216 / 238
第209話:浅井長政の告白 後編
しおりを挟む
小谷城本丸の一室。
風魔小太郎の口から告げられたことが浅井長政には理解できなかった。
「織田信長が山田大輔を討つ? なんだその世迷い事は・・・ワハハハ。」
笑いが止まらない。
織田信長と山田大輔は縁戚になったばかりだろうが。
「あの御方が動いておる。もう間もなくこの日ノ本が本格的に混沌と化す。」
「天下の風魔忍軍頭領が何を・・・」
「俺は風魔忍軍頭領だが、今は北条に表向きは与しもその心はあの御方にある。」
風魔小太郎が口にする”あの御方”が気になった長政。
「先程から口にしておるあの御方とは・・・」
言いかけた時だった。明らかにその場の空気が淀みだす。
言い表せない恐怖感、いつ命を奪われてもおかしくはない状況に陥ったことに長政は気付いた。
「あの御方・・・それはワシだ。そしてワシではないがな・・・」
まるで幽鬼の如く姿を現した妖しい身なりの男。
「我が名は果心居士。名ぐらいは聞いたことがあるだろう。」
「まやかしの男か・・・」
「何とでも言えば良いわ。ただ一つだけ理解しておくがよい。ワシはこの日ノ本に混沌をもたらす。その後で強き者がこの日ノ本をまとめるであろう・・・その強き者こそあの御方だと思えばよい。」
果心居士の言葉を前に長政は茫然となるしかなかった。
「その強き者になる資格は誰にでもあるということだ。野望を持つ者、天下泰平を望む者ならば。浅井長政・・・おぬしにもその場所に立つ資格はあるのではないか・・・?」
そう言い残すと果心居士は姿を消すのだった。
ワシにもこの乱世の表舞台に立つ資格があると・・・
長政の眼光が鋭くなった。
「信長が都で山田を討つ。それが成功しようが失敗しようが美濃の斎藤竜興が動こうとする。そこで美濃を攻めればよい。美濃攻めが成功すれば一躍表舞台に躍り出ることが出来るだろう。」
風魔小太郎の言葉に大きく頷く長政。
だが・・・その後に果心居士様との戦いが待っているということだがな・・・
そしてあの御方という存在はそれぞれに異なるということも・・・
小太郎は笑みを浮かべると姿を消す。
長政は刀を抜くと部屋の戸を一刀両断にした。
美濃を手にし・・・力を蓄えてお市をワシの手に取り戻す・・・
「フッ・・・フハハハ!!」
その笑い声は小谷城本丸に空虚に響き渡るのであった。
1568年3月、浅井長政は稲葉山城の斎藤竜興を急襲。これを降伏させる。
そのまま美濃に居座り、飛騨、尾張、伊賀をも視野に入れたはずだった。
しかしそれも儚き夢の如く、同年4月に織田信長の策に嵌り美濃を奪われてしまう。
父である浅井久政からの繋がりで越前の朝倉義景との同盟が続いており、それにより六角や山田も手は出してこないが、美濃を手中に収めた織田信長がいつ攻めてくるのか・・・
しかし・・・
「何だと・・・もう一度言うのだ。」
「ははッ。織田信長が嫡男織田信重が尾張国清洲城を奪取。信長に宣戦布告したとのことでございます。」
浅井家重臣赤尾清綱からの報告である。
訳がわからぬ・・・織田に内紛だと・・・しかも親子で・・・
だが・・・好都合ではないか。立て直しが出来るぞ。
更にその年の5月のことだった。
「殿、何やら怪しな者達がお目通りを願っております。」
という家臣たちからの報告。
「私の名はダルハン。この日ノ本に流れ着いて早や幾年月・・・是非ともこの力を浅井長政様の為に使いたい。」
ダルハンとその仲間たちの勇壮なる佇まい。
「聞くところによると朝倉の兵一千をわずか二百で全滅させたとのことですぞ。朝倉はそれを恥として隠蔽してますがな。」
赤尾清綱の言葉に長政は思わず笑みを浮かべてしまう。
このような者達が・・・ワシにはまだツキがあるということだ。
実際にダルハンたちの強さは際立っており、小谷城周辺に出没した伊賀や甲賀の忍びたちを始末していく。
更に織田から和睦の申し出である。
二つ返事で了承した長政。
このまま力を蓄えて、織田と共に都に攻め入る。
天下はさておき、お市を・・・市姫を我がモノにする。
翌1569年9月、再び風魔小太郎が小谷城へと姿を現した。
「山田が美濃攻めの準備をしておる。大将は山田岳人だ。」
「そうか・・・遅かれ早かれ山田が美濃を攻めると思ってはいたが。」
「全てはあの御方の思うがままだ。」
風魔小太郎は笑いをこらえているかのよう。
「あの果心居士の思うがまま?」
「驚くなよ。今の信長は偽者、既に織田信長はこの世にない。」
何を言っておる・・・
呆気に取られるばかりの長政を尻目に小太郎は話を続ける。
「果心居士は反魂の術を昇華させた反魂転身の術を使いこなす。自身が殺めた者、魂を奪った者の能力、容姿、記憶を奪うという恐るべき法だ。俺が果心居士に取り入ったのはその反魂転身の術を知りたかったからだ。」
「むう・・・それでオマエは?」
「血継の問題で俺には使いこなせることはできないらしい。現に果心居士の配下で同じ法を使える者はただ一人。」
そんな奇天烈な力を使える者がおるという時点で理解できぬ・・・
困惑の表情に変わる長政。
「それで果心居士は織田信長に見切りをつけて、次の魂を求めておる。」
「山田岳人か・・・」
「全てを知り尽くしているかのようなあの麒麟児の能力を得れば、果心居士の宿願が成就する。」
小太郎の言葉だが、長政には真偽を測りかねるものだった。
同年10月の美濃国決戦。
信長への援軍として小谷城を出陣した浅井長政であったが、姉川にて六角家家臣蒲生賢秀率いる軍勢に足止めを喰らう。
「なるほどな・・・このような大掛かりな茶番が待っているのか・・・」
長政は笑みを浮かべながら、姉川対岸に陣する六角軍を見つめていた。
「それでこの先は浅井家はどうするのだ?」
風魔小太郎は鋭い視線を投げかけてくる。
「かなり口惜しいが仕方あるまい・・・仕方あるまいて・・・仕方あるまい・・・」
長政にとって山田岳人の存在が許せなかった。
全てをワシから奪いおる。果心居士があの若造から魂を奪えば・・・市姫を取り戻す好機ではあるが・・・
長政のそんな苦悩する姿を小太郎はまるで嘲笑するかのように見つめていた。
山田岳人の恐ろしさ・・・浅井長政には気付くまいて・・・
岳人はくのいちのみずはを使い、果心居士配下の赤龍たちと内通していたのだ。
そう・・・この美濃国決戦自体が壮大な茶番劇。
後にそのことを知った長政は怒りに打ち震える。
「愚弄するか・・・この乱世を愚弄するか・・・山田岳人。」
それがお市を拉致するということに繋がっていく。
そこでの誤算が風魔小太郎がお市に惚れてしまったということであった。
「これ以上は何もない・・・」
勝竜寺城の大広間、浅井長政は話し終えると静かに目を閉じた。
「・・・」
家臣団一同静まり返る。
「このことは口外しないようにね・・・みんな。」
美佳はそう家臣団に促すと長政の前に座った。
「これから何を望まれます? 浅井長政殿。」
美佳の優しい声にうつむいたまま肩を震わせる長政。
「国もない・・・民もない・・・愛する者もない・・・」
「お市は生きているわ。」
「!?」
長政は美佳の言葉に思わず顔を上げた。
「風魔小太郎が命をかけて救い出したのよ・・・」
「良かった・・・良かった・・・生きていて・・・これで思い残すことは・・・」
「思い残すが本当にないのね? 浅井長政殿。」
「何を・・・?」
「それならば近江国小谷城城主として美濃国の監視役をお願いするわ。」
美佳の思いもよらぬ言葉である。
家臣団一同開いた口が塞がらない。
「美佳姫・・・いい加減にしなされい!!」
景兼は激高すると美佳に詰め寄る。
「いい加減も何も元より小谷城は浅井家のものでしょ。それにこの人は裏切らない。」
美佳はそう言うと浅井長政に微笑みかけた。
「・・・よ・・・よろしいので・・・?」
困惑する長政。
「よろしくも何もないだろう。美佳様、殿のお許しがなければ・・・」
清興も美佳に詰め寄る。
「これだから・・・親子なんだよな・・・美佳姫と殿は・・・」
六兵衛はそうつぶやくと清興と景兼の肩に手を置いた。
「ひとまずは勝竜寺城預かりで・・・」
その場の勢いで勝手に六兵衛はまとめ上げると美佳に目配せした。
「六ちゃん・・・サンキュー」
美佳は笑顔でうなずくのであった。
浅井長政は時代に翻弄されていたに過ぎなかった。
全ては山田家の介入による歴史改変、イレギュラーな明や蒙古の者達。
そして岳人の暗躍が明るみなったことで改変は更に加速していくのである。
風魔小太郎の口から告げられたことが浅井長政には理解できなかった。
「織田信長が山田大輔を討つ? なんだその世迷い事は・・・ワハハハ。」
笑いが止まらない。
織田信長と山田大輔は縁戚になったばかりだろうが。
「あの御方が動いておる。もう間もなくこの日ノ本が本格的に混沌と化す。」
「天下の風魔忍軍頭領が何を・・・」
「俺は風魔忍軍頭領だが、今は北条に表向きは与しもその心はあの御方にある。」
風魔小太郎が口にする”あの御方”が気になった長政。
「先程から口にしておるあの御方とは・・・」
言いかけた時だった。明らかにその場の空気が淀みだす。
言い表せない恐怖感、いつ命を奪われてもおかしくはない状況に陥ったことに長政は気付いた。
「あの御方・・・それはワシだ。そしてワシではないがな・・・」
まるで幽鬼の如く姿を現した妖しい身なりの男。
「我が名は果心居士。名ぐらいは聞いたことがあるだろう。」
「まやかしの男か・・・」
「何とでも言えば良いわ。ただ一つだけ理解しておくがよい。ワシはこの日ノ本に混沌をもたらす。その後で強き者がこの日ノ本をまとめるであろう・・・その強き者こそあの御方だと思えばよい。」
果心居士の言葉を前に長政は茫然となるしかなかった。
「その強き者になる資格は誰にでもあるということだ。野望を持つ者、天下泰平を望む者ならば。浅井長政・・・おぬしにもその場所に立つ資格はあるのではないか・・・?」
そう言い残すと果心居士は姿を消すのだった。
ワシにもこの乱世の表舞台に立つ資格があると・・・
長政の眼光が鋭くなった。
「信長が都で山田を討つ。それが成功しようが失敗しようが美濃の斎藤竜興が動こうとする。そこで美濃を攻めればよい。美濃攻めが成功すれば一躍表舞台に躍り出ることが出来るだろう。」
風魔小太郎の言葉に大きく頷く長政。
だが・・・その後に果心居士様との戦いが待っているということだがな・・・
そしてあの御方という存在はそれぞれに異なるということも・・・
小太郎は笑みを浮かべると姿を消す。
長政は刀を抜くと部屋の戸を一刀両断にした。
美濃を手にし・・・力を蓄えてお市をワシの手に取り戻す・・・
「フッ・・・フハハハ!!」
その笑い声は小谷城本丸に空虚に響き渡るのであった。
1568年3月、浅井長政は稲葉山城の斎藤竜興を急襲。これを降伏させる。
そのまま美濃に居座り、飛騨、尾張、伊賀をも視野に入れたはずだった。
しかしそれも儚き夢の如く、同年4月に織田信長の策に嵌り美濃を奪われてしまう。
父である浅井久政からの繋がりで越前の朝倉義景との同盟が続いており、それにより六角や山田も手は出してこないが、美濃を手中に収めた織田信長がいつ攻めてくるのか・・・
しかし・・・
「何だと・・・もう一度言うのだ。」
「ははッ。織田信長が嫡男織田信重が尾張国清洲城を奪取。信長に宣戦布告したとのことでございます。」
浅井家重臣赤尾清綱からの報告である。
訳がわからぬ・・・織田に内紛だと・・・しかも親子で・・・
だが・・・好都合ではないか。立て直しが出来るぞ。
更にその年の5月のことだった。
「殿、何やら怪しな者達がお目通りを願っております。」
という家臣たちからの報告。
「私の名はダルハン。この日ノ本に流れ着いて早や幾年月・・・是非ともこの力を浅井長政様の為に使いたい。」
ダルハンとその仲間たちの勇壮なる佇まい。
「聞くところによると朝倉の兵一千をわずか二百で全滅させたとのことですぞ。朝倉はそれを恥として隠蔽してますがな。」
赤尾清綱の言葉に長政は思わず笑みを浮かべてしまう。
このような者達が・・・ワシにはまだツキがあるということだ。
実際にダルハンたちの強さは際立っており、小谷城周辺に出没した伊賀や甲賀の忍びたちを始末していく。
更に織田から和睦の申し出である。
二つ返事で了承した長政。
このまま力を蓄えて、織田と共に都に攻め入る。
天下はさておき、お市を・・・市姫を我がモノにする。
翌1569年9月、再び風魔小太郎が小谷城へと姿を現した。
「山田が美濃攻めの準備をしておる。大将は山田岳人だ。」
「そうか・・・遅かれ早かれ山田が美濃を攻めると思ってはいたが。」
「全てはあの御方の思うがままだ。」
風魔小太郎は笑いをこらえているかのよう。
「あの果心居士の思うがまま?」
「驚くなよ。今の信長は偽者、既に織田信長はこの世にない。」
何を言っておる・・・
呆気に取られるばかりの長政を尻目に小太郎は話を続ける。
「果心居士は反魂の術を昇華させた反魂転身の術を使いこなす。自身が殺めた者、魂を奪った者の能力、容姿、記憶を奪うという恐るべき法だ。俺が果心居士に取り入ったのはその反魂転身の術を知りたかったからだ。」
「むう・・・それでオマエは?」
「血継の問題で俺には使いこなせることはできないらしい。現に果心居士の配下で同じ法を使える者はただ一人。」
そんな奇天烈な力を使える者がおるという時点で理解できぬ・・・
困惑の表情に変わる長政。
「それで果心居士は織田信長に見切りをつけて、次の魂を求めておる。」
「山田岳人か・・・」
「全てを知り尽くしているかのようなあの麒麟児の能力を得れば、果心居士の宿願が成就する。」
小太郎の言葉だが、長政には真偽を測りかねるものだった。
同年10月の美濃国決戦。
信長への援軍として小谷城を出陣した浅井長政であったが、姉川にて六角家家臣蒲生賢秀率いる軍勢に足止めを喰らう。
「なるほどな・・・このような大掛かりな茶番が待っているのか・・・」
長政は笑みを浮かべながら、姉川対岸に陣する六角軍を見つめていた。
「それでこの先は浅井家はどうするのだ?」
風魔小太郎は鋭い視線を投げかけてくる。
「かなり口惜しいが仕方あるまい・・・仕方あるまいて・・・仕方あるまい・・・」
長政にとって山田岳人の存在が許せなかった。
全てをワシから奪いおる。果心居士があの若造から魂を奪えば・・・市姫を取り戻す好機ではあるが・・・
長政のそんな苦悩する姿を小太郎はまるで嘲笑するかのように見つめていた。
山田岳人の恐ろしさ・・・浅井長政には気付くまいて・・・
岳人はくのいちのみずはを使い、果心居士配下の赤龍たちと内通していたのだ。
そう・・・この美濃国決戦自体が壮大な茶番劇。
後にそのことを知った長政は怒りに打ち震える。
「愚弄するか・・・この乱世を愚弄するか・・・山田岳人。」
それがお市を拉致するということに繋がっていく。
そこでの誤算が風魔小太郎がお市に惚れてしまったということであった。
「これ以上は何もない・・・」
勝竜寺城の大広間、浅井長政は話し終えると静かに目を閉じた。
「・・・」
家臣団一同静まり返る。
「このことは口外しないようにね・・・みんな。」
美佳はそう家臣団に促すと長政の前に座った。
「これから何を望まれます? 浅井長政殿。」
美佳の優しい声にうつむいたまま肩を震わせる長政。
「国もない・・・民もない・・・愛する者もない・・・」
「お市は生きているわ。」
「!?」
長政は美佳の言葉に思わず顔を上げた。
「風魔小太郎が命をかけて救い出したのよ・・・」
「良かった・・・良かった・・・生きていて・・・これで思い残すことは・・・」
「思い残すが本当にないのね? 浅井長政殿。」
「何を・・・?」
「それならば近江国小谷城城主として美濃国の監視役をお願いするわ。」
美佳の思いもよらぬ言葉である。
家臣団一同開いた口が塞がらない。
「美佳姫・・・いい加減にしなされい!!」
景兼は激高すると美佳に詰め寄る。
「いい加減も何も元より小谷城は浅井家のものでしょ。それにこの人は裏切らない。」
美佳はそう言うと浅井長政に微笑みかけた。
「・・・よ・・・よろしいので・・・?」
困惑する長政。
「よろしくも何もないだろう。美佳様、殿のお許しがなければ・・・」
清興も美佳に詰め寄る。
「これだから・・・親子なんだよな・・・美佳姫と殿は・・・」
六兵衛はそうつぶやくと清興と景兼の肩に手を置いた。
「ひとまずは勝竜寺城預かりで・・・」
その場の勢いで勝手に六兵衛はまとめ上げると美佳に目配せした。
「六ちゃん・・・サンキュー」
美佳は笑顔でうなずくのであった。
浅井長政は時代に翻弄されていたに過ぎなかった。
全ては山田家の介入による歴史改変、イレギュラーな明や蒙古の者達。
そして岳人の暗躍が明るみなったことで改変は更に加速していくのである。
0
お気に入りに追加
482
あなたにおすすめの小説
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
僕の家族は母様と母様の子供の弟妹達と使い魔達だけだよ?
闇夜の現し人(ヤミヨノウツシビト)
ファンタジー
ー 母さんは、「絶世の美女」と呼ばれるほど美しく、国の中で最も権力の強い貴族と呼ばれる公爵様の寵姫だった。
しかし、それをよく思わない正妻やその親戚たちに毒を盛られてしまった。
幸い発熱だけですんだがお腹に子が出来てしまった以上ここにいては危険だと判断し、仲の良かった侍女数名に「ここを離れる」と言い残し公爵家を後にした。
お母さん大好きっ子な主人公は、毒を盛られるという失態をおかした父親や毒を盛った親戚たちを嫌悪するがお母さんが日々、「家族で暮らしたい」と話していたため、ある出来事をきっかけに一緒に暮らし始めた。
しかし、自分が家族だと認めた者がいれば初めて見た者は跪くと言われる程の華の顔(カンバセ)を綻ばせ笑うが、家族がいなければ心底どうでもいいというような表情をしていて、人形の方がまだ表情があると言われていた。
『無能で無価値の稚拙な愚父共が僕の家族を名乗る資格なんて無いんだよ?』
さぁ、ここに超絶チートを持つ自分が認めた家族以外の生き物全てを嫌う主人公の物語が始まる。
〈念の為〉
稚拙→ちせつ
愚父→ぐふ
⚠︎注意⚠︎
不定期更新です。作者の妄想をつぎ込んだ作品です。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
私はいけにえ
七辻ゆゆ
ファンタジー
「ねえ姉さん、どうせ生贄になって死ぬのに、どうしてご飯なんて食べるの? そんな良いものを食べたってどうせ無駄じゃない。ねえ、どうして食べてるの?」
ねっとりと息苦しくなるような声で妹が言う。
私はそうして、一緒に泣いてくれた妹がもう存在しないことを知ったのだ。
****リハビリに書いたのですがダークすぎる感じになってしまって、暗いのが好きな方いらっしゃったらどうぞ。
【完結】父が再婚。義母には連れ子がいて一つ下の妹になるそうですが……ちょうだい癖のある義妹に寮生活は無理なのでは?
つくも茄子
ファンタジー
父が再婚をしました。お相手は男爵夫人。
平民の我が家でいいのですか?
疑問に思うものの、よくよく聞けば、相手も再婚で、娘が一人いるとのこと。
義妹はそれは美しい少女でした。義母に似たのでしょう。父も実娘をそっちのけで義妹にメロメロです。ですが、この新しい義妹には悪癖があるようで、人の物を欲しがるのです。「お義姉様、ちょうだい!」が口癖。あまりに煩いので快く渡しています。何故かって?もうすぐ、学園での寮生活に入るからです。少しの間だけ我慢すれば済むこと。
学園では煩い家族がいない分、のびのびと過ごせていたのですが、義妹が入学してきました。
必ずしも入学しなければならない、というわけではありません。
勉強嫌いの義妹。
この学園は成績順だということを知らないのでは?思った通り、最下位クラスにいってしまった義妹。
両親に駄々をこねているようです。
私のところにも手紙を送ってくるのですから、相当です。
しかも、寮やクラスで揉め事を起こしては顰蹙を買っています。入学早々に学園中の女子を敵にまわしたのです!やりたい放題の義妹に、とうとう、ある処置を施され・・・。
なろう、カクヨム、にも公開中。
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
ああ、もういらないのね
志位斗 茂家波
ファンタジー
……ある国で起きた、婚約破棄。
それは重要性を理解していなかったがゆえに起きた悲劇の始まりでもあった。
だけど、もうその事を理解しても遅い…‥‥
たまにやりたくなる短編。興味があればぜひどうぞ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる