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独占欲

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 龍一さんの頭を抱えて、自分の胸の中に顔を埋めて行く。
心臓がドキドキしてるのがバレてしまいそうでちょっとだけ恥ずかしい。
 カーテンを閉めないまま部屋の電気を消して、外の灯りがほんのり部屋の中まで届いて間接照明みたい。静かな部屋の中には私と彼の吐息だけが聞こえていた。

「苦しくないですか?」
「……最高です。柔らかくて、暖かくて…あなたの鼓動が聞こえて。幸せで死にそうです」

「死んだらダメですよ。…龍一さんは、私より後に…寿命を迎えて下さい」
「……優さん?」

 頭を抱いた手に力を込めて、頭のてっぺんにある旋毛が目に入る。
かわいいつむじにキスを落として、思いっきり抱きしめた。


 
「龍一さんは何があっても、生き残って長生きしてください。
 私を置いていかないでくださいね」
「…………」
「龍一さん?あっ!」

 手の力を緩めると、息を吸う音が聞こえる。胸の谷間から無邪気な微笑みがのぞいた。


「この体制はとても良いです。もっと早くしてもらえばよかった」
「ごめんなさい、長生きしろって言った私が息を止めるところでした」
「それも良いですね」
「だめです。何言ってるんですか……」

 
 シャツの隙間から差し入れられた手が裾をたくし上げて、わたしの皮膚を滑って上がってくる。下着を露わにして、持ち上がった裾を口に咥える。
 そのまま彼を見下ろすと、微笑んだままで熱を抱えた唇が触れてくる。
この格好、好きだって言ってましたもんね……。

 小さなリップ音を立てながら私の皮膚に時々キスマークを残して、楽しそうにしている。
 いつも余裕がないのはわたしだけなのは……なんだか、ちょっと悔しい。

 

「……不満そうな顔、してますよ。」
「んむぅ…むぅ」
「その顔も可愛いです」

「んっ!ん…」

 かぱっとおおきく開いた口で胸の先端に噛み付かれて、先端を吸い上げて舌が舐ってくる。人差し指でつう、と背筋をなぞられて、腰から震えが立ち上がってきた。

「脱がしてもいいですか?」
「………」
「優さん?」

 
 
 口に咥えていた自分の服の裾を戻して、龍一さんのシャツをグイグイ引っ張って脱がし、彼の首に噛みついた。
 ビクッと律動した体に何度か噛みついて、筋肉の線を辿り、盛り上がった胸の筋肉にキスマークをつける。

 少しは色がつくようになったけど、まだ、ちゃんとできてない…ムキになってちゅーちゅー吸っていると、今度は彼にぎゅうっと抱きしめられる。
 男性の胸板も、立派な谷間があるんだと、今更気付いた。

 
「優さん…煽りすぎです」
「あなたにキスマークをつけたいんです。じっとしてて下さい」
「そんなにムキになるなんて、どうしたんですか」
「……だって……」

 抱きしめられながらもキスマークをつけ続けて、必死で痕をつける。
 キスマークをつける真意がようやくわかったの。こんな風にして肌を触れ合う仲でなければつけられない印は、独占欲を形にしたものだと思う。

 龍一さんは私の。私のなんです。
 沢山印をつけたいのに、上手にできない自分がもどかしい。

 

 彼の荒い息を聞きながら、胸筋の上で固くなった乳首を見つけて今度はそっちに齧り付いた。
 私がいつもされているように舌の先でそれをなぞって、先端を吸い上げて歯に挟み、クリクリと舌先でいじめてみる。

 
「あ、優さ…う…」

 唾液を絡ませながらちゅるちゅる吸って、お腹を指先で触れる。綺麗な肉の割れ目の間をなぞって、ドキドキしながらズボンのゴムから割り込んで、下着の中に手を差し入れた。
 焦った様子の彼を見て満足感に浸りつつ、ガチガチに硬くなった芯を握って、溢れた雫を指先に絡めて先端に触れる。
とろとろになったそこは、私が触れるたびにビクビク脈打っていた。

 
「ゆ、うさん。本当に…待ってください…」
「今日はわたしがしたいです。龍一さんは動かないでください。動いたら、か…噛みますよ」
「……くっ…かわいい…噛んでもいいです…」
「むぅ…まだ余裕ですね…」

 
 彼のポケットに入っていたふわふわの手錠を見つけて、両手にはめる。
 サイズオーバーだけど鎖を巻き付けたらどうにかなると思うの。一生懸命巻きつける様子を、呆然として眺めていた彼を完全に拘束できた。……なかなかいい眺めですね。

 

「龍一さん、どうして手錠を持ってるんですか?」
「…………えぇと、」
「私に嵌めるつもりだったんでしょう?たまには龍一さんがしてもいいですよね?」
 
「な、なんだか怒ってますか?」
「怒ってません。…龍一さんは、私のなので。たくさんキスマークつけます。
 うまくできるまで、龍一さんは何もしないでください」
「…………わ、わかりました」

 龍一さんは繋がれた手で顔を隠して、ただただうめくしかない。
 私は彼の自由を奪って好きにさせてくれるんだとわかって、ものすごく満足しながらまた彼の体に齧り付いた。

 ━━━━━━

「うぁ…あっ…優さん、離して下さい。キスマークだけだって言ってたのに…」
いやれふいやです
 
「く…っあ!待っ…!!もう、出したんですよ…本当に待って……」

 

 私の口の中に放出された液体を飲み込んで、まだ硬いままの陰茎を唇で包み込む。
 顎が外れそうだから奥には入れられないけど、先っぽが一番気持ちいいからきっと喜んでくれると思うの。
 大きく膨らんだくびれから先をちゅぷちゅぷ音を立てつつ繰り返し吸い上げていると、息の荒くなった彼が腹筋に力を入れる。
 
 あれ…?もう出ちゃうのかな?

