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第73話:大和合戦(5)第2次木津城の戦い
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1567年6月15日、富雄川沿い。
対岸の丘陵地帯にずらりと並ぶ山田家の旗と無数の人影らしきもの。
三好家家臣池田勝正率いる四千の軍は動くに動けないまま対峙していた。
山田の兵はおよそ三千ほどと考えられる・・・
森の中にどれだけ潜んでおるのだ・・・
あの旗の数を考えると迂闊に近づけはどのような罠を仕掛けておるかわからん。
長弓寺から丘陵地帯の最高点に陣を移した本田正信。
三好軍をただ眺めている。
「なあ俊英?」
「はッ。」
鳥見俊英は正信の顔を見た。その表情から読み取れるものがある。
「時間の問題とも思われます。ずっと敵を欺き続けるのは不可能かと。」
「そうだな・・・。まあこの若君の作戦はあくまで『時間稼ぎ』であるわけだ。できる限り引きつけておかねばならぬ。」
そう・・・旗を数多く立てて兵の数を多く見せている。
丘陵地帯の森の中に見える人影の大半は案山子である。
岳人はこの展開を読んでおり、既に数か月前より案山子の準備をしていた。
いや、むしろ岳人の描いたシナリオ通りに運んでいる。
「ここはあくまで若君の描いた通りに事は運んでいる。ただ・・・この先はわからん。」
正信はつぶやくと天を仰いだ。
1567年6月13日、木津城。
「動かんな・・・。」
清興は対岸の岩成友通の軍勢を見つめていた。
「思うツボですね。」
計盛の言葉に
「岩成は良いが、あの三好長虎は厄介だな。」
清興は渡渉して木津城城下付近に陣取った三好長虎の陣に目を向ける。
城周辺の砦を慎重に攻略されていた。罠も看破された上である。
徐々に詰んでいくという感覚が籠城する側からすると恐怖でしかなかった。
しかし、三好長虎も同じであった。
「何故・・・渡渉してこぬのじゃ!!」
動かない岩成友通の軍に苛立ちを隠せなかった。
砦に仕掛けられた罠を次々と看破するも、その罠にかかったことを考えるとそれも恐怖であった。
次々に露呈される山田軍の罠が長虎の心に疑心暗鬼を生み出していた。
全てが罠に思えてしまいつつあるのだ。
そして、それは岩成友通に対しても芽生えていた。
あの男、我らを捨て駒にする気では・・・
漁夫の利か・・・。
成り上がり者め。
所詮は松永弾正と同じ穴の狢よ・・・。
その日の夜だった。
「敵襲でございます!!」
三好長虎の下に兵が駆け込んできた。
「そうか・・・。」
あらかじめ夜襲に対しては準備が整っていた。
そのはずだった。
しかしこの数日間ずっと夜襲を気にしており兵たちの疲労はピークに差し掛かっていたのだ。
しかもその夜襲は木津城からではなく・・・
「突撃だ!!」
歌姫の砦からの楠木正虎率いる五百の軍勢であった。
そしてその軍の先陣を切るのは平尾純忠である。
「狙うのは兵糧だ!!」
純忠は鉄鏈を自在に操り敵兵を次々と血祭りに上げていく。
その隙に山田忍軍の忍びたちが三好軍の陣内に突入。
あらかじめ調べておいた兵糧に火を放った。
「しまったッ・・・おのれェェ!!」
三好方の湯浅宗貞は山田忍軍の忍びたちに襲い掛かる。
そこに純忠がやってきた。
「私は山田家家臣平尾純忠。尋常に勝負!!」
「ワシは丹波国世木城城主湯浅宗貞じゃ!!」
しかし勝負は呆気なく終わった。
純忠の鉄鏈の一撃で宗貞は両肩をえぐられて絶命した。
ほぼ同時に木津城の門が開き、鷲家計盛と大宮景連率いる軍勢が攻めて出た。
「おのれ!!」
その様子を見た同じく三好方の塩見利勝は木津城からの山田軍に立ち向かう。
三好長虎は槍を振るい山田軍の兵を薙ぎ倒していた。
そこに現れたのは楠木正虎だった。
「楠木殿。まさかおぬしと戦うとは思わなかったぞ。」
三好長虎が槍を構える。
「長虎様・・・この戦に何の意味もないですぞ。」
正虎は槍を下げると長虎に言い放つ。
「・・・。」
「この戦は松永弾正久秀の私欲によるものですぞ。」
「・・・わかっておる。」
長虎も槍を下げた。
「では何故に長虎様がご出陣される?」
「父上はその松永の私欲をも利用するつもりだ。」
「なんと!!」
「この戦を利用して大和を制圧し、ついでに松永を滅ぼす。これで畿内はほぼ三好家の手中にはいるということだ。」
「長虎様はどのようにお考えになられる?」
「ワシか・・・ワシは天下など大それたことは考えられぬ。だがな三好家の男なのじゃァ!!」
長虎は槍を振りかざす。
「・・・いた仕方あるまい・・・三好長虎・・・覚悟ォ!!」
両者共に武勇に優れた武将であった。
互いの槍はためらうことなく急所を狙い、それをかわし続ける。
周囲の兵たちが思わず手を止めて息を飲んで見守る程の一騎打ち。
五十合も渡り合ったあと、その一方が落馬した・・・
「無念・・・。」
三好長虎は首を抑えながら血を吐いて倒れ伏した。
「ハァ・・・ハァ・・・」
確かに正虎の横殴りの一撃は長虎の首筋を捉えていた。
しかし、当てる寸前に力を緩めていたのだ。
「貴様・・・わざと・・・。」
「・・・三好長虎殿を捕らえよ!!」
苦々しい表情の長虎を山田軍の兵たちが捕縛した。
「おのれ・・・一旦退くぞォ!!」
塩見利勝の声と共に三好軍は西へと退却していった。
楠木正虎の夜襲は成功。見事に山田軍は勝利を収めたのだ。
「・・・凄い男だな・・・楠木正虎という男は。兵糧から狙い、動揺を誘って大将首だけを狙うという寸法か・・・」
木津城の本丸から戦況を見つめていた清興はつぶやいていた。
三好長虎の武勇は名高きもの。
しかし楠木正虎はあの楠木正成の末裔とはいうものの、松永弾正配下の一介の武将にすぎなかったはず。
あのような男が隠れていたとは・・・
木津川対岸の三好軍本陣。
「そうか・・・長虎が山田に捕まったとな・・・。」
岩成友通はニタリと笑みを浮かべていた。
これで邪魔者が一人いなくなった・・・。
同年6月18日、多聞山城。
純忠に連れられて三好長虎は大広間に現れた。
「お久しぶりですね・・・三好長虎殿。」
私は頭を下げる。
「山田大輔・・・想像以上の男だったとはな。ワハハハ!!」
長虎は縄で縛られているが、豪快に笑い声をあげる。
「純忠・・・縄を解きなさい。」
「えッ?」
「長虎殿の縄を解くの!!」
「何言ってんの?・・・って命令ですから仕方ない。」
私に言われて純忠は長虎の縄を解いた。
「・・・。」
景兼と宗厳は臨戦態勢で私の両脇で待機する。
光秀たちもいつでも飛びかかる準備をしていた。
「安心せい・・・ワシは山田殿にどうこうしようとは思わん。」
長虎はそう言うと私をじっと見つめた。
「その節はお世話になりました。」
「ワシの予想通りじゃったわ。」
「はあ?」
「おぬしと戦う予感がしていたのじゃ・・・まさか楠木正虎に敗れるとは思わなんだがな・・・」
その頃、正虎は歌姫峠の砦から都の方角を見つめていた。
「ワシをどうする?」
「しばらく大人しくしていただきたいかな・・・。」
「牢か・・・まあ一度入ってみたかったんじゃがな。ワハハハ。」
長虎はまた大声で笑いだした。
長虎が牢に入れられた後のこと。
大広間ではその堂々とした豪傑ぶりに山田家家臣団は一様に感嘆していた。
「父さん・・・三好長虎を仲間にしたいんだろ?」
岳人が聞いてくる。
「バレた?」
「やっぱりね・・・そう簡単にいくかな・・・。」
「まあな・・・。」
私はそれよりも気掛かりなことがあった。
本当に動いてくれるのだろうか・・・あの方々は。
ひとまずは木津城で岩成友通の軍を食い止めることは成功していた。
しかし大和に侵攻した主力である三好長免の軍は表立った動きを見せず、三好政康も松永弾正を使いながらまだ静観している。
そんな中、竹内峠を越えて大和南部に入った三好康長の軍が予想外の動きを見せていた。
北上せずに南下を開始したのだ。
このことが大和国に新たなる危機を生むのである。
対岸の丘陵地帯にずらりと並ぶ山田家の旗と無数の人影らしきもの。
三好家家臣池田勝正率いる四千の軍は動くに動けないまま対峙していた。
山田の兵はおよそ三千ほどと考えられる・・・
森の中にどれだけ潜んでおるのだ・・・
あの旗の数を考えると迂闊に近づけはどのような罠を仕掛けておるかわからん。
長弓寺から丘陵地帯の最高点に陣を移した本田正信。
三好軍をただ眺めている。
「なあ俊英?」
「はッ。」
鳥見俊英は正信の顔を見た。その表情から読み取れるものがある。
「時間の問題とも思われます。ずっと敵を欺き続けるのは不可能かと。」
「そうだな・・・。まあこの若君の作戦はあくまで『時間稼ぎ』であるわけだ。できる限り引きつけておかねばならぬ。」
そう・・・旗を数多く立てて兵の数を多く見せている。
丘陵地帯の森の中に見える人影の大半は案山子である。
岳人はこの展開を読んでおり、既に数か月前より案山子の準備をしていた。
いや、むしろ岳人の描いたシナリオ通りに運んでいる。
「ここはあくまで若君の描いた通りに事は運んでいる。ただ・・・この先はわからん。」
正信はつぶやくと天を仰いだ。
1567年6月13日、木津城。
「動かんな・・・。」
清興は対岸の岩成友通の軍勢を見つめていた。
「思うツボですね。」
計盛の言葉に
「岩成は良いが、あの三好長虎は厄介だな。」
清興は渡渉して木津城城下付近に陣取った三好長虎の陣に目を向ける。
城周辺の砦を慎重に攻略されていた。罠も看破された上である。
徐々に詰んでいくという感覚が籠城する側からすると恐怖でしかなかった。
しかし、三好長虎も同じであった。
「何故・・・渡渉してこぬのじゃ!!」
動かない岩成友通の軍に苛立ちを隠せなかった。
砦に仕掛けられた罠を次々と看破するも、その罠にかかったことを考えるとそれも恐怖であった。
次々に露呈される山田軍の罠が長虎の心に疑心暗鬼を生み出していた。
全てが罠に思えてしまいつつあるのだ。
そして、それは岩成友通に対しても芽生えていた。
あの男、我らを捨て駒にする気では・・・
漁夫の利か・・・。
成り上がり者め。
所詮は松永弾正と同じ穴の狢よ・・・。
その日の夜だった。
「敵襲でございます!!」
三好長虎の下に兵が駆け込んできた。
「そうか・・・。」
あらかじめ夜襲に対しては準備が整っていた。
そのはずだった。
しかしこの数日間ずっと夜襲を気にしており兵たちの疲労はピークに差し掛かっていたのだ。
しかもその夜襲は木津城からではなく・・・
「突撃だ!!」
歌姫の砦からの楠木正虎率いる五百の軍勢であった。
そしてその軍の先陣を切るのは平尾純忠である。
「狙うのは兵糧だ!!」
純忠は鉄鏈を自在に操り敵兵を次々と血祭りに上げていく。
その隙に山田忍軍の忍びたちが三好軍の陣内に突入。
あらかじめ調べておいた兵糧に火を放った。
「しまったッ・・・おのれェェ!!」
三好方の湯浅宗貞は山田忍軍の忍びたちに襲い掛かる。
そこに純忠がやってきた。
「私は山田家家臣平尾純忠。尋常に勝負!!」
「ワシは丹波国世木城城主湯浅宗貞じゃ!!」
しかし勝負は呆気なく終わった。
純忠の鉄鏈の一撃で宗貞は両肩をえぐられて絶命した。
ほぼ同時に木津城の門が開き、鷲家計盛と大宮景連率いる軍勢が攻めて出た。
「おのれ!!」
その様子を見た同じく三好方の塩見利勝は木津城からの山田軍に立ち向かう。
三好長虎は槍を振るい山田軍の兵を薙ぎ倒していた。
そこに現れたのは楠木正虎だった。
「楠木殿。まさかおぬしと戦うとは思わなかったぞ。」
三好長虎が槍を構える。
「長虎様・・・この戦に何の意味もないですぞ。」
正虎は槍を下げると長虎に言い放つ。
「・・・。」
「この戦は松永弾正久秀の私欲によるものですぞ。」
「・・・わかっておる。」
長虎も槍を下げた。
「では何故に長虎様がご出陣される?」
「父上はその松永の私欲をも利用するつもりだ。」
「なんと!!」
「この戦を利用して大和を制圧し、ついでに松永を滅ぼす。これで畿内はほぼ三好家の手中にはいるということだ。」
「長虎様はどのようにお考えになられる?」
「ワシか・・・ワシは天下など大それたことは考えられぬ。だがな三好家の男なのじゃァ!!」
長虎は槍を振りかざす。
「・・・いた仕方あるまい・・・三好長虎・・・覚悟ォ!!」
両者共に武勇に優れた武将であった。
互いの槍はためらうことなく急所を狙い、それをかわし続ける。
周囲の兵たちが思わず手を止めて息を飲んで見守る程の一騎打ち。
五十合も渡り合ったあと、その一方が落馬した・・・
「無念・・・。」
三好長虎は首を抑えながら血を吐いて倒れ伏した。
「ハァ・・・ハァ・・・」
確かに正虎の横殴りの一撃は長虎の首筋を捉えていた。
しかし、当てる寸前に力を緩めていたのだ。
「貴様・・・わざと・・・。」
「・・・三好長虎殿を捕らえよ!!」
苦々しい表情の長虎を山田軍の兵たちが捕縛した。
「おのれ・・・一旦退くぞォ!!」
塩見利勝の声と共に三好軍は西へと退却していった。
楠木正虎の夜襲は成功。見事に山田軍は勝利を収めたのだ。
「・・・凄い男だな・・・楠木正虎という男は。兵糧から狙い、動揺を誘って大将首だけを狙うという寸法か・・・」
木津城の本丸から戦況を見つめていた清興はつぶやいていた。
三好長虎の武勇は名高きもの。
しかし楠木正虎はあの楠木正成の末裔とはいうものの、松永弾正配下の一介の武将にすぎなかったはず。
あのような男が隠れていたとは・・・
木津川対岸の三好軍本陣。
「そうか・・・長虎が山田に捕まったとな・・・。」
岩成友通はニタリと笑みを浮かべていた。
これで邪魔者が一人いなくなった・・・。
同年6月18日、多聞山城。
純忠に連れられて三好長虎は大広間に現れた。
「お久しぶりですね・・・三好長虎殿。」
私は頭を下げる。
「山田大輔・・・想像以上の男だったとはな。ワハハハ!!」
長虎は縄で縛られているが、豪快に笑い声をあげる。
「純忠・・・縄を解きなさい。」
「えッ?」
「長虎殿の縄を解くの!!」
「何言ってんの?・・・って命令ですから仕方ない。」
私に言われて純忠は長虎の縄を解いた。
「・・・。」
景兼と宗厳は臨戦態勢で私の両脇で待機する。
光秀たちもいつでも飛びかかる準備をしていた。
「安心せい・・・ワシは山田殿にどうこうしようとは思わん。」
長虎はそう言うと私をじっと見つめた。
「その節はお世話になりました。」
「ワシの予想通りじゃったわ。」
「はあ?」
「おぬしと戦う予感がしていたのじゃ・・・まさか楠木正虎に敗れるとは思わなんだがな・・・」
その頃、正虎は歌姫峠の砦から都の方角を見つめていた。
「ワシをどうする?」
「しばらく大人しくしていただきたいかな・・・。」
「牢か・・・まあ一度入ってみたかったんじゃがな。ワハハハ。」
長虎はまた大声で笑いだした。
長虎が牢に入れられた後のこと。
大広間ではその堂々とした豪傑ぶりに山田家家臣団は一様に感嘆していた。
「父さん・・・三好長虎を仲間にしたいんだろ?」
岳人が聞いてくる。
「バレた?」
「やっぱりね・・・そう簡単にいくかな・・・。」
「まあな・・・。」
私はそれよりも気掛かりなことがあった。
本当に動いてくれるのだろうか・・・あの方々は。
ひとまずは木津城で岩成友通の軍を食い止めることは成功していた。
しかし大和に侵攻した主力である三好長免の軍は表立った動きを見せず、三好政康も松永弾正を使いながらまだ静観している。
そんな中、竹内峠を越えて大和南部に入った三好康長の軍が予想外の動きを見せていた。
北上せずに南下を開始したのだ。
このことが大和国に新たなる危機を生むのである。
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