ししながらぷっくりと膨らんだ痼に強く噛みついて、弱く、強くと繰り返す。
大きく痙攣した蒼が叫んで、ぐったりと力が抜ける。
それに合わせてゆっくり指を引き抜く。
「はあ、はあ…チヒロ…私、こんな事させて…ひっく…」
蒼が泣いてる。
慌てて枕元に戻り、蒼を抱きしめる。
お互いほっと息をついて、体の力が抜けた。
快感を与えるだけじゃダメだ。
どうしたら蒼を安心させられるんだろう。
「ごめん、ね」
「謝らなくていい。気持ちいいことだけ考えればいいんだ」
「や…だよぉ…千尋が好きなの…それなのに、こんなの…」
胸の中にすとん、と何かが落ちてくる。
なんだこれ。あったかい。自分の中で満たされなかったいろんなものが、落ちてきた何かによって胸の中に広がって満ちていく。
「…蒼、俺のこと好きか?」
「好き。でも、千尋だけじゃない…ごめん」
「慧が言ってたな。俺も昴とちゃんと心の準備はできてる。蒼が選んでくれたなら、それでいいんだよ」
蒼が言った、たった一つの言葉が何もかもを満たしていく。
これが欲しかった。
蒼に好きって言って欲しかったんだ。
俺も言ったら安心できるかな。
もう、伝えてもいいのか。
「蒼、俺も好きだよ。愛してる。」
ハッとした蒼が顔を赤らめたまま涙を流し続ける。泣きながら、俺の頬を拭ってくれる。
あれ、泣いてたのか俺。
気づかなかった。
「千尋。すき。すき…」
蒼が唇を重ねて、舌を遠慮がちに入れてくる。
のしかかってくる蒼をそのまま抱えて、体の上に乗せる。
蒼の雫を飲み込み、逃げようとする蒼を抑えるが、上手く息ができてないことに気づいた。
「ぷはっ!はぁ、は…」
肩で息してる。かわいいな。
「息継ぎ苦手か?」
「慧にも同じこと言われた…」
「ゆっくりしよう。ちゃんと鼻で息をして」
再び重なってくる唇。明日の朝腫れてしまいそうだ。それでも、やめられない。
「ん…」
「ん、じょうずだよ」
「んふ、ちひろ…すき…」
「ん……んっ?!」
再び唇を重ねながら、囁く蒼が俺のベルトに手を伸ばす。
下着の中に小さな手の熱を迎えて、突然の刺激に驚いてしまう。
「んっ、ちょ、ちょっと待っ…」
「ん、んっ。まだ、キスして…」
「あお…んむっ」
蒼が俺の熱を取り出して、濡れそぼった膣口から中に入れていく。
ひくり、と唇がつながったままの蒼が痙攣する。
きつい。濡れてるのに…蒼の腰を抑えて、動きを止める。唇が離れて蒼が見下ろしてくる。
「蒼、ゴムしてないんだ。待って」
「やだぁ…も、止めないで…」
震える体が無理やり体重をかけて、一気に芯が沈み込む。
腰の熱が一気に脳天まで突き抜けて、ふわふわと甘い快楽が追いかけてくる。
「はあっ、ああんっ。気持ちい…っあ!!…あっ」
ミチミチと肉を押し分けて奥まで届き、蒼が体の上で跳ねて、数回抜き差しした後に激しく中が引き締まる。
俺の中でも熱が爆発しそうになる。
「ぐっ……危な…蒼、……一回抜いて」
「やだ。欲しい。中に出して…」
蒼が顔を歪ませる。
涙が止まらなくなってる。
雫を滴らせながら身体が倒れ込んでくる。
しっかり受け止めて、優しく抱きしめた。
理性が焼き切れてしまいそうだ。
大きく息を吐いて、堪える。
だめだ。俺は、本当に蒼が好きなんだ。
「蒼、だめだよ。今中にはあげられない」
「…どうして?」
「蒼の事愛してるって言っただろ。こんなふうに薬で流されない時に、そうする」
蒼の瞳を真剣な気持ちで見つめる。
中に出してめちゃくちゃに乱暴したい。
俺だってずっとそう思ってたよ。
でも、今じゃない。
蒼のことが大切だから。本当に大切だから勢いでそんな事したくない。
「千尋…」
「頼む。俺が正気でいるうちにうんって言ってくれ。頭が爆発しそうなんだ」
「…うん…」
頷いてくれた蒼の体を持ち上げて、シーツの上におろす。
少しだけ落ち着いた息を繰り返す蒼を見つめながら、ゆっくり体を触る。
「どこも痛くないか?」
「うん…順番逆になっちゃったね」
眉毛を下げた蒼が体を震わせながら微笑む。
いいんだ。そんな事どうだっていい。
蒼が好きになってくれた事だけが事実なら。
「まだ痛いか?」
「ううん。体が震えちゃうのがちょっと怖い」
「血管の収縮で熱を上げるためだろうな。一日かかるみたいなんだ…」
「うん。あの、あのね、服脱ぎたい…」
恥ずかしがってる。何て可愛いんだ…。
頷いて、蒼のドレスを脱がす。
白い肌を滑って蒼色のドレスに隠されていた下着が姿を現した。昴がチラつく。
「蒼、下着も買いに行こう。服も。」
「うん…?うん」
はてなマークを浮かべる蒼。
うん、わからなくていい。ごめん。
━━━━━━
「んっ──っ!!」
組み敷いた蒼が、もう何度目かわからないオーガズムに達する。
ゴムは追して室内の自販機で買った。
こうなるとファッションホテルで助かったとも言える。
正直いろんなことを考えてないと意識が吹き飛びそうなんだ。蒼は落ち着いては蕩けてをずっと繰り返してる。
「千尋、気持ちいい?千尋…」
「気持ちいいよ。溶けそうだ」
「んっ、もっと気持ち良くなって…」
かわいいことばっかり言うから、本当に溶けてしまう。
お互い汗びっしょりで何回したかわからない。時間もわからなくなった。
蒼と二人だけの時間が頭の中を空っぽにしていく。
びくりと大きく跳ねた体を抱きしめて、収縮に耐える。
「千尋…すき…すき」
「ん。俺もすきだ」
何度も言われる好きの言葉が際限なく甘くなる。蒼の声が刻まれていく。
「千尋…もう一回…だめ?」
「いいよ。何回でも。俺もしたい」
「うん…」
そっと中から芯を抜き出して、ゆっくり沈める。
何回もしてるのに背中がゾクゾク粟立って、快感の波がおさまってくれない。
足の傷から吸い出した俺の中にも、媚薬の効果があるようだ。
何度出しても衰えないとかおかしい。
「はぁ…千尋、好き。抱っこして…」
背中を抱え、蒼を膝の上に乗せて抱きしめる。中に入っている芯の先端が奥にコツンとぶつかる。
「あんっ…奥、当たってる……」
顎を摘んで引き下げ唇に甘く噛みつき、舌を入れる。
蒼の息継ぎが上手になったから長くキスできる。舌を絡ませながら柔らかい胸を抱えて、立ち上がった粒を摘む。
「ん、っんん……んっ!」
気持ちいい。体も心も気持ちいい。蒼の声で耳まで気持ちいい。
好きな人との触れ合いがこんなに気持ちいいなんてこの年で知る事になるとは思っていなかった。
中が痙攣を始める。
蒼が震え出して、熱がどんどん上がっていく。
「ぷあっ…ち、千尋っまって…ひゃっ。イッてる…待ってぇ…」
震えながら俺の目を覗き込んで、胸の上で手のひらをギュッと握りしめてる。
かわいい。もっとその顔が見たい。
強く握った手を開いて、指の間に指をさしこんで握る。
腰をゆっくりとゆすって、ずっと達し続ける蒼を追い込んでいく。
「あっやっ、ほんと…にっ!ダメぇっ!!」
「ダメ?いやじゃなくて?」
「いじ、わるしないでっ。うぁ、ああっ。そこ…だめっ」
切なく歪めた顔が欲情を煽ってくる。ダメと言われるたびに俺が止まれなくなるの、分かってないんだな。
中を突き動かす角度を変えて、気持ちいいところを探る。どこに触れても反応が返ってくる。
感じてる顔が綺麗だ。
もたらされる快感に蒼の声が掠れていく。
「っ…っう…っ」
縋り付くように胸元から見つめられて、抱えた体を押し倒す。
打ち付けるように激しく抜き差しすると、中に入るたびに蒼の体が…中の肉が震える。
差し込むと柔らかく包み込み、抜くと締まってくる。もう理性のかけらすらなくなった。
ただただ快感を追って、身体が動く。
「はぁっ、はぁっ…っ千尋ぉ…」
「蒼…も、少し」
「んっ、ん…早く、おかしくなる…っ」
手を離すとしがみついてくる。
かわいい。かわいい。俺の蒼。
お尻の下に手を差し込んで腰を固定して、ひたすら熱を打ち込む。
「はあっ、はあっ…も、むり…ちひろぉ…っうう」
「ん、もうすぐだ」
上気した蒼の顎が上がってくる。胸元から肌が赤くなって、蒼が達して痙攣する。
自分の限界を超えた奔流を叩き出して、最奥に先端を押しつける。
そのまま、目の奥から走る光に身を委ねた…
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