上 下
12 / 79

羞恥プレイ

しおりを挟む

「画角がイマイチわからないですね」
「あの、もう少し下向きです」
「ふむ…?」


 撮影部屋の中、私はふわふわのバスローブに包まれてソファーに座っている。昼間、動画を撮ってびしょびしょになったソファーはしっかりお掃除したけど…なんだか恥ずかしい。

「まぁ、いいです。今回はお試しですから」
「はひ…」


 
 お揃いのバスローブ姿で隣に座ってきた先生。
 三脚にセットされたのは私のスマホ。レンズが三つ、私を見つめている。


「ドキドキしてます?」
「それは、その…はい。ひゃっ!?」

 肩に手を回して、首筋を撫でられる。飛び上がるほどびっくりして、過敏な反応に先生がおどろいた。

 
「なるほど、さっきの推測はあながち間違いではなさそうだ。今日の動画、一緒にみませんか」
「えっ!?」
 
「どこが素敵だったのか解説してあげますから」
「羞恥プレイのご趣味もおありですか?」
「ハイ。あなたが気持ちよくなるなら何でもやりましょう」
「……うぅ」


 
 顔を寄せ合って先生が動画を再生する。…なんだかモタモタしてますね。
 ようやくおもちゃを取り出したけど…使い方に悩んでいる。


「こういうの、イライラしません?」
「しませんよ。可愛いです。使い方に悩んでいる時の顔が見たかった」
「ソウデスカ」


 画面の中の私はワンピースの裾を捲って、えっちな下着が姿を現した。真っ赤な色のそれは布の面積が少なくて、相変わらず隠すべき場所が丸出し。
昨日の下着と違うところはパールがついた一本の紐が何故か真ん中に通っているところだった。


「下着の使い方は知ってましたか?」
「いえ、あの…使い方????」
「なるほど偶然か…最高ですね。ああ、このワンピースの裾を咥えてるの凄くいいです。」
 
「…手を使うからそうなりました。せっかく用意してくれたワンピースを脱ぐのも、なんか違う気がして…」

「大変素晴らしいですね。ふふ…」


 ワンピースの裾が邪魔で、口に咥えるしかなかった。それを褒められるとは思いもしなかったけど。

 

「クリトリスをいじっている時にパールががずれて、尿道を刺激してるでしょう?これは本来クリトリスを刺激するものなんですが、こういう使い方もいいですよね」
「…うー…」


 
 指先で自分の中が濡れるように敏感な部分だけ触って、クリトリスを弄るのに夢中になっていたら下着のパール部分が真ん中にずれて、尿道口にぐりぐり当たってパニックになったことを思い出す。
 画面の中の私は頬が赤く染まり、鎖骨から上が赤くなっていく。

 
「イキそうですね」
「こ、こんなに赤くなるんですか?」
「そうですよ。だからすぐにわかります。肌が白い方はそうなりやすい。あなたは特に顔や声や、肌にあらわれやすいんです。可愛いでしょう?」
 
「自分に対して可愛いって言える神経が欲しいです…」


 何度か体が律動して、ソファーにぐったり倒れ込んだ私は手を震わせながらおもちゃを手に取る。
 …この先は記憶が曖昧だ…。

 

「あぁ…可愛い…びっくりしてますよ。吸引系のおもちゃは初めてですか?」
「……ハイ」
 
「ボタンの操作が分からずにマックスのまま押し当てたからハズレなくて、そのまま何度も達してます。中のバイブが動いていないのが惜しいですが」
「スミマセン」

 
 吸引系のおもちゃが人気な理由はわかった。クリトリスを吸われるだけでそんなに気持ちいいの?と舐めていた自分を引っ叩きたい。
 
 訳もわからず中に入れて、位置が分からず探っているうちにスイッチが入り、急に吸われて悶絶している。

 先生が『聞きたい』と言った可愛くない声をあげながら。
 他人だと思ってみてみると、確かにこういうのは…演技では出せない声かもしれない。彼氏とセックスしていた時に出していた声ではないと思う。

 

