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双剣のクレム
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館の中庭で夜の中、高灯台の灯りの元で俺とクレムは激しい攻防を繰り広げていた。
「なかなかやるな!」
クレムが嬉しそうに笑いながら、双剣を振るっていた。
彼は両手にファルシオンを手にし、その双剣で俺に斬りかかってくる。
俺は、その攻撃を防ぎながら距離を取っていた。
「お前もな!」
俺も長剣を使って応戦していた。
クレムは傭兵時代、双剣のクレムとして異名を轟かせていた。
奴と俺は剣戟を何度も繰り返し、お互いを牽制し合っていた。
俺が剣を振りかざして、クレムに飛び掛かって斬りかかると彼はバックステップで後ろに飛び退いて躱していた。
「ハハッ! 見え見えだ!」
彼は楽しそうに笑いながら俺を挑発してきた。
「そうかい!」
俺は、そのまま前に踏み込んで突きを放った。
彼は突きをファルシオンで受け止めるのではなく横に受け流したのである。
「何!?」
俺は、思わぬ動きに困惑していると、クレムは右手のファルシオンを横薙ぎに斬りかかってきた。
それを間一髪で躱すが、体勢が崩されてしまった。
その隙を彼は見逃さず、左手のファルシオンも横に振ってきたのである。
2つの剣が俺の喉元に向かってくる。
咄嗟に俺は、体を捻って避けるが右肩を切られてしまった。
「ぐっ!」
切られた肩からは、血が流れ出ていたが傷は浅かった。
俺は右手で傷口を押さえながら、後ろに下がって距離を取った。
(強い……)
確かに、傭兵時代は奴との模擬戦に勝てたことは余りなかった。
しかし、今の奴は力だけでなくスピードも上がっている。
このままでは、いつかやられてしまうと思ったのだ。
俺が右肩を押さえているとクレムが声を掛けてきた。
「どうした? もう終わりか?」
ニヤッと笑みを浮かべている。
「まだまだ!」
今度は俺から仕掛けていきクレムに向かって行った。
「うおぉぉ!!」
叫びながら、剣で斬りかかる。
彼は、それを両手のファルシオンでクロスに受け止め、俺の剣との鍔迫り合いになった。
「やるな!」
クレムは楽しそうに笑いながら、力を加えて押し返してきた。
俺も負けじと力を入れて対抗する。
そのまま、お互いが一歩も譲らず膠着状態が続いていたが、俺の力が上回り奴の懐に入る事が出来たのである。
「ぐおぉぉ!!」
俺は雄叫びをあげながら剣を押し続けた。
「うおっ!」
クレムは何とか抵抗したのだが、勢いを止められず弾き飛ばされた。
俺は、素早くそのまま剣を振り下ろした。
「ぐはっ!!」
クレムは、俺の攻撃を完全に躱す事が出来ずに左胸から右胸にかけて斬られていた。
「あっ!! 兄さん!」
近くで見守っていたアレシアが声を上げた。
それでも彼は倒れず、胸の傷を触りながらこちらを見ていた。
傷から出血はあるが、思ったほどダメージは少ないようだ。
「お前は強くなったな……。俺もアンドレアから与えられた力を使わせて貰う」
そう言うと、彼はゆっくりと深呼吸をして目を閉じた。
すると、クレムの体から光のようなものが出ていた。
そして、その光は彼の傷口に吸い込まれていったのだ。
それと同時に彼の傷が塞がっていたのである。
(何が起こっているんだ!?)
俺は驚いたが、すぐに気持ちを切り替えて剣を構え直した。
「これで、本気を出せるな。お前も魔女から、どんな力を貰った?」
クレムが笑いながら言うと、額から角が生えていたのである。
まるで、その角は幻獣のユニコーンを彷彿させる姿であった。
「……」
俺はクレムの問いに無言でいた。本当は、ランシーヌからどんな力を貰ったのか知らないからだ。
無言でいるとクレムは笑みを浮かべながら話し掛けてきた。
「まあいいさ! もう、俺達には言葉は要らないだろう?」
そう言うと、クレムは先程と同じように双剣で斬りかかってきた。
先程よりも早く、そして更に鋭くなっている。
(流石に、本気を出すと違うな……)
俺も剣を構えて応戦していたが、クレムは両手の剣を器用に使って攻撃してくるので防戦一方になっていたのだ。
このままでは、いずれ体力が尽きてやられてしまうだろう。
「くそっ!」
俺は、クレムの攻撃を避けながら悪態をついた。
「ほら! ほら! どうした? もう終わりか?」
彼は高速の双剣で攻撃してくるが、俺は何とか剣で受けていた。
しかし、全て防げず段々と切り傷が増えてきていたのである。
一方、クレムを見ると、余裕な表情を浮かべていた。
俺は、その余裕そうな表情が癪に障っていた。
(くそっ!)
俺は、心の中で毒づいていた。
このままでは不味いと分かっているが、打開策が見つからないでいたのだ。
考え事をしている間にも、奴の高速の剣技が襲い掛かり、体に次々と傷が増えていく。
(どうする……)
俺が焦っているとクレムが話し掛けてきた。
「そろそろ終わらせるぞ……」
そして、次の瞬間には目にも止まらぬスピードで俺に斬りかかってきたのだ。
その斬撃を何とか剣で受け止めようと思ったが、右手のファルシオンで俺の剣を受け、左手のファルシオンで首を薙ぎ払おうとしていた。
「くっ!」
俺は、咄嗟に体を仰け反らせて躱そうとしていたが僅かに遅かったようだ。
クレムの左のファルシオンが、俺の首を刎ねようとしていた。
(しまった!)
そう思った瞬間、俺の首が胴体から飛んで行った。
一瞬、宙に浮いた感覚があったが、そのまま地面に落ちて転がって行った。
「ラドリック!!」
アレシアが叫んでいる声が聞こえていた。
俺は、首の無くなった自分の体を見ていたのだ。
そして、クレムは勝利したと思い、興奮が冷めやらない状態で油断していた。
その時、首のない俺の体が反転して無防備になったクレムの首を剣で刎ねようとしていた。
「馬鹿な!?」
クレムは、不意を突かれ躱せないと悟り悔しさで叫んでいた。
次の瞬間、俺の剣がクレムの首を刎ね飛ばしていた。
切り離された頭はそのまま地面に落下し、首の無くなったクレムの体は地面に倒れたのである。
「なかなかやるな!」
クレムが嬉しそうに笑いながら、双剣を振るっていた。
彼は両手にファルシオンを手にし、その双剣で俺に斬りかかってくる。
俺は、その攻撃を防ぎながら距離を取っていた。
「お前もな!」
俺も長剣を使って応戦していた。
クレムは傭兵時代、双剣のクレムとして異名を轟かせていた。
奴と俺は剣戟を何度も繰り返し、お互いを牽制し合っていた。
俺が剣を振りかざして、クレムに飛び掛かって斬りかかると彼はバックステップで後ろに飛び退いて躱していた。
「ハハッ! 見え見えだ!」
彼は楽しそうに笑いながら俺を挑発してきた。
「そうかい!」
俺は、そのまま前に踏み込んで突きを放った。
彼は突きをファルシオンで受け止めるのではなく横に受け流したのである。
「何!?」
俺は、思わぬ動きに困惑していると、クレムは右手のファルシオンを横薙ぎに斬りかかってきた。
それを間一髪で躱すが、体勢が崩されてしまった。
その隙を彼は見逃さず、左手のファルシオンも横に振ってきたのである。
2つの剣が俺の喉元に向かってくる。
咄嗟に俺は、体を捻って避けるが右肩を切られてしまった。
「ぐっ!」
切られた肩からは、血が流れ出ていたが傷は浅かった。
俺は右手で傷口を押さえながら、後ろに下がって距離を取った。
(強い……)
確かに、傭兵時代は奴との模擬戦に勝てたことは余りなかった。
しかし、今の奴は力だけでなくスピードも上がっている。
このままでは、いつかやられてしまうと思ったのだ。
俺が右肩を押さえているとクレムが声を掛けてきた。
「どうした? もう終わりか?」
ニヤッと笑みを浮かべている。
「まだまだ!」
今度は俺から仕掛けていきクレムに向かって行った。
「うおぉぉ!!」
叫びながら、剣で斬りかかる。
彼は、それを両手のファルシオンでクロスに受け止め、俺の剣との鍔迫り合いになった。
「やるな!」
クレムは楽しそうに笑いながら、力を加えて押し返してきた。
俺も負けじと力を入れて対抗する。
そのまま、お互いが一歩も譲らず膠着状態が続いていたが、俺の力が上回り奴の懐に入る事が出来たのである。
「ぐおぉぉ!!」
俺は雄叫びをあげながら剣を押し続けた。
「うおっ!」
クレムは何とか抵抗したのだが、勢いを止められず弾き飛ばされた。
俺は、素早くそのまま剣を振り下ろした。
「ぐはっ!!」
クレムは、俺の攻撃を完全に躱す事が出来ずに左胸から右胸にかけて斬られていた。
「あっ!! 兄さん!」
近くで見守っていたアレシアが声を上げた。
それでも彼は倒れず、胸の傷を触りながらこちらを見ていた。
傷から出血はあるが、思ったほどダメージは少ないようだ。
「お前は強くなったな……。俺もアンドレアから与えられた力を使わせて貰う」
そう言うと、彼はゆっくりと深呼吸をして目を閉じた。
すると、クレムの体から光のようなものが出ていた。
そして、その光は彼の傷口に吸い込まれていったのだ。
それと同時に彼の傷が塞がっていたのである。
(何が起こっているんだ!?)
俺は驚いたが、すぐに気持ちを切り替えて剣を構え直した。
「これで、本気を出せるな。お前も魔女から、どんな力を貰った?」
クレムが笑いながら言うと、額から角が生えていたのである。
まるで、その角は幻獣のユニコーンを彷彿させる姿であった。
「……」
俺はクレムの問いに無言でいた。本当は、ランシーヌからどんな力を貰ったのか知らないからだ。
無言でいるとクレムは笑みを浮かべながら話し掛けてきた。
「まあいいさ! もう、俺達には言葉は要らないだろう?」
そう言うと、クレムは先程と同じように双剣で斬りかかってきた。
先程よりも早く、そして更に鋭くなっている。
(流石に、本気を出すと違うな……)
俺も剣を構えて応戦していたが、クレムは両手の剣を器用に使って攻撃してくるので防戦一方になっていたのだ。
このままでは、いずれ体力が尽きてやられてしまうだろう。
「くそっ!」
俺は、クレムの攻撃を避けながら悪態をついた。
「ほら! ほら! どうした? もう終わりか?」
彼は高速の双剣で攻撃してくるが、俺は何とか剣で受けていた。
しかし、全て防げず段々と切り傷が増えてきていたのである。
一方、クレムを見ると、余裕な表情を浮かべていた。
俺は、その余裕そうな表情が癪に障っていた。
(くそっ!)
俺は、心の中で毒づいていた。
このままでは不味いと分かっているが、打開策が見つからないでいたのだ。
考え事をしている間にも、奴の高速の剣技が襲い掛かり、体に次々と傷が増えていく。
(どうする……)
俺が焦っているとクレムが話し掛けてきた。
「そろそろ終わらせるぞ……」
そして、次の瞬間には目にも止まらぬスピードで俺に斬りかかってきたのだ。
その斬撃を何とか剣で受け止めようと思ったが、右手のファルシオンで俺の剣を受け、左手のファルシオンで首を薙ぎ払おうとしていた。
「くっ!」
俺は、咄嗟に体を仰け反らせて躱そうとしていたが僅かに遅かったようだ。
クレムの左のファルシオンが、俺の首を刎ねようとしていた。
(しまった!)
そう思った瞬間、俺の首が胴体から飛んで行った。
一瞬、宙に浮いた感覚があったが、そのまま地面に落ちて転がって行った。
「ラドリック!!」
アレシアが叫んでいる声が聞こえていた。
俺は、首の無くなった自分の体を見ていたのだ。
そして、クレムは勝利したと思い、興奮が冷めやらない状態で油断していた。
その時、首のない俺の体が反転して無防備になったクレムの首を剣で刎ねようとしていた。
「馬鹿な!?」
クレムは、不意を突かれ躱せないと悟り悔しさで叫んでいた。
次の瞬間、俺の剣がクレムの首を刎ね飛ばしていた。
切り離された頭はそのまま地面に落下し、首の無くなったクレムの体は地面に倒れたのである。
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