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甘やかな夕暮れ

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「ん、んっ…も、だめ…」
「もう一回だけ…」

 背後から繋がったまま、先生が腰を押し付けて再び始まりの熱を染み込ませる。
 朝と言っても過言ではない時間から始まった行為は、もう何回目なのかわからない。窓から覗く光はオレンジ色の夕焼けに変わっていた。


「あっ…もう、や…うぁっ!」
「……っ、…は…優さん…」


 体の自由はとっくの昔に無くして、手の先まで動かない。何度も気絶して、起きてを繰り返しているけど私の膣には先生の熱が挿入されたままだった。
 ……沢山…中に出してる。お腹の中がタポタポ言っているような気さえしてくる。

 繋がったそこから溢れる雫は私のものなのか、先生のものなのか…もう区別はつかなかった。

 ゆっくりと腰を打ちつけられて、中を擦られて甘い熱が冷めない。何時間もずっとわたしは気持ちいいままで、甘いシロップの中を漂っているような…快楽の中に閉じ込められていた。


 
「は、はあっ…ん…も、イけない…むり、む…んあっ!」

 奥に押し付けられ、上壁を擦って抉られる。先生の腰つきはすごくエッチで、気持ちいいところばかりを刺激してくる。

「……すみません。止まれないんです」
「はぁっ、ん…んっ…」


 先生はスタミナがありすぎる。わたしはもう動けません…。震えたままの私の腰を引き寄せて中に入った塊をゴリゴリ押し付け、抜けそうなギリギリまで引き抜く。そしてそれを繰り返す速度を早めた。

 起きてるのか寝てるのかもわからない。ただ気持ちよくて、ずっと擦られているところが熱い。
 
 目を瞑ると、わたしの口の中で跳ねて熱い液体を吐き出した陰茎の姿が思い浮かぶ。ずるり、と喉から抜き出して、とろとろの唾液に包まれて…血管が浮き上がった凶悪な姿。あれがずっと、私の中に刺されてる…。
 ゾクゾク渡ってくる快感は足されすぎて飽和状態だけど、際限なくそれをもたらされて息さえまともに出来ない。

「好きです…愛してる…優さん」
 
 先生が私を好きだって、今日は何回囁いただろう。溺れそうなほどの愛の囁きは、毒だとしたらとっくに致死量を超えている気がした。



 
「あっん…あっ、あ…」
「ん、も…少し」

 ガクガク揺さぶられて、私の中にもきゅうっと新しい快楽の波が起こる。先生がイきそう…私の体で気持ちよくなって、達しようとしてる。

「先生…せんせ…きもち…?」
「気持ちいいです…何もかもが。あなたの中で溶けそうだ」
「んっ…ん…うぁ…っあ゙!!」

 ぐぽぐぽと音を立てて抽送される太い肉塊が硬さを増し、私の中を擦り上げる。あんなに沢山イったのに…もう無理だと思ったのに、またイっちゃう。込み上げてくる感覚に耐えきれず、私の体が逃げようともがく。

 
「優さん…行かないで。離したくない」
「む、り…イっちゃ…おかしくなっちゃう…も、むりです…できない…っ」

「できますよ。優しくしますから…ね。いい子…」
「ん゙っ…ん゙っ!!」

 

 体の内側で、肉棒が叩きつけられる重たい音がする。吐き出す吐息が激しくなって、私の体は勝手に熱を上げる。
 宥めるようにして囁く先生は私をがっちり拘束し、体重をかけて背中から押し潰してくる。わたしは受け止めるしかない。
 欲しい…先生のが。中に欲しい…。

「っあ゙!!もぉ…だして……」
「はぁっ…はぁ…どこに?…どこに欲しいですか?」

「……っ…な、か……」


 
 シーツを掴んだ両手に大きな手が重なってくる。涙で滲んだ視界の中で、掴まれた親指が動く。
 撫でられているその動きが愛おしくて、知らないうちに私は限界を超えていた。

「…っ、――っ!!!」

 奥に叩き込まれた陰茎を締め付け、私の背中がそり返る。先生がわずかに唸って中に迸りを吐く。
 何回も出してるのに…とくとく注がれる熱は、脈動する芯からたくさん出ているような気がした。


 
「は…は…はぁ…う?んぁっ…」

 吐き出し終えた先生は繋がったまま私を器用にひっくり返す。少し離れた距離をしっかり埋めて、顔にたくさんキスを落としてくる。

「気絶しませんでしたね…」
「途中…して、ました…たぶん」
「ん…かわいい、優さん。我慢してくれたんですね、かわいい…かわいいです」

 涙の後はキスの雨になるみたい。
 ぼうっとしたままそれを受け止め、何百回と聞いた言葉がキスと共に落ちるのを受け止めた。

 ━━━━━━


「優さん、お水まだ飲みます?」
「…………」
「大丈夫かな…頬がまだ赤いですね」
「…………」
「ぼーっとしてるのもかわいいな…」

 
 気づかないうちに眠って、目を覚ましたら珍しくパジャマを着ていない。二人とも裸のままでお布団の中。
 全身がサッパリしているところを見るとお風呂に入れてくれたみたいだし、お布団のシーツも変えてくれて、さらさらしている。

 お水を飲ませたり、私に薬用リップを塗ったり、ほてった体にクリームを塗ってくれたりと先生は忙しい。


 
 というか、先生はどれだけ体力があるんですか?私は声を出すのすら億劫なのに。

「痛いところは?あります?」
「…………」
「返事が辛いなら瞬きしてください。あるならパチパチと。なければ一回で」
「…………」
「ないですか、よかった」


 腰に湿布を貼って、先生は私を抱き上げる。向き合う形でぎゅうっと抱きしめられた。

 

「……とけ、そう…なの」
「…僕もですよ」

 先生のあったかい胸の上で目を閉じて、心臓の音を聞く。もう、眠たくはないけど…ずっとこうしていたい。
 先生は、少しでも安心できたかな。わたしがあんまりな事を言って、疲れた顔をしてたけど…さっきはニコニコしてたし。
 
 もう、大丈夫だよね。


「優さん、あなたをくださってありがとう。すごく嬉しいです」
「……あんなに、たくさん…赤ちゃんできちゃう…」

「……できないと思います。勝手にすみません。対策はしてますから」
「そう…ですか」
 
「あなたがいいと言ったらそうします。一週間くらい南の島にでも行って、あなたを鎖で繋いで、逃げられないようにして。…ずっとずっと子作りしましょう。ご飯もおトイレもお風呂も全部、僕がお世話しますからね」
 
「んふ…はい」

 
 相変わらず過激な思考を持ってるみたい。先生の胸に耳を当てて、心臓の音を聞く。

 やっぱり、対策してたんだ。先生の事だからそうだとは思ってたけど。
 ……残念だなぁ、私、先生の赤ちゃんが出来ても良かったのに。



 先生がくれる『好き』も『愛してる』も本当のところはまだ信じていない。だって、私は愛されるような資格も見た目も、役に立つ何かも持っていない。
 そして、何度も振られた過去がある以上私が飽きられる可能性がある。

 いつか突然捨てられてしまう日が来たら、その予兆を感じたら…欲しいって言おう。先生の赤ちゃんをもらって、一人で育てられるなら幸せな気持ちで生きていける気がする。

 自分の薄いお腹を撫でて、中に沢山注がれた液体に話しかける。
 ……ごめんね、勝手な女で。サイテーだよね。



 早く、お仕事がしたい。せめて先生に何かを残して、私もお金を貯めなくちゃ。
 子供を育てるのはお金がかかるし、私自身が普通のお仕事に戻るのにも苦労するだろう。


 こんなに甘やかされて、毎日気持ちいいことだけして、温かいお布団とお風呂と、美味しいご飯が与えられてしまってる。
 
 胸が、痛くて…苦しい。最低な人間だと自覚していても、先生に愛された日を私はもう忘れることなど出来ない。
 
 そう、強く思った。
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