「この辺りで気絶してますよ。覚えてます?」
「それを入れてからの記憶が飛び飛びです」
「はー、そうですか。気持ちよかったんですねぇ。この気絶しながらもビクビクしてるの最高ですね。口から涎が垂れて…はー…」
 
「………………」


 
 とんでもない羞恥プレイだ。解説までされて、一緒に自慰動画を眺めてるとか。

「優さん、動画を撮ってくださってありがとうございます。家宝にします」
「しないでください」
 
「できれば毎日欲しいですが、仕事に行った時だけにしましょうか」
「…ハイ」
「僕がいるときは一緒に使いましょう」
「結局するんじゃないですか!」


「そりゃ、しますよ。さて、使っていたおもちゃはこれですね。僕のアレを迎えられるように準備してくださったと解釈しても?」
「………………ハイ」
 
「嬉しくて死にそうですが、あなたの中に入るサイズはもう二つ上のサイズです」
「…せ、先生のはもっと大きかったです」
 
「人間の陰茎は筋肉ですから、本来サイズはあまり関係ないですよ。おもちゃは金属をシリコンで包んでますので、慎重にサイズを選ばないと。
 動画で使っていたサイズではGスポットを外しています。角度も違ってましたし」
「そうなんですか…?」

 

 二つ同じおもちゃを並べて、使用済みの方がクイっと角度をつけられる。
 もう一つ、それよりもやや急なカーブを描いた大きめのおもちゃが差し出された。これが正しい角度…。

  

「挿れる時に痛みを伴わないギリギリのところなので若干ずれますが、そこは僕がサポートすればいいんです。…使い方の説明書ってないんですね、これ」
「そうなんですよね…使い方がイマイチ分からないのは問題です」

「使っていくうちに試行錯誤するのも楽しみかもしれませんが…今日の録画はあなたのスマホにも入れておきますよ。
 使い方をじっくり教えてあげましょう」
「……………………うぅ」


 差し出されたおもちゃを眺め、不敵に微笑む先生。私は覚悟を決めて体の力を抜いた。
 

 
 

 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?

すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。 「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」 家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。 「私は母親じゃない・・・!」 そう言って家を飛び出した。 夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。 「何があった?送ってく。」 それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。 「俺と・・・結婚してほしい。」 「!?」 突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。 かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。 そんな彼に、私は想いを返したい。 「俺に・・・全てを見せて。」 苦手意識の強かった『営み』。 彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。 「いあぁぁぁっ・・!!」 「感じやすいんだな・・・。」 ※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。 ※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。 それではお楽しみください。すずなり。

イケメン彼氏は警察官!甘い夜に私の体は溶けていく。

すずなり。
恋愛
人数合わせで参加した合コン。 そこで私は一人の男の人と出会う。 「俺には分かる。キミはきっと俺を好きになる。」 そんな言葉をかけてきた彼。 でも私には秘密があった。 「キミ・・・目が・・?」 「気持ち悪いでしょ?ごめんなさい・・・。」 ちゃんと私のことを伝えたのに、彼は食い下がる。 「お願いだから俺を好きになって・・・。」 その言葉を聞いてお付き合いが始まる。 「やぁぁっ・・!」 「どこが『や』なんだよ・・・こんなに蜜を溢れさせて・・・。」 激しくなっていく夜の生活。 私の身はもつの!? ※お話の内容は全て想像のものです。現実世界とはなんら関係ありません。 ※表現不足は重々承知しております。まだまだ勉強してまいりますので温かい目で見ていただけたら幸いです。 ※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 では、お楽しみください。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

明智さんちの旦那さんたちR

明智 颯茄
恋愛
 あの小高い丘の上に建つ大きなお屋敷には、一風変わった夫婦が住んでいる。それは、妻一人に夫十人のいわゆる逆ハーレム婚だ。  奥さんは何かと大変かと思いきやそうではないらしい。旦那さんたちは全員神がかりな美しさを持つイケメンで、奥さんはニヤケ放題らしい。  ほのぼのとしながらも、複数婚が巻き起こすおかしな日常が満載。  *BL描写あり  毎週月曜日と隔週の日曜日お休みします。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

秘事

詩織
恋愛
妻が何か隠し事をしている感じがし、調べるようになった。 そしてその結果は...

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

処理中です...