154 / 238
第147話:強さの理由
しおりを挟む
1562年、5月河内国教興寺。
三好と畠山による畿内の覇権をかけた合戦があった。
教興寺の戦いである。
「ウルァァァ!!」
清興は畠山家の傘下として奮闘していた。このとき数えで22歳。
次々と三好の兵を吹き飛ばすかのように薙ぎ倒し血路を開いていた。
畠山についた大和国人衆は敗色濃厚であった。
大和国人衆を指揮していたのは筒井順政。筒井順慶の叔父であり幼少期の順慶を支えていた。
なんという男じゃ・・・あれが椿井城城主島清興か・・・
そこに押し寄せてくる三好軍の騎馬隊。
「兄上!!何をしておる。くそォ!!」
槍を構えて単騎で突撃していく慈明寺順国。
くッ・・・数が多い・・・
奮闘むなしく次々と群がってくる三好の騎馬隊の前に討ち取られる寸前の順国。
「グァァッ!?」「ギャアッ!?」
その眼前で吹き飛ばされていく三好の騎馬隊の兵たち。
まるで花火のように首が飛んでいく様は地獄絵図のようだった。
「ご無事か、慈明寺順国殿。」
血まみれの清興の姿に絶句する順国であった。
その後、畠山から筒井家に主を変えた清興は大和国人内で頭角を現しつつあった。
しかし古くからの筒井家家臣団にはそれを快く思わぬ者も多かったのである。
1564年の松永久秀の大和国内での攻勢により追いやられた筒井順政は堺に逃れていた。
清興もその再起の時を共に歩むために堺に滞在していた。
4月29日、それは運命の日であった。
病の床に臥していた筒井順政の屋敷に襲いかかる刺客たち。
「くそがァァァ!!」
清興は押し寄せる刺客たちを一人で斬り伏せていた。
しかし他の護衛の者たちは全員討ち取られており、多勢に無勢の状況の中でいつの間にか刺客たちに囲まれていた。
「も・・・もう良いぞ・・・清興。」
屋敷の奥から順政が姿を現した。
そして刺客たちに向かって言い放つ。
「ワシの首が欲しいのか?」
そして屋敷に火を放つ。
「ワシは逃げも隠れもせん。だが三好にこの首は渡さん。」
再び奥へと消えていく順政を追いかける清興。
「生きろ。おぬしは筒井の中に収まる器ではない。生き延びて何かを成し遂げろ!!」
翌日、堺の町を背に歩いていく清興の姿があった。
「ワシもそう・・・興福寺門下の慈明寺に入った順国も・・・そして齢二つにして家を継がねばならなかった藤政(順慶)もそうじゃ。この乱世に自由に羽ばたいてみろ。必ずおぬしをわかってくれるであろう者が現れるはずだ。」
最期の順政の笑顔を思い出すと目には光るものがあった。
清興は審判を再び手で制する。
しかし、その身体から漂う何かに山中鹿介幸盛は踏み込めずにいた。
途切れがちな意識の中で清興は回想していた・・・
俺は一度は筒井家に戻るも順政の件で一部の家臣団と揉めたことが発端となり筒井家を出奔。
松永の配下であった高山友照に客将として請われた。
そしてあのとき・・・俺は山田大輔と出会った。
不思議な男だった。殺気など全く感じさせない佇まいが新鮮だった。
俺とは全く違う人間。先の時代からやって来たという境遇・・・普通なら信じられんだろうが、何故か信じられた。
そしてその日の夜に夢を見たのだ。
俺は天下分け目の戦で敗色濃厚の中で奮戦していた。
しかし、その俺の前に鉄砲隊の姿が・・・
死ぬ・・・覚悟をしたときに鉄砲隊の姿は消えていた。それどころか合戦さえ行われていない。
「なあ、清興。くだらない戦いなどやめてしまえ。私と共に行くぞ。どこまで往きつけるかはわからないがな!!」
その代わりに、そう言いながら手を差し伸べる山田大輔が立っていた。
ああ・・・俺はやはりどこかで腑抜けていたのかもしれねえな・・・
都で官位を得て、若狭国の守護代になった。
それで満足したのか、俺は?
まだ・・・まだ・・・成し遂げてはいないだろうが・・・
「戦のない世の中がいずれ来る、でも待っていても仕方ないだろう・・・じゃあ、いつするんだ?」
そんな殿の問いかけか・・・答えてやるよ・・・
「今だろうがァァァ!! ウおおォォォ!!」
清興は天を仰ぐと咆哮するかのように声を上げた。
「・・・なんだ・・・何が起こった・・・」
山中鹿介幸盛は木刀を構える。
「審判、木刀だ!!」
清興はタンボ槍を投げ捨てると木刀を手にした。
「さすが・・・清興だ。」
私はその姿に思わず拍手をした。そのまま会場が拍手喝采に包まれる。
「おお、帝も将軍も感動しているじゃねえか・・・島殿にやられたぜ・・・」
慶次は笑顔で五右衛門の肩をバシバシと叩く。
「さあ、島殿ォ!! ここからは本気で頼むぜ!!」
五右衛門のテンションも上がっていた。
馬鹿言え・・・全力でやられていたっつうの・・・
呆れ顔の清興だが、闘気が身体中から溢れ出ていた。
私は更にそんな清興の背中を押したかった。
「清興。勝って私と共にその先へ行くぞ!!」
「御意!! どこまでも殿についていくぜ!!」
私と清興のやり取りを見ていた山中鹿介幸盛は思わず笑みを浮かべていた。
ふッ・・・私が笑ってしまうか・・・いいものだな・・・
再び、両者は向かい合う。
「ゆくぞォ!!」
清興が刀を振りかざし飛びかかっていく。
その攻撃を早くも見切ったかのように受け流す幸盛。
強いが剣としては・・・
幸盛はその清興の攻撃の最中に必殺剣を振るう。
「もう一度喰らえ!! 月天衝覇斬!!」
「ウルァァァ!!」
なんだと・・・こんなことが・・・
幸盛は信じられなかった。目の前で必殺剣を防がれている。
「俺も防げなかったあれを・・・わずか二度目で見切るのか・・・」
義輝もため息交じり。尼子陣営は言葉を失っていた。
「お返しじゃァァ!!」
「むう!?」
「飛んじまいなァァァ!!」
そのまま恐ろしい力で幸盛の刀を押し返すと、清興はそのまま下段から刀を突き上げた。
「ぐはッ!!」
木刀を折られ着物を斬り裂かれた幸盛は吹っ飛ばされると地面に叩きつけられた。
身体がバラバラになったかのようだ・・・う・・・動けない・・・
「・・・」
しかし、清興もそのまま力尽きたかのように倒れ込む。
「勝負あり・・・この勝負引き分け!!」
審判が声を上げると再び拍手喝采が巻き起こった。
「鹿介殿が勝てぬ相手は初めてじゃ・・・信じられぬ。」
尼子家家臣秋上庵助は狼狽するばかり。
「だが、その戦いは帝や御所の方々に伝わったであろう。」
尼子勝久は満足げな顔で拍手をしていた。
「次はワシが行きますぞ!!」
立ち上がったのは霞丸。その正体は最上義光。
「ぐご・・・・」
清興は勝敗の結末も知らぬままに眠りについていた。
「さあ・・・私が行こうか・・・」
その戦いぶりに感銘を受けた私だったが、
「殿・・・ここは私が出ますぞ。」
遮るように義成が出てきた。そして五右衛門と慶次を睨みつける。
「義成。あの男、霞丸は強いぞ。本田平八郎殿と引き分けておる。」
傍らに控えていた焔の陣内が義成に声をかけた。
それを聞いた一馬と慎之介の顔色が変わる。
「それならばあの男を倒せば私は平八郎殿よりも上・・・賭けてみる、我が天命に!!」
義成はそう力強く言い放つと試合場へと向かって行った。
初戦の戦国史に残る強者同士、島左近清興と山中鹿介幸盛の激闘は引き分けに終わった。
次の戦いはどのような結末を迎えるのだろうか・・・
三好と畠山による畿内の覇権をかけた合戦があった。
教興寺の戦いである。