 首を傾げつつ口に入らない竿の部分を両手で掴んでしごくと『バキッ』と嫌な音が聞こえた。

 腰を掴んで持ち上げられて、ソファーの上に押し倒されて組み敷かれる。
 龍一さんの顔がちょっと怖い。眉間に皺がよって、目がギラギラしてる。

 ……手錠が、粉々なんですけど……。


「……はぁ…はぁ…」
「りゅ、いちさん?」
「…………」

 あっという間にズボンを脱がされてショーツを引きちぎられ、キスで唇を塞がれた。彼の荒い息が頬にかかってくすぐったい。

 乱暴に舌で口の中を掻き回されて、息継ぎもさせてもらえずに口の端からとろりと液体がこぼれた。
 首の後ろをがっしり掴まれて、逃げられない。

「ん、んぅ…んっ!」
 
 膣の中にゆっくりと指が入ってきて、びしょびしょになっているのを確認した後性急にそれが動き出した。
 指を少し曲げて奥まで入れて、気持ちいい場所だけを指先がぐりぐり押してくる。
 突然やってきた強い快感で腰に力が入らなくて、好き放題にまさぐられた。


「んふ…ん!んっ!!」
「優さ…優さん…」
「んうっ!ん――!!」

 

 押し入るようにして龍一さんがつながってくる。いつもよりも熱くなった体温が膣の中から伝わってて、足が勝手にピンと伸びた。まっすぐ伸びた足の上からのしかかって、さらに奥まで入ってくる。

「あは…あ…凄い……」
 
「優さん、すみません。優しくできないです」
「龍一さ……」

 片手で顔を掴まれて、唇も深く繋がれる。バチバチと肌が合わさるたびに角度を変えて抜き差しされて、中がどんどん熱くなるのがわかる。
 口の中もお腹の中もめちゃくちゃにされて、涙が滲んできた。


「んは…あっ、あ…激し……っん」
「罰になってませんね。喜んでるでしょう…いつからこんなにエッチになったんですか?」
「うん…ん…龍一さんのせいです……」


 
 ギリギリまで引き抜かれて、芯が体の奥を貫く。衝撃が腰まで響いて、あっという間に達してしまう。
 私の目の前で切なく眉を顰めて、じっと見下ろしてくる彼の顔を見て、心の中が満たされて行く。

 キスマークをつけられて興奮して、私にいじめられて…火がついちゃったんだ。
 いつもはこんなに奥まで入れたりしないのに、ずっとずっと激しく奥ばかりを貫いて来てる。

 お腹の奥がジンジンして、そこがいつのまにか甘い感覚に変わってきた。
 
 彼のとろけた瞳に見つめられたまま何度も達して、龍一さんが追いかけるようにして中に出してくれる。
何も言わずにただ気持ちよくなって、エッチな音と声だけが聞こえて、夢の中にいるみたいに体がふわふわしてきた。

「あ゙あっ!あ………イ゙っ…うぅっん゙!!」
「…かわいいです。綺麗ですよ…優さん」
「ん゙、う……もっと、もっとぉ!あ゙あ゙っ!!」


 中に出された迸りを受け止めて、わたしはうっとりして自分のお腹を撫でる。
 いっぱい出してくれた。私の中に龍一さんが沢山…たくさん。


「まだ、足りないですか?」
「うん…足りないです」

「ベッドに行きましょう。ここだと怪我をしてしまいそうですから」
「はい……」
 
 口が勝手に彼の問いに答えて、体を抱き抱えられる。繋がったまま持ち上げられて、陰茎がさらに奥まで届いた。


 
「んぐっ…うう、く……ん゙っ!」
「……なかが、凄い動いてますよ。気持ちいいんですね」
 
「んぁ…あっ、だめ……揺らさないでくださ……う、んっ…」
「ベッドまでの我慢ですよ。首に掴まって」
「はぁ、はぁ…んんっ」


 

 重たい腕を動かして、彼の首に回してしがみつく。ゆっくり歩き出した彼が意地悪をしてるのがわかる。
廊下の真ん中で止まって、壁に背を預けて私の体を揺さぶってきた。

「だめ…だめえっ!あっ、あ…」
「どうして?こんなにきゅうきゅう締めて来てるのに。気持ちいいでしょう?」
「だめ、ちが…ア゙ッ゙!でちゃ…やらあっ!!」


 お腹の中から何かが迫り上がってくる。刺激されて、それが止める暇もなく溢れて彼のお腹に向けて噴出されてしまった。ポタポタ床に溢れた雫の音で血の気が引いて行く。

「や、や…」
「ふふ…そんなに気に入りましたか?かわいいですね、我慢できなかったですか?」
「ごめんなさ…」
 
「もう一回くらい出して欲しいです。こんなに感じてくれるなんて、嬉しいですよ」

「や、やめ…や…っあ!!」


 ギシギシそのまま揺さぶられて、気が遠くなって行く。かわいい、かわいいと繰り返し囁かれて体も頭もすっかり溶けて、私は意識を手放した。 
 
 
  



 

 
 
 
 
 
 
 

 
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