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第33話:激戦!!沢城の戦い(1)
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大和の国宇陀の沢城。
高山軍は軍備を整えていた。
秋山家には既に山田忍軍の手の者が紛れ込んでおり情報は筒抜けであった。
若き当主である高山重友は沢城に立て篭もらずに打って出ることを選んだ。
高山軍は総勢五百程ではあるが様々な策を講じていた。
「重友様、お久しぶりです。」
「六兵衛さん♪」
井足城から滝谷六兵衛と二百の援軍が駆けつけてきた。
「若・・・俺に任せておけよ。」
「清興・・・ありがとう。」
檜牧から島清興率いる二百の援軍も到着した。
「汚名を返上できるように・・・」
更に吉野から小川弘栄の後を継いだ小川弘久による二百の援軍が到着。
率いるのは小川家家臣の鷲家計盛。若いながらも小川家の武を支えていると評判の剛の者である。
六兵衛と鷲家計盛の軍は沢城の前で陣を敷く。
そして貝那木山城からも急ぎで援軍が出発した。
「私にやらせてください。」
明智光秀率いる援軍の数は五百。
一馬と義成が副将として同行している。
進軍していた秋山軍。
・・・秋山の本軍以外は数合わせの烏合の衆か・・・
秋山軍に紛れ込んでいた山田忍軍の忍びである焔の陣内は様子を探っていた。
秋山直国の側にさりげなく近づくも
「おい・・・ここは雑兵が近づける場所ではないぞ!!」
一人の騎馬武者に一喝されてしまう。
「も・・・申し訳ございません!!」
陣内は頭を下げながら逃げていく。
危なかった・・・
陣内が一息ついたときだった。
「貴様・・・山田の手の者だな。」
背後から声がした。
チッ・・・バレたか!?
陣内は隊列から離れて森の中へと逃げていく。
しかし思わず立ち止まってしまった。
「・・・まさか・・・」
同じ山田忍軍の忍びが三人絶命していた。
「ここが貴様の墓場だ!!」
「させねえよ!!」
背後から襲ってきたのは幻柳斎。
その剣を鮮やかに躱す陣内。
しかし数人の忍びが現れてクナイを投げてくる。
「見えているぞ♪」
陣内はその全てを躱すと両手に鉤爪を装着した。
「俺はただの抜け忍ではない・・・元伊賀中忍の焔の陣内だ。」
陣内は笑みを浮かべた。
秋山軍は芳野川を挟んで待ち受ける高山軍と対峙した。
「わずか五百ほど・・・そして山田や島、吉野の援軍合わせても一千ほどではないか・・・。」
秋山直国は余裕の表情。
「あの男・・・いたな・・・。」
平尾純忠の視線の先には沢城前の六兵衛の軍。
「滝谷六兵衛勝政か・・・かつて赤埴との戦の際に我が方の騎馬隊から15の首級を奪っている。あれは強いぞ。ワシにやらせて貰おうか。」
黒木鉄心は二本の鉄の棒を手にした。
しかしそのとき、
「わざわざ出られなくて結構。拙者にお任せくだされ!!」
一人の男がやってきた。秋山家家臣の岩清水主税である。
ワシが秋山四天王に選ばれなかったのはこの若造のせいじゃ・・・
岩清水主税は純忠を睨む。
ウザいオッサンが来たな・・・面倒だ。
純忠は目を合わさない。
「いや・・・井足は元々は私の居城。ここは私に!!」
更にもう一人やってくる。
秋山家家臣井足正栄。元々は井足城は井足家の居城であったが、松永弾正の手によって奪われた。
その際に先陣を切って井足城を落としたのが高山友照。
高山家には因縁があるのだ。
「皆で一気呵成に攻め立てればよいじゃろう。沢城も時間の問題じゃろうて。」
秋山四天王筆頭の関戸萬斎は直国を見た。
「まずは策などいらぬ。城まで追い詰めよ。」
直国の号令で秋山軍は動き始めた。
既に高山軍によって橋を全て落とされていた。
芳野川を渡渉しなければ進めない状況である。
川へと近づいていくと木箱がたくさん並べられていた。
兵たちが木箱を手にすると木箱から黒い粉がこぼれ落ちていた。
「罠だ!!」
先陣を切っていた井足正栄が叫んだときだった。
対岸の高山軍の投石器から無数の火がついた塊が飛んでくる。
轟音と共に秋山軍の足元で大爆発が起こった。
「ギャーッ!?」「ウオォ!?」
悲鳴と轟音が入り混じる大混乱状態の秋山軍。
「火薬で罠を仕掛けるか・・・岳人さんは天才だ。」
重友はこの作戦を立案した岳人の事を思い出し感嘆する。
しかし、秋山軍は犠牲をものともせずに川を渡渉し始める。
「次!!」
重友が叫ぶと、投石器から次々と丸い物体が飛ばされる。
それは川を渡渉している秋山軍の頭上でネット状になり上から次々と覆い被さった。
「なんだ・・・くそッ!」「動けん!?」
またも混乱する秋山軍に対し高山軍の鉄砲隊が一斉射撃。
次々と秋山軍の兵が倒れていく。
しかし秋山軍は屍を乗り越えて進んでくる。
「怯むな・・・一息で蹴散らせ!!」
井足正栄の激で勢いを増してくる。
「鉄砲隊退け!!」
鉄砲隊は一目散に逃げていった。
続いて弓隊が渡渉してきたところを狙い撃ちしていく。
それでも数が多い秋山軍は突撃をかけてきた。
「我こそは秋山家家臣井足正栄なり!!」
正栄の槍で弓兵たちが突き倒されていく。
「井足殿・・・ご無沙汰だな。」
立ちはだかるのは高山家家臣神谷与五郎久高。
「神谷ァ!!」
正栄は槍を振るって久高に襲い掛かってくる。
「来い!!」
久高と正栄の一騎打ち。馬上で互いの槍が交錯する。
しかしすぐに久高の槍術の前に正栄は防戦一方となる。
「クッ!!」
正栄は馬首を返して逃げていく。
久高は追わなかったが、
「待てい!!」
高山軍の三人の騎馬武者が正栄を追いかける。
「・・・戻れ!!罠だ!」
久高が叫んだ瞬間、その三人の騎馬武者は落馬する。
喉元にそれぞれ矢が刺さっており絶命していた。
「も・・・諸木野弥三郎か・・・。」
久高はつぶやく。
「さすがじゃのう、弥三郎。」
「造作もないこと。」
直国の言葉に無表情で答える諸木野弥三郎。
大弓を手に高山軍を見つめていた。
早く来い・・・義成。
オマエが来なければ私の戦は始まらんのだ。
10年前、宇陀の諸木野城。
「弥三郎殿・・・何故じゃ・・・。」
そう言うと倒れる一人の男。肩から一刀の下に斬られていた。
「父上・・・父上ェー!!」
その亡骸にすがりついて泣きわめく子供。
「私より上などおらぬ・・・居てはならぬのだ。」
血の付いた刀を手にしたのは若き日に諸木野弥三郎。
「敵を討ちたければいつでも来い。私は逃げも隠れもせん。」
弥三郎はその子供に冷たく言い放つ。
「き・・・貴様ァー!! お・・・覚えていろ・・・。絶対に父上の敵を討ちにくるからなァ!!」
その子供は憎しみに満ちた眼で弥三郎を睨みながら叫んだ。
「おい・・・義成?」
「ああ・・・すまんな。」
貝那木山城からの援軍は香酔峠を下っていた。
「どうした?お前らしくないな・・・ボーっとするなんて。」
一馬は義成に声をかけた。
「ああ・・・少し昔のことを思い出したんだ。」
義成は作り笑いを浮かべる。
「大丈夫だと思うが、気が緩んだら終わりだ。秋山は強い。」
一馬は言う。
ああ・・大丈夫だ。むしろ気合が入りすぎて困っているぐらいだ。
諸木野弥三郎・・・やっとこの時が来たか・・・。
義成は空を見上げると拳を強く握りしめた。
その様子を見ていた明智光秀が口を開いた。
「高井殿。戦場で私情に流されてはなりませんよ。」
「はッ・・・わかりました。」
義成は頭を下げる。
この光秀(ひと)は人の心を読めるのか・・・!?
驚愕する義成だった。
再び、芳野川の戦場では、
「邪魔だァァァ!!」
岩清水主税が高山軍の兵を槍で薙ぎ倒しながら重友のところまで迫っていた。
「仕方がない・・・やるか。」
重友が刀を抜いた。
しかし、その眼前で主税は真っ二つに斬られていた。
「待たせたな・・・若♪」
「さすがだな・・・清興。」
清興が立っていた。
さあ・・・次の策だ・・・
重友は大声で叫んだ。
「全軍、城まで退け!!」
高山軍は一斉に退却していく。
秋山軍は勢いに乗って追いかけてくる。
沢城を背に再び陣を敷く高山軍。
そう・・・まだ激戦は幕を開けたばかりであった。
高山軍は軍備を整えていた。
秋山家には既に山田忍軍の手の者が紛れ込んでおり情報は筒抜けであった。
若き当主である高山重友は沢城に立て篭もらずに打って出ることを選んだ。
高山軍は総勢五百程ではあるが様々な策を講じていた。
「重友様、お久しぶりです。」
「六兵衛さん♪」
井足城から滝谷六兵衛と二百の援軍が駆けつけてきた。
「若・・・俺に任せておけよ。」
「清興・・・ありがとう。」
檜牧から島清興率いる二百の援軍も到着した。
「汚名を返上できるように・・・」
更に吉野から小川弘栄の後を継いだ小川弘久による二百の援軍が到着。
率いるのは小川家家臣の鷲家計盛。若いながらも小川家の武を支えていると評判の剛の者である。
六兵衛と鷲家計盛の軍は沢城の前で陣を敷く。
そして貝那木山城からも急ぎで援軍が出発した。
「私にやらせてください。」
明智光秀率いる援軍の数は五百。
一馬と義成が副将として同行している。
進軍していた秋山軍。
・・・秋山の本軍以外は数合わせの烏合の衆か・・・
秋山軍に紛れ込んでいた山田忍軍の忍びである焔の陣内は様子を探っていた。
秋山直国の側にさりげなく近づくも
「おい・・・ここは雑兵が近づける場所ではないぞ!!」
一人の騎馬武者に一喝されてしまう。
「も・・・申し訳ございません!!」
陣内は頭を下げながら逃げていく。
危なかった・・・
陣内が一息ついたときだった。
「貴様・・・山田の手の者だな。」
背後から声がした。
チッ・・・バレたか!?
陣内は隊列から離れて森の中へと逃げていく。
しかし思わず立ち止まってしまった。
「・・・まさか・・・」
同じ山田忍軍の忍びが三人絶命していた。
「ここが貴様の墓場だ!!」
「させねえよ!!」
背後から襲ってきたのは幻柳斎。
その剣を鮮やかに躱す陣内。
しかし数人の忍びが現れてクナイを投げてくる。
「見えているぞ♪」
陣内はその全てを躱すと両手に鉤爪を装着した。
「俺はただの抜け忍ではない・・・元伊賀中忍の焔の陣内だ。」
陣内は笑みを浮かべた。
秋山軍は芳野川を挟んで待ち受ける高山軍と対峙した。
「わずか五百ほど・・・そして山田や島、吉野の援軍合わせても一千ほどではないか・・・。」
秋山直国は余裕の表情。
「あの男・・・いたな・・・。」
平尾純忠の視線の先には沢城前の六兵衛の軍。
「滝谷六兵衛勝政か・・・かつて赤埴との戦の際に我が方の騎馬隊から15の首級を奪っている。あれは強いぞ。ワシにやらせて貰おうか。」
黒木鉄心は二本の鉄の棒を手にした。
しかしそのとき、
「わざわざ出られなくて結構。拙者にお任せくだされ!!」
一人の男がやってきた。秋山家家臣の岩清水主税である。
ワシが秋山四天王に選ばれなかったのはこの若造のせいじゃ・・・
岩清水主税は純忠を睨む。
ウザいオッサンが来たな・・・面倒だ。
純忠は目を合わさない。
「いや・・・井足は元々は私の居城。ここは私に!!」
更にもう一人やってくる。
秋山家家臣井足正栄。元々は井足城は井足家の居城であったが、松永弾正の手によって奪われた。
その際に先陣を切って井足城を落としたのが高山友照。
高山家には因縁があるのだ。
「皆で一気呵成に攻め立てればよいじゃろう。沢城も時間の問題じゃろうて。」
秋山四天王筆頭の関戸萬斎は直国を見た。
「まずは策などいらぬ。城まで追い詰めよ。」
直国の号令で秋山軍は動き始めた。
既に高山軍によって橋を全て落とされていた。
芳野川を渡渉しなければ進めない状況である。
川へと近づいていくと木箱がたくさん並べられていた。
兵たちが木箱を手にすると木箱から黒い粉がこぼれ落ちていた。
「罠だ!!」
先陣を切っていた井足正栄が叫んだときだった。
対岸の高山軍の投石器から無数の火がついた塊が飛んでくる。
轟音と共に秋山軍の足元で大爆発が起こった。
「ギャーッ!?」「ウオォ!?」
悲鳴と轟音が入り混じる大混乱状態の秋山軍。
「火薬で罠を仕掛けるか・・・岳人さんは天才だ。」
重友はこの作戦を立案した岳人の事を思い出し感嘆する。
しかし、秋山軍は犠牲をものともせずに川を渡渉し始める。
「次!!」
重友が叫ぶと、投石器から次々と丸い物体が飛ばされる。
それは川を渡渉している秋山軍の頭上でネット状になり上から次々と覆い被さった。
「なんだ・・・くそッ!」「動けん!?」
またも混乱する秋山軍に対し高山軍の鉄砲隊が一斉射撃。
次々と秋山軍の兵が倒れていく。
しかし秋山軍は屍を乗り越えて進んでくる。
「怯むな・・・一息で蹴散らせ!!」
井足正栄の激で勢いを増してくる。
「鉄砲隊退け!!」
鉄砲隊は一目散に逃げていった。
続いて弓隊が渡渉してきたところを狙い撃ちしていく。
それでも数が多い秋山軍は突撃をかけてきた。
「我こそは秋山家家臣井足正栄なり!!」
正栄の槍で弓兵たちが突き倒されていく。
「井足殿・・・ご無沙汰だな。」
立ちはだかるのは高山家家臣神谷与五郎久高。
「神谷ァ!!」
正栄は槍を振るって久高に襲い掛かってくる。
「来い!!」
久高と正栄の一騎打ち。馬上で互いの槍が交錯する。
しかしすぐに久高の槍術の前に正栄は防戦一方となる。
「クッ!!」
正栄は馬首を返して逃げていく。
久高は追わなかったが、
「待てい!!」
高山軍の三人の騎馬武者が正栄を追いかける。
「・・・戻れ!!罠だ!」
久高が叫んだ瞬間、その三人の騎馬武者は落馬する。
喉元にそれぞれ矢が刺さっており絶命していた。
「も・・・諸木野弥三郎か・・・。」
久高はつぶやく。
「さすがじゃのう、弥三郎。」
「造作もないこと。」
直国の言葉に無表情で答える諸木野弥三郎。
大弓を手に高山軍を見つめていた。
早く来い・・・義成。
オマエが来なければ私の戦は始まらんのだ。
10年前、宇陀の諸木野城。
「弥三郎殿・・・何故じゃ・・・。」
そう言うと倒れる一人の男。肩から一刀の下に斬られていた。
「父上・・・父上ェー!!」
その亡骸にすがりついて泣きわめく子供。
「私より上などおらぬ・・・居てはならぬのだ。」
血の付いた刀を手にしたのは若き日に諸木野弥三郎。
「敵を討ちたければいつでも来い。私は逃げも隠れもせん。」
弥三郎はその子供に冷たく言い放つ。
「き・・・貴様ァー!! お・・・覚えていろ・・・。絶対に父上の敵を討ちにくるからなァ!!」
その子供は憎しみに満ちた眼で弥三郎を睨みながら叫んだ。
「おい・・・義成?」
「ああ・・・すまんな。」
貝那木山城からの援軍は香酔峠を下っていた。
「どうした?お前らしくないな・・・ボーっとするなんて。」
一馬は義成に声をかけた。
「ああ・・・少し昔のことを思い出したんだ。」
義成は作り笑いを浮かべる。
「大丈夫だと思うが、気が緩んだら終わりだ。秋山は強い。」
一馬は言う。
ああ・・大丈夫だ。むしろ気合が入りすぎて困っているぐらいだ。
諸木野弥三郎・・・やっとこの時が来たか・・・。
義成は空を見上げると拳を強く握りしめた。
その様子を見ていた明智光秀が口を開いた。
「高井殿。戦場で私情に流されてはなりませんよ。」
「はッ・・・わかりました。」
義成は頭を下げる。
この光秀(ひと)は人の心を読めるのか・・・!?
驚愕する義成だった。
再び、芳野川の戦場では、
「邪魔だァァァ!!」
岩清水主税が高山軍の兵を槍で薙ぎ倒しながら重友のところまで迫っていた。
「仕方がない・・・やるか。」
重友が刀を抜いた。
しかし、その眼前で主税は真っ二つに斬られていた。
「待たせたな・・・若♪」
「さすがだな・・・清興。」
清興が立っていた。
さあ・・・次の策だ・・・
重友は大声で叫んだ。
「全軍、城まで退け!!」
高山軍は一斉に退却していく。
秋山軍は勢いに乗って追いかけてくる。
沢城を背に再び陣を敷く高山軍。
そう・・・まだ激戦は幕を開けたばかりであった。
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