「ウルァァァ!!」
清興は畠山家の傘下として奮闘していた。このとき数えで22歳。
次々と三好の兵を吹き飛ばすかのように薙ぎ倒し血路を開いていた。
畠山についた大和国人衆は敗色濃厚であった。
大和国人衆を指揮していたのは筒井順政。筒井順慶の叔父であり幼少期の順慶を支えていた。
なんという男じゃ・・・あれが椿井城城主島清興か・・・
そこに押し寄せてくる三好軍の騎馬隊。
「兄上!!何をしておる。くそォ!!」
槍を構えて単騎で突撃していく慈明寺順国。
くッ・・・数が多い・・・
奮闘むなしく次々と群がってくる三好の騎馬隊の前に討ち取られる寸前の順国。
「グァァッ!?」「ギャアッ!?」
その眼前で吹き飛ばされていく三好の騎馬隊の兵たち。
まるで花火のように首が飛んでいく様は地獄絵図のようだった。
「ご無事か、慈明寺順国殿。」
血まみれの清興の姿に絶句する順国であった。
その後、畠山から筒井家に主を変えた清興は大和国人内で頭角を現しつつあった。
しかし古くからの筒井家家臣団にはそれを快く思わぬ者も多かったのである。
1564年の松永久秀の大和国内での攻勢により追いやられた筒井順政は堺に逃れていた。
清興もその再起の時を共に歩むために堺に滞在していた。
4月29日、それは運命の日であった。
病の床に臥していた筒井順政の屋敷に襲いかかる刺客たち。
「くそがァァァ!!」
清興は押し寄せる刺客たちを一人で斬り伏せていた。
しかし他の護衛の者たちは全員討ち取られており、多勢に無勢の状況の中でいつの間にか刺客たちに囲まれていた。
「も・・・もう良いぞ・・・清興。」
屋敷の奥から順政が姿を現した。
そして刺客たちに向かって言い放つ。
「ワシの首が欲しいのか?」
そして屋敷に火を放つ。
「ワシは逃げも隠れもせん。だが三好にこの首は渡さん。」
再び奥へと消えていく順政を追いかける清興。
「生きろ。おぬしは筒井の中に収まる器ではない。生き延びて何かを成し遂げろ!!」
翌日、堺の町を背に歩いていく清興の姿があった。
「ワシもそう・・・興福寺門下の慈明寺に入った順国も・・・そして齢二つにして家を継がねばならなかった藤政(順慶)もそうじゃ。この乱世に自由に羽ばたいてみろ。必ずおぬしをわかってくれるであろう者が現れるはずだ。」
最期の順政の笑顔を思い出すと目には光るものがあった。
清興は審判を再び手で制する。
しかし、その身体から漂う何かに山中鹿介幸盛は踏み込めずにいた。
途切れがちな意識の中で清興は回想していた・・・
俺は一度は筒井家に戻るも順政の件で一部の家臣団と揉めたことが発端となり筒井家を出奔。
松永の配下であった高山友照に客将として請われた。
そしてあのとき・・・俺は山田大輔と出会った。
不思議な男だった。殺気など全く感じさせない佇まいが新鮮だった。
俺とは全く違う人間。先の時代からやって来たという境遇・・・普通なら信じられんだろうが、何故か信じられた。
そしてその日の夜に夢を見たのだ。
俺は天下分け目の戦で敗色濃厚の中で奮戦していた。
しかし、その俺の前に鉄砲隊の姿が・・・
死ぬ・・・覚悟をしたときに鉄砲隊の姿は消えていた。それどころか合戦さえ行われていない。
「なあ、清興。くだらない戦いなどやめてしまえ。私と共に行くぞ。どこまで往きつけるかはわからないがな!!」
その代わりに、そう言いながら手を差し伸べる山田大輔が立っていた。
ああ・・・俺はやはりどこかで腑抜けていたのかもしれねえな・・・
都で官位を得て、若狭国の守護代になった。
それで満足したのか、俺は?
まだ・・・まだ・・・成し遂げてはいないだろうが・・・
「戦のない世の中がいずれ来る、でも待っていても仕方ないだろう・・・じゃあ、いつするんだ?」
そんな殿の問いかけか・・・答えてやるよ・・・
「今だろうがァァァ!! ウおおォォォ!!」
清興は天を仰ぐと咆哮するかのように声を上げた。
「・・・なんだ・・・何が起こった・・・」
山中鹿介幸盛は木刀を構える。
「審判、木刀だ!!」
清興はタンボ槍を投げ捨てると木刀を手にした。
「さすが・・・清興だ。」
私はその姿に思わず拍手をした。そのまま会場が拍手喝采に包まれる。
「おお、帝も将軍も感動しているじゃねえか・・・島殿にやられたぜ・・・」
慶次は笑顔で五右衛門の肩をバシバシと叩く。
「さあ、島殿ォ!! ここからは本気で頼むぜ!!」
五右衛門のテンションも上がっていた。
馬鹿言え・・・全力でやられていたっつうの・・・
呆れ顔の清興だが、闘気が身体中から溢れ出ていた。
私は更にそんな清興の背中を押したかった。
「清興。勝って私と共にその先へ行くぞ!!」
「御意!! どこまでも殿についていくぜ!!」
私と清興のやり取りを見ていた山中鹿介幸盛は思わず笑みを浮かべていた。
ふッ・・・私が笑ってしまうか・・・いいものだな・・・
再び、両者は向かい合う。
「ゆくぞォ!!」
清興が刀を振りかざし飛びかかっていく。
その攻撃を早くも見切ったかのように受け流す幸盛。
強いが剣としては・・・
幸盛はその清興の攻撃の最中に必殺剣を振るう。
「もう一度喰らえ!! 月天衝覇斬!!」
「ウルァァァ!!」
なんだと・・・こんなことが・・・
幸盛は信じられなかった。目の前で必殺剣を防がれている。
「俺も防げなかったあれを・・・わずか二度目で見切るのか・・・」
義輝もため息交じり。尼子陣営は言葉を失っていた。
「お返しじゃァァ!!」
「むう!?」
「飛んじまいなァァァ!!」
そのまま恐ろしい力で幸盛の刀を押し返すと、清興はそのまま下段から刀を突き上げた。
「ぐはッ!!」
木刀を折られ着物を斬り裂かれた幸盛は吹っ飛ばされると地面に叩きつけられた。
身体がバラバラになったかのようだ・・・う・・・動けない・・・
「・・・」
しかし、清興もそのまま力尽きたかのように倒れ込む。
「勝負あり・・・この勝負引き分け!!」
審判が声を上げると再び拍手喝采が巻き起こった。
「鹿介殿が勝てぬ相手は初めてじゃ・・・信じられぬ。」
尼子家家臣秋上庵助は狼狽するばかり。
「だが、その戦いは帝や御所の方々に伝わったであろう。」
尼子勝久は満足げな顔で拍手をしていた。
「次はワシが行きますぞ!!」
立ち上がったのは霞丸。その正体は最上義光。
「ぐご・・・・」
清興は勝敗の結末も知らぬままに眠りについていた。
「さあ・・・私が行こうか・・・」
その戦いぶりに感銘を受けた私だったが、
「殿・・・ここは私が出ますぞ。」
遮るように義成が出てきた。そして五右衛門と慶次を睨みつける。
「義成。あの男、霞丸は強いぞ。本田平八郎殿と引き分けておる。」
傍らに控えていた焔の陣内が義成に声をかけた。
それを聞いた一馬と慎之介の顔色が変わる。
「それならばあの男を倒せば私は平八郎殿よりも上・・・賭けてみる、我が天命に!!」
義成はそう力強く言い放つと試合場へと向かって行った。
初戦の戦国史に残る強者同士、島左近清興と山中鹿介幸盛の激闘は引き分けに終わった。
次の戦いはどのような結末を迎えるのだろうか・・・
0
お気に入りに追加
482
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる