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拘束されたままの体
しおりを挟む「は、はぁ…はぁ…」
「優さん…」
ヒクヒク痙攣しつつ、達したばかりの敏感な体につぅ、と指が這う。もう、触られるだけで勝手に体が脈打って振動して、繋がったままの孔から刺激が伝わってくる。
呼びかけに応じないわたしに微笑み、先生がキスを落として…また腰を動かしはじめた。
緩やかだった動きはどんどん激しくなり、あっという間に限界を越える。
自分の口からとろりと唾液が流れているのがわかっても、口が閉じてくれない。
「う…く…いやあっ!!無理、ほんとに…イ…ってるんれす!!や゙らぁ!!!」
「呂律が回らないのがこんなに可愛いなんて…もっと聞かせてください」
「やっ……――――っぁ゙!!」
息の荒い先生は、私の閉じたままの太ももを擦りながら膣の中の浅い部分を擦り上げる。
奥に入れてくれなくてもどかしい。アナルプラグがいつもより強い刺激をくれるけど、そこじゃなくて…。
「優さん。どこ?どこがいいですか?」
「……っ――っ!!」
「聞こえないですよ…お仕置きだからいいんですけど。物足りないでしょう?」
先生の意地悪が甘く体に広がる快感をさらに強くする。焦らされ続けて、体が悲鳴を上げてる。
気持ちいいのに、足りない。とっくの昔におかしくなってしまったわたしは、ただそれを求めて腰を動かす。
手も足も動かないから、ここを動かすしかない。
「――――っあ゙ぁっ!!」
一瞬奥を掠めた陰茎の先端…。雷が落ちた瞬間のようにわずかな触れ合いが、強烈な刺激を生んでわたしを何度もイかせてる。
もっと、もっと欲しい。苦しくて、切なくて、涙がボロボロ溢れた。
「せんせ…おく…ぅっ…ひっく…」
「うん…そろそろ、限界かな…。優さん。どこがいいの?可愛がってあげますから…教えて」
「…う…んっ」
先生の優しいキスが落ちて、わたしは瞳を閉じる。ゆるゆる引き抜かれる肉棒は、この後奥に突き立てられる。
腰が勝手に追いかけてしまうからそれを押さえつけた先生は眉を顰め、熱い吐息を吐いた。
「おく、下さい…足りないの、奥にいっぱい…ぐちゃぐちゃにして…」
「壊して、いいですか」
「……あ…」
「優さん」
切ない表情の先生に迷わず頷きを返し、体の力を抜いた。腰を力強く掴まれて、体全体の震えがどんどん酷くなる。
怖い、でも、壊して欲しい。めちゃくちゃにされたい。
先生の瞳の奥にそう強請り、満足に微笑んだ先生は思いっきり腰を打ちつけた。
「ゃああぁっ!!ひいぃ!!」
「ん…すごい…」
「ひぎっ!!!い゙ぁ、あああぁっ!!」
鎖の揺れる音が大きくなる。激しく肌がぶつかり合い、わたしの中から液体がとめどなく吹き出してる。
頭の中はずっと気持ちいい、としか言葉を浮かべてこない。
何度も何度も打ち込まれて、アナルプラグが気持ちいいところばかりを教えてくる。先生にそこばかり突かれて広がる強烈な快楽が…わたしの何もかもを溶かして、侵していく。
「ひゅご…あっあっ…あがっ」
「はあっ…ぐっ…そんなに絞めないで…キツ……」
「わかんな…わかんない…気持ちいい、きもちいいの゙ぉっ!」
わたし、こんなの知らない。どこまで気持ちよくなるの?わかんない…わかんない。
「あ゙っん…あ゙ん゙っ…い゙いんっ…うっぐ!!うううぅー…も゙っと!も゙っ゙とお゙く…」
「すごい声だ…ゾクゾクします…」
「らして…おぐにくらさい!いっぱい、いっぱい……」
かわいい、かわいいと呟きながら先生はわたしを揺さぶる。
筋肉によって統制された体が打ち出す衝撃がここまで激しかったことはなかった。視界も、頭も蕩けて口が勝手に喋ってる。
「しぇん…しぇ…すき…」
「は…えっ?」
「ああ…くらさい…すき…せん…うっん゙っ」
「…………」
無言になった先生は、わたしが気絶しても肉茎を穿ち続けて、何もかもをわたしの頭の中から消していく。
自分が何をしてるのか、何を喋ってるのかわかんない。何も、何も…。
「だし、ます…」
「くらさい…せーし…すき…せんせ…」
「くっ…うぐ…」
先生の呻き声と共に、わたしは全部が解けて液体になってしまったような心地になる。きぜつ、したら、ダメなのに。
「いいんですよ、優さん」
「…………?」
「うん、眠ってください。大丈夫ですから…僕の優さん。愛してます……」
━━━━━━
「う…頭痛い…」
「優さん…頭が痛い!?大丈夫ですか?」
わたしは瞼を開けようとして、それを諦めた。ぐわんぐわんとめまいの中で大きな音がして、どこにも力が入らない。
「痛いです…だめです、大丈夫じゃないです…」
「…血圧かな…少し待ってください」
多分、私は今ベッドの上にいる。寝室の匂いだし、頭の下にはふわふわの枕があるし。頭が割れそうに痛いけど。
足首が持ち上げられ、その下に柔らかい何かが支えとして置かれる。足先が持ち上げられた姿勢になって、少しだけ楽になった。
先生が部屋を出入りする音がしてる。ちょっとだけ、早足だ。
頭の上に冷たいタオル、その上に氷の入った袋が置かれたみたい。目が開けられないから、勘だけど。
頭の下にはアイスノンらしきものが敷かれ、私の髪をそうっと右側に流してまとめてくれる。
先生の冷たくなった手が首に触れて、顔の近くで私を伺っている気配がする。
「すみません。無理しすぎました」
「セックスで頭、痛くなるんですか」
「興奮し過ぎ、イき過ぎたんでしょう。……優さん、自分が何を言ったか覚えてますか?」
「………………わかりません。と言うか、意識ありましたか?」
「なるほど…いえ、気絶と覚醒を繰り返してましたからね…負荷をかけ過ぎたと言うことでしょう…」
ふう、とため息が落ちて、先生が私の頬に唇で触れる。手のひらが離れて、また冷えた手が首を包む。
「先生、手を冷やしてるんですか…?」
「はい。これが一番伝わりやすいので。頭痛は?」
無理やり目をこじ開けて、目前にいる先生と目が合う。心配、してくれてる。
「痛くないです」
「嘘です。まだ痛そうな顔をしてますよ。そう言う嘘は禁止します」
「えぇ…どうしてわかるんですか…」
もう一度離れ、冷たくなった先生の手のひらを迎えて私の胸がキュウっと音を立てる。
そんなことしたら、手が冷たくなっちゃうのに。
「あなたを何年見てきたか知ってますよね。僕は、あなたのわずかな動きで全部わかりますよ」
「そう……ですか……」
冷やされ続けて、冷たいはずの顔はかっかと熱い。私の心は先生の気持ちで満ちて満タンになる。
しあわせ。すき。ずっとずっとそばにいたい。
音を出さずに『すき』と口を動かしてみた。それは、音に出して伝えたことがないのに……なぜか慣れた感じがした。
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