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ファンサービス2
しおりを挟む「アーンしてください」
「は、はい。何が食べたいですか?」
「……優さんが食べたい」
「なっ、そ、そうじゃなくて。フルーツでいいですか?」
「優さんが言うならなんでもいいです」
「むむ……あ、あーん……」
わたしは今、とんでもないものを見ている気がする。頬を赤らめてニコニコしっぱなしの龍一さんは差し出したスイカに齧り付いて、咀嚼しつつわたしの手に何度もキスをしてくる。
酔っ払って、甘え上戸になる人っているの?
「もう!何でいちいちキスするんですか!?」
「したいからです。もっと下さい。キスしたいので」
「うぅ、うう……」
いつの間にか、さぎりさんと佐々木さんまでリビングに集まってきている。ビールを飲みながら龍一さんの甘えん坊っぷりを眺めて…頬杖をついてニヤけつつ、ムフムフ言っているのはどうしてなの。
動画を撮り始めたのは良いけど、生中継にしてしまったから後で編集出来ないんだけど……大丈夫なのかな。と言うか、見ている人が居るのだろうか。
「優さん、よそ見しないで。僕だけ見て」
「はぇ…はい」
「フォークじゃなくて優さんの手でくださいよ。優さんの触ったものが食べたい」
「何言ってるんですかっ!そんな、その……」
「ダメなんですか?僕の優さんなのに?」
くっ……上目遣いまでしてきた!とんでもなく可愛い人になってしまった彼の攻撃力が高い…。
「ダメなら僕のお膝に乗って」
「お、お膝」
「はやく」
「うぅ…うぅ…………」
チラッと観客に徹している三人に目線を送ると、こくりと頷かれてしまう。
誰も止めてくれない…目の前でイチャイチャするのも恥ずかしいのに、助け舟を出してくれる人はいない。
「よいしょ」
「ひゃっ!?」
「……かわいい…僕の優さん。大好きです。おっぱいふかふかです」
「……ゔっ…」
問答無用で膝の上に抱えられて、胸元に彼の顔がぽすん、とおさまる。
そのまま顔を埋めて幸せそうに微笑む姿を見てると、無碍に出来なくなってしまった。
「あああの、ここでその、そういうのはちょっとアレなので、お布団行きましょうか?」
「うん…」
「龍一さん、あの……」
「んふ……ふふ…優さん、僕の優さん」
「…………」
龍一さんに、こうして起きている間に触れられるのは久しぶりの事だと唐突に思い出してしまった。
あんなに毎日エッチなことをしていたのに、もう…一月以上してない。
胸元でキスマークをつけられるたびにだんだん体が反応して、敏感になる。
「りゅ、いちさん」
「……ハッ…お布団に行きましょう!」
「は、い……」
自分でもびっくりするほど甘い声が出て、それに気づいた彼はわたしを抱え上げてそそくさとリビングを後にした。
ドアが閉まる瞬間、テーブルに突っ伏した佐々木さんと、両手で顔を覆って耳まで赤くなった萩原さん、にこやかに手を振りながらビールを煽るさぎりさんが見えた。
……ちょっと、嫌な予感がする。
「あの、龍一さん。ちょっとお聞きしたいことがあります」
「ん…今日は、優さんが上ですよ」
ベッドの上に二人で上がって体を向き合わせ、微笑みが浮かぶ。かわいい…って、そうじゃなくて。
「あの、寝室にカメラがついてたりしますか?」
「はい。もう上着を脱がしたいんですが、良いですよね」
「良いですけど…そ、そうじゃなくて。 !あの、な、生中継になってしまうのでは?」
「そうです。はい、手をこちらへ…反対も。」
上着を脱がされて、下に来ていた水着が顕になる。龍一さんのお好みだろう水着はビキニスタイルで、おへそが出ている。上も下もふわふわのレースがたくさんついて、かわいい真っ白な水着なんだけど……。
「あの、あの!!わたし……体の処理をしていないです」
「処理?あぁ、剃毛は僕がしてますよ。たいして生えませんでしたけど」
「てい……!?嘘ですよね?」
顔が熱い…わたし、そんな事までしてもらっていたの?
「本当です。あなたの世話は全部僕がしてました。手術はしなかったし、僕の優さんを誰にも見られたくなかったんです。」
「………………」
「大丈夫ですよ。僕が隅々まで手入れして、綺麗にしていましたから。そうでなくても、あなたは足の先から頭の先まで全てが可愛らしくて美しいんですから」
わたしを太ももの上に乗せた龍一さんは、背中をベッドのフレームに預けて水着を眺めている。
満足げな顔……。
「龍一さんも脱いでください。わたしばっかり恥ずかしいです」
「ふふ…あなたが脱がしてください」
「はい……」
脱がすと言っても、お互い水着の上にラッシュガードを着ていただけだから、ジッパーを下ろすだけなんだけど……。
お部屋の中にカメラが見当たらないから、どこから写されているのか分からずドギマギしてしまう。
「優さん…ちゃんと僕だけ見て。気が散ってますね?」
「だって、カメラがどこにあるのか……」
「そんな事どうでも良いでしょう?怪我をしたあなたを抱っこしてたので、あなたと同じでずっとしてません。そろそろ限界です」
「あ……あっ!」
腰を掴んでぎゅうっと押し付けられたそこに、固くて熱いものがある。
カチカチになって、いつもよりもずっと大きく感じるそれがわたしの中に入りたがっている。
ぐりぐり押し付けられたわたしは、あっという間に龍一さんの事で頭がいっぱいになって、彼の唇を唇で塞いだ。
口の中に差し込まれた舌が上顎をなぞり、舌を絡めて深く深く侵入してくる。息をするのも忘れてそれを受け止め、わたしは夢中になって絡みつく熱を追いかけた。
「ん、んふ……んっ!!」
「優さん…優さ…ん…」
ブラトップの下から指が這い上がって、そのまま乳首を摘まれる。電気の走るような感覚が腰に届き、頭がポーッとしてきた。
気持ちいい……キスも、胸も、押し付けられる塊からも押し寄せる甘い波に揺られて、何も考えられない。
「んぁっ!は…ぁ…」
「ここも、欲しいですか?」
「そこ、やっ……だ、だめ……」
「お尻の中にも欲しいでしょう?暫くしてないからほぐさないと」
「そこは、いいです……あっ、や、やめ…」
「嘘ですね。僕がお風呂に入れた事、少しは覚えてるでしょう?あなたの体の隅々まで洗ったんです。
ここも、シワとシワの間を丁寧になぞって……ピンク色ですごく綺麗でした」
お尻を鷲掴みにされて、力を込めて揉みしだかれる。力が加わるたびにドキドキして、自分の腰が勝手に動く。
「気持ちいいんですね……優さん。どこもかしこも僕が教えた通りに感じてくれて、嬉しいです。
今日はお尻に可愛いアクセサリーをつけましょうか」
「はぁ……はぁ、アクセサリーって、なんですか?」
ベッドの端っこに避けられた枕の陰から、ホワホワした丸い物体が出てきた。
その根本にはシルバーの大きなアナルプラグが付いている。
「そんなの、入らないです」
「大丈夫。ここはちゃんと覚えてます。ゆっくりほくじてあげますから」
「……ふぇ……」
満面の笑みの底に龍一さんの溜まりに溜まった欲望が見えて、わたしは身体を震わせた。
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