ヤンデレ弟の姉に転生してしまいましたR18

るーろ

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初めてのパーティー

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「お嬢様パーティードレスがおぼっちゃまより届きました。」

「わぁ~素敵!!流石だわ。」

濃いブルーのグラデーションになったドレスで裾にはダイヤがいくつも散りばめられていた。
まるで夜空をそのまま切り取ったような綺麗で繊細なドレスだ。

アクセサリーもどれも素敵だった。





コンコンコン

「はーい!」

「僕だよ、入るね」

「いつも、勝手に入ってくるくせに。
どうかな...似合う?」

「やばい、凄い綺麗だよ...。」

ん?いつもより、おとなしいわね。
って、見惚れてもらわないとここまで念入りにお手入れしたのなんて初めてよ。
パーティーってやっぱり面倒ね...。


カイエンにエスコートされパーティー会場へとはいると一瞬で注目の的だった。
カイエンが注目されるのは分かるけどやっぱり私もよね。

まず、この容姿。
今まで社交界に出てこなかったから私の顔はほとんど知らない。


「帝国の父、エレキウス・レイド・アレクス様にご挨拶申し上げます。」

「堅苦しい挨拶は良い良い、なぁ皇后よ!」

「えぇ、気にしなくて結構だわ。」

「今後も、期待しておるぞカイエンよ!...ところで隣にいるのは..」

「ご挨拶が遅れて申し訳ございません。ミア・アームベルクと申します。」

「ほぉ、そなたが!そうか、宴は初めてか?」

「はい、陛下。」

「なら、思う存分楽しむが良い!」

「お気遣い感謝いたします。」





「お嬢様、申し訳ございません。少しここで待っていただけますか?挨拶に行かなかればならないのです。」

「構わないわよ、気にしないで行っておいで!」

「何かあったらすぐ僕を呼んでくださいね!」



さっきから、チラチラとみんなに見られて鬱陶しいわね...。
はぁ、履き慣れない靴は履くもんじゃないわ。

少し風邪にあたりに行こう。
ワインの入ったグラスを持ちテラスへと移動した。
しばらく夜風に当たっていると

「ご一緒しても?」

誰だろう?

「えーっと、、、」

「ああ、失礼。オスカー・レイド・アレクスと申します。」

おすかーれいどあれく...ん!?
皇帝陛下と同じ姓!?
オスカーって第二皇子じゃない!!?


「も、申し訳ございません!」

慌てて頭を下げ謝罪した。
小説にはちょっとしか載ってなかってから全然誰か分からなかったわ。

「頭を上げてくれ、気にしてないさ。そう言えば、君の弟は兄直属の騎士団長を努めることになったよ。まだ、16だろ?凄いな。」

「えぇ、本当に凄いです。自慢の家族ですわ。」

あれから類稀なる努力を重ね小説では17歳で騎士団長になる予定だったのに1年も早くなるだなんて。
こうして、オスカー様にも認めてもらえるだなんて姉としてすごく嬉しい。

「兄上も結婚が決まったしな。」

「オリビアが帝国の次期母となるのはとても喜ばしいことですわ。大好きな親友ですもの!」

オリビアと第一皇子は半年前に盛大に結婚式を挙げた。
とても素敵で2人とも愛し合ってる姿が今でも目に浮かぶ。
カイエンも、笑顔で見送っていたし。

それからずっとたわいもない話で盛り上がっていた。




**

姉さんどこに行ったんだろう?

令嬢達から声かけ続けられ愛想笑いだけで大変だった。
はぁ。めんどくさい。

なんだ?騒がしいな...
視線を送ると第一皇子とオリビアが歩いてきた。

またあの女か...はやくお姉様のところに行きたいのに。
いっそ冷たくあしらえばいいのか?


「あら、カイエン久しぶりですね。」

カイエンに群がってた令嬢達は2人の姿を見て後ろにササッと下がり始めた。


「おお!カイエンじゃないか!!」

ガシッと肩を組み抱き寄せるのは第一皇子ローガン様だ。
色黒でガタイのいいこの男と剣術でやり合ってもまだ勝てない。

「痛いです...離していだけませんか...。」

「なんだ、なんだカイエンよ!まだまだガリガリじゃねーか!!もっと食え!」

なんでこんな暑苦しい男が聖女なんかと結婚できたのか不思議だ。
いや、オリビアの方の趣味を疑うぞ。

「そう言えばカイエン、ミアはどこかしら?」

ローガンの腕を跳ね除けあたりを見渡す。
フロアにはいないという事はテラスか?



聖女と一緒に探していると月明かりに照らされキラキラと輝くお姉様の姿が目に映った。
まるで、月の女神のようだ。

その隣に映る、男の姿に苛立ちを覚える。
オスカー...なぜこの男がここにいる。
お姉様の隣は僕だけなのに!!

なにかしたら、絶対殺し...

「カイエン?」

「っ...!」

「そんなに強く手を握っては血が出てしまいますよ?」

「あ、あぁお姉様はそこにいるよ。」




僕たちに気がついたのか、お姉様は手を振り近寄ってきた。



「2人ともー!!こっち来て4人で飲みましょう!」


人の気も知らないで、まったく。






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