【完結】ストーカーに拾われて、心も体も満たされる──『ラブトイ』動画配信で下剋上を果たします!

只深

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あなたがいないと…

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画面の中のユウちゃんはソファーでぐったりしてる。さっきから声を聞いている限り、イきっぱなしだ。


 
 659321:6回目ですぞ!

 659322:はぁ、マジで天使…。

 659323:てかお尻でも感じ始めてるよなこれ。才能ありすぎて…ふぅ。

 659324:でもいつもの声じゃねーだろ?どうしたのかな、調子悪いとか?


 お尻をカメラにむけたままのユウちゃんは、床にまで愛液を滴らせてガタガタ震えている。確かにいつもの声じゃないな。

 

『はぁ…はぁ…んぁ…も、やだっ。一人じゃ出来ない…』

 
 869321:ユウたん…俺が手伝ってあげたい!

 869322:ここは俺が

 869323:いやいや俺が…じゃねーし。投げ銭で応援するしかないだろ。みんな有金叩き込め!


 うむ、俺もそうしよう。投げ銭に有金全部を打ち込み、ポチッと決定を押す。
 今月はこんにゃくで生きていこう、そうしよう。
赤文字投げ銭の表示がコメント欄にしばらく続く。ものすごい金額ばかりだ…。みんな、ユウちゃんを待ってたんだな。


  
 今日の収入が少しでもユウちゃんの物になるといいんだけど。
元彼はユウちゃんにお金を渡してるとは思えなかった。下着はいつもヨレヨレだったし、今回みたいにエッチな衣装を着ていたこともなかったし。

 今回の彼氏は…大丈夫だと思いたい。


 
『あっ!あ…イっ…ううーー。
 無理、無理です…先生がいないと…ぐすっ…ひっく…』


 ユウちゃんがついに泣き出してしまった。ローターのスイッチを切ろうと手探りで探しているが、動くたびにイッてるのか、うまく行かない様子だ。


『せんせ…早く帰ってきて…せんせぇ…』


 
 996325:もらい泣きなう。

 996326:今彼にはちゃんと愛されてんのか…良かったと思う反面、この時間の不在に腹が立つワイであった

 996327:彼氏まだ帰らんの?

 996328:なっ!?な、何の音??

 996329:強盗じゃないよな?…お?こっち来たぞ!


 イヤホンから聞こえてくるのはすすり泣きの声と、ドカン!バタン!というでかい音。
 
 彼氏が帰ってきたりして?

 俺の予想が的中して、『バターン!』とドアが開く音が聞こえた。


 
「優さん!」
「せん…せ?」
「ああ…何故泣いているんですか?」
「せんせ…先生、おかえりなさい…帰ってきてくれたんですか?」

 
 ユウちゃんが一生懸命手を伸ばし、それを迷わず握るスーツ姿の男が映った。彼はジャケットを脱いで、彼女の体に巻き付ける。
 わぁ…紳士じゃんか…。

「優さん、一旦部屋から出ましょう」
「スーツ、汚れちゃう…っん」
「そんなことはいいですから…立てませんか?」
「無理です…あっ、う…ん゙っ」

 

 抱き寄せられたユウちゃんがあの声を出し始めた。男にしがみつき、リップ音が響く。…き、キスしてる??


「わたし、一人じゃダメでした…。上手くできな…っ」
「……優さん…」

 彼氏はユウちゃんをそっとソファーに戻して、自分の体で完全にユウちゃんを隠す。
彼氏が撮影させてたわけじゃないのかな。さっきもそんな感じだったもんな。うーん? 
 コメントはブーイングの嵐と、彼氏がまともで良かったと言う二つに分かれてまたもやものすごい勢いで流れ出した。


「触って…ください。お願い、ちゃんとイかせて下さい」
「わかりました。あなたの声は聞かせたくないですが…おねだりされては断れませんね」
「…?聞かせ…ん゙っ…んん…」


 
 男の背中しか映ってないけど、察するにユウちゃんは今キスされて、ちゃんと気持ちよくなるように彼氏が触ってるんだと思う。
 
 見えないのもちょっとイイな。コメント欄はぴたりと動きを止めた。忙しい奴らだ。
びしょびしょになったユウちゃんの…アレを触っているだろう水音が聞こえてきたからだろう。
 クチュクチュと音が響いて、嬌声の混じった吐息がどんどん荒くなる。
 
 暫くして、わずかに漏れる声が彼女が達した事を知らせる。彼女はは気絶してしまったようだ。


 静かになった画面の中、抜かれたばかりのローターを投げ捨て、乱歩な歩調でカメラに近づいた男が接続を切った。
 
 再び動き出したコメント欄は、もう何が買いてあるのか全く読めなくなった。流石に書き込みが多すぎる…。



 
 それにしてもあのスーツ、どこかで見た事あるような。腕時計とかもなかなかいい物だったな。ユウちゃんは素敵な彼氏をゲットできたんだなぁ…。


 彼女の掴んだ幸せにしみじみしつつ、サイトを閉じた。そこで自分のスマホ宛に大量のメッセージが届いているのに気づいた。 
 
 慌てて開くと…えっ、全部社長…?

『スマホの設定に関わった人員の報告はまだか。洗い出すまで帰れると思うな。三分だけ待ってやる』
「ヒェッ!?」


 社長のメッセージを見て背筋が寒くなった俺は、パソコンを叩いて人事部のソフトを立ち上げた。
 
 
 
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