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第5話:骨まで愛してくれるのは結構です
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タマツクリの塔3階にて・・・
「ウオォォン!!」
俺の青銅の剣の前に戦士が倒れた。
そう、俺はタマツクリの塔にいる。
カスミ湖のほとりに立つ7階建ての塔だ。
この塔には風のマントなる宝物があるらしいので冒険者たちがよく訪れるのだ。
平均してLV10ほどのヤツらがよく訪れる。
おかげで俺もスケルトンLV18までレベルが上がった。
ただ・・・勇者候補とは戦ってはいない。
塔の中を彷徨っていると色々なモンスターと出会う。
そして大体が顔なじみになったりもする。
そんな中で最も会いたくないのが1匹いる。
「オイ、ユウキ!! ショバ代だせや!!」
サイクロプスのアビコだ。
人間だった頃から村一番の暴れん坊で手がつけられなかった。
鶏小屋の鶏の卵の中にアヒルの卵を混ぜたり・・・
よく他人の家に侵入してはスープに大量の片栗粉を投入したり・・・
最低な奴だ・・・全部あんかけになっちまうじゃねえか。
俺も小さい頃、よく大事なおもちゃを取り上げられては泣いていたもんだ。
ガンタンクのプラモを取り上げられてやっと返してもらえたと思ったら特捜機兵ドルバックのタルカスのプラモになっていたり・・・。
「都に行ってデケー男になって帰ってくる。」
と言ってアビコが村を出たあの日から今回のモンスタ-の襲来まで村は平穏になっていた。
それなのに・・・
まさか本当にデカい男になって帰ってくるとは・・・。
しかも一つ目の巨人になって帰ってくるとはスケールデカすぎ!!
そんなサイクロプスLV22のアビコがタマツクリの塔のボスみたいなポジションになっていた。
いつも俺が冒険者たちから回収したアイテムを徴収していく。
そんなある日のことだった。
塔の中を徘徊していると
「グゲッ!!」「ギャパン!!」
なんかモンスタ-たちの断末魔が響き渡っているんですけど。
「大変だ!! 戦士LV38が現れたぞ!!」
下っ端魔法使いのメイジが逃げてきた。
「ギャッ!!」
そして俺の目の前で真っ二つになった。
「みぃ~つけた♪」
巨大な戦斧を持った女戦士が立っていた。
筋肉ムキムキで目が血走っている・・・怖いです。
あ・・・ダメだ・・・確実に詰んだよ。
俺は剣と盾を置いて座り込む。
「会いたかったわ・・・ユウキくん♥」
その女戦士は抱きついてきた。
「ギャ-!!」
俺は悲鳴を上げた。
骨まで粉々に砕けるような馬鹿力だ。
青銅の鎧が砕けたんですけど・・・。
「骨になってもアタイはわかるのよ♥」
どちら様ですか?
あの・・・骨にヒビが入ってきたんですが・・・
「覚えてないの? ニイザよ・・・覚えてないの。」
思い出した・・・ニイザか・・・。
俺をストーキングした結果、夜這いをかけようとして村の衛兵に捕縛されたニイザさんですね?
俺の会いたくないランキング2位なんですけど。
そのとき俺とニイザの背後にアビコが現れた。
巨大な棍棒で不意打ちをけようとしている。
「・・・邪魔すんなァァァ!! 雑魚が!!」
ニイザは振り返りざま飛び上がって戦斧を一閃・・・
「ほげッ!?」
アビコの首が飛んで行ったんですけど・・・
一撃でアビコを仕留めてしまった。
「さあ・・・骨まで愛してア・ゲ・ル♥」
ニイザは戦斧を置くと鎧を脱ぎだす。
あの・・・俺・・・骨なんで何もできないんっスけど。
「やっとやっと・・・ハアハア・・・♥」
やめてください~。
「この前、死にかけたアナタを助けたのアタイなのよ♪」
助けてくれたのは嬉しいですけど・・・ああ~~。
「骨になってもアタイには見えるの♥ ユウキくんの全てがね・・・」
怖い~!!! ああ~身体が粉砕されかけているんですけど~。
こうして悪夢のような時間が過ぎていくのだった。
「ウオォォン!!」
俺の青銅の剣の前に戦士が倒れた。
そう、俺はタマツクリの塔にいる。
カスミ湖のほとりに立つ7階建ての塔だ。
この塔には風のマントなる宝物があるらしいので冒険者たちがよく訪れるのだ。
平均してLV10ほどのヤツらがよく訪れる。
おかげで俺もスケルトンLV18までレベルが上がった。
ただ・・・勇者候補とは戦ってはいない。
塔の中を彷徨っていると色々なモンスターと出会う。
そして大体が顔なじみになったりもする。
そんな中で最も会いたくないのが1匹いる。
「オイ、ユウキ!! ショバ代だせや!!」
サイクロプスのアビコだ。
人間だった頃から村一番の暴れん坊で手がつけられなかった。
鶏小屋の鶏の卵の中にアヒルの卵を混ぜたり・・・
よく他人の家に侵入してはスープに大量の片栗粉を投入したり・・・
最低な奴だ・・・全部あんかけになっちまうじゃねえか。
俺も小さい頃、よく大事なおもちゃを取り上げられては泣いていたもんだ。
ガンタンクのプラモを取り上げられてやっと返してもらえたと思ったら特捜機兵ドルバックのタルカスのプラモになっていたり・・・。
「都に行ってデケー男になって帰ってくる。」
と言ってアビコが村を出たあの日から今回のモンスタ-の襲来まで村は平穏になっていた。
それなのに・・・
まさか本当にデカい男になって帰ってくるとは・・・。
しかも一つ目の巨人になって帰ってくるとはスケールデカすぎ!!
そんなサイクロプスLV22のアビコがタマツクリの塔のボスみたいなポジションになっていた。
いつも俺が冒険者たちから回収したアイテムを徴収していく。
そんなある日のことだった。
塔の中を徘徊していると
「グゲッ!!」「ギャパン!!」
なんかモンスタ-たちの断末魔が響き渡っているんですけど。
「大変だ!! 戦士LV38が現れたぞ!!」
下っ端魔法使いのメイジが逃げてきた。
「ギャッ!!」
そして俺の目の前で真っ二つになった。
「みぃ~つけた♪」
巨大な戦斧を持った女戦士が立っていた。
筋肉ムキムキで目が血走っている・・・怖いです。
あ・・・ダメだ・・・確実に詰んだよ。
俺は剣と盾を置いて座り込む。
「会いたかったわ・・・ユウキくん♥」
その女戦士は抱きついてきた。
「ギャ-!!」
俺は悲鳴を上げた。
骨まで粉々に砕けるような馬鹿力だ。
青銅の鎧が砕けたんですけど・・・。
「骨になってもアタイはわかるのよ♥」
どちら様ですか?
あの・・・骨にヒビが入ってきたんですが・・・
「覚えてないの? ニイザよ・・・覚えてないの。」
思い出した・・・ニイザか・・・。
俺をストーキングした結果、夜這いをかけようとして村の衛兵に捕縛されたニイザさんですね?
俺の会いたくないランキング2位なんですけど。
そのとき俺とニイザの背後にアビコが現れた。
巨大な棍棒で不意打ちをけようとしている。
「・・・邪魔すんなァァァ!! 雑魚が!!」
ニイザは振り返りざま飛び上がって戦斧を一閃・・・
「ほげッ!?」
アビコの首が飛んで行ったんですけど・・・
一撃でアビコを仕留めてしまった。
「さあ・・・骨まで愛してア・ゲ・ル♥」
ニイザは戦斧を置くと鎧を脱ぎだす。
あの・・・俺・・・骨なんで何もできないんっスけど。
「やっとやっと・・・ハアハア・・・♥」
やめてください~。
「この前、死にかけたアナタを助けたのアタイなのよ♪」
助けてくれたのは嬉しいですけど・・・ああ~~。
「骨になってもアタイには見えるの♥ ユウキくんの全てがね・・・」
怖い~!!! ああ~身体が粉砕されかけているんですけど~。
こうして悪夢のような時間が過ぎていくのだった。